ハイスクールD×D ゴースト×デビルマン HAMELN大戦番外地   作:赤土

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過ぎたけれどバレンタインネタで。
時系列は一応セージが身体を取り戻した(=デビルマン編突入後)ですが
バレンタインです。つまり「気にするな!」


If. 製菓会社に踊らされて

肌寒かったり、やけに暖かい日が不定期にやって来る冬。

身体を壊しそうだが、辛うじて無事だ。

 

そんな2月のある日、着々と復興を遂げているここ駒王学園も

バレンタインという、製菓会社がでっち上げたイベントで盛り上がっていた。

 

……いや、起源は製菓会社のでっち上げじゃないんだが、何故だか日本ではこうなっている。

日本の宗教に寛容なところは美点だと思うが、行き過ぎた商業主義はあまり好きになれない。

その結果が自分らの神様や伝統を貶めているんじゃないかと思えてならない。

 

……まぁ、当の天照様とか全然気にして無さそうではあるけれど。

 

「セージ君、ちょっと匿って!」

 

「はぁ? 何だよ祐斗いきなり……って勝手に話を進めるな!」

 

駆け込んでくるなり、ロッカーに逃げ込む祐斗。

匿えったって、俺にいったい何をしろと。っつーか、何から逃げてるんだか。

 

……などと思っていたら、松田や元浜と言ったいつものグループがこっちに走ってくる。

おい、廊下は走るな。小学生でも常識として把握してるだろうが。

 

ふと見ると、松田と元浜以外にも何人かの男子生徒がいるのが見える。

これは……ははーん、なるほどな。

 

「おいセージ! 木場の奴見なかったか!?」

 

「や、見てないぞ?」

 

隠れている場所を喋っても良かったが、そこまで意地悪なつもりもない。

約束通り祐斗の事をはぐらかしつつ、何が起きているのかを松田に聞いてみた。

 

「つか、そんな団体でどうしたんだよ。それからもう一つ、廊下は走るな」

 

「風紀委員かよお前は……いや、今日バレンタインだろ?

 そこで、木場の奴を前もってボッコボコに……」

 

意味が分からない。なんでバレンタインで木場をボコボコにしなきゃならないんだ。

まあ、僻みだろうとは思うが、木場をボコしたってお前らチョコもらえないと思うが。

木場はチョコをドロップするレアモンスターか何かか。

そういうのはフィクションのゲームだけにしてくれ。ゲームもいつぞやの事件で、風当たり強くなっちまったが。

 

「まぁ仕方ない、チョコを山ほど貰うようなイケメンは俺らの敵だ!

 見つけ次第、ぶっ飛ばすぞ!」

 

「「「「おーっ!!」」」」

 

そんなんだからモテないんだって、前に松田と元浜には言った気がするが……

流石にくどくどいうのも面倒なので、この場では黙っておくことにした。

呆れながら男子生徒共を見送った後、祐斗をロッカーから引きずり出す。

 

「災難だったな」

 

「ほんと、困るよこの時期は……食べきれないほどのチョコは来るし

 彼らからは襲撃されるしさ……悪魔の力で抵抗するわけにもいかないだろう?」

 

当たり前だ。やるとは思ってないが、そんなことをした日には縁は切らないまでもぶっ飛ばす。

だが、平穏を過ごせないのには素直に同情する。そういう意味もあって、俺は祐斗を匿ったのだ。

 

「ところで、さも彼らの味方みたいなふりしてたけど、セージ君だって……」

 

「無いぞ」

 

「えっ?」

 

「無い」

 

そう。俺は前もってチョコお断りと言っておいたのだ。

いや、甘味が嫌いなわけじゃない。寧ろ好物だ。高級洋菓子店のケーキで釣られる程度には好きだ。

態々チョコを作るなり買うなりして寄越すエネルギーがあるんなら、そのエネルギーを他所に回せ、と。

そうでなくとも、チョコレートはまだ意外と貴重品だ。

疲労回復の他に子供の機嫌取りとかにも重宝している、俺が独占するわけにもいくまい。

一人でも多くの人に、チョコレートは回したい。

 

「……去年が平和だったから、つい忘れてたよ……」

 

「いや、気にするな。あくまでも俺の持論だし、それに返礼考えるのとか面倒だ。

 気持ちの贈り物にしてもな。寧ろこれが一番厄介だ。何と答えたらいいかわからん」

 

「それ、絶対くれた人の前で言っちゃだめだよ」

 

俺もそう思う。けれど思う分には勝手だろう?

そんな俺に祐斗はため息をついている。悪かったな。

 

「……君も存外……あ、でもそう言えば白音さんとか黒歌さんとかは?」

 

「彼女ら猫の妖怪だぞ? チョコは禁物だろうが。

 買ったもんを俺に一方的に寄越すとかならともかく」

 

「じゃあ、あの幽霊楽団の……」

 

「彼女らは物理的干渉が出来ないからプレゼントを報酬として俺が貰ってた形だぞ。

 そんな彼女らが食べ物をプレゼントするって出来ないだろ」

 

「じゃ、じゃあジャーナリストの……」

 

「自分が寄越すよりも、貰っているところを写真に撮りたい、とさ。

 で、自分が渡したら捏造になるからダメだって」

 

「……君の憧れの……」

 

「それ言ったら今ここで前を見えなくした上であいつらのところに連行するぞ」

 

祐斗が知り、かつ俺と親しい異性についてはこんな感じだ。

俺がチョコを貰っていないというのは、事実だ。

因みにアーシアさんとゼノヴィアさんだが、そもそもチョコをプレゼントするという

習慣そのものを知らなかったらしく、バオクゥと同じ理由で無い。

 

「ごめん、最後は失言だった」

 

「そうだな、じゃあ仕返しに聞くぞ。

 

 ……お前、本命は貰ったか?」

 

俺の言葉に、祐斗は言葉を詰まらせた。

こいつに本命がいるかどうか、俺はそこまで知らないし興味もない。

だが、言葉に詰まるという事は……

 

「……お互い、深く考えるのはやめないかい?」

 

「だな。

 ……やれやれ、チョコレート位普通に食べたいもんだ」

 

バレンタインデー。

日本ではこの時期が近くなると、俺みたいなシングルの男がチョコレートを買う事すら憚られる。

当然、ほぼ自分で食う用のチョコなのだが、それでも何か白い目で見られている気がしてならないのだ。

意識しすぎかもしれないが、せっかくのチョコがまずく感じてしまう。

 

世間では非モテ軍団が何か言っているようだが、俺はこの観点から物申したい。

 

――チョコレート位、普通に、平和に食べさせてくれ――

 

と。




デビルマン編突入後のネタを取り扱った事でタイトル変更してます。
仮題なので変更の可能性はありますが。

>猫姉妹
原作でチョコも普通に食ってる気がしますし某赤猫妖怪はチョコ好きにされてますが

「 猫 に チ ョ コ は 厳 禁 」です。

そもそも人間と猫とで体の構造も消化できるものも違うんですから
人間の食べ物与えていい理由は無いんですよ。
彼女ら妖怪なのでスルー出来るとは思いますが、やはり猫という事で。

繰り返しますが

「 猫 に チ ョ コ は 厳 禁 」です!

まあ、作中触れている通り「自分は食わずに買ったものを寄越す、或いは毒見をせずに渡す」ならワンチャンあるかもしれませんが。

>虹川姉妹
最初期に「幽霊だから食べ物食べられない」のでセージがフルーツを報酬として受け取ってます。
そんな彼女らだからチョコを買うも作るもできないでしょうと言う事で。

>バオクゥ
元ネタ的に「貰ってる所を写真に撮ろうとした」ので
自分が渡してそれを撮ったら一歩間違えたら捏造記事。
それはアウトだったのでしょう。元ネタの子は別件できちんと渡してますが。

>最後の人
本編ネタバレなので触れられませんが、セージの言動的に触れてほしくなかったとだけ。
これは木場も怒られても仕方ない。

>木場の本命
原作には一応いるらしいですが、彼も人間関係原作と変化してますので……
特に聖剣計画時代の関わりとか。
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