ハイスクールD×D ゴースト×デビルマン HAMELN大戦番外地 作:赤土
そんな感じの連獄編第三話。
駒王町。
着々と復興しつつあり、通常ではあり得ない速さでの復興から
「また悪魔が絡んでいるのではないか」と噂されていたが
その実情は超特捜課の新型重機「七四式外装装着型小型戦車」
――通称クローズスコーピオン・パワードによるものであり超科学的とはいえ
一応人間の力によるものである。
救助活動には超特捜課課員・
「生きたいという欲望」の臭いがそのままレーダーの役割を果たしており
そこにクローズスコーピオン・パワードの装備による瓦礫の除去が加わる形となっている。
さらにそこにはアーシア・アルジェントも参加していた。
勿論、瓦礫を除去して助け出された人を神器「
治療するための同行である。
「はっ、まさか俺の神器がこういう所で役に立つとはな」
「でも凄いですよ安玖さん! こう言うのを『痒い所に手が届く』って言うんですよね?」
「俺の手は孫の手かっつーの。俺の神器はな、欲望に敏感なだけだ。
瓦礫に埋もれちまった奴らが生きたいって言うのも欲望だ。
俺はそいつを利用してるに過ぎないんだよ」
「それでも今日も多くの人を助け出すことが出来ました!
安玖さんに神器を授けてくださった主に感謝いた……いたたた」
悪ぶりながらアイスを食べている安玖。それでも人々を助け出せた事を素直に喜ぶアーシア。
喜びを表現するあまり、神に祈ってしまい頭痛に苛まれるのは
安玖がアイスを食べるのと同じくらいいつもの事であるが。
「……バカが。聞いてるぞ、お前が悪魔だってことくらい。
お前みたいなお人よしはお人よしって言うよりも、バカって言う方がお似合いだ」
「……自分でもそう思います。でも、自分で決めた事ですから」
それでも自分のスタンスを曲げないアーシアに、安玖も毒気を抜かれたのか
「勝手に言ってろ」と返す事しか出来ないのだった。
「さ、もうひと頑張り行きましょう、安玖さん!」
「俺に指図すんな……ったく。手当は出るって言っても
コイツを使うと俺も素寒貧になるのがな。俺も他人の事は言えねぇな」
欲望掴む右手の欠点、それは使うたびに所有者の財産が失われるという欠点。
便利なのは間違いないのだが、ノーリスクでは使えない。
欲望を司ると言う事はそう言う事なのだろう。
悪態をつきながら、安玖は救助活動に参加していた。
――――
アーシアが救助活動に参加している一方、オカルト研究部では
塔城小猫――白音の契約解除の儀式が行われようとしていた。
イッセーの再契約が完了するまで契約解除は待つ、という約束が交わされていたため
再契約が行われた現在、こうして白音の契約解除が行われることとなったのだ。
尤も、主であるリアス・グレモリーは全く乗り気でないのだが。
「……大損ね、私は」
「約束は約束だ。ぶつくさ言って無いでさっさとしてくれないか、グレモリー先輩」
白音の契約解除に立ち会った宮本成二。
現在では彼が――というより彼の母親が白音の、そして彼女の姉である黒歌を迎え入れた事により
セージにとって白音は家族同然の存在となっていたのだ。
その為、今回の契約解除にも白音側の希望もあって立ち会っている。
リアスが大損と言った理由。それはイッセーが逮捕されたことによる。
かねてから問題行動の多かったイッセーであったが、つい先日人間である
天野夕麻を殺害したことで、現行犯逮捕され現在は警視庁に拘留されているのだ。
そのため、イッセーはリアスの手を離れた状態になっており
その上白音まで自分の手を離れると言う事からリアスは大損と言っていたのだ。
魔法陣の上に白音を寝かせ、呪文を唱えるリアス。
すると
白音の身体から、悪魔の駒は消え去ったのだ。
「……これで終わったわ。イッセーの時と同じ要領だけど、うまく行くものね。
正直に言えば、失敗してほしかったけれど……」
「そうなったら、大日如来様か天照様のところに駆け込むさ。忘れたとは言わさんぞ。
もう悪魔の駒による支配は、
悪魔の駒による強引な悪魔への転生は、かねてから他神話勢力において問題視されていた。
そして神仏同盟はそれに異を唱える形で、悪魔の駒の摘出手術の技術を確立させたのだ。
その根幹となる情報こそ、悪魔社会から流出したものであるが
技術として確立させたのは神仏同盟が初であり、ギリシャが追従する形となっている。
「……私には理解できないわ。どうして悪魔としての生をそこまで拒絶するの?」
「そりゃ一生理解できないだろう。理解したければ人間について勉強し直すんだな。
あと白音さんや黒歌さんについてなら
とどのつまり、棲む世界が違うのさ」
自分は人間に対して好意的だと思っていたリアスだったが
現実はセージにこれでもかと言う位に拒絶されている。
無理もない。人間を悪魔にしようとしたのだから。それは人間に対して好意的とは言えない。
「猫魈はどちらかと言えば私達に近い方じゃなくて?」
「……一緒にしないでください。猫魈にも猫魈としての誇りがあります。
悪魔が悪いとかそういうお話の前に、一緒にされたくありません」
「あらあら、随分と嫌われてますわねぇ」
リアス側に付き添っていた姫島朱乃から気の抜けたような
それでいてどこか棘を含んだような、そんな声がかけられる。
リアスが不安定になっている昨今、今まで以上に女王としての役割を果たすことが多くなり
結果として悪魔としての思想に傾倒している節が見受けられる。
「……好きとか嫌いとかじゃないです」
「まぁいいわ。これだけは言っておくわ、セージ。
小猫を……白音をよろしく頼むわよ」
「言われなくてもそのつもりだけどな」
儀式の影響か、少々ふらついている白音を背負いながらセージはオカ研の部室を後にする。
その様子を、リアスは複雑な心境で見送っていた。
「朱乃、この部室も広くなったわね……」
「イッセー君は逮捕、アーシアちゃんは警察のお手伝い。
祐斗君も最近は部活に顔を出さないことが多いし、ギャスパー君は相変わらず……
アーシアちゃんとギャスパー君以外は、彼のせいによるものが大きいかもしれませんわね」
「……セージね。私が欲しかったのはイッセー……赤龍帝だから
あっちは殺せばよかったかもしれないと、今更ながらに思うわ……」
「あらあら。情愛のグレモリーらしからぬ言葉ですわよ」
「茶化さないでよ、朱乃」
二人きりになってしまった旧校舎の部室に、二人の話声だけが響いていた。
そんな時である。魔法陣から通信が入ったのは。
送り主はサーゼクス・ルシファー。リアスの兄であり四大魔王の一人である。
『やあ。調子は……ってあまりよさそうじゃないね』
「一体何用でございますか、魔王様?」
『これはプライベートだからお兄様でも構わないのだけど……っとそれはさておき。
イッセー君だが、やはり釈放は難しいと言う事らしい。
腕利きの弁護士だった転生悪魔がいると言う事で協力を仰いでみたんだが
却下されてしまってね……私、魔王なんだけど……』
おちゃらけながらも、言葉からサーゼクスが気落ちしている様子が伺える。
そんなサーゼクスを宥めるかのように、朱乃が会話に参加する。
「あらあら。魔王様の命令に背くなんて、セージ君はもう人間だからわからなくも無いですけど
転生悪魔でそんなことをする輩がいるなんて、驚きですわ」
『命令じゃ無いからね。あまり命令をすると怪しまれるからね。
そうでなくとも最近は私達に対する風当たりが何やら強いみたいでね。
あまり、リーアたん達の手伝いを今までみたいに出来なくなるかもしれない……
と言う事は覚えておいてくれ』
「大丈夫ですわ。眷属は失いましたけれど、私は紅髪の
魔王様の手を煩わすことなど、させませんわ」
『頼もしいなリーアたん、その意気で頑張っておくれ!
イッセー君については、引き続き我々の方から何とかしてみるから心配しないでくれ』
妹であるリアスにエールを贈り、そのまま魔法陣を介した通信は途切れてしまった。
彼の性格上、部室にやって来てもおかしくは無いのだがそれが行われない辺り
魔王に対する監視も日増しに強くなってきている証左と言えるだろう。
「……ああは言ったけれど、お兄様も心配ね。
全く、どこの誰なのかしら。魔王様に楯突こうなんて考えている輩は」
「……心当たりがありますわ。イェッツト・トイフェル……
コカビエルと戦った時に現れた、あの特殊部隊ならあり得ますわ」
「そんな!? 彼らは魔王様直属の特殊部隊よ!
そんな彼らが魔王様に牙を剥くなんて……」
朱乃の言葉に、リアスは耳を疑う。
イェッツト・トイフェル。現代の悪魔と称される彼らは魔王直属部隊でありながら
四大魔王の意向に完全に従っているわけではないどころか、真逆に近い思想を持っているのだ。
彼らの戦い方は、武力だけで現在の地位を手に入れた四大魔王とは異なり
世論を味方に付けるやり口を好んでいる。
それ故、四大魔王に対する風当たりが強くなっていたのだ。
サーゼクスがお忍びでオカ研の部室にやってこないのも、それが原因だ。
(冥界でクーデター……まるで旧魔王派じゃない!
一体全体人間界で、冥界で何が起ころうとしているのよ……!)
リアスが幼き日を過ごした冥界と、今の冥界は明らかに違っている。
その違いを今更ながらに認識しながらも、リアスは何もできずにいた。
籠の中の鳥は外に飛び出しても、翼をもがれてしまったのだろうか。
リアスの運命もまた、本来あるべき所から大きく狂いだしていたのだ……
……だが、その「本来」を知るものが一体誰であるのか。
その「運命」は、這い寄る混沌に手繰り寄せられているかのようであった……
平成ジェネレーションFINALのアンクがあまりにも「泣けるで!」だったので
急遽こちらの安玖さんにも再登場願いました。
最近影薄かったからね。
アーシアが映司っぽくなってしまったのは気のせい……だと思いたい。
今回本編の設定資料編見て無いと分からない部分がいくつかありますが
そこは「本編もよろしく!」と言う事で一つ。
>セージ
この「課外授業のプルガトリオ」では取り上げられることもありますが
基本的には端役のつもりしてます。
じゃあ主役は? 声と元ネタを考えるとサーゼクスっぽいけど
あれは主役って柄じゃないし……
まぁ、覇龍騒動~セージが実体を取り戻した直後の情勢を描いている物語ですので。
本格参戦は学級崩壊のデビルマンまでお待ちください。
なお連れて行かなかったことを前話で柳課長に愚痴られている始末。
>リアス
いやね、原作でもありえたかもしれないIfだけどちょっと意地悪が過ぎるかな、と。
セージの神器は当時その性質上全く使い物にならなかったから
即座にポイしててもおかしくなさげなのが。
二天龍の片割れ・回復持ち・堕天使ハーフ・猫・時間停止・魔剣使い・聖剣使い・ヴァルキリー
能力だけで選んでる(風に見える)奴のどこが「情愛の悪魔」なのか
小一時間問い詰めたくなります。あちこちで言われてる事なんですけどね。
なのでセージは最序盤無茶苦茶雑魚設定でした。今は見る影もありませんが。
>弁護士紹介の件
レイヴェル配下のスーパー弁護士を頼ろうとして失敗。
交渉に出たのがサーゼクス以外だったらまだよかったかもしれないけれど
サーゼクスが交渉に出向いてしまったので大失敗。
それ以前に冥界の弁護士が今回の件に役に立てるかと言われると……