ハイスクールD×D ゴースト×デビルマン HAMELN大戦番外地   作:赤土

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このところネタはともかく体調管理が杜撰気味です……

ジオウ
あれ? 檀黎斗(王)こんなにアレな奴だったっけ?
あいや、悪いって意味じゃなく……
檀黎斗→新檀黎斗→檀黎斗神→檀黎斗→檀黎斗II→檀黎斗王←今ここ
個人的にはIIのあたりで何かあった気がしないでもない
そんな自分は未だマイティノベル未チェック。

……深く考えたら馬に蹴っ飛ばされそうですけどね(ジオウ的な意味で)


Case10. 世界樹が告げる凶報

〈ソイヤッ!〉

 

〈メロンアームズ! 天・下・御・免!〉

 

沢芽(ざわめ)市・ユグドラシルタワー前。

 

タワー上空に突如現れたクロスゲートから、インベスとアインストが現れる。

二つの異なる人類の外敵を前に、ユグドラシル・コーポレーション開発主任である

呉島貴虎(くれしまたかとら)は、ユグドラシルが開発した戦極(せんごく)ドライバーとロックシードを使い

アーマードライダー・斬月(ざんげつ)へと変身したのだ。

 

「トルーパー隊は社員と周辺住民の避難を急がせろ!

 光実(みつざね)はハールバルズ様とロスヴァイセさんの保護にあたるんだ!」

 

ユグドラシルが抱える私設軍隊、アーマードライダー・黒影(くろかげ)で武装した

黒影トルーパー隊と、弟である光実に指示を出しながら、斬月へと変身した貴虎は

インベスとアインストの軍団へと切り込んでいく。

 

メロンの切り身をあしらった片手盾・メロンディフェンダーを構えながらインベスの爪や

アインスト――アインストクノッヘンの爪の攻撃をいなしながら

左腰に下げた刀――無双セイバーが斬月と切り結んだインベスやアインストを斬り捨てていった。

その様子を、オーディンは感心した様子で見守っている。

 

(ふむ。あの鎧、完全に白兵戦に特化しておるようじゃな。

 となると……飛び道具持ちの相手には、不利になるやもしれんのう。

 ロスヴァイセ、いつでも出られるようにしておけ)

 

(畏まりました。相手がインベスやアインストとなれば

 我々が戦わない理由がありませんからね。

 一つ問題があるとすれば、神仏同盟にこの件をどう説明すれば……)

 

斬月や黒影トルーパー隊は神仏同盟が認知しているかどうかはともかくとして

日本国で生み出された兵装であり、人材である。日本国でその威力が行使されることは

非常時であることを差し引いても、何らおかしなことではない。

 

だが、北欧出身のオーディンやロスヴァイセとなれば話は別だ。

当たり前であるが、沢芽市は日本国に位置しており、表向きは日本政府。

裏の側では日本神話と強いて言うなれば仏教――即ち、神仏同盟の庇護下にある。

 

そんな沢芽市で、北欧の神話体系に連なる者がその力を行使したとなればどうなるか。

勿論今回の場合は正当な理由があるのだが、そうでなかった場合や

最悪、言いがかりをつけられて不当な処遇を受けてしまう事もあり得る。

それもあって、本来ならば率先して戦うべきヴァルキリーたるロスヴァイセも

その力を発揮できずにいたのだ。

先日のように、人(?)命救助のために適切な人材がおらず、止む無く力を行使したわけではない。

善きサマリア人の法ではないが、戦える人材――

この場合は斬月や黒影トルーパー隊――がいる以上

下手に日本国外に籍を置くロスヴァイセが関与するのは内政干渉にもなりかねないのだ。

 

そんなロスヴァイセの懸念をよそに先ほどから斬月はその得物――

無双セイバー――の名に相応しい無双っぷりを披露している。

 

(骨のアインストは確かクノッヘンタイプと呼ばれていたな。

 一撃の威力は初級インベスとそう変わらない程度か。メロンディフェンダーで十分凌げるな。

 触手の方はグリートタイプ。ビームはこれもメロンディフェンダーで防げるが……

 一度撃たれると触手も合わさって距離が詰めにくいな。幸い連射は出来ないようだから

 隙をついて懐に飛び込めば、対処出来んことも無いか。

 

 ……問題は、インベスもアインストも際限なく沸いてくると言う点か)

 

戦況分析をしつつ、貴虎はインベスやアインストの数を確実に減らしていた……はずだった。

しかし、クロスゲートからはインベスやアインストの増援が現れている。

インベスが現れることでドラゴンアップル――ヘルヘイムの実が繁殖し

ユグドラシルタワー前を異界化させようとしている。

そんなヘルヘイムの実は黒影トルーパー隊が火炎放射器で焼却処分しており

今のところ果実の摂取による二次災害には至っていない。

 

「……おい、主任押されてないか?」

 

「バカ! 俺達は俺達のやる事をしっかりやるんだ! 主任は大丈夫だ!

 なんたって呉島主任なんだからな!」

 

際限なく現れるインベス・アインスト連合軍を前に孤軍奮闘する斬月を目の当たりにして

ヘルヘイムの実の焼却処分を行っている黒影トルーパー隊の一部から弱音が漏れるが

隊長らしき人物から檄が飛ぶ。

そんな黒影トルーパー隊の声援を知ってか知らずか、増援に一度は押された斬月だったが

すぐに巻き返し、再び戦場は斬月の独壇場に戻ったのだった。

 

――次なる増援、かつての堕天使の騎士・アインストリッターが現れるまでは。

 

――――

 

ユグドラシルタワー内部・地下研究室。

 

ユグドラシル専務取締役・呉島天樹(あまぎ)、ユグドラシルお抱えの若き天才発明家・戦極凌馬(せんごくりょうま)

そして珠閒瑠(すまる)市出身の国会議員・須丸清蔵(すまるせいぞう)といった重役に加え

冥界の四大魔王の一人アジュカ・ベルゼブブまでもが滞在している

クラックと呼ばれる次元の裂け目の存在する研究室。

ここで、彼らはさっきまで会談を行っていた。

 

「……ふむ。タワー上空にクロスゲートが、ね。

 そしてさっきまでいた侵入者、か。

 湊君、悪いけどそっちは――」

 

「構わんよ。情報が公開されたところでもみ消す位は造作もない。

 気にする事は無いし、寧ろ泳がせておいて、大々的に宣伝してもらうのもいいかもしれんな」

 

戦極凌馬の秘書・湊耀子(みなとようこ)の侵入者の報告に対し凌馬は手を打とうとするが

それを清蔵が制止する。実際、彼の権力ならばユグドラシルと言う会社にとっての

悪評を握りつぶす事くらいは造作もない事である。彼は政財界・警察・防衛省と

国を動かす多彩な場所にパイプを繋いでいるのだ。

勿論、ユグドラシルそのものの隠蔽工作の精度も侮れない。

 

「そうだな。『ユグドラシルが贈る、未知への体験。新作ゲーム、近日発表』

 とでも銘打っておけばマスコミが嗅ぎつけてくるかもしれんな。

 俗物にはちょうどいい餌だと思うがね」

 

呉島天樹。彼の信条は「ノブレス・オブリージュ」なのだが

それは「自身とその一族が頂点に立ち、他者を管理する」と言うゆがんだ形でのそれであった。

確かに「高貴なる者には高貴なる責任が伴う」と言う言葉は

そう解釈できないことも無いのだが。

 

「……畏まりました。では、我々は後処理の方に回ります」

 

侵入者を報告したが、一切意に介さない上層部。

耀子はその態度に不安を覚えるものの、彼女の権限を超えている以上何も言う事は出来ない。

彼女に出来るのは、タワー周辺に大量発生したインベスとアインスト、それに対する対応――

 

――と言うよりは、隠蔽工作などの後処理が彼女の主な役割になっているのだが。

 

彼女も貴虎に匹敵するほどに腕はあるのだが、命令系統が違う。

開発主任であり、自ら率先してインベスなどの脅威に立ち向かう貴虎に対し

耀子は原則的に凌馬の秘書でありボディガードも兼任している。

その為、基本的には凌馬の指示以上の事はしないのだ。

結果的に取り逃がしてしまったロスヴァイセに関しても、凌馬からの追撃命令がない限り

自発的に追撃する事は無いし、それに今はそれどころではない。

重役たちに一礼した後、耀子は部屋を後にする。

 

「……さて。プロフェッサー、直ちに空間偽装装置を作動させたまえ」

 

耀子が去った後、天樹の指示で空間偽装装置――平たく言えば光学迷彩が展開される。

通常はユグドラシルタワー上部に設置されている武装を視認できなくするためのものであるが

今回は上空のクロスゲートに対して使用された。

尤も、クロスゲートそのものを偽装することは出来なかったため

タワー上空の空を偽装すると言う強引なやり方で一般市民からタワー上空のクロスゲートを

視認できなくするのが精いっぱいの様子ではあるが。

 

「流石だね、凌馬。冥界ではこんなのは魔法でちょちょいのちょいだけど

 人間もここまで出来るとは俺もちょっと読みが甘かったかな?」

 

「ハッハッハ、冗談は程々にしてくれよアジュカ?

 このタワーの設計を誰がやったと思っているんだい?

 まぁ、私としても上空のアレは予想外ではあるが……

 なぁに、私のドライバーが完成すればインベスはおろか、アインストもクロスゲートも

 制御することができるようになるさ。そのための発明なのだからね」

 

自信満々に答える凌馬に、アジュカは首を傾げた。

確かに凌馬の開発した戦極ドライバーのポテンシャルは高いものがあるが

それはロックシードありきの性能による部分も少なくない。

それにロックシードで補ったとしても、クロスゲートと言う三大勢力や神仏同盟でさえも

解析に骨を折っているものが、幾ら天才とは言え人間である凌馬に出来るはずがない。

そうアジュカは考えていたのだ。

 

「凌馬、言っては何だが戦極ドライバーでクロスゲートやアインストに対処するのは……」

 

「フッフッフ、それは見通しが甘いと言うものだよアジュカ。

 戦極ドライバーなんて私にしてみれば試作品もいい所だ。すぐに次世代のドライバー……

 名付けて『ゲネシスドライバー』が陽の目を見ることになると思うよ。

 それに対応したロックシードの完成についても、ほぼ目処が立っているからね」

 

――そう、そのためにも貴虎や光実君、それに天道連(ティエンタオレン)の連中には

  私のドライバーをどんどん使って貰わないとね……

 

外では大変なことになっていると言うのに、凌馬は無邪気な笑顔を浮かべていた。

その心の内には、無邪気と言う言葉では済まされないものを抱えながら。

 

「……さて、貴虎の様子はどうかな……っと。

 インベスはともかく、アインストが相手となると戦極ドライバー……

 メロンロックシードじゃ相性の悪い相手もいるだろうからね」

 

「友達思いなのだな、凌馬は。

 それとも、アインストとアーマードライダーの戦闘データが欲しいだけなのか?」

 

アジュカの指摘に対しても、凌馬は悪びれることなく笑い飛ばす。後者と言う意味だ。

そう、凌馬にとって貴虎は確かに友人なのかもしれないが

凌馬にとっての友情は、世間一般でいう所の友情とは違うのかもしれない。

そもそも、彼は天才であり世間一般とものの感性が異なっていても何ら不思議ではない。

それは、指摘したアジュカにも言える事なのだが。

 

(……それにしても、天樹専務も須丸先生もアインスト、クロスゲートが上空にあると言うのに

 全く動じないな。ま、それ位肝が据わっててもらわないと俺が提案を振ったところで

 肝心なところで足を引っ張ってくれるかもしれないしな)

 

アジュカもまた、自身が展開しようとしているゲームの事を最優先で考えていた。

目の前にはインベス、アインスト、そしてクロスゲートと言う

未曽有の危機があるにもかかわらず。

 

――――

 

ユグドラシルタワー前。

斬月とインベス・アインスト連合軍の攻防は相変わらず一進一退の様相を呈していた。

だが、その力の均衡が崩されようとしていた。空からの砲撃によって。

 

(上空からの攻撃だと!? インベスに空を飛ぶ個体は稀だったが

 アインストはその限りでは無かったな……クッ!)

 

上空から飛来した蝙蝠の翼を持った灰色の鎧騎士のようなアインスト――アインストリッター。

彼らの得物であるシュペーアカノーネから放たれたビームや弾丸が、斬月を狙い撃ってきたのだ。

メロンディフェンダーで攻撃を防ぎながら、アインストリッターに対し反撃を試みるが

斬月に搭載された飛び道具は無双セイバーの鍔に試製拳銃付軍刀よろしく仕込まれた

ムソウマズルからの銃撃しかない。しかも、それも装弾数が少ないために多用が出来ない。

それ以前に、貴虎は銃の扱いがあまり得意ではない。

勿論、斬月として多用している刀と比較しての話ではあるが。

 

(……旗色が悪くなって来たのう。ロスヴァイセよ)

 

オーディンの命に従い、ロスヴァイセが前に躍り出ようとするが

貴虎の弟である光実がそれを制止する。

 

「光実君!?」

 

「客人に戦わせては、兄さんに……主任に怒られますから。

 僕だって、兄さんほどでは無いですがアーマードライダーとしての経験はあるんですよ

 

 ――変身!」

 

光実もまた、貴虎同様戦極ドライバーを装着しブドウの意匠が象られたロックシードを解錠する。

 

〈ブドウ〉

 

〈ロック・オン!〉

 

ブドウロックシードを手にしながら構えを取り

その動きでロックシードを戦極ドライバーにセットする。

鳴り響くのは法螺貝ではなく二胡と銅鑼の音色。しかし後の流れは斬月の時と同様

カッティングブレードを倒しロックシードを開く。貴虎――斬月はメロンを装着したが

彼の場合は持っていたロックシード同様、空からブドウが降ってくる。勿論、装着するために。

 

〈ブドウアームズ! 龍・砲! ハッハッハッ!〉

 

「って、今度はブドウだか!?」

 

(……先ほども思ったが、随分と独創的じゃな。一度開発者の顔を見てみたいものじゃが)

 

斬月とは対照的に、光実の身体を包んだ黒とのライドウェアの上をブドウの鎧が覆い

右手にはブドウの房が描かれた銃――ブドウ龍砲が握られている。

 

「この姿はアーマードライダー・龍玄(りゅうげん)

 お二人は下がっていてください。空の敵は僕が引き受けます!」

 

〈ブドウスカッシュ!〉

 

力強く宣言した後、龍玄は再びカッティングブレードを一回倒し

チャージしたブドウ龍砲をアインストリッターに向け連射する。

地上からの増援の攻撃に、アインストリッターは対処が遅れ

そのまま撃墜されてしまった。

 

「光実か! ならば空の敵はお前に任せる!」

 

斬月の言葉に頷き返す龍玄。アインストリッターが動きを止めたところに

襲撃を仕掛けようとしていた新たに現れた赤いアインスト――アインストアイゼンは

攻撃の相方であるアインストリッターが斃されたことで

斬月の思わぬ反撃を受けることとなり、攻撃が完全に失敗した形になった。

 

〈メロンスカッシュ!〉

 

斬月もまたカッティングブレードを一回倒し、無双セイバーにエネルギーを集める。

エネルギーを纏った無双セイバーで固まっていたインベスとアインストを同時に薙ぎ払う。

 

「よし、これでこちらの流れに持って来れ……ん?」

 

「――敵群捕捉、全主砲……薙ぎ払え!」

 

龍玄の参戦により、戦況は一気に斬月・龍玄側へと傾く。

そこに追い打ちをかけるかのように、残ったインベスやアインストの群れに砲撃が加えられる。

龍玄のブドウ龍砲によるものではなく、戦艦の砲撃と言った方が正しいだろう。

それを受けた事で、残っていたインベスやアインストは跡形もなく粉砕されることとなった。

砲撃が飛んできた方角を見ると、そこには艤装を纏った天照大神が両手で番傘を差しながら

陸地すれすれを浮くような形で立っていた。

 

「天照か、久しいの。やはり……『アレ』で動いたのかの?」

 

「お久しぶりです、オーディン様。ええ、そのつもりで伺ったのですが……」

 

クロスゲートと言う単語で、状況を思い出したのか一同は空を見上げる。

しかし、ユグドラシルタワー上空には何も変わらぬ青空が浮かぶだけであった。

勿論、空間偽装装置によるものであるため天照やオーディンにはお見通しなのであるが。

今の空の状態に納得した様子を見せ、天照は斬月と龍玄を一瞥し声をかける。

天照の発するオーラに、思わず片膝立ちになってしまう斬月と

それを見て慌てて斬月と同じ姿勢を取る龍玄。

 

「面を上げてください。あなた方はこの地を守るべく奮戦した方です。

 私はこの国の主神を務めさせていただいている天照大神です。

 呉島の兄弟ですね。先程の戦いぶり、お見事でした。

 これから先、あのような怪異がますます増えることになると思いますが、我々日本神話……

 いえ、神仏同盟としましても対処させていただく所存です。

 あなた方の今後の働きにも、期待させていただきます」

 

「……はっ」

 

天照がどこまでユグドラシルの事を知っているかは定かではないが

斬月と龍玄に対しては、先ほどの戦いから好意的な目を向けていた。

 

「……ふむ。ここにお主が来てくれたのは却って好都合じゃな。

 天照よ、早速で悪いのじゃが近々我ら北欧と正式に会談を行っては貰えぬか?

 勿論、仏教の同席は認める。わしらとしては、ヘルヘイムの実……

 いや、ドラゴンアップルの果実に関する新たな事が判明したからの」

 

「それについては、先ほどそちらのロキ様からも同様の申し出がありました。

 クロスゲートについて教えていただきたい、との事でしたが……

 

 一つ、いえ二つ大きな問題が起こりました。」

 

天照の次に発した言葉に、一同は――特にオーディンとロスヴァイセは

大きな衝撃を受けたのだった。その内容は、ロキが自らが属する神話体系のトップである

オーディンを差し置いて他神話体系のトップたる天照と対話を試みたことなど

些末な事でしか無かった。

 

「一つは、世界各地にクロスゲートが確認された事。これは冥界にも確認されました。

 サーゼクス様やアザゼル様からの証言もあります。もう一つは……

 

 ……天界との連絡が、途絶した事です」

 

三大勢力の一翼を担う天界との連絡の途絶。

その事実を前に、オーディンは驚愕しロスヴァイセは得た情報をオーディンに伝えるのも忘れ

斬月と龍玄はその仮面の下で呆気にとられていたのだった。

 

――――

 

ユグドラシルタワー・地下研究室。

 

斬月や龍玄、途中参戦した天照によってアインストとインベスの群れは駆逐され

上空のクロスゲートも空間偽装装置によって肉眼で視認する事は出来なくなっている。

元々3Dスキャンにも映らないクロスゲートであり、現代のレーダー技術で

それを確認することは不可能であるため、クロスゲートの確認には

目視と言う原始的な方法を取らざるを得ないのが実情であった。

その為、予想以上に空間偽装装置によるクロスゲートの隠蔽は

少なくとも一般市民に対しては有効に働いていた。

そんな中、アジュカの下に連絡が入る。

 

「俺だ……ああ、何だそんな事か。実際、彼らで倒せるだろう?

 ならば俺らがやる事は何も無い。魔王は魔王らしくどっしり構えていればいいのさ。

 ……民衆が煩い? 全く、最近の民衆は要らない知恵をつけて来たな。

 あのマスゴミ、やはり始末しておくべきだったか……

 ああ、いずれにせよ一度話し合う必要はあるか。

 わかった、こっちも吉報があるからそれを土産に帰るとするよ」

 

通話を終えたアジュカに、清蔵が声をかける。

 

「……サーゼクス君からかね?」

 

「ええ、ちょっと急用が入ってしまったのでお呼び立てして申し訳ありませんが

 今日のところはこれにて失礼させていただきます」

 

「構わんよ。魔王と言うのも忙しいものだろう?

 それは上に立つ者として当然の責務だ。そちらでも、頑張ってくれたまえ」

 

天樹の声援を受け、三人に一礼し魔法陣で研究室を去ろうとするアジュカを

清蔵が再び呼び止めた。

 

「ああ、アジュカ君。サーゼクス君に伝えてくれたまえ。

 彼の身元引受人……と言うか、後見人も用意させてもらった。

 名前は……布袋芙(ほていふ)ナイア、と言ったな。きっとかの少年も気に入ると思うよ」

 

「ありがとうございます、では」

 

アジュカが魔法陣で去った後、研究室には静寂が戻る。

それぞれ、己の責務を果たそうと帰路につこうとしていたのだ。

 

「さて。では私も失礼させていただこうかな。

 彼の話したゲームの件、私も楽しみにさせてもらうよ。

 まぁ最も、この歳ではゲームに興じるのもしんどいものがあるがね」

 

清蔵が立ち去ろうとすると、外から待機していた黒影トルーパー隊が現れる。

「外までお送りします」と言わんばかりの姿勢に、清蔵達は頷きエスコートに従う。

 

 

ユグドラシルタワーの上空は澄み切った青空に見える。

しかし、それはまやかしの青空であり実際にはそこには暗雲が立ち込め

さらにその中には地獄門が口を開いているのであった――




ようやく沢芽編も終わりが見えてきました。
と言うか、実質終わりみたいなもんですけど。

>龍玄
言い当てた方正解です。
鎧武やバロンが現時点で登場フラグが立ってないので
出せるライダーは出しておきたいと欲をかいてしまったのが実情ですが。
戦術的にも飛び道具が根本的に弱い斬月のサポートに
飛び道具の強い龍玄は間違って無い筈なんですよね。
お陰でロスヴァイセの出番が無くなりましたが。

>クロスゲート
クロスゲートバーストは起きてませんが(でもラマリスは一度発生した、不思議!)
全世界に顕現と言うある意味本家以上にヤベーイ事態発生。
これにより鎖国による封鎖が意味を為さなくなりました。
それでも魔王は平常運転。原作魔王ならちったぁ仕事するかもしれませんけど。

>清蔵が紹介したかの少年の後見人
名前で嫌な予感がした方は正解……だと思います。
拙作の黒幕枠で、かつ「アイツ」が食いつきそうな餌となれば……ねぇ?
魔を断つ剣は……シャルモンのオッサンの伝手がそこまであるかどうか。
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