ハイスクールD×D ゴースト×デビルマン HAMELN大戦番外地 作:赤土
やはり限度はあると思います。その辺はご容赦を。
なるべく現実に即したものにするつもりではありますが。
……この手の原作だとそれって禁じ手って気がすっごいするんですけどね。
駒王警察署。
駒王町方面を担当している超特捜課の拠点であり
駒王町の最たる拠点として機能している建造物。
昨今はテロ活動やアインスト等の怪異による被害も沈静化しつつあるものの
帰宅困難者は今も少なくない。それ故に、未だ警察署の敷地内は避難場所として機能していた。
それと同時に、警察署としての機能は維持しており
情勢と相俟って生活安全課や地域課はもとより、警備課はめまぐるしく動いていた。
その駒王警察署に、一人の女性が向かっていた。
パンツルックのスーツ姿に、眼鏡をかけた豊満で妖艶な雰囲気の女性。
女性は駒王警察署の入口前に来ると、携えていたバッグの中に仕舞われていた書類に目を通す。
そこには、兵藤一誠の経歴などが書かれていた。
一誠はその所持している神器と人格面の危険性から
対怪異の戦力の充実している駒王警察署に留置されていた。
そして今やって来た女性は一誠との面会のため、駒王警察署にやって来たのだ。
「お勤めご苦労様。今日兵藤君の面会でやって来た
「面会の方ですね。こちらにどうぞ」
入口で見張りをしている警察官と挨拶を交わし、警察署の中に入る。
女性――ナイアが通された先には、項垂れた様子の一誠がいた。
ナイアとの対話で判明する事なのだが、彼が項垂れている理由は
単に「ここに巨乳の女性がいない」事であり、そこにナイアがやってきたことは
一誠にとっては「砂漠でオアシスを見つけたに等しい」喜びであった。
「だ、誰だ!?」
「いきなり僕が来てビックリしたかもしれないけど、今日は君に良い報せがあるんだ。
……君は、これから釈放される。君の逮捕は誤認だ。『世間ではそう言う事になった』からね」
喜びと衝撃から、一誠はただただ驚愕のリアクションしかとる事が出来なかった。
見張りの警察官も、ナイアの言葉には面喰ったが彼は既に事情を知っていたのか
驚きこそすれ、取り乱すほどにまではなっていなかった。
「俺が……釈放? け、けれど俺はこれから……
父さんも母さんも、面会に来なかったし……」
「君のご両親が来ない理由は単純さ。君は勘当されたんだ。
だからこれから君は僕のところに来たまえ。少なくとも人間界に行く宛は無いだろう?
こう見えて最近駒王町でも営業開始した『
君一人養う位は訳ないさ。それに、君には赤龍帝の――いや、君自身の力を
コントロールできるようになってほしい。
気に入らないことがあるたびに
「お、俺が罪もない人を殺しただって!?」
ナイアの言葉に、思わず一誠は逆上した。
彼は何の罪もない人を殺した、ナイアはある意味でそう言ってのけていたのだから。
その言葉は、限りなく的を射ているのだが。
また、一誠が勘当されたと言うナイアの言葉だが、これも本当である。
彼女が実際に二人に会って言質を取ったわけではないのだが
殺人事件に加え、先立っての
そこに至るまでの様々な軽犯罪もある。
兵藤一誠と言う個人がしでかした事を踏まえると
最早両親で庇い立てが出来るレベルを優に超えていたのだ。
「父さんと母さんが俺を勘当って……う、嘘だ! そんな事があるわけがない!
そ、それにどうして俺の事を……!?」
「君の事を知っているのは当然さ。これから君は当分の間僕と過ごす事になるんだから。
寝食を共にする相手の事を理解するのは当然の事だと思うけどな?
君は人間界では勘当された身なんだから、君の事をよく知っている
僕のところに来る方が賢明だよ?
ああ、君の事を知っているってのは、当然君が悪魔であり
ナイアの言葉に、一誠は感情的な反論しか出来なかった。
そもそも彼は言葉を用いての争いに関しては感情的な物言いを優先しがちではあるのだが
それを差し引いても、ナイアの言葉に反論できる材料が無かったのだ。
さらに畳みかけるように、ナイアは一誠の背景をズバリと言い当てていく。
「な、何でそこまで……お姉さんは一体……?」
「……時間も無いし話を戻すよ。君は釈放される。だけど家には帰れない。
だから僕のところに来て欲しいんだ」
留置所での面会時間には限りがある。ナイアも弁護士では無いため、そこは守る必要があるのだ。
限られた時間の中で、ナイアは一誠に必要な事を伝える必要があったのだ。
「……そこは分かったよ。じゃあ、何で急に釈放されることになったんだ?
も、もしかしてサーゼクス様が……」
「……それは君が知る必要のない事だ。だけど、君が天野夕麻を殺したのは紛れもない事実だ。
その事実だけはどう足掻いても覆しようがない。
都合よく『無かった事』になんてできないからね」
「やっぱり、そいつは堕天使と契約して俺を殺そうとした奴だから
正当防衛が認められたんだな!」
一誠の中には、未だに堕天使は人に仇成す存在であると言う先入観が根強く残っていた。
確かに、上級堕天使のコカビエルが駒王町を悪魔との戦争のための狼煙代わりにしようとした。
これは一誠でなくとも、駒王町に住む人々にしてみれば悪行に他ならない。
それに、歴史が歴史ならば堕天使であるレイナーレの手によって一誠の心は深く傷ついただろう。
その当時の一誠にとっては実感の沸かぬものの存在を免罪符にして。
「……残念ながら外れだよ。堕天使と契約しているからと言って殺していいって法律は
生憎とまだ日本国には制定されていない。これはフリード・セルゼンにも言える事さ。
彼の言う理屈――悪魔と契約しているからその契約者も殺す――
君の言っている事は、フリードと大差ないように聞こえるけどな?」
「悪魔と堕天使は違う! 俺が、俺があんな奴の同類だなんて!」
暗にフリードと同類扱いされたことに、思わず一誠はナイアに食って掛かろうとするが
硝子越しの面談である上にここで騒げば外にいる立ち合いの警官がどういう行動をとるか。
その答えは明白であった。
「兵藤! 静かにしろ!」
「ああ、大丈夫だよ……まぁ、そうだろうね。僕もちょっと言葉が過ぎたよ。悪かった。
……尤も、僕に言わせば悪魔も堕天使もそう変わらないけど。
レイナーレを皮切りに、君は堕天使には恨みがある口だろうからね。
コカビエルは未遂とは言えここを破壊しようとしたし、アザゼルは君を利用しようとしている。
この分だと姫島朱乃も……おっと、これは君が知るべきことじゃないな。忘れてくれ」
朱乃の名前を出しながら、おどけた様子をみせるナイア。
何故ここでその名前が出るのか疑問に思う一誠だったが、その答えは出なかった。
「おっと、また脱線してしまったね。話を戻そう。君の釈放には、幾らかの条件があるんだ。
まず、僕が君の後見人になる。これは君が勘当されたことに伴う対応だ。
次に、君の駒王学園への復学は認められない」
「な……それじゃ、部長やみんなと会えなくなるって事じゃ……!」
「最後まで聞いておくれよ。駒王学園は無理でも、冥界の学校には通えるように
サーゼクス・ルシファーが手配してくれたんだ。冥界での活動拠点はグレモリー家。
こっちでは、僕が最近始めたアンティークショップ『時間城』。
どうだい? 悪い話じゃないと思うけどな?」
ナイアが言うには、駒王学園への通学こそ不可能であるが
それ以外の活動に関しては何ら不自由がないと言う事である。
集合場所をグレモリー家に指定すれば、表面上は今まで通りのオカルト研究部なのだ。
「じゃ、じゃあ俺は本当にこれから外に出られ……」
「そうなるね。ただ、悪いけど2~3日は僕に付き合ってくれ。
なに、簡単なリハビリと言うか、戦闘のコツの伝授みたいなものさ。
……知っての通り、今やはぐれ悪魔や堕天使、君達に仇成す悪魔祓いだけでなく
アインストやインベス、それにフューラーの軍団もいるからね。
彼らと戦うためにも、僕が君に力を貸してあげようって話なんだ」
「……なあ、何でそこまで俺に協力してくれるんだ?
協力してくれるのはありがたいけど、行ったらなんかの実験台にされた、なんて考えると
ちょっとなぁ……」
裏があるんじゃないか、って位に至れり尽くせりである。
流石に一誠もここまでの待遇には裏があるのではないかと訝しんだが
それは次の瞬間に崩れ去る事となる。
……警官の目を掻い潜り、ナイアはシャツの胸元のボタンを緩めてみせ
そのまま上目遣いでしなを作り、一誠を熱く見つめたのだ。
「これでも……僕の言う事を聞いてくれないのかい?
聞いてくれたら……続きも用意してあるよ?
自慢じゃないが、スタイルに関してはリアス・グレモリーにも負けないと自負しているよ?」
「……や、やる! やります!」
「ふふっ、素直な子は大好きだよ? これから手続きとかあると思うから
先に戻って、指示に従って待っていてくれ。
……それじゃ、そろそろ時間だからまた後で、ね」
禁欲生活を余儀なくされていた一誠にとって、ナイアはオアシスであり、劇薬だった。
程なくして面会時間は終わってしまったが、その後ナイアの言葉通り
一誠は留置所から出ることとなった……
――――
セージの部屋。
寝転がっているセージの下に、同居している黒歌が血相を変えて飛んできた。
「セージ、大変なことが起きたわ! 今すぐ降りて来てテレビ確認して!」
「な、何だってんだ、一体?」
黒歌の語尾に「にゃん」が付いていない事でただ事ではないと感じたセージは
二階の自室から駆け下りて一階のテレビを確認する。
そこには、報道番組が映し出されていた。
――繰り返しお伝えします。
警視庁は、今月に起きた女子生徒殺害事件について、犯人として逮捕された少年について
警察の誤認逮捕であることを認めました。
「誤認逮捕だって!? バカな、俺はこの目で確かに
兵藤が天野さんを殺したのを目撃したんだぞ!?」
「私は知らないけど……その点に関してセージが嘘を吐くメリットが無いわよ……
あのエロガキをはめて、セージが何か得するの?」
「……あいつは数多くの女子生徒と一部男子生徒から恨みを買っているから
その関係で逮捕ないし補導されることはいずれあるとは思っていたが
殺人に関しては俺だって今でも信じられん部分がある。
だけど今の俺は一応警察関係者でもあるし、警察に嘘は吐けない。
だから、俺は見たままを
天野夕麻殺害事件の犯人として、兵藤一誠が逮捕されたが
それは誤認逮捕である、と報道されたのだ。
この報道の裏には、国会議員である
そしてそれは、須丸清蔵と契約しているサーゼクスによるセージへの
ひいてはアモンへの意趣返しともいえる話でもあった。
――誤認逮捕の責任を取り、現場指揮を執っていた警視庁
テリー柳警視は超特捜課課長を本日付で辞任、異動が行われることとなりました。
後任には奈良県警の
『要は左遷か。セージ、これは一度警察署に行ってみたほうが良いかもしれないな』
「言われるまでもない! 黒歌さん、警察署に行ってくる!
フリッケン、マシンキャバリアーの準備をしてくれ!」
「あ、私も行くわ! 白音、あんたは?」
「……行きます、ただ事ではない気がしますし」
テリー柳異動の報せを聞いたセージは、すぐさま家を飛び出して
フリッケンを召喚、マシンキャバリアーに変形させた上で
猫に化けた黒歌や白音を伴って駒王警察署へと急いだのだった。
テリー柳警視の左遷。
これは、超特捜課にとって思わぬ打撃となった。
そもそも、何故彼が左遷されたことになったかと言うと
セージにも本人の意図に関わらず責任の一端がある。
確かに一誠は天野夕麻を殺害したが、その瞬間を目撃していたのはセージの他には
リアス・グレモリーしかいなかったのだ。
他にはアーシア・アルジェントが天野夕麻の最期を看取っているが
彼女は一誠が手を上げる瞬間を見ていたわけではない。
さらに、そのリアスの兄であり自らも須丸清蔵と悪魔としての契約を交わす
魔王、サーゼクス・ルシファーは一誠の持つ赤龍帝の力を欲し
彼を守ると同時に、今回の事件を現冥界の裏切り者であるアモンを擁し
妹に仇成す妹の元眷属であるセージを人間社会から社会的に抹殺する好機と見たのだ。
その結果、リアスの証言を無かったこととして扱うどころか
その証言は歪められてしまい、結果としてセージの証言の有効性が無くなってしまったのだ。
動画の一つでもあれば、動かぬ証拠になっていたかもしれないが
既にセージに取り付けた発信機が取り払われてしまった事で
かねてからセージに目をつけていたイェッツト・トイフェルによる監視も機能していなかった。
そう。最初の矛先はテリー柳ではなく確かに宮本成二に向けられていたのだ。
彼に向けられた悪意から庇い立てる形で、テリー柳は超特捜課課長の座から
追われる事となってしまったのだ。
セージがマシンキャバリアーで駆けつけた時、超特捜課は既にその話で持ち切りだった。
人間の姿になった黒歌と白音を伴いながら、セージは超特捜課に割り当てられていた部屋に急行する。
「柳課長! 異動ってどういうことですか!?」
「……狼狽えるなセージ、俺に質問をするな」
「んな事言ってる場合かよ……圧力かけられたんだよ。
あのクソガキ、いつの間に国会議員のコネ取り付けやがったんだ……クソッ!」
異動と言う扱いにも関わらず、いつも通りの調子を崩さないテリー柳に
部下でもある安玖信吾が悪態をつく。
実際、安玖でなくとも一誠がいつ警察の捜査に圧力をかけられるような存在になったのか
皆目見当が付かなかったのだ。
「天野夕麻殺害に関してもですが、これで今までの犯罪についても訴訟が難しくなりましたね」
「ちょっ……それって犯罪者を野放しにするって事じゃない!?
人間の警察って、そんなことが罷り通るわけ!?
……いや、冥界の警察も似たような部分はあるけれど」
超特捜課をもってしても犯罪者一人の立件が出来ない有様に
冥界の警察組織を引き合いに出して黒歌が吠える。
彼女の言う事は、この場にいる署員全員にとって耳の痛い話だった。
「姉様、おさえてください。あの……圧力がかけられた、って
一誠先輩が逮捕されると不都合がある人がいるって事ですよね……?
人間の国会議員に、そんな人がいるとは思えませんけど……」
「……須丸清蔵。
『噂』じゃ、悪魔と契約してるとかなんとかいう話だな。
もしかすると、お前らの言う魔王サーゼクス・ルシファーってのがその須丸清蔵と契約している
悪魔かもしれねぇな。魔王が人間と契約しない、なんて不文律は無いんだろ?」
「私はそんな話は聞いたことないけど、言われてみればしててもおかしくないわね……
まして、色々な意味で人間に歩み寄ってる現政権の筆頭格たるサーゼクスが
一番人間と関われるチャンスである悪魔契約を見逃すとは思えないわ」
黒歌は、須丸清蔵こそサーゼクスと契約した人間であり、彼を通して
サーゼクスが捜査に介入したと睨んでいるようだ。
その一方で、須丸清蔵の名前を聞いたセージは、すぐさま
かの人物について調べようとするが……
「……どういう事だ? 記録再生大図鑑に記載されていない?
代わりに『
須藤竜蔵は十年前の珠閒瑠市の事件の後行方不明になった元外務大臣。
澄丸清忠は活躍したのはもう何百年も前だし、そもそも十年位前に
本人と思しきミイラが出土されてるレベルだ……一体どうなってるんだ?」
『聞いた話じゃ、それは神や他世界の存在は読み取れないんだったよな?
なら、
アモンに促される形で、セージが禁手である
須丸清蔵について調べようとする。
「…………見えた。須丸清蔵、現在日本においてもいち国会議員に過ぎないながらも
その発言力は各省庁の大臣クラスに匹敵している、有力な議員の一人。
その発言力の背景には……魔王……サー……ゼクス・ルシ……ファー……の……」
無限大百科事典を展開したセージだったが、情報の開示と同時に
その顔には物凄い汗が流れており顔色も優れない。
「ちょっ!? セージ、大丈夫!?」
「けい……やく……に……加え……て……
這い……寄……る……こん……と……ッ!?」
言い終える前に、突如としてセージは倒れてしまう。
慌てて黒歌と白音が駆け寄り、仙術を用いた治療を施そうとしていた。
「……気の流れに異常は見られない。気の流れを正して治療を施す
仙術はこうなったら使えないわ」
「姉様、とにかくベッドまで運びましょう」
「わかった、俺達に任せろ」
「こっちです、着いてきてください」
超特捜課のメンバーによって、セージは警察署の仮眠室まで運ばれることとなった。
セージをベッドに寝かしつけた時、セージの右手から声が発せられる。
『……聞こえるか? 俺はフリッケン。セージに力を貸している通りすがりだ。
今セージが倒れた理由だが、どうも神器を介して身体――脳にに過負荷がかかったらしい』
「神器由来の不具合? それって……」
『推測だが、調べた情報がまずかったんだろう。クロスゲートを調べた時も問題なかったし
異世界の存在と言い切っていいものかどうかわからないが、ラマリスを調べた時も異常は無かった。
それなのに、須丸清蔵を調べた時に異常を吐いた理由は俺にも分からんが……
暫く、無限大百科事典による検索や情報収集はやめさせた方が良いかもしれないな。
他の機能についてはわからんが、検索情報の閲覧だけでここまでの過負荷がかかった事態は
俺の知る限りでは無い。俺が憑く前の事は知らんがな』
黒歌の疑問に対し、フリッケンが自分の見解を述べる。
無限大百科事典は、記録再生大図鑑で解析できなかった異世界の存在に対しても
解析を行う事が出来る。それによって戦局を優位に運べたケースはあったが
こうしたデメリットについては、今発覚した形だ。
「……無かったと思います。セージ先輩の神器には、色々助けられましたけど
本人から話を聞く限りでは、発現してから今まで『読めなかった』事はあっても
『読もうとして倒れた』事は無かったはずです。
……逆に聞きますが、あなたがわざとセージ先輩を昏倒させたって事はありませんか?」
フリッケンが憑く前から、セージと行動を共にしたことのある白音が口を開く。
彼女の言う通り、記録再生大図鑑に由来する昏倒は、今回より前には発生しなかった事態だ。
『……俺のせい、って言いたいのか? まぁ言いたい事はわかるけどな。
確かに、俺はセージの行動にブレーキをかける際に力を一時的に奪う事はある。
だが、昏倒させるまで力を奪うって事はしないし、出来ない。
それが起きうるとしたら……』
「……神器自体のブレーカーが落ちる前に、宮本君が倒れてしまったようですね。
ああ、話し声が聞こえたものですから。それにしても面倒なことになりましたね……」
外から、超特捜課に協力している薮田直人が入って来る。
神器を作った聖書の神の影武者でもある彼ならば、セージに起きた異変は見当がついたらしく
「過負荷でブレーカーが落ちるようなもの」と言う表現を用いたのだ。
ただし、ブレーカーが落ちるだけならば考え得る結果としては
神器が応答しなくなるだけで済むのだが、今回はそれが間に合わなかったのか
セージに影響が出る形になってしまったようだ。
「これは推測ですが、恐らく並大抵ではない量の情報の閲覧をしようとしたのでしょう。
幾ら神器が高性能でも、扱う人間の脳には限度があります。
今の宮本君は、そうして脳がパンクしたような状態と推測できますね」
「……ぐ……こ、ここは……?」
薮田による解説の最中、セージが目を覚ます。
よろめきながらも起き上がろうとするセージを、白音が制止する。
「……寝ててください、セージ先輩。
神器を……禁手を使ったと思ったら、突然倒れたんですから」
「禁手……? そ、そうだ。須丸清蔵についてだが……
……あ、あれ? 呼び出せないな。閲覧には成功したんだが、物凄い量の情報が流れ込んできて
それを開示するのに必死になっているうちに……」
頭の中を整理しているうちに、セージは今置かれている状況と
須丸清蔵についての検索結果について纏めようとしていた。
痛む頭を抱えながら。
「……あー、フリッケンじゃないが大体わかった。
どうやら、須丸清蔵は俺の無限大百科事典でも読めない相手、って事になるか。
いや、須丸清蔵ではなく、正しくは……」
――這い寄る混沌。
それが、須丸清蔵を検索して唯一つ得ることが出来た情報であった。
【速報】兵藤一誠、釈放
今回は犯罪を犯し、逮捕されたと言う事実がある上で
一誠を普通に行動させるために必要な措置でした。
その為に法に則り正義を執行したはずの警察官が一人実害を被りました。
因みに動きとしては
サーゼクス「なんとかイッセー君を自由にできないかい?
あとイッセー君を逮捕するに至った証言した奴にも制裁加えてくれ。
あいつだろうし」
↓
須丸清蔵「わかった、警視総監にいちゃもんつけてくる」
↓
本郷警視総監「ぐっ……あの議員に睨まれては全国の警察官の活動に影響が出る……
許してくれ……宮本君……!」
↓
テリー柳「セージはまだ未成年だ、超特捜課トップの俺が責任を取る」←左遷
と言うわけで、犯罪者の庇い立てなんて歪みが生まれても仕方ないよねって
お話でした。
柳課長は左遷されましたが、別にクランクアップの予定はありません。
ヒント:某監察医
なお清蔵が実行しましたが、上記の通り裏で依頼したのはサーゼクス。
いや、ハーデスに行った仕打ち考えるとこういう事してもおかしくないよね、と。
>一誠
レイナーレの件で懲りてない(ハニトラ的な意味で)。
この一言に集約されます。
強化フラグも兼ねてますが、力だけ原作仕様という有様になりそうで。
(そもそも原作における精神的成長フラグが立ってないし、そこまで話進んでないし)
そして何気にとうとう勘当されました。
原作は極端な話「彼にとって都合の悪い人物は要らない」作風なので
両親による彼の勘当は、それを逆説的に物語っているのかもしれません。
>ナイア
リアスから一誠寝取る気満々かもしれません。
そう言う意味ではリアスもニャルに目つけられている……かも。
「きれいなナイア」なら一誠の矯正に一役買いそうですが
多分そうはならない。
>セージ
地味に二輪免許取得が効いてます。
そして折角得た禁手に制約がかかりそうな予感。
原作主人公には強化フラグ(悪い意味で)が立つ一方で
拙作主人公はまさかの弱体化フラグ。
「ゴースト」終盤が無双だったからね、仕方ないね。
>須丸清蔵
今回名前だけしか出ていないのに正体の片鱗が既に明かされていたり。
「アイツ」だとするとサーゼクスやアジュカ(あとプロフェッサーと呉島父)が
とんでもない道化に……