ハイスクールD×D ゴースト×デビルマン HAMELN大戦番外地   作:赤土

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サブタイは謝罪行脚の直訳。
google翻訳ですので本場で通じるかどうかは保証しかねます。


私生活で諸々あったので気分転換を兼ねて。
ギリシャに謝罪に行ったシェムハザとヤルダバオトの話です。


DX4. Apology pilgrimage

――時は三大勢力の会談直後まで遡る。

 

 

「……やれやれ、気が重いですね」

 

ギリシャ・冥府奥地の楽園、エリュシオン。

ここにはギリシャの冥府の神ハーデスが妻ペルセポネーのために用意した田園風景や

立派な神殿が建立している。

 

そんな中に、黒い鳥の羽を生やした男と

金の装飾が入った白のローブを纏った男が連れ立っている。

ギリシャ冥府の最下層・コキュートスに堕天使勢力の戦争犯罪人・コカビエルが監禁されたと聞き

関係者かつ責任者である堕天使総督代理・シェムハザと

聖書三大勢力の元締め、ヤハウェの代理を務める

ヤルダバオト。その二人がギリシャ冥府の管理人であるハーデスに事情を説明するために

遠くギリシャ冥府の最奥地であるエリュシオンまでやって来たのだ。

 

「ファファファ、よく来たな。カラスに元締めの偽神よ」

 

髑髏の歯をカタカタと鳴らしながら、ミトラを被り祭服に身を包んだハーデスは

玉座に座り、頭を垂れているヤルダバオトとシェムハザを迎え入れた。

側近として黒い鎧に身を包んだ男が二人立っている。

 

「お久しぶりです、ハーデス様。この度は――」

 

「分かっておる。我が領地に勝手に放り込んでくれたあのカラスの事と

 そのカラスが持ち出してくれた我がペットの事であろう。

 

 ……ラダマンティス、ここへ参れ」

 

「はっ……お初にお目にかかる。我が名はラダマンティス。

 裁きの太刀にて咎を断つ、冥府の判官なり。

 以後、よしなにお頼み申す」

 

ハーデスの背後から、黒い翼竜の翼を思わせるローブを羽織い

バイクのエンジンを思わせるプレートアーマーをその下に装着した男が現れた。

ラダマンティス。ギリシャ冥府にて審判官を務める、ハーデスの家臣の一人である。

 

「さて……審判官が一人ラダマンティスをここに呼び寄せたと言う事は、わかっておろうな?」

 

「はい。この度は我が陣営のアザゼルが勝手な真似をしてしまい、申し訳ありませんでした」

 

審判官であるラダマンティスがいる以上

如何に偽物とはいえ聖書の神や堕天使の総督代理と言えど

ここでは裁きを待つ罪人同様である。

実際のところ、ラダマンティスはそこで立っているだけなのだが

彼の立場上、嘘――即ち咎を断つ役割を担っている。

ハーデスに加え、そんな彼がここにいるというだけでプレッシャーにもなると言う物だ。

実際、堕天使陣営はギリシャ冥府に損害を与え元締めである

聖書の神クラスの存在が動かざるを得ない事態を招いているのだから。

 

「ふん……聞けば、アインストなる怪物に腕を食われ療養中と言うではないか。

 幸い、我がギリシャにはアインストなる怪物は現れてはおらぬが……

 どうじゃ、ヤルダバオト、シェムハザ。ここは司法取引と行かぬか?」

 

「司法取引……ですか?」

 

「そうじゃ。貴様らは我々に『ゲート』の情報を用意するのじゃ。

 儂はそんなものに興味はないが、アポロンの奴がその話を聞いた途端血相を変えよったからな。

 それが少しばかり気がかりでな。故に、ゲートの事は我々も知りたいところなのじゃ。

 しかし、儂らは軍勢を動かせぬ。

 どこぞの誰かが我が領地にとんでもないものを寄越してくれたからな。

 

 ……サマエル、と言ったか。アレの対策のためにタナトス・ヒュプノスまでも

 動員せねばならん現状じゃ。冥府の人手が足らんと言うのに、じゃ」

 

サマエル。その毒はあらゆるドラゴンを打ち滅ぼすという最強の龍殺しにして堕天使。

それがどういうワケだか、ギリシャ冥府のコキュートスに封じ込められているのだ。

となれば、ギリシャ冥府を拠点とする神々は黙って見過ごすわけにはいかない。

そのため、コカビエル以外にも三大勢力――

特にコカビエルが所属する堕天使陣営はギリシャ勢力に対し借りを作っているのだ。

 

「取引内容はこうじゃ。我々もゲート調査に参加させてもらいたい。

 と言うよりは、情報を我々にも頂きたい。特にアポロンにの。

 そうすれば、カラスが持ち出したケルベロスの件は減刑しようではないか」

 

「お待ちを、ハーデス様。サマエルについては……」

 

「『ゲート』の件だけで片づけられるほど簡単ではなかろう。

 それくらいサマエルが我々にもたらした損害は大きいのじゃぞ。

 現にワイバーンやヒュドラ、エキドナ、ラミア達から苦情が上がっておる。

 『何でそんなピンポイントな劇物をここに置くんだ』とな。

 シェムハザ総督代理よ。この件について申し開きはあるか?」

 

サマエルについても、先の戦争のごたごたで

ギリシャ冥府のコキュートスに封じ込められた存在である。

それを今になって引っ掻き回すのはアンフェアであると思いながらも

実害が出ている以上、その事について言及は出来ない。そういう意味では

ハーデスは、ギリシャ勢力は被害者なのだから。

故に、シェムハザは歯ぎしりをしながら沈黙を返すしかなかったのだ。

 

「沈黙……つまり、申し開きはないと言う事じゃな。

 全く、ここが正規の会談の場でなければ一撃を加えておるところじゃ」

 

「ハーデス様。お戯れを」

 

「フン、要らぬところがゼウスに似おったか。まあよいわ。

 サマエルについては早急に引き取ってもらいたいところじゃが、今の貴様らに引き渡したら

 ろくなことに使わなさそうじゃからな。暫くは我々で監視させてもらうとする」

 

監視、と言っているが要は龍殺しの毒を自分たちの戦力にする腹積もりである。

あまりにも露骨な態度だったためか、シェムハザもヤルダバオトもそれに気づいたが

特に指摘する事は無かった。と言うか、指摘できなかったのだ。

 

「では、ゲートの件については吉報を待っておるぞ。

 ……そうじゃ、餞別にアポロンの言っておったことを特別に教えてやろう。

 ゲートの正式名称じゃが、奴はアレを――

 

 ――『クロスゲート』と呼んでおったそうじゃ。

 何故アポロンがそれを知っておるのか、それは儂も知らぬし

 そのクロスゲートなる名前が本当に正式名称かどうかもわからぬ。

 が、アポロンは未来予知の力も持っておる。恐らくだが、間違いは無かろう」

 

「クロスゲート……聞きなれぬ言葉ですね」

 

「ファファファ、聖書の偽神にも分からぬことはあるか。

 ともかく、ゲート調査には我々ギリシャ――即ち、オリュンポス・ティターン共同で

 調査に参加させてもらおう。

 その旨、貴様らの所の他の連中、それに神仏同盟にもきちんと伝えるのじゃぞ」

 

三大勢力を徹底的に愚弄する一方、神仏同盟にはある程度の敬意を表しているハーデス。

まるで自分たちをメッセンジャーに使うハーデスのその態度に

シェムハザは引っ掛かるものを覚えたが、立場上表に出すわけにはいかない。

後ろでは、ラダマンティスが議事録を取っているのだ。

記録を終えたラダマンティスが、ヤルダバオトとシェムハザに退室を促す。

 

「ではこちらへ……それと、ヤルダバオト様。

 ウェールズの大使より言伝を預かっております。

 

 『二天龍及びエクスカリバーの件について、説明願いたい。

  責任者を招集されたし』――と」

 

「またですか……ヤハウェよ、どこまであなたは監督不行き届きだったのですか。

 わかりました。責任者を連れてそちらに向かいます。

 連絡は私の方で行いますので、ありがとうございました」

 

ラダマンティスの事務的な物言いに、再びヤルダバオトは頭を抱えるのだった。

現在エクスカリバーは天界の管轄になっている。紆余曲折を経てのものであるが

ここに来てその話が出ると言う事は、ここでハーデスが言ったことと内容はほぼ同じであろう。

エリュシオンを出たと同時に、ヤルダバオトはガブリエルに連絡を取り

至急地上に降りるように言い残すのであった。

 

「ガブリエルですか? 私です。ヤルダバオトです。

 エクスカリバーの件について、ウェールズの者が話があるそうですよ。

 至急、地上のカーナーヴォン城までお越しください。

 私もそこに向かいます。よろしいですね?」

 

連絡を終え、ため息をつくヤルダバオトに思わずシェムハザが声をかける。

しかし、自分たちの陣営も今しがた謝罪のため――結局は司法取引を持ち掛けられたが――に

ギリシャ行脚を強いたためにそれはある種の藪蛇であった。

 

「ヤルダバオト様。今回の件は……」

 

「ああ、まさか私もあなた方がヤハウェの下を去った後に

 このような行いをされるとは思いませんでしたよ。

 おかげでシトリー君達の帰省と言う名の合宿に顧問として付き添う予定でしたが

 できなくなってしまいましたよ。宿題で顛末を記すようには言っておきましたがね。

 

 ……ああ、そういえば。『ヴァイスリッター』でしたっけ。悪魔勢力と共同で作っている。

 やるのは結構ですが、アインストや禍の団の動いている今やるべきことですか?

 団結は物事の解決に有効ですが、馴れ合いは腐敗と災いを招きますよ」

 

「……心得ております。では、私はこれにて」

 

「ええ。アザゼルによろしくお伝えください。彼は嫌がるかもしれませんがね」

 

言い残し、シェムハザは魔法陣を展開させ冥界の堕天使領へと帰還していく。

ヤルダバオトもまた、魔法陣でウェールズにあるカーナーヴォン城へと向かうのであった。

三大勢力が各地に残した戦争の禍根。それは最悪ともいえるタイミングで

こうして噴出しているのであった。

 

 

――そして、彼がウェールズにて会談を行っている頃

駒王町では大規模なテロが発生していたのであった……




ギリシャ冥府は星矢のイメージを多分に取り込んでます。
シェムハザはともかくヤルダバオトなら嘆きの壁の一枚や二枚ぶっ飛ばせそうですし
(主神的に考えて)

>ラダマンティス
台詞と言い外見と言いペルソナ2のラダマンティスをモチーフに。
星矢ラダマンティスも若干含まれてますが。
同僚のアイアコスとミーノスは諸般の事情により不参加。

>サマエル
だからなんでコイツここにいるの。
監視のために死と眠りの神が動いているという体たらく。
オーフィス(無限)に影響を及ぼす位の劇物なんだから
神様動いてもおかしくないよねと言う理屈からこうなりました。
この件がギリシャ冥府の人手不足に拍車をかけています。

>アポロン
原作では出ていない(筈)ですので設定色々弄ってます。
具体的には中の人が某壁際のいぶし銀じゃないかってレベルで。
ゲートやアインストの情報を知って血相を変えたり
クロスゲートって名前を知っていたりもしかして……

でも設定的に本人にはできない罠。色々ややこしくなりますので。

>エクスカリバー
今回は触れませんでしたがこの後ウェールズの人たちに
二天龍の件も合わせてガブリエル共々ヤルダバ先生はこっぴどく怒られます。
考えてみたらウェールズは三大勢力に軒並み奪われてるんですよね。
しかもエクスカリバー壊されてるっていうね。文句言わないのがおかしいレベル。

赤龍帝:悪魔
白龍皇:堕天使
エクスカリバー:天使

そしてここで足止め喰ったおかげでヤルダバ先生がテロ対策に間に合わなかったとか
言っちゃいけません。ウェールズの人たちにも事情ってもんがありますし。
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