ハイスクールD×D ゴースト×デビルマン HAMELN大戦番外地   作:赤土

5 / 43
次回に向けてのネタも含めて
「あの日、人間界では何があったのか」を
掻い摘んで取り上げてます。

……ちょっとマイルドに。


DX5. 駒王町崩壊の日

――とある夏の日。

 

夏休みと言う事もあり、各地では平和な時間が流れていた。

騒動はあっても、それは大なり小なり日常の範疇に入るものだ。

だから誰も、その日常が音を立てて崩れるなんてことは思いもしない。

 

 

……一部地域を除いては。

 

 

「番組の途中ですが、臨時ニュースです。

 

 本日未明、駒王町を中心に同時多発テロが発生。

 それに伴い政府は非常事態宣言を発令。

 駒王町を中心とした半径50キロ地域に戒厳令を発令したとの事です。

 

 また、このテロの影響により多数の死傷者が出ている模様。

 駒王町上空のレポーターと繋がって……

 

 

 ……はい、はい……えっ?

 上空のヘリが未確認飛行体に撃墜……?

 

 

 ……た、たった今入ったニュースです。

 

 駒王町上空に向かった当局のヘリが未確認飛行体に撃墜されたと

 報告が入りました。繰り返します、駒王町上空にて、ヘリが

 未確認飛行体に撃墜されたとの情報が入っております。

 乗り合わせていた操縦士、レポーター、カメラマンいずれも安否は不明です……」

 

 

突如変わったテレビの画面に、視聴者は何事かと目を丸くする。

そしてそこで語られたのは、日本で起きたテロ事件。

それも過去の出来事ではなく、今現在進行形で起きていることだ。

 

 

……ちょっと! これじゃ現場の状況わからないでしょ!

 

うるせー! 次のヘリ飛ばすにしてもあんな報道出したら

許可が下りるわけねぇだろうが!

 

 

アナウンサーの後ろではやし立てているスタッフが、事態の慌ただしさを物語っている。

 

 

「……繰り返します。本日未明、駒王町を中心に同時多発テロが発生。

 それに伴い政府は非常事態宣言を発令。

 駒王町を中心とした半径50キロ地域に戒厳令を発令したとの事です。

 

 該当する地域の皆様はくれぐれも外出などせず

 テレビ、ラジオなどの情報収集に努められますようお願い申し上げます。

 また、事実確認の取れないデマなどに騙されることの無いよう

 落ち着いて、冷静に政府の指示に従って行動するようお願い申し上げます。

 

 

 ……国会からの映像が入っております」

 

 

そして、テレビの映像は国会議事堂の総理大臣を映す。

 

 

――――

 

 

――国会議事堂

 

 

「……であるからして、我々としましてはこのような行為に対し遺憾の意を表明するとともに

 被害に遭われた駒王町の皆様の無事をお祈りし、先刻緊急対策本部を立ち上げ

 全面的な支援を駒王町並びに被害に遭われた地域の皆様へと行う事をここに発表いたします」

 

 

総理! 今回はテロと言う事ですが、実行犯については中東の過激派組織ではないかと

一部では囁かれておりますが、それについてはどのようにお考えでしょうか!?

 

総理! 一部では某国の侵略行為ではないかと疑われておりますが

それについてはいかがお考えですか!?

 

総理!

 

総理!!

 

総理!!!

 

 

フラッシュとマスコミの質問の嵐が総理大臣に向けられる。

ある意味、いつもの光景であるが、題材は非現実的極まりない。

 

 

「……今回の件につきましては、目下調査中であり……」

 

 

総理、会見中失礼します。

 

 

「…………えっ? 声明が?」

 

 

次の瞬間、映像はさらに変化したのだった。

 

 

――――

 

 

――某所・会見の席

 

 

壇上には、旧ナチスドイツの軍服に身を包んだ中年の男性が立っている。

彼は右手を握り、力強く声高に声を上げる。

 

 

「諸君の中には、私の顔を見て驚いた者もいるかもしれない。

 蛇蝎の如く忌み嫌うものも当然いるだろう。

 或いは、この姿でここに出てくるはずがないと、そう思っている者もいるだろう。

 だが、現に私はここにこうしている。

 だが、今私が率いているのはかの組織ではない!

 

 ――禍の団(カオス・ブリゲート)なる組織である!

 

 私……フューラー・アドルフとでも名乗ろうか。

 私はこの禍の団に集いし英雄達と共に、この世に巣食う正しく悪魔を駆逐すべく

 ここに蜂起したのだ!

 

 その手始めとして、日本の駒王町と言う地域を重点的に襲撃した!

 ここは、悪魔が、そしてその悪魔と利権を争う堕天使と呼ばれる者達!

 そしてさらには、そこから漁夫の利を得ようと虎視眈々と狙っている天使!!

 

 天使と聞いて、善なるものとイメージを抱く者も少なくないだろう。

 しかし、そんなイメージはこの私の言葉を最後に捨て去ってもらいたい!

 彼らこそ、人類を謀り続け、自分たちの利権のために人類を欺くことを何とも思わぬ

 悪魔そのものと言えるのだ!

 

 ならば堕天使は正義か? 否、断じて否である!

 彼らは人間に託された希望――神器(セイクリッド・ギア)なるものを恐れ

 老若男女を問わず人類を殺害して回っているのだ!

 

 かつての私の行いを棚に上げてと思うものもいるかもしれない!

 だが、そんな生易しいものではないのだ!

 彼らにとって人種など、男女など、老若など関係ない!

 生まれながらの発現するかどうかもわからぬもののために命を落としたものは数知れぬ!

 

 そして悪魔!

 彼らは言葉巧みに人類に接近し、知らず知らずの間に人類の生活の場を侵略しているのだ!

 諸君らの隣人が、実は悪魔だったかもしれない!

 そんな事が、現実として起きているのだ!

 

 そして彼らは、自分たちが起こした問題を何一つ自分達で解決しようとしない!

 そのしわ寄せが、人類に寄せられているのだ!

 だからこそこの私、フューラー・アドルフは起ったのだ!

 

 日本は、かつての枢軸国の同盟国であった。

 その同盟国に手を下さねばならんのは私としても慙愧の念に堪えん!

 だが、忘れないでほしい。その同盟国を蝕んでいる者こそが

 天使、堕天使、そして悪魔……これら三大勢力であると言う事を!

 

 彼らが行いを改めぬ限り、我々は断固として戦い続けるであろう!

 我ら英雄、英霊と共に! 人類を搾取する悪を決して赦すことなく、根絶やしにするまで戦わん!!」

 

 

シュプレヒコールと共に、フューラー・アドルフの演説は幕を閉じ

テレビの映像も元のスタジオに戻るのだった。

 

 

――――

 

 

――某テレビ局・スタジオ

 

 

……え?

 

何今の、ヒトラーのコスプレ?

 

言ってる事がトンデモすぎてどうリアクションしていいのか……

 

 

「……い、以上、テロリストグループによる声明でした……

 正直、私にも何を言っているのかさっぱりわかりません……」

 

 

無理もない。あまりにも非現実的すぎて、日本に住む人々は趣味の悪い電波ジャック――

実際にフューラー・アドルフの演説は電波ジャックて流れたものなのだが――を

疑う始末であった。

 

 

……えっ!? それは本当なのか!?

駒王町が……わかった、映像こっちに回して!

 

 

「……ここで新しい情報です。駒王町で多発していた超常事件は

 全て先ほどの三大勢力なる存在によるものであると情報が入りました。

 映像がこちらです……」

 

 

そして映し出された映像は、かつてオルトロスが駒王町を襲った時の映像。

悪魔が隠蔽を試みたが、こうしてネットの海にはまだ残っていたのである。

そしてさらに、駒王学園で戦うコカビエルとイェッツト・トイフェルの映像が

どういうわけだか収録されており、それも流されているほか

神仏同盟を交えた五大勢力の会議における戦闘までも映像として流れているのだ。

 

 

これ……映画とかじゃないんですよね?

 

そう言えば、駒王町ってこの間色々騒ぎがあったような……

 

そう考えれば、納得がいくけれども……

 

 

「……繰り返します。本日未明、駒王町を中心に『禍の団』による同時多発テロが発生。

 それに伴い政府は非常事態宣言を発令。

 駒王町を中心とした半径50キロ地域に戒厳令を発令したとの事です。

 

 該当する地域の皆様はくれぐれも外出などせず

 テレビ、ラジオなどの情報収集に努められますようお願い申し上げます。

 また、事実確認の取れないデマなどに騙されることの無いよう

 落ち着いて、冷静に政府の指示に従って行動するようお願い申し上げます……」

 

 

その後も、緊急報道番組は絶えることなく続き

新たな情報が入るたびにテレビ局のスタジオは忙殺されることになるのだった。

 

 

――――

 

――????

 

「オーフィス様。英雄派が勝手なことを仰ってますが……」

 

「捨て置け……それより……『門』、開いたか……?」

 

赤と青の鉱石や、ストーンサークルが空間に浮かぶ謎の場所。

ここで一人の茶髪の男が巨大な龍のような怪物の眼前にて対話を行っていた。

旧ベルゼブブの血筋の悪魔、シャルバ・ベルゼブブと

かつて「無限龍(ウロボロス・ドラゴン)」オーフィスと呼ばれた存在――

ウンエントリヒ・レジセイアの人格部分、ウンエントリヒ・リヒカイトである。

 

「……はっ」

 

「……時……満ちようとしている……

 世界……静寂に満ちなければならない……」

 

門――クロスゲートから次々と現れる自らの眷属――アインストを目にし

満足げに語るオーフィス。禍の団の重鎮たちは

このどこだか分らぬ世界から、人間界を、冥界を危機に追いやっている。

悲願の達成は間もなくだと言わんばかりに。

 

「……静寂を乱す者は、誰であろうと排除せねばならない。

 たとえそれが、禍の団であっても……」

 

「……そう。静寂……それが我の求めしもの……」

 

 

 

その日。

駒王町にて沈黙していたクロスゲートは突如稼働し、多数のアインストを召喚。

伝令を出す間もなく見張りの部隊は全滅させられ

そのままアインストは駒王町を襲撃。それに乗じて禍の団によるテロ活動が行われた。

 

それによる死傷者や行方不明者は多数。

超特捜課と蒼穹会(そうきゅうかい)も応戦するも初の敵、アインストを前に

苦戦を強いられる結果となり、奇跡的に戦闘員の死傷者ゼロと言う結果だけが虚しく輝いている。

 

その混乱に乗じ、曲津組(まがつぐみ)駒王町支部が勢力を拡大。

一部地域は闇市さながらの無法地帯と化すのだった。




当初の予定では阿鼻叫喚も入れる予定でしたが
シルバーブルーメの反響がでかすぎたために自粛。

>総理
この辺はシン・ゴジラ意識してます。
あれほどすごいのは無理ですけどね。

>フューラー・アドルフ
禍の団を率いていると言ってますが
これは英雄派を率いているという意味で。
オーフィスは見て見ぬふりをしてますが果たして。

でも言ってる事は微妙に正しい、微妙に。
元ネタのキャラ考えるとこれすらも茶番なのが笑えねぇ話。
そして彼(?)がここで演説かましてるって事は
日本にあのナチスもどきがやって来たわけです。
ネタバラシしますと聖槍騎士団もアレンジくわえてますよー
ヒント:でかい暁

>クロスゲート
一時的にとは言え稼働しました。
そしてその影響でアインストが発生。
拙作におけるご都合主義の塊です。まあもともとそんなもんですけど。

>オーフィスとアインスト
「静寂」と言うキーワードだけで組み合わせたこの取り合わせ。
やっぱりまずかったかなぁと思いつつ
ここまでやってこの絶望感なのだから十分原作でラスボス張れるじゃないか!
なんでラスボスやらないんだよ! とも思いつつ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。