ハイスクールD×D ゴースト×デビルマン HAMELN大戦番外地   作:赤土

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ふと思い立った日常ネタ。
プルガトリオに挟もうかとも思いましたが、本当に本筋に全然関係ない
(拙作では非常に珍しい)日常の一コマなのでこちらに。

艦これ。
甲乙丙丙丙で無事完走。
完走した感想は復帰初のイベント海域なのでそれもあって楽しめました。
(一期最後のレイテに参加できなかったのは地味に後悔していたり)
何より岸波とゴトランドが来てくれた上にE5-3攻略中に
アークロイヤル(ラスダンドロップ)と
聖槍騎士団もといビスマルクが来てくれたのがもうね。
後、欧州水姫かっこいいです。

現在は1-1キラ付けと並行して秋刀魚釣り中。
リアイベなんてなかったんや


DX6. たまにはこんな日常を

駒王町・宮本家

 

かつて堕天使レイナーレの兵藤一誠暗殺に巻き込まれ身体を失った宮本成二だったが

その後紆余曲折を経て悪魔アモンの力を借り、無事身体を取り戻せた。

今はこうして母親の他にさる事情から転がり込んできた

猫魈(ねこしょう)・黒歌と白音の姉妹も一緒に住んでいる。

 

駒王町自体も、先の大規模テロのお陰で物流が滞るなどの被害を被っていたが

劇的ともいえる復興速度で、ほとんどの店が営業を再開している。

 

店の営業が再開されると言う事は、そこに住む人々にとっては

人間らしい生活を実感させてくれると言う事でもあり。

テロによって家財などを喪失した住民はこぞって店舗に押しかけ

折角再開した店舗が完売御礼の札をかけるのに時間はかからなかった。

 

それは飲食店にも言える事であり、ただのファーストフードショップでさえ

長蛇の列が珍しくない事態になっていた。

 

そんな中、セージこと宮本成二の母が職場で手に入れたチケットから

今回の話は始まる……

 

――――

 

「……と言うわけで、職場で貰って来たのよ。これ」

 

そう言って、セージの母が取り出したのはテロが起きる前から営業していた

ケーキバイキングの店のチケット。

しかし、セージの母が持っているのは二枚。

ここにいるのはセージ、その母、黒歌、白音の四人。枚数が足りない。

 

「……全員じゃ行けないですね」

 

「そうなのよ、でも余らせるのも勿体ないじゃない?

 だからあなた達で行ってきなさいよ」

 

ケーキバイキングの店と言う事もあってか、健啖家の白音は心なしか鼻息が荒く

目も輝かせている。それ故か、4人全員で行けないと言う事実をもどかしく思えているようだ。

 

「じゃあ、黒歌さんと白音さんで行ってきたらどうだ?

 ほら、俺は超特捜課(ちょうとくそうか)絡みの色々あるし」

 

セージの一言に、白音は一変して微妙な顔をしている。

確かに黒歌と行くのが普通なのだろうが、セージも彼の長身の体躯通りに大食漢と言える。

ただ、大の男――高校生とは言え――がケーキバイキングに行くのは如何なものか、と

セージは考えていた。

 

「ん? もしかして白音と行ったらデートになるから気後れしてるだけなのかにゃ?」

 

「違……ん、いや、それもあるか」

 

黒歌の一言に、セージは一瞬慌てたそぶりを見せるがすぐに平静に戻る。

その一方で、白音がやけに慌てているのだが。

 

「そっ、そそそそうですよ姉様! 私はケーキが食べたいんであって

 セージ先輩とデートしたいとかそう言うんじゃないですし

 そもそもセージ先輩には……」

 

言った瞬間、白音はあからさまに「しまった!」と言う顔をした。

露骨に慌てるあたりは怪しいのだが、それ以前にセージの交友関係に

触れるような事を口走ってしまったからである。

 

牧村明日香(まきむらあすか)。セージにとって憧れの人であり

幼少期から共に過ごした年上の幼馴染。セージが小学校を卒業するとともに

交友はぱたりと途絶え、つい昨年偶然にも再会したが

その時、すでに彼女には子供がいた。

そんな彼女も昨今の世情の変化からこの町を去る事となり

セージは二度もまともな別れの挨拶を交わすことなく

彼女と離れ離れになっているという事情が存在したのだ。

それ故か、セージの明日香に対する慕情の念は募るばかりであった。

 

「……ごめんなさい、セージ先輩」

 

「謝る事じゃない。いつまでも執着してる俺に問題があるだけの事だ。

 となると、白音さんは俺をご指名らしいが……

 と言うか、俺はさっき話した通り超特捜課の――」

 

セージが言い終える手前で、セージの母がセージからスマホをひったくり

勝手に使い始めてしまう。

 

「あ、もしもし? そちらにテリー(やなぎ)さんはいらっしゃいますか?

 私、宮本成二の母なんですが……はい、はい。

 あ、今度の日曜日なんですけど、うちの子ちょっと都合がつかないものでして。

 そちらのお仕事はお休みませていただくと言う事で……」

 

「ちょっ!? 何勝手に話進めてるんだ母さん!?

 学校行事ならともかく、デートでそっち休むとかそんなんアリかよ!?」

 

「お兄さん、白音と行動するのをデートと言ってくれるのは姉としては嬉しいけど

 それならそれで真摯に行動してもらいたいにゃん。

 この町を守るのも大事だけど、それ以上に女は自分を一番にしてくれる人に

 惹かれるものだにゃん」

 

黒歌の言う事は尤もであるのだが、セージが白音を女性として見ているかと言うと

疑問符が残る。そもそも、外見だけならセージの好みのタイプはイッセーとほぼ同じ――

即ち、肉付きのいい女性である。白音はその点が致命的である。

だが、セージが今まで出会い、かつ交友関係もそれなりにある中でその条件を満たす女性は少ない。

強いて言えば、虹川家の次女・芽留(める)が該当するのだが、彼女は幽霊だ。

そもそも、先述の通りセージの脳裏には未だに明日香の影が存在している。

 

(……デートって言ってもだな……姉さんの踏ん切りがつかないのに

 他の人とデートするってどうなんだよ、それ……

 絶対、碌な結果にならんと思うんだけどな……)

 

とは言え、セージも朴念仁ではないので、デートとなれば相手を異性として

認識せざるを得ないだろう。しかしそこには、どうしても彼の事情が介在する。

ここでいい加減な男ならば、「それはそれ、これはこれ」と開き直りもするのだろうが

セージはその点でうまく立ち回れなかった。経験の問題もあるのだろうが。

 

「……あー、これどうすりゃいいんだよ。超特捜課には休むって言った手前

 出ると却って怪しい。ケーキバイキングのチケット腐らせるのは勿体ない。

 でもって何故だか俺が強制参加になってる。相手は白音さんか黒歌さん。

 

 ……あのなぁ。悪いけど俺は……」

 

「そんなうだうだ考えて食べるケーキは不味いわよ、セージ。

 せっかくなんだから、楽しんでいらっしゃい」

 

「こういう時位、妹に譲ってやるのもお姉ちゃんの余裕って奴にゃん。

 でもって、白音がお兄さんと結婚したら私はお兄さん――セージにとっても

 お姉ちゃんになるわけだにゃん。姉の言う事は聞くものだにゃん」

 

「ちょっ、姉様!?」

 

二重の意味で白音はぎょっとしていた。セージと「そう言う関係になる」と言うのも

彼女にしてみれば実感の沸かない事であることに加え

セージにとってのある意味の地雷である「年上、特にお姉さんぶる」を

これでもかと踏み抜いたのだ。さっき自分がやらかしたのは何だったのかと

言わんばかりの清々しい地雷の踏み抜きっぷりだ。

 

(姉様! 何考えてるんですか! セージ先輩は詳しく事情は知らないですけど

 「年上の女性」に何かしらの思い入れがあるんですよ!?

 それなのにそこをつつくような真似をするなんて……)

 

(だからこそ、よ。心に影を抱えるななんて私はおろか他の誰にも言えやしない。

 けれど、どこかで折り合いは付けないと足元を掬われる。

 失恋の傷を癒すには新しい恋って相場が決まってるものよ)

 

耳打ちをしながら、とんでもない事をのたまう黒歌に白音は自分の頭が痛くなるのを感じつつ

黒歌の意見に対して否定しきれずにいたのだ。

 

白音もまた、異性に対して正しい判断が出来ていない。対する黒歌はその恰好

――流石に下宿先たる宮本家では自重しているが――に負けず劣らず

男を手玉にとるスキルは持ち合わせていた。彼女の場合、過酷な環境で生きるために

仕方のないと言う事情もあったのだろうが。

 

白音の場合はグレモリー眷属として過ごした期間もそれなりにあるため

そう言う場面に恵まれなかったと言う点も少なくない。

何せ、主たるリアスが彼氏無しかつ婚姻話を蹴るような(我儘な)生娘であるため

主を差し置いて眷属が相手を持ち、かつ関係を結ぶなど到底あり得ない事だからだ。

 

今では宮本家と言う普通の――人間社会の尺度ではだが――家庭に身を置いている事で

白音も黒歌もそう言うとがった部分を修正しつつあるが、宮本家そのものも

セージが赤子の頃に親が離婚しており、セージ本人も年上の子持ちの女性に恋心を抱くなど

普通とはかけ離れた部分も少なくはない。それでも、悪魔社会に比べればと言ったところか。

 

「……デートじゃないです。ケーキ食べたいだけです」

 

「……だな。そう言えば実体取り戻してからバイキングなんて行ってないし

 悪いけど堪能させてもらうかな。だからケーキを食いに行くんであってデートじゃない。

 偶々白音さんと一緒に行動するだけでデートじゃない。

 目的はケーキであってデートじゃない。うん、何ら問題はないな」

 

心なしか、顔を紅くしながらデートであることを否定する白音と

ケーキバイキング>デートであることを口煩く主張するセージ。

そんな二人がケーキバイキングに向かう機会は、すぐに訪れた。

 

――――

 

日曜日。

本来ならセージは寝ているか、超特捜課に出向き捜索手伝いや

周辺警備を行っているはずである。

しかし、この日は違っていた。

出かける準備はしていたが、警察たる超特捜課に赴く際の服装である

駒王学園の制服ではなく、白のシャツに黒のジャケット、ジーンズと

あからさまな私服である。

 

玄関先では、同じく私服――白のワンピースの上に薄紫のストールを巻きつけた

白音が佇んでいた。

 

「悪い、待たせてしまったか」

 

「……いえ。大丈夫です」

 

そう。何故か、お互いそれなりに気合が入っていたのだ。

 

二人が向かう先は駅から少し離れたところにある商店街。

セージもバイトをしていたショッピングモール・ジュネス駒王店も存在しているが

現在ここはエリアの半分が未だ避難場所として活用されており

完全復旧には至っていない事情があった。

 

そんなジュネスのお陰でシャッターが下り始めている商店街。

ここをさらに少し離れた場所に、目的地であるケーキバイキングの店があったのだ。

二人が到着した時には、既に混雑しており

住民が甘味に飢えていた事を匂わせる風景であるとも言えよう。

 

「……席、予約しておいて正解でしたね」

 

「だな。と言うか、よく予約取れたって気もしないでもないが」

 

率直な感想を述べつつ、チケットを提示して入店する二人。

ケーキバイキングの店らしく、中には若い女性やカップルが多く

セージも同伴者を見て「カップル……いや、まさかね」と思ったとか思わなかったとか。

 

中でもひときわ目を引いていたのは黒のジャケットに上下共に黒と言う

ややファンシーめな店舗には似つかわしくない恰好の男性。

ケーキ皿ではなくアサルトライフルを持たせた方が似合いそうな位である。

顔は心なしか、超特捜課の安玖信吾(あんくしんご)巡査に似ていると思ったセージであった。

 

「とにかく折角ですから食べましょう、セージ先輩」

 

「だな。荷物は見張っておくから、先にとってくるといい」

 

白音が席を立つと同時に、先ほど見かけた黒ずくめの男性が隣の席に着いたのだ。

店員曰く「予約とは言え席がいっぱいなので相席をお願いしている」との事で

セージも、その男性も首を縦に振った。

セージに目をくれることも無く、皿に盛られたケーキを堪能しようとしている男性。

すると、今度は男性の連れであろう黒い長髪に弓道着を思わせる服装の女性が席につく。

 

「このケーキ……上々ね、今日と言う日を待ちわびた甲斐がありました」

 

(この人らもカップルか……ってか、皿の上のケーキの量……

 白音さんどころか、天照様クラスじゃねぇかこれ!?)

 

さる事情から日本の主神である天照と対面する機会のあったセージ。

その際に、彼女が健啖家であることをまざまざと見せつけられる出来事があったのだ。

それを思い出しているうちに、ケーキを取りに行った白音が戻ってくる。

 

「お待たせしました、セージ先輩」

 

白音もまた、その女性に負けず劣らずの量を持ってきた。

早速何事も無かったかのように食べ始めるその光景にセージのみならず、隣の男性も目を丸くしていた。

 

「おいおい。最近の女はケーキドカ食いするのがトレンドなのか?」

 

男性の零した言葉に、思わず恥ずかしそうにする女性に釣られ白音も俯いてしまう。

そんな二人の事などお構いなしにケーキを食べようとした男性の持っていた

スマホが鳴り響く。

 

「いっけね……悪いな。音切っておくのを忘れてたぜ。

 ……はい安玖。つーか、非番中は連絡すんなっつったろ。

 

 ……あ? はぐれ悪魔が出た? 対応の悪魔は何してたんだ。

 ……はぁ? 日曜で学校が休みだからこっちに来てない?

 ……バカなのか、そいつら。で、当番隊も全部出動中で招集できない、と。

 ……じゃあ超特捜課だ。あいつらなら休日返上で行けるぞ。

 ……なに? 手に負えないから応援要請?」

 

「隊長、出動命令ですか? ですが今日は非番かと……」

 

「休日返上だ。行くぞ」

 

隣の電話の内容にただならぬものを感じるも、相手の素性が分からない上に

ここではいくら神器(セイクリッド・ギア)があるとは言えただの高校生。

大人の領域に踏み込むべきではないとセージは判断し、黙って聞くにとどめていた。

 

「悪いなクソガキ。お暇させてもらうから席は自由に使ってくれや」

 

まだ口も付けていないケーキ皿を恨めしそうに眺めながら、女性は男性に付き従う。

その際、セージと白音に頭を下げつつ男性の後を追っていった。

男性もケーキ皿を手に、レジの店員の下へと歩いていき

 

「すいません、持ち帰りって出来ます? 二皿分」

 

と一言尋ねていた。

逞しい(?)人だなと思うと同時にセージもまた、自分の分を取りに向かおうとしていた。

 

 

そんな中、また別の席では先程の弓道着の女性の知り合いなのか

似たような、かつ色違いの弓道着を纏ったサイドテールの女性が

スーツ姿の男性と向かい合わせに座っていた。

 

(まぁ、こういう店ならカップルは多いよな……)

 

等と思いながら、セージは自分が食べる量……と言うよりは

目についたケーキを片っ端からよそっていた。

そんな中、先の弓道着の女性の相方であろうスーツ姿の男性はおもむろに店員に対し

 

「メス……あ、いえ、ナイフとフォークを……」

 

「……兄さん。こんな時にまで冗談はやめてもらいたいものだわ」

 

クールに言い放つ女性に対し、男性はムキになったのか

「俺に切れないものはない」と明後日の言い訳をしつつ

運ばれてきたナイフとフォークで皿の上のシュークリームを切って食べると言う

高い技術ではあるのだろうが、シュールな振舞いをしてみせてしまっていた。

 

癖のある客を遠巻きに眺めつつも、セージは盛りつけたケーキ皿を手に席に戻る事にした。

戻ると同時に、白音が二週目を取りに席を立つ事になったのだが。

 

結局、互いにただひたすら黙々とケーキを食べるだけに終わってしまっていた。

 

 

店を出た二人を、遠巻きに眺めている黒猫がいた。他ならぬ、黒歌である。

実は彼女、店の窓から二人の様子を観察していたのだ。

 

(なぁにやってんのよ白音! 折角のデートなのにこれじゃいつもと変わらないじゃない!)

 

二人の様子を眺めていた黒歌は不機嫌そうに思わず尻尾を振ってしまっているが

その背後から、店員と思しき男性が現れる。

飲食店の裏口に猫がいると言うのは、あまり衛生的によろしくない。

表口なら看板猫と言い訳もできるだろうが、裏口では店が出した廃棄を漁りに来た

野良猫と見做されても言い訳が出来ない。

実際、黒歌はそうやって食いつないでいた事もあるのでその点について言い訳が出来ないのだが。

 

「おら! どっかいけこのバカ猫!」

 

シッシッ、とあからさまに邪険に扱われる黒歌。宮本家での生活の都合上

首輪なんてものをつけているはずがないので、野良猫と見做されてもおかしくはない。

首輪がついていたとしても、追い払われることに変わりはないのだが。

脱兎のごとく(猫だが)その場を後にした黒歌には、その後の二人がどうなったのかはわからなかった。

 

――――

 

帰路。

ジュネスが近くにあるとは言え、映画館まではまだ再開していなかった。

そのため、本当にケーキを食べに出かけただけに終わってしまう――かに思われた。

 

「ここは……フン、無意識とは言え来ちまうものだな。引き寄せる何かでもあるのかね」

 

二人がやって来たのは、かつてイッセーがレイナーレに殺されそうになった公園。

そこにセージが割り込んだことで、取り巻く運命は大きく変わっていったのは

最早言うまでもない。

 

「……後悔していますか? イッセー先輩を助けようとしたこと」

 

「人助けで後悔なんて、一番抱いちゃいけない感情だと思うんだ。

 誰かを助けると言う事は見返りを期待してやる事じゃない。

 後悔するってのは、見返りを期待してなきゃ出てこない感情だと思うからな」

 

白音の問いに、はっきりと答えるセージ。

確かに、イッセーを助けた事でセージは負わなくてもいい苦労を背負い

立ち向かう必要のない運命に向かう事となったかもしれない。

 

……しかし、それでも。

 

「……私は、言っちゃ悪いかもしれませんけどセージ先輩がいてくれて、その力を得てくれて

 本当に良かったと思ってます。姉様も助かりましたし、私も自分の道を歩けそうですから。

 リアス部長の下にいた時も、自由は確かにありました。

 けれど、それは転生悪魔としての自由。リアス部長の所有物であると言う現実は

 どこまでも付いて回ったと思うんです」

 

転生悪魔の置かれている状況、取り巻く環境はセージも冥界で調べていた。

そして出した結論こそが、悪魔の駒(イーヴィル・ピース)の破壊によるはぐれ悪魔の解放。

この方法で黒歌は救われ、ひいてはよりブラッシュアップした手法が

「生きながらにして安全に悪魔の駒を抜き去る」手術である。

 

しかし、この方法は「一度殺されたうえで転生させられた転生悪魔」には適用されない

――その場合、摘出した時点で命を落としてしまう――ため

未だ悪魔の駒を取り巻く環境は良いものであるとは言えない。

結局、本人の意思に関係なく他者を束縛する枷。

それが、悪魔の駒否定派から見た悪魔転生システムの結論なのである。

 

白音もセージも、既に悪魔の駒の呪縛からは解放されている。

それは、リアス・グレモリーと言う干渉を受けることなく、冥界の思惑に左右される事無く

本当の意味で、自分の道を選ぶことができることを意味している。

生きると言う事は選択の繰り返しである、それを行う権利は誰しもになければならない。

たとえ幸せであろうとも、選択する権利を奪われた生に何の意味があろうか。

 

そして、選択した結果には責任が伴う。それを、セージはある意味で痛感していた。

 

「後悔はしてない。ただ、責任は重大だなと思ってさ。

 黒歌さんにしたって、『助けました、ハイ終わり』じゃ済まないだろ?

 はぐれ悪魔で無くなったのはいい。だが、それからどうするか。

 勿論決めるのは本人さ。けれど、それに俺がノータッチってのは

 ここまで彼女を引っ張ったって事を考えると、どうかと思うんだ」

 

黒歌を助けた事によって背負うリスク。彼女が誰かから恨みを買っていないか。

彼女には死んでもらっていた方が都合がよかった勢力もあるだろう。

彼女を生かし、そして協力すると言う事はそんな連中とぶつからないとは限らないのだ。

 

「……言いたい事は分かりました。けれど、それじゃいつかセージ先輩は……」

 

「こう言いたいのか?

 『そうやって誰かを助け続けていたら、いつか支えきれなくなって自壊する』って。

 ……俺もそう思う。けれど、何もしないで見捨てる方が余程後味が悪い。

 俺に力があるなら、猶更だ。

 

 だから、自分が手を煩わせた、とかは思わないでくれ。

 そう思われるのが、一番自分のやった事に疑問を抱いちまうからな」

 

話は終わりだ、と言わんばかりにセージは半ば強引に話を切り上げ

食後の運動と言わんばかりに公園を歩き始める。

白音もそれに付き従う形で、結局ケーキを食べに行くのと

手をつなぐことも無く公園をほっつき歩くだけで

二人のデートは幕を閉じたのだった。

 

 

(……何故でしょう。セージ先輩の背中が大きいのはわかるんですけど……

 

 ……いつか、壊れてしまいそうな危うさが見えて仕方ありません……)

 

白音の胸には、言いようのない不安が去来するのだった……




……あれ? 日常回のはずがそれほどギャグやってないぞ?
なお当事者以外がギャグ時空にいる模様。

>ケーキバイキングの店
赤土って奴が昔行ったケーキバイキングの店のパスタがえらくまずかった。
割となんでもうまいと言う彼にしてみたら珍しいお話。
そりゃあ、ケーキバイキングでパスタ食うのは邪道かもしれないけどそれにしたって。

因みに本文中では触れてませんが、やはり物資不足なので時間制限シビアです。

>ケーキバイキングの客の元ネタ
「仮面ライダーアマゾンズ」より黒崎武と「仮面ライダーエグゼイド」より鏡飛彩。
そして「艦これ」の一航戦の二人。
今までと同じくそっくりさんです。

黒崎さんの名字が拙作出演済みの安玖信吾と同じ「安玖」になってますが
これは中の人同士の関連性から。台詞は本編で実際に訪問した際のパロディ。
今回ケーキ食べる前にはぐれ悪魔討伐に駆り出された形ですが別にセージのせいじゃない……と思いたい。

因みに、原典の黒崎さんはアメリカ特殊部隊出身ですが
拙作の安玖(兄)はシャルモンのオッサンとの繋がりでフランス外人部隊に
在籍していた経歴があります。

加賀さんらしき人が鏡先生らしき人を「兄さん」と呼んでいるのは
加賀(かが)(かが・み)、持ち歌(?)の加賀岬(かが・みさき)の混成ネタ。
鏡先生の恋人の名前も早紀だけど、今回は鏡早紀としちゃうと
真夜(防空重巡でもレッポジ編集長でもあらず)の中の人と被ってしまうから
兄妹設定に。

ライダー俳優組は甘党、一航戦は大食いのベストマッチ(?)で今回出演と相成りました。
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