ウルトラマンゼロ&プリキュアオールスターズ   作:JINISH

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今回はゼロは出てきません。


マリー・アンジュ

戦いが終わり、ホープキングダムに帰還したシン達。

真理奈は五体満足になるものの、ティガの光の力が失われたままだった。

シン達は真理奈の家に宿泊した時、真理奈となぎさとほのかと咲と舞の前にディアーナがやってくる。

そして、ディアーナと一緒に来訪したのは、プロトジコチューの戦いの後、消えてしまったはずのトランプ王国の王女、マリー・アンジュだった。

 

咲「えっ!?なに!?どういうこと!?」

なぎさ「ありえな~い!」

 

なぎさ達は目の前にいるアンジュを見て動揺を隠しきれなかった。

 

真理奈「ディアーナ!一体どういう事!?」

ディアーナ「あなたが怪獣に負け、ホープキングダムに療養していた頃、イビロンが蘇った場所に向かいました。」

 

ディアーナは真理奈達にアンジュと出会った時の事を話した。

ディアーナはヤマザキの手によって蘇らせた現場に行くため、ジュエル鉱国に繋ぐ通路を掻い潜ってきた。

辿り着いた場所はトランプ共和国郊外にある菜の花畑である。

その菜の花畑の中心に地割れが残っていた。

 

ディアーナ『イビロンが封印されたのは真理奈達が訪れた島だった・・・それがどうしてここに・・・』

 

ディアーナは菜の花畑の地割れを見て言う。

1万年前に『ディメンジョンゲート』と繋がった無人島で封印されたはずのイビロンが現代ではトランプ共和国郊外の菜の花畑で目覚めたことに疑問を感じたディアーナ。

その時、地割れした場所から数百メートル先に女性が立っているのにディアーナは気付く。

ディアーナはその女性の元に駆け付ける。

 

ディアーナ『あなたは?』

アンジュ『あなたは、ダイヤの民ですわね?』

ディアーナ『あ、はい。ディアーナと申します。』

アンジュ『私はマリー・アンジュ。トランプ王国の王女です。』

ディアーナ『えっ!?アンジュ王女!?』

 

ディアーナは目の前の女性がマリー・アンジュであることを驚く。

なぜなら、マリー・アンジュはプロトジコチューの戦いの後、別れを告げて消えてしまったのだから。

 

ディアーナ(・・・体が透けている・・・)

 

ディアーナはよくよく見ると、アンジュの体が透けていることに気付く。

ディアーナは今のアンジュの状態を察した。

今のアンジュは未練があり、成仏できず、魂となって残っているのだと。

ディアーナはアンジュを連れて、真理奈達の元に来たのだ。

 

真理奈「なるほど。じゃあ、目の前にいる王女様は霊体となって現代に留まったってわけだ。」

ディアーナ「はい。本当は真琴に会わせたかったのですが、ユグドラシルの事もあるのでこちらに連れて行くことにしたのです。」

 

ディアーナは真理奈にアンジュを連れてきた理由を言う。

 

ほのか「あの、王女様。あなたがここにいるという事は、やっぱりマヤさんの事が気になったんですか?」

アンジュ「えぇ。マヤは真琴の幼馴染でしたから。今の彼女はプリキュアの力を手に入れ、デニーズと共にトランプ共和国に攻め入れようとしていることを知っています。」

 

つまり、アンジュはマヤの事が心残りで現代に留まっているという事である。

 

真理奈「・・・」

舞「?真理奈さん?」

真理奈「あ、いや。なんでもないよ。」

 

真理奈は舞に振られるも、何事もないように振る舞う。

 

真理奈「それより、アンジュ姉さん。私に会いたがってるようだけど、どうしたの?」

 

真理奈はディアーナからアンジュが会いたがっていると聞いたので、その訳を聞いた。

 

アンジュ「そうでしたわね。そろそろ本題に入らないと。」

 

アンジュは苦笑いしながらも、真理奈の質問に答える。

 

アンジュ「私をユグドラシルの本拠地へ連れていってほしいのです。」

 

真理奈はアンジュの返答を聞いて、真剣な面持ちをする。

 

なぎさ達「えぇぇぇぇ~~~~~っ!!?」

 

なぎさ達はアンジュの返答に驚く。

 

なぎさ「敵の本拠地に!?ありえな~い!」

咲「ど、ど、ど、ど、どうしてですか!?」

 

咲はアンジュにそう質問する。

 

アンジュ「もちろん、亜久里達を助けたいというのもありますが、間違った道を歩んでいるマヤに話をしたいからなんです。」

なぎさ「話って何・・・!?」

 

なぎさはアンジュがユグドラシルの本拠地に行きたいという理由を聞いて、更に質問するが、真理奈に止められる。

 

真理奈「どんな話をするかは聞かない。あんたにも事情ってモンがあるだろうからね。けどさ、その話を終わった後、あんた自身はどうするの?真琴達と別れる時みたいに消えてなくなるの?」

 

真理奈は真琴とディアーナが話していた内容を覚え、アンジュにそう質問する。

アンジュは否定とも肯定ともならないのか、表情が曇っていた。

真理奈はアンジュの表情を見て、溜息を吐く。

 

真理奈「私さ、前に真琴とディアーナからあんたの事を聞いて、納得できなかったの。プロトジコチューを倒してやっと平和が戻ったっていうのに、あんたが真琴と別れてあの世に逝くなんてさ。その話を聞くと、私の祖父ちゃんの事を思い出すんだよね。『ディメンジョンゲート』の設計図なんて置き土産をして、私の知らない所で勝手におさらばしちゃってさ。勝手なのよ、アンジュ姉さんも。」

 

真理奈はアンジュに対し、怒りの表情で言い続ける。

 

真理奈「本当は生きたい癖にさ、大人ぶって格好つけて、残された人達にハイさよならで済ませないでよ・・・」

 

真理奈は怒りの表情のまま涙を流していた。

真理奈はそれに気づき、何度も腕で涙を拭いた。

 

真理奈「決めた。あんたの言う通り、マヤの所に連れて行く。」

なぎさ「真理奈!?」

ほのか「本当に!?」

 

なぎさ達は真理奈の言葉に驚く。

しかし、その直後・・・

 

真理奈「けどさ、あんたの話を終えた後、マヤが持っているファイルの力で蘇らせておく。」

アンジュ「!」

 

アンジュは真理奈の答えに驚く。

つまり真理奈はアンジュをユグドラシルの本拠地に連れて、マヤと話をさせる代わり、ハピネスチャージプリキュアを含めたプリチェンミラーを持つプリキュアから奪ったプリカードとデニーズから渡されたプリカードファイルを所持しているマヤにアンジュを蘇らせるよう説得すると考えている。

 

真理奈「嫌なんて言わせないからね?」

アンジュ「分かったわ。お願いします。それと・・・」

真理奈「?」

アンジュ「ありがとう。」

真理奈「どういたしまして。」

 

真理奈はアンジュの気持ちが理解したかのように返事する。

その時、真理奈のiPadから着信音が鳴り響く。

真理奈はiPadを取り出し、通信を繋ぎ、映像を出す。

その映像からマナと六花が出てきた。

 

マナ『あ、真理奈!?よかった、目が覚めたんだね。』

真理奈「心配かけたわね。それよりどうしたの?いきなり連絡して?」

 

真理奈は連絡してきたマナに質問する。

 

六花『まのん達が帰った後、ユグドラシルの手掛かりがないか探してみたけど、セバスチャンさんが大貝町から離れた場所に小屋があって、そこに『ディメンジョンゲート』と同じものを見つけたの。』

真理奈「ゲートが!?」

マナ『うん。多分そのゲート、ユグドラシルのアジトに繋がってるんじゃないかな?小屋の近くに大きいタイヤの痕が残ってたし。大きさからして亜久里ちゃん達を連れて行った車のホシイナーかも。』

 

つまり、マヤが命じた自動車のホシイナーは亜久里とアイちゃんをゲートがある小屋に連れて行って、そこでデニーズの部下が亜久里、アイちゃん、レジーナを連れてゲートに入り、ユグドラシルの本拠地に拉致したという事である。

その時、マナと六花とは別の着信音が鳴り、マナ達の映像を残し、もう一つの映像を流す。

その映像から出たのはダニエルとキャサリンである。

 

真理奈「ダニエル!キャス!」

キャサリン『真理奈!目が覚めたのね!』

真理奈「キャス、心配かけたわね。」

 

キャサリンは真理奈の無事を画面越しから見てホッとする。

 

ダニエル『真理奈、何が起こったかは聞かないけど、まのん達に迷惑をかけないでくれ。マナ達からも心配していたからね。』

真理奈「あ、あはは・・・努力するよ・・・」

 

真理奈はダニエルに言われて苦笑いする。

 

真理奈「ダニエル達の方も何か手掛かりを掴めた?」

ダニエル『あぁ。クラウス・エッカルトにユグドラシルのアジトに潜り込ませたおかげで、デニーズの計画を知ることができた。』

真理奈(よくそんなことができるわね!?)

 

真理奈はクラウスのスパイ行為に心の中でツッコミを入れる。

 

キャサリン『デニーズは明日の昼頃にトランプ共和国に向かうわ。ウルトラマン達が倒した怪獣のクローンを引き連れて。』

マナ『亜久里ちゃんとレジーナは即位させるためにアジトに置いて行くはずだから、一緒に連れて行かないんですよね?』

キャサリン『えぇ。ありすお嬢が話した通りよ。アジトにはイヴィルアイによってプリキュアの力は使えない。レジーナの方は知らないけど、亜久里ちゃんはプリキュアに変身できるから完全にゆりかごの中よ。』

 

キャサリンはデニーズの計画を話す。

 

ダニエル『それからクラウスが得た情報によると、ヤマザキが作った改造エボリュウ細胞をロケットに積載し、それをトランプ共和国と大貝町に繋ぐ空間の裂け目に通して発射する計画も知った。』

真理奈「エボリュウ細胞!」

ほのか「それを移植した生物が怪獣になる細胞だったわね。」

なぎさ「そんなことをしたら・・・!」

真理奈「大貝町だけじゃなく、周囲の生物が怪獣になってしまうわね・・・!」

 

真理奈は苦虫を噛み潰したように言う。

 

マナ『とにかくユグドラシルの計画を止めなきゃ!でもトランプ共和国を守らなきゃならないし、亜久里ちゃん達を助け出さなきゃならないし・・・よし!こうしよう!真理奈とまのんちゃん、それから先輩のプリキュア達は私と六花が見つけたゲートでユグドラシルのアジトに潜入して亜久里ちゃん達を救出して、イヴィルアイを破壊!トランプ共和国はすでに到着しているありすとまこぴー、そしてフレッシュプリキュアとスマイルプリキュアとハピネスチャージプリキュアがトランプ共和国にいるウルトラマンと一緒にユグドラシルとクローン怪獣を全力で阻止!そして、地球に残っているウルトラマンはエボリュウ細胞入りのロケットを阻止する!ハートキャッチプリキュアとスイートプリキュア、そしてプリンセスプリキュアと魔法つかいプリキュア、それから新しく入ったキラキラ☆プリキュアアラモードと私と六花は先に潜入した真理奈達がイヴィルアイを破壊したと連絡が入ったら、すぐに突入し、イビロンと戦う!こんな感じでどうかな?』

 

マナは亜久里とアイちゃんとレジーナの救出、イヴィルアイの封印、トランプ共和国の防衛、エボリュウ細胞の感染阻止、イビロンの討伐を考え、真理奈達に伝える。

 

真理奈「おぉ・・・どえらいこと考えたわね・・・けどさ、イヴィルアイを破壊するって言ってもどうやって?」

マナ『明日、説明するよ。それで、アジトに入るためには直通のゲートを開けなきゃいけないけど、出来そう?』

 

真理奈はマナの質問に頭を抱える。

 

真理奈「そのゲートは他人様の物だからな・・・でも、母さんと協力すればできるかも。」

六花『じゃあ、明日お願い。』

真理奈「うん。母さんに伝えとく。」

 

真理奈はマナと立花にそう伝える。

 

真理奈「ダニエルとキャスはこれからどうするの?」

キャサリン『イルマ財閥に向かうわ。』

ダニエル『イルマ代表の知り合いが防衛チームを組織させ、現在は怪獣に対抗する戦闘機を開発している。一度イルマ代表に話をついて、防衛チームを支援するつもりだ。』

真理奈「げっ!?イルマさん、そこまでしてきたの?!」

 

真理奈はイルマ財閥の現状を聞いて驚く。

 

真理奈「と、とにかく、お互い無事で。」

ダニエル『あぁ。そっちも気をつけろよ。』

マナ『それじゃあ、また!』

 

マナ達とダニエル達は真理奈との通信を切った。

 

アンジュ「ウフフ、マナさんと立花さん、相変わらずお元気ですね。」

真理奈「えぇ。特にマナなんかうるさいぐらいよ。それより、今回の事、母さん達やはるか達にも伝えないとね。」

なぎさ「じゃ、私達も付き合おっか。」

ほのか「うん。」

真理奈「サンキュー。」

咲「じゃぁ、私達はつぼみちゃん達に連絡しとく。」

真理奈「お願いね。」

 

真理奈達はアンジュの事やマナ達とダニエル達が言っていた事をのぞみ達に伝えに行った。

そして、咲達はつぼみ達に連絡した。

 

 

 

 

 

 

同刻、サハリンでは長い尻尾を持つ三日月状の角をした怪獣がゴメスと対峙している。

その怪獣の名は古代怪獣ゴモラ。

ゴモラザウルスという学名を持つジョンスン島に眠っていた恐竜の生き残りである。

得意の尻尾攻撃で初代ウルトラマンを退けたことがある。

ゴモラは超振動波を放つ。

一方のゴメスは火炎状の放射線を放った。

ゴモラの超振動波がゴメスの火炎放射に押される。

ゴモラはゴメスの火炎放射を受け、倒れる。

その時、ゴモラの背後から黒い渦が現れ、そこからイビロンが現れる。

イビロンは触手でゴモラの背中を刺す。

その時、ゴモラは急に起き上がり、体全体がオーラを纏い、そして、ゴモラが皮膚が鎧のようになり、凶暴そうな面構えとなる。

今、ゴモラの姿はEXゴモラとなっている。

地球のレイオニクスであるレイが覚醒したと同時に強化変身した姿である。

ゼットンやキングジョーブラック、そしてアーマードダークネスを圧倒する程の力を発揮することができる。

EXゴモラは尻尾でゴメスを薙ぎ払う。

ゴメスはEXゴモラの力にふらつかせるが、なんとか起き上がって、EXゴモラに火炎放射を放つ。

EXゴモラはEX超振動波でゴメスの火炎放射を破り、そのままゴメスに直撃する。

ゴメスはEXゴモラの攻撃によって爆散される。

イビロンはゴメスが倒された瞬間を確認した後、触手から赤黒い光線を放ち、EXゴモラを吸収した。

そして、イビロンは触手から巨大な水の球を生み出す。

その水の球が変形し、イビロンと同じ姿となった。

しかも本物と同じ姿でイビロン本体が触れても崩れることがなかった。

偽物のイビロンは黒い渦を発生して、その渦の中に入っていく。

そして、本物のイビロンはどこかに飛び去って行った。


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