闇の魔王とフェイト   作:はちみつえなじー

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まおうとフェイト

世の中には様々な悪がある

 

良い悪、悪い悪、良い悪とはなんか違う気もするがまぁ何らかの理由があって悪事を働く事もあるだろう。

 

しかし、この物語は悪い悪に関する物語である…

 

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我が名はヒビキ

世界征服を目的とした魔王である

今は管理局局員として世界の平和とやらを守っているが、それも作戦の一つ…

 

我が名を耳にしただけで失禁するような世界を作るための布石なのだ

 

我の事をただの管理局員だと思っていた奴らが覚醒した我の姿をみて狼狽える姿が目に浮かぶわ!!!

 

「ふふふふふ、ふははははははは!!!!」

 

「ヒビキ、少しうるさいよ?」

 

「あっ、うん…」

 

フェイトに怒られてしまった

 

フェイトとは我の上司にあたる人物であり古くからの親友でもある。

 

昔からフェイトに逆らえる気がしないのだ…

しかしそんな態度とれるのも今のうちだぞフェイト!!!お前も、我の真の姿を見たらそんな態度をとれなくなる…

 

でも、まぁフェイトなら幹部ぐらいにはしてやっても良い…かな…?

 

「ふふふ、楽しくなってきたな…ふふ…」

 

「はぁ…良いから仕事行くよ?」

 

「ん?あ、ああ仕事ね…うん」

 

「ちゃんと立って、ちゃんとハンカチとティッシュもった?おしっこしたくない?準備できたら行くよ?」

 

「うん…ちゃんと持ったぞ。…って我は子供か!!」

 

「ふふふ、だってヒビキちっちゃくてかわいいんだもん。なのはもはやてもヒビキのことかわいいってよく言ってるよ?」

 

確かに我は小さい…

小さいのだ…全てが…

フェイトやなのはと同じ年だとは自分でも思えない。鏡を見るたびに悲しくなる。

 

「わ、私にかわいいとか言うな…恥ずかしいだろ…」

 

「ほんとにヒビキはかわいい!」

 

「やめんか!!我は暗黒の力を持つm「はーい!じゃあ行くよー!」…って話を聞け!!」

 

全くこいつは全然我の話を聞かない女だな…

我は魔王なのに…

 

グチグチいいながらフェイトあとについていく

 

「それで、今日の仕事はなんなのだ…。この魔王たる我にふさわしい仕事でなければ受けてやらんぞ?」

 

「今日の仕事は普通に書類整理だよ?」

 

む?むむむ?

そんなの全然かっこよくない…

 

「フェイト!!そんなの全然かっこよくないではないか!もっとこうでかい事件とかないのか⁉︎」

 

「もぅ、なにも事件が起きず平和に事務仕事で済むなんてすごく幸せなことなんだよ?事件が起きてるっことは不幸になる人がいるってことなんだよ?」

 

フェイトが真顔で私の顔を見てくる

なんか申し訳ない気持ちになる。

 

「う、うん。わかってる…って我は魔王なの!悪なの!混沌を望んでるの!!」

 

フェイトの正義パワーが強すぎて流されるところだったぞ…

 

そんなこんなしてるうちに本局に着き自分に与えられた椅子に座り仕事に手をつける。

 

「うむむ…我はこのようなちまちました作業は苦手なのだ…こんなのも下々の人間がやれば良いではないか…」

 

絶対我が世界を征服した時は我にこの仕事がこないようにしよう…

 

 

スクリーンに映し出される情報見ているだけで脳が無意識に考えるのをやめようとしているのがわかる

 

しかし、これが本当にフェイトが望んでいる平和というものなのだろうか…

面倒くさくて平和というものを喜べん

 

早く昼飯にならないだろうか

ダラダラと仕事を続けながら時間が進むのを待つ…

ちらっとフェイトを見るとテキパキと仕事を片付けていく…

あれがソニックムーブかぁ

 

時計の針が12時を指した

 

「よしフェイト!飯を食いに行くぞ!今日の日替わりは豚汁が付いてくるのだ!我は豚汁が好きなのだ!さぁ!行くぞ!」

 

はやくはやくとフェイトを急がせながらフェイトの服を引っ張る

 

「わかった、わかったからそんなに引っ張らないで…制服が伸びちゃうよぉ」

 

食堂

 

「うん!うまい!!豚の生姜焼き定食に豚汁が付いてきたから豚と豚がかぶってしまっているが、そんなこと気にならないぐらいうまいなぁ!」

 

なかなかに幸せな時間だ。

食事の時間は我も幸せを肯定してしまう

 

「ヒビキは本当に美味しそうに食べるなぁ…私もその定食にすればよかったかな?」

 

フェイトが羨ましそうに見てくる。

うーむ仕方ない

 

「仕方ないな!じゃあ豚の生姜焼きを一切れやろう!その代わり我にも献上せよ!!」

 

そう言いながらフェイトの皿に生姜焼きを一切れ置いてやる

そのままフェイトの食べているスパゲティを一口分もらう

 

「ヒビキありがとう、やっぱりヒビキは優しいね。この生姜焼き美味しいよ」

 

「そ、そうか。まぁ将来の家臣が喜んでいるならくれてやった甲斐があったな…」

 

フェイトは人のことを褒めるのがうまい

ずっと一緒にいてそう感じる

我の部下にふさわしいな

ん?

 

「って、また優しいとかいう!魔王である我に「ほっぺに米粒ついてるよ?とってあげるよ、やっぱりヒビキはかわいいね」…んんん…」

 

また可愛いとかいう…

恥ずかしいよ…

フェイトはすぐ可愛いって言うんだもん…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、もう今日はこんな仕事したくないぞ…(サボるか…)」

 

午後になって腹がふくれると仕事に対する感情が負のものに変わってくる…

もともと正ではないけど。

少なくとも今よりは正だった

 

「こらっ!後回しにしちゃダメだよヒビキ、いつも期限ギリギリなって大変な目にあってるでしょ!」

 

うぐっ…図星すぎて心にクリーンヒット…

フェイトは午後でも真面目だなぁ

 

 

そうなのだ、私はいつもいつも後に回して酷い目にあっているのだ…

 

「し、しかしなフェイト…人には向き不向きがあるのだ。できないものはできないで良いではないか…その人その人の長所を伸ばすことが大事なのではないか…?無理だと言ってるものに無理矢理やらせるのはお前の考えてる平和とは違うのではないか!」

 

これはイケる!

この反論なら…イケる!!

 

「いやこれ仕事だし、言われたことできなきゃダメでしょ」

 

「……たしかに…」

 

私はその正論すぎるフェイトの返しに文句を言うことはできず午後からは無言で仕事を淡々と続けた…

 

 

○月▽日

きょうはなにもなくへいわでした。


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