逢とおでんを学校の中庭にある長椅子に座って食べながら話している。
「兄さん。」
「どうしたんだ逢?」
「兄さんってなんで水泳を始めたの?」
「なんでか?・・・なんでかな?わからねえや。」
「そうなの?」
「そうだな。でも今わかることは、俺は水泳が好きだぜ。他のスポーツも好きだけどやっぱり水泳が一番だな。」
「なんで?兄さんの水泳の練習って辛いよね?」
「だからかもしれないぜ。」
「どういうこと?」
「逢は辛い練習が嫌だと思うか?」
「うん。」
「でもさ、その練習をしたおかげで上手くなれるんだ。それならさ自然と気合いが入らないか?」
「でも辛いよ。」
「でもさ。大会で優勝した時の嬉しさに比べたら練習の辛さなんて無いも等しいからな。それに逢は小学生の時、俺がお前の担当の上級生だったから俺のやり方を知ってるだろ?」
「うん。」
「どうだった?水泳が嫌いになったか?」
「寧ろ好きになったよ。」
「だろ。水泳に限る話じゃないが練習はしんどいけど試合は楽しい。これが俺の水泳道だ!」
と俺は逢に話してから学校の屋台をいくつか回った。
時計を見るとだいぶ片付けの時間が近づいたので片付けを始める為に逢と別れた。
「響、お待たせ。」
「いいタイミングよ深夜。」
「そりゃよかった。」
「あらなんでなのかしら?」
「響に飯を奢ることにならなくて。」
「その言い方だと私が大食いみたいね。」
「大食いというかファミレスにたまに俺の奢りで行ったら高いのばかり選ぶだろ。」
「いいじゃない。私と深夜の仲なんだから。」
「知ってるか響に。親しき中にも礼儀ありって言葉を」
「知ってるわ。だからしっかりと残さず味わって食べてるじゃないの。深夜の奢りって考えるとすごく美味しいのよ。」
「それはファミレスの料理人の実力だ。」
「まぁいいや。さっさと片付けて帰ろうぜ。さっきからはるかから電話がうるさいんだ。」
「深夜がいなかったら今日も苦労するのは私だったのね。私の普段の苦労を味わうといいわ。」
「勘弁してくれよ。取り敢えず早く片付けよう。」
そう言って俺と響は急いで片付けを始めた。
30分ほどたって片付けが終わりはるかに電話をかけ直す。スピーカーで
「おっそーい深夜!」
「悪かったよ。で様は何?」
「そうそう!一緒に帰ろう!」
「響もいるぞ。」
「響ちゃんも。」
「私はダメなのかしら?」
「ひっ響ちゃん!もっもんだいいよ。(深夜君と2人で帰りたかったな。)」
「はるか。今深夜と2人で帰りたかったって思ったでしょ?」
「そんな事ないよ。早く校門に来てね待ってるから。」
そう言ってはるかは電話を切ったのだ。
「響取り敢えずはるかって仲悪いのか?それとなんで俺と2人で帰りたがるんだ?」
「はぁー。深夜ってやっぱり超がつくほどの鈍感ね。」
「なっ!」
とこんな会話をしながら校門に着き3人で家に帰ったのだ。