ちなみにプロデューサーは声優さんの名前を使わせてもらいました。他の方々もされてる人が多いですが大丈夫ですよね?
「はい?」
「だから、私アイドルになるって。」
「…ちょっとタイム。」
状況を整理しよう。
リーナは俺の友だち、その友だちと会ったらアイドルになると告白された。
…日本語がわかっても理解できないってこういうことか…
「ビックリした?」
「リーナの記憶に俺がこれ以上理解力を失ってる時はある?」
「ないね、いやー、遊を驚かせるなんて私ロックだね!」
そもそもリーナといる時が一番ふわふわしてるからただでさえ理解力無くなってるしな。
「そもそもどういう経緯だよ。」
「んー、346プロってとこで新人アイドル募集しててね、」
「346って…大企業じゃねえか。」
「それでアイドルのオーディション受けて、採用されたんだ。私のロック魂が伝わったんだよ!」
さすがにそれはないと思うけど…まあリーナそこらのアイドルよりかわいいしな、通っても不思議は無い。
「ってかなんでアイドルになろうと思ったの?」
「わかんない?」
「…女の子はアイドルに一回は憧れるって聞いたことあるけど。」
「んー、間違いではないけど正解じゃないね。」
「だよなあ…」
考えてはみるけれど心当たりが無い。こういう時にリーナとの付き合いの短さを自覚して寂しくなる。
「そのうち教えてあげるよ。…これで、夢への扉が開いたんだ。」
「夢、か…」
「うん。有名人になって、私を楽しませてくれたロックに貢献する。あともう一つあるけどそれは秘密。」
「デカい、な…」
俺には決して思いつきもしない夢だ。こういう所でリーナは主人公なんだって思う。
「差がついちまったな。」
「そんなことないよ。私にとって遊は大っきな存在だからね。」
「とはいってもな…あれ?もしかしてこれからはこういうふうに会えない?」
「え?」
「いや、アイドルになるんだったら時間無くなるだろうし、そもそも男と会うってダメなんじゃね?」
「え?あれ?」
「どっかのグループみたいに恋愛禁止だったりしないの?いや、付き合ってはないけど…」
うぅ、こんな事言いたくねえ…
「ちょ、ちょっと聞いてみる。」
「そうか。」
「ねえ、今から会えないかって。」
「誰が?」
「私のプロデューサーさん。」
ああ、そっか。そんな人がいるのか。
「会えるけど、なんで?」
「本人と話がしたいって。」
「ほ、ほう。」
一体どんな紹介をやらかしたんだこの子は…
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「初めまして。多田さんのプロデューサーをさせて頂いている武内です。よろしくお願いします。」
「こちらこそ。藤堂遊です。それで、どんな話を?」
「はい。藤堂さんが多田さんとお付き合いしてると聞きまして。」
「「え?」」
「はい?」
「俺たち付き合ってませんけど…?」
「そうなんですか?大切な男の子と会えなくなるのは嫌だとおっしゃっていたのでてっきり彼氏の方かと。」
「どんな紹介してるんだよ。」
「あいや、間違ってはないでしょ?」
そう言ってくれると嬉しいから困るな。
「とはいっても、二人で会うってのはやっぱり問題になりますか?」
「そう、ですね。心ない人も、邪推する人もいますから。新人アイドルのうちにそういうイメージがつくことは良くないと思いますし、こちらとしても困りますね。」
「ですよね。」
「えっ、ってことは遊と会えなくなるってこと?」
「いえ、二人でデートをされるのは避けていただきたいと。何人か集まるなら問題ないと思います。」
「そ、そうですか…あっ、なら私が早く有名になって押しも押されもしないアイドルになれば!」
「その時はさらに忙しくなるし、俺が一般人の時点で炎上不可避だな。」
「そうですね。恋愛が祝福されるのは、こういう言い方はあまり良くはありませんが、立場がつりあってる時だけです。」
「で、でも付き合ってる訳じゃないのに…」
「デートしてるってとられたらダメだろ。」
「ぎ、ギターの指導だし…」
「プロの人がいるのになんで俺にってならないか?」
「う、うぅ…」
「まあ、会えなくなるわけじゃないし、梓とかがいれば大丈夫だから。」
「遊は、それでいいの?私は遊と二人で会いたいよ!」
「えっ…」
「私がアイドルになったのは遊を楽しませられるかなって思ったからなのに…こんな…アイドルにならなきゃよかったかな。…辞めちゃおうかな…」
「お、おい!もう採用されたんだぞ!武内さんもなにか言ってください!…!」
なんだ?心ここにあらずって感じだぞ…
「と、とにかく346としても損害が出るんだしリーナの一存で決めれることじゃ。」
「理屈では…わかるけどさ…理屈じゃないじゃん…」
だよな、それがわかんないほどバカな子じゃない。
どうすりゃいいんだ。ってかそもそもリーナは俺のことが好きなのか?もうわかんねえ。
俺のことをギターの師匠で友だちって思ってるだけじゃないのか?
「いや、ギター、か。」
「え?」
「さっき言ってたよな。ギターの指導って。武内さん。」
「は、はい。」
「346プロダクションでトレーナーのバイト募集してませんか?」
「えっ?」
「いや、こうみえても俺要領はいいんで。346の職員ならリーナと会ってもなんの問題も無いですよね?」
「い、いえ、そう申されましても。多田さんの為だけにあなたを雇うというのは無理があります。…」
「そうですか…そうですよね。変なこと言ってスイマセン。」
「遊…」
そんな悲しそうな顔するなよ。俺だって泣きたくなる。
「…あの。」
「はい?」
「多田さんはシンデレラプロジェクト、という企画でアイドルになります。」
「はあ。」
「そこで14人デビューしてもらう予定です。ちなみに、プロデューサーは私一人です。」
「じゅ、14?しかも武内さんだけでですか?」
「はい。とても有能なアシスタントの方が一人いらっしゃいますが、それでも人手は足りません。」
「それはそうでしょうね。」
「そこで、一度うちのアイドル部門のチーフと会ってもらえませんか?」
「は?」
「私の特別アシスタントのアルバイトとして、推薦します。不定期にアイドルの方々の相談相手として歳の近い人間がいるというのは心強いと思います。私の仕事も手伝ってもらえると助かります。」
「!本当ですか?」
「はい。といっても採用されるかはわかりませんし、採用されたらものすごく大変になると覚悟してください。アイドルの方々も学生が多いので仕事は放課後からになりますが。」
「…チーフさんに会わせてください。リーナの為に、採用されてみせます。」
「はい。頑張ってください。」
「遊…、ありがとう。」
「いや。武内さん。なんでここまでしてくれるんですか?たかが高校生に。」
「多田さんの笑顔が消えてしまいそうでした。」
「へ?私?」
「はい。今はとてもいい顔をしています。」
「そ、そうですか。」
なるほど、ね。武内さんの言うとおりだ。
「それと、もう一つ。こちらに来てください。」
「はあ。」
「大人は子どもが好きな子のために一生懸命なのが大好きなんですよ。」
「なっ…!」
「大丈夫ですよ。多田さんには聞こえてませんから。それに、私も職場に男性がいると非常に助かります。面接、通ってください。」
「は、はい!ありがとうございます!」
…はあ。まだ恋って認めたくないのにな。
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最後に遊とプロデューサーさんが話してたこと…聞こえちゃった。
遊は…私のこと好きなのかな。
私は…好きって認めよう。
できたらご意見聞かせてもらえると嬉しいです。感想でも批評でも待ってます!
読んでくださりありがとうございました。