大雨の予報が出てる今日、俺は人生を決めるかもしれない面接の日を迎えた。
目的は1つ、346プロに雇ってもらう。
幸い父親は特に反対せず、母親に至っては大賛成をしてくれた。受かったら俳優や歌手のサインを貰って来いと言ってたからそれが本音だろう。のんきな親だ。
「ついちまったな。」
家から電車を1つ乗り換え目の前には時代錯誤なデカい城。346プロダクションのアイドル部門の事務所だ。さっすが大企業。
「こちらの武内さんと会う約束をしている藤堂と言います。武内さんはいらっしゃいますか?」
美人な受付さんに出来る限り丁寧に話しかけてみる。礼儀があってるかはわからん。
「少々お待ちください。─はい、武内がカフェでお待ちください、と言っています。ゲストカードをつけてください。」
「あ、ありがとうございます。」
はあ…大人と話すのはつかれる…
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「ご注文よろしいですか?」
「あ、カフェオレお願いします。」
めっちゃかわいいメイドさんに注文したカフェオレを飲んで待つこと暫し。武内さんがやって来た。
「スイマセン、遅くなりました。」
「いえ、早く来てしまったので。こちらこそすみません。」
「上で部長が待っています。ここは払っておきましたので行きましょう。」
「いや、そんな悪いですよ。」
「君はまだお客様ですから。次からは先輩として奢れるようになってください。」
セリフカッコイイな。
しかもこれからも奢ってくれるなんて。この若さでデカい仕事してるんだし稼いでるんだろうな。
「藤堂君、今西部長は見た目は優しい方ですがとても頭がきれる人です。君なら大丈夫だと思いますが、肝に銘じておいてください。」
「はい。」
こんなデカい会社の部長さんだし当然といえば当然か。
怖いなあ…
「よろしいですか?」
「ああ、いいよ。」
「失礼します。」
「失礼します!」
武内さんに続いて入室。
この部屋の主は武内さんの紹介と声に違わず好々爺然とした人だった。
「君が藤堂君か。武内君から話は聞いてるよ。さ、二人とも座って座って。」
「失礼します!」
「はは、そんなに緊張しなくてもいいよ。」
「は、はい。」
無理を言わないでほしい。
「改めまして、藤堂 遊と言います。よろしくお願いします。」
「うん。僕は今西。346プロダクションアイドル部門の部長をやらせてもらってる。」
「部長、早速ですが彼を私のアシスタントとして採用して頂きたいと思っています。」
「そうらしいね。でも、千川君がついてるのにアシスタントを増やす意味はあるのかな?」
「はい。千川さんは私には勿体無いくらい優秀な方です。しかし、彼女には業務のアシストをしてもらっています。彼、藤堂君には直接アイドルの方々のアシストをしてもらいたいと。」
「それは武内君の仕事じゃないのかい?」
「私も当然全力を尽くしますが、14人をデビューさせ、トップまで支える。そのことをやり遂げる自信はありますが、彼がいればもっとアイドルの良い所を引き出し、その先に連れていけるのではないかと思います。」
「その先。」
「はい。トップアイドルのさらに向こう、私には想像できませんがそこがあるのは確かです。」
「なるほど。武内君の意見はわかった。─さて、藤堂君。君は何を語る?」
武内さんがこんなに雄弁に喋るのを初めて聞いた。付き合いが浅い俺にも相当珍しいことだと察することができる。
俺は、武内さんに報いなきゃなんない。そして、リーナのためにも。
「僕はアイドルに関してど素人です。」
「うん。」
「当然、立ち上がってそんなに経たないのに実績をあげている346プロダクションのプロデューサーさんやアシスタントさん、トレーナーさんに敵うとは思いません。」
「それはそうだろうね。でも、厳しいけどそれじゃ会社が君を雇うことはない。」
「わかってます。僕はある女の子のために今この場にいます。彼女は普通にしてても人を惹きつける魅力があります。でも、アイドルになればもっともっと輝けるって信じてます。その子をアイドルにするために、そして武内さんが言った向こう側に行く助けになりたいんです。僕はまだ高校生だけれど、それだからこそ彼女だけじゃなく他のアイドル達も、大人にはできないような面で支えられることがあるんじゃないかと思います。」
「なるほど、ね。君の言いたいことはわかった。─1つ聞きたいことがある。夢に敗れて去ってしまう女の子がいる。夢に向かう道が嫌になって去ってしまう女の子がいる。そんな子たちを君はどう思う?答えは今出さなくていい。これからアイドルの子と関わっていく中で出た答えを僕に教えてほしい。最低賃金法は守るから、これからよろしく。」
「……、!、はい!」
途中から敬語も変になったし話もめちゃくちゃだったし
具体性が一切なかったけど雇ってもらえるらしい。
多分給料は安いしバイトと同じ扱いかそれ以下だろうけど、リーナのためになれる。それがとても嬉しい。
「ありがとうございました!」
「気をつけて帰るんだよ。これからのことは武内君、いや、そこにいる千川君と相談してくれ。」
「え?千川さん?」
「どうも、千川 ちひろです。よろしくお願いします。」
「あ、こちらこそ!」
「フフッ、若いですね。では私達、シンデレラプロジェクトの部屋に行きましょう。」
「はい。」
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「部長、ありがとうございます。」
「いや、武内君から聞いた時にはもう雇おうと思ってたよ。確かに拙い面接だったし、常識では雇わない。でも、彼は君の言うとおりなにかがありそうだね。」
「はい。私も先程は本音で話しました。」
「うん。彼なら、君が今まで出せなかった答えを出せるかもしれないね。もちろん、君も質問に答えてくれるとありがたいんだけどね。」
「は、はい。」
「いやあ、若者は楽しみだ。」
アイドルが一切出てきませんがこれはアイドルマスターの二次創作です。
読んでくださりありがとうございました。