「千川さん、事務所…デカくないっすか?」
「そうですね。うちでも力を入れるプロジェクトなので。あと、ちひろでいいですよ。」
「ならちひろさんで。さすが大企業ですね。」
「はい。藤堂君にも頑張ってもらわないといけませんよ。」
「プレッシャーですね。」
「フフッ、プロデューサーさんが優秀な方ですから大丈夫ですよ。」
「ちひろさんも優秀って聞きましたよ。」
「あら、嬉しいですね。」
「謙遜しないところ好きです。ところで、俺の働き方ってどうなるんですか?」
「平たく言えばバイトです。定時ではなく、フレキシブルに働いてもらいます。お給料は時給で換算ですね。」
「平日は放課後ですか。」
「そうですよ。藤堂君は17歳ですよね?」
「はい。」
「なら、放課後来てもらって、最大でも22時までには帰ってもらいます。と言ってもアイドルのみんなもそんなに遅くなることはほとんど無いですし、20時位までには終わると思います。」
「休日は?」
「平日どの位来てもらったかによりますね。40時間を超えたらダメなので。」
「わかりました。」
「労働基準法は守るので安心してください。それと、手続きがあるので親御さんに一度来てもらえると。」
「父連れてきます。母をここに連れてきたら迷惑かけまくると思うんで。」
「わかりました。」
「はぁ…ホントに働くんだな。」
自分からやりたいと言ってるくせに実感がない。不思議なもんだ。
正式なバイトやった事ないしな。
あー、学校でも手続きが…成績落とさないようにしないとな。
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『ええ!?遊就職するの!?』
「違う。バイトみたいなもんだ。」
『346でバイトってスゴイねー。リーナのため?』
「あれ?リーナがアイドルになるって知ってんの?」
『うん。最近よく話すんだ。昔の遊の話とか。』
「俺の恥を勝手に漏らさないでくれますかね?」
『いいじゃん最近の遊は恥見せないんだから。』
「なにがいいのか全くわからん。…はあ、幼馴染ってのは厄介だな。」
『澪先輩が律先輩に受ける扱いより大分いいと思うけどな。』
「いや俺その二人の普段直接知らんし。お前の話でしか。」
『大体言ったとおりだよ。想像力を働かしなよ。』
「へいへい。そろそろおやすみ、梓。またバンド見に行かせてくれ。」
『うん。またね。』
梓は先輩の話をする時本当に楽しそうだな。
しかし…リーナにはカッコつけてたかったんだけどなあ。
おっと、張本人にも連絡しないと。
『もしもし?』
「リーナ、受かったよ。」
『ホント!?ホントに!?』
「ああ。」
『これで一緒にいられる、ね。』
「ああ。」
『ありがとう、遊…ありがとう。』
リーナ、涙声だな。
「ああ。─頑張ろうな。」
『うん、ロックにいこう!』
「そればっかだな。そういや梓がさ─」
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「おはようございます。」
今日が正式な初出社の日だ。
受付のお姉さんに挨拶をする。止められることがないのは社員証(バイト用)をつけてるからだろう。
他のところはどうか知らないけどバイトにもこんなモノが支給されるってのは芸能事務所だからだろうか。
ついでに今日はCINDERELLA PROJECTの開始日になる。
むしろ俺がついでだな。
「藤堂君、おはようございます。」
「武内さん。おはようございます。」
「体調はどうですか?」
「抜群です。ただ、緊張してます。」
「そうですね。私も緊張します。」
「武内さんでもですか。」
「ええ、もちろん。藤堂君はプロジェクトの皆さんとは初顔合わせになりますね。」
「はい。なんだこの高校生って思われそうですね。」
「私がちゃんと説明しますよ。千川さんもアイドルの方たちとは会ってませんし、大丈夫です。」
「そうだといいですね。もう皆いるんですか?」
「はい。では、行きましょうか。」
「はい!」
少し落ち着いてきた。雑談をして気が紛れたのかな。
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「失礼します。」
「失礼します!」
「プロデューサー!おはようございます!…と、えっと…」
「本田さん、おはようございます。彼の紹介はすぐに。」
「ども、おはようございます。」
「う、うん。おはようございます。」
本田さんか。ふむ、元気一杯だな。
そして流石にかわいい。
リーナは…なんだ?壁にもたれかかってる。話す相手いないのか?もしかしてクールにキメようとしてるのか。
「シンデレラプロジェクトの皆さん、おはようございます。」
「「「おはようございます。」」」
「本日からプロジェクトの開始です。正式にアイドルとなる日がやってきました。皆さんを手助けしてくれる方を紹介します。その後、皆さん各自で自己紹介をしてもらおうと思います。まずは、千川ちひろさん。私のアシスタントをしてもらいます。」
「よろしくお願いします。皆もどんどん頼ってくれていいですよ。」
「続いて、藤堂遊君。彼には皆さん全員のアシスタントをしてもらいます。」
「はい、藤堂遊です。高校二年生です。正直な話ど素人ですけど精一杯を尽くします。一緒に成長していけたらと思います。」
ということで俺と彼女達の初顔合わせである。
ポカーンとした顔をされてるがまあちょっとずつ縮めていこう。
リーナは笑ってやがる…
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