「……む?朝か」
晋矢は布団から出る。背中をバキバキと鳴らし、そして服を着替え、外へと出る。すると庭で妖夢が剣の鍛錬をしているのが見えた。
「晋矢、起きたのか」
声がする方に目を向けるとそこに白哉がいた。
「兄貴、おはよう。ヨウムはいつも鍛錬をしてるのか?」
「ああ、おはよう。そうだ。だから俺は邪魔をしないようにここで見ているんだ」
白哉は妖夢に視線を向けながらそう言う。
「凄い集中力だな。俺もヨウムを見習いたいもんだ」
「だな。あれは俺も真似出来ない」
晋矢と白哉は少し笑う。すると妖夢が気が付く。
「白哉さん。おはようございます。晋矢さん。起きていらしたんですか?」
「ああ、おはよう」
「さっき起きたよ。意外と早起きなもんでね」
「そうなんですか」
妖夢は笑って言う。すると白哉が
「…ヨウムを見ていたら久々にお前と手合わせをしたくなったよ。少しだけTHE WORLDの相手になってくれるか?」
白哉は立ち上がり晋矢の方を見る。
「あァ、ちょうど俺ももう一体のスタンドでやり合いたい気分なんだ」
晋矢はニヤリと笑い白哉の方を見る。
「お前もスタンドを2体持ってるのか」
「あァ、見てからのお楽しみって奴だ」
「ほお、そりゃあ楽しみだ。ヨウム、ここを借りても良いか?」
妖夢は「構いませんよ」と笑った。そして妖夢は縁側へと座る。
白哉はTHE WORLDを出す。それに応じて晋矢は世界を出す。
「……なるほど、「世界」か。これはいい相手になりそうだ。ルールは簡単、ユユコが起きるまでが勝負、そして時止めは無し。ユユコが起きるまでに再起不能になったらそこで終了だ」
「…上等!」
「ではヨウム、審判をしてくれ」
ヨウムはコクンと頷く。
「試合……始めッ!」
「「無駄ァ!」」
2人のスタンドが同時に拳を突き出す。しかし、お互い弾かれ、ジリジリと間合いを取る。
「フッ!」
先に動いたのは白哉だった。THE WORLDは左のフック、蹴り、右ストレートを繰り出す。だが世界はそれを受け流し、右フックでカウンターをする。THE WORLDはそれをしゃがんで回避。そして仗助が川尻にやった「ドラァ…!」の様な蹴りを繰り出す。世界はこれをマトリックス回避、そこから地面にパンチをする。だがそこにすでにTHE WORLDはいなかった。世界の拳は地面を殴る直前で止まり、晋矢の方へと戻る。
「流石、世界だ。THE WORLDと同じパワーとスピードを持っている」
「そんな華奢な身体でも、この世界と同じパワーとスピード、射程距離や持続性や精密動作性なんだよな。THE WORLDも流石だ」
そうして晋矢が動く。世界は回し蹴り、そのまま右フック、そして左アッパーを繰り出すがTHE WORLDはこれを難なく回避、そして右ストレートの後に左ストレートをする。それを世界はその攻撃を両方を拳で防御。
「……フフフ」
「なんだ?晋矢。ラッシュの速さ比べか?」
2人のスタンドが拳を握る。
「「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!!」」
世界とTHE WORLDは殴り合う。拳と拳がぶつかり合い、ガガガガガッ!という激しい音が鳴り響く。そして2人はピタッと拳を止める。世界とTHE WORLDは顔面直前で拳を止めていた。
「……引き分けか」
白哉はTHE WORLDを戻す。
「だな。ユユコが起きて勝負が付かなかった」
晋矢も世界を戻す。
「お2人共すごいですね。思わず魅入ってしまいましたよ」
妖夢が近付いてくる。
「それよりも、そろそろ行かないとやばくないか?」
白哉がそう言う。
「あ…そうですね。急ぎましょうか」
「手伝うよ。ヨウム」
と晋矢が言った。
朝食が終わり、そして晋矢と白哉は白哉の部屋でどうやってこの世界に来たかを白哉に話す。
「なるほど。大体は俺と同じという訳か」
「なら兄貴が4年前に行方不明になったのは?」
「俺が行方不明になった理由。それはある女が原因なんだ」
晋矢は驚いた表情をする。
「一体何をされたんだ?」
「俺は4年前。学校の帰りの途中、赤子が道路のド真ん中で泣いていた。車に轢かれそうになっていたその子を俺は助けたんだ。そこに母親が現れて「その子は私の娘です」と言われてその娘を返したんだ。その時に俺は気付くべきだったのかもしれない。この子が何故道路の真ん中にいたのかを。そしてその女にドンと突き飛ばされ、横を向いたらトラックが突進。そのまま白い部屋突入という訳だ」
「その子の名前は分かるか?」
「籠の中に名前が書いてある紙があったな…確か名前は……「眞子」だったか」
晋矢は轢かれる直前の記憶を思い出す。
「ママー!」
「眞子ー!」
「……兄貴」
晋矢は深刻な表情をする。
「どうした?晋矢」
「これも奇妙な運命って奴かな。俺はその女に殺されたんだ」
白哉が目を大きく見開く。
「何ッ……!?」
「俺がその少女を助ける前に女が名前を叫んでいた。確か名前は……「眞子」だ。帽子にも名前が書いてあったから間違い無い」
白哉は無言だった。しかし、怒りが伝わってくる。晋矢も人生で怒った事は一度もない。だがこの事実を知った今、怒らずにはいられなかった。
(俺だけではなく俺の弟までもこんな目に合わせるとは な…もしこの世界から外に出たその時……)
(兄貴が行方不明になったのは俺が前日に喧嘩をしたせいだと思っていた。だが違う。本当の犯人はあの女だった。あの女…もし外の世界に出たその時は……)
((即ッ!始末してやる!))
「幽々子様、あの2人、何故か怒ってますが大丈夫ですかね……」
妖夢は2人の様子を覗いていた。
「しばらくすれば出てくるわよ。先に食べていましょう~」
そう言って幽々子は1人で箸を進める。
「あぁ!食べるの早すぎますよぉ!」
その後2人は出て来て幽々子の無限の胃袋に苦笑いをした。
そして、その2時間後
「……ッ!」
「どうした?兄貴」
「ヨウム、ユユコ、晋矢。来たぞ。スケアリーモンスターズが5体のうち3体やられた」
幽々子は立ち上がり
「妖夢と私が先に行ってるわ。貴方達は紫に言って来て」
晋矢と白哉は頷き、西行妖へと走った。
「ユカリ!来たぞ!」
晋矢が叫ぶ。
「分かったわ。藍!」
「お呼びでしょうか。紫様」
「やるわよ!」
「分かりました!」
そして2人は呪文の様なものを唱え始める。すると西行妖の周りに文字の様なものが現れ、西行妖を包み、四角い結界を張る。すると西行妖の咲きかけていた桜がみるみるうちに枯れ始め、そして最後の1枚も散った。
「ハァ…ハァ…これで大丈夫よ……さぁ、思う存分戦ってきなさい……」
紫が息も絶え絶えに言う。それほどキツかったのであろう。
「分かったよ、ユカリ。あいつらにキツイお灸を据えて来てやる」
「終わるまでジッとしていろよ」
と言って晋矢と白哉は走り出した。
「くっ……!」
「大丈夫?妖夢」
妖夢と幽々子は苦戦していた。それはそうである。2対4なのだから。
「ほら、さっさと春を返しなさいよ。早く帰って寝たいんだから」
霊夢がそう言って2人にお祓い棒を向けて言う。
「そうだぜ!じゃないとお花見が出来ないぜ!」
魔理沙がそう言って八卦路を向ける。
「お嬢様が外を歩けないと困っておりますので返して貰えませんか?」
咲夜はナイフを構える。
「本当は着いて行きたくなかったんだけどね……取り敢えず、春を返して頂戴」
本を持った金髪の少女がそう言って人形を構える。
「クッ……!」
妖夢がよろけながら立ち上がる。
「そろそろ来てもいいと思うんだけど……」
と幽々子が呟く。
すると、時計が遅くなっていく音が鳴り響き、世界が灰色へと化す。咲夜以外は動きが止まる。
「これは…時間停止!?まさか……」
白玉楼から2つの影が歩いてくる
「何とか間に合ったみたいだな」
「やれやれ…知らない顔もいるが、ついでみたいなもんでいいのかね」
「嘘……」
咲夜はその光景を見て唖然とする。
「「そして時は動き出す」」
世界は元の色を取り戻す。
「「ッ!?」」
霊夢と魔理沙は驚く。そこには共に戦った1人の吸血鬼。いや、半人半鬼がいるのだから。
「ユユコ、ヨウム。大丈夫か?」
白哉が問いかける。
「私は大丈夫よ。でも妖夢が…」
「安心しろ。すぐ治す」
そうして晋矢は波紋の呼吸をして妖夢に触れる。すると妖夢の傷はどんどん治ってゆく。
「波紋を覚えたのか。晋矢」
「ああ、ここに来た時にな」
「「晋矢!」」
霊夢と魔理沙の怒声が聞こえた。晋矢は2人の方へと向く。
「どうしてあんたが…そっちにいるのよッ!」
「お前も……異変を起こした1人だってのかよッ!」
晋矢は鼻で笑う。
「俺は不老不死の半人半鬼。どこで何をしようと俺の勝手だ。あの時の異変解決に協力したのはただの気まぐれ。勝手に仲間だと思っていたのはお前らのほうだ。あんな信頼関係や友情関係など俺からしたらただの建前。俺は最初から仲間なんて思ってはいなかったさ」
という演技をしたがどうだろう?挑発に乗ってくれるかな?
「霊夢!魔理沙!落ち着いて!あれは挑発よ!」
咲夜が必死に止める。一度経験してるからこそ止められるんだろうな。
「……あんたは一旦、頭を冷やす必要がありそうねッ!」
「頭を冷やす?フン…お前の頭は何時でも能天気だろう。グーダラ巫女よ」
「てめぇ……!消し炭にしてやるぜッ!」
「たかだかレーザー如きで俺を倒すのか?滑稽だな。世界やスタープラチナの能力を知った上でそのスペル撃つなら、お前の頭はいささか極楽浄土にでも逝っているんだろうな」
……本当はこれ以上挑発したら不味いんだがな。
「霊夢!魔理沙!」
咲夜は必死に止める。しかし、その声は届かない。
「挑発も上手くなったものだな。晋矢」
白哉は苦笑いをする。
「兄貴、あいつら強いからちょっと覚悟決めといた方がいいぞ」
「お前がそう言うなら強いんだろうな。少し様子を見てそれで判断する」
「…もう手加減なんてしないわ……!全力で叩き潰す!」
「お前の事を仲間と思っていた私が馬鹿だったぜ……!この世から何も残さず消し炭にしてやる!」
「霊夢……!魔理沙……!」
「……まぁ何かは分からないけど面倒事になってるわよね……これ……でもあっちの幽霊はやる気がないから戦わないでおくわ」
少女はそう言って後ろに下がっている。
「俺はレイムをやる。あとは自由に決めていいぞ」
「ならば俺はあの白黒をやろう。今にもお前に襲いかかりそうだしな」
「ならば…私はあのメイドを……!」
「多分あの人形の子は戦う気がないから私は観戦しとくわね~」
幽々子はそう言って下がる。
「だが晋矢。少し挑発しすぎじゃあないか?」
そう言って白哉は問う。
「それもあるから人生は刺激があって楽しい。────そうだろ?」
そして戦いが幕を開ける。
めちゃくちゃキャラを挑発してますが、全くディスる気はありません!煽ってワザと攻撃を躊躇う事をやめさせてます!それでは皆さん また次回!