東方神蔵録   作:犬王

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皆さん!犬王です!三日置き百鬼夜行。ラストです!ゆっくりしていってね!

あらすじ

最高に「ハイ!」になれる殴り合いをッ!

血の滾る殴り合いをッ!


第17話 親友

ここは幻想郷のとある場所。この場所に2人の鬼が殴り合っていた。聞こえてくる音はまさに手榴弾を何個も爆発させた様な音である。

 

「オラオラオラァ!」

 

「ウラウラウラァ!」

 

鬼の少女と晋矢は殴り合っていた。防御など必要無し、どちらかが倒れるまでのデスマッチ。殺しはしない再起不能になるまで殴り合うだけだ。スペルなど使うに惜しい相手。2人は単純に殴り合いを楽しんでいた。

 

「鬼ィ!テメェ中々やるじゃねぇかァ!」

 

「あんたこそ、掴みどころのない雲だと思っていたが、案外そうでもないじゃないか!」

 

「ヒャハハハハハァ!スイッチをお前が入れちまったんだァ!最後まで責任取ってもらうぜェ!」

 

「ハハハァ!いいねェ!その姿!私はあんたを一番気に入ったよ!」

 

晋矢と鬼の少女は殴り合いをやめない。ただ延々と殴り続ける。それは遠くから見ればただの大男と小さな少女の喧嘩に見えよう。しかし、いざ近くで見れば狂った男と妖怪の「殴り合い」ではなく「殺し合い」に見えるであろう。

 

「鬼ィ!テメェの名前はなんて言うんだァ!?」

 

「伊吹 萃香さ!あんたの名前はなんて言うんだい!?」

 

「神蔵 晋矢だ!スイカかァ!憶えたぜェ!さぁ、まだまだ殴り足らねぇ!もっともっともっともっともっともっっっっっっっと!殴り合おうじゃねぇかァ!ヒャハハァ!」

 

「晋矢ってのかい!ああ、この名前は2度と忘れることはないだろうねェ!私もまだ殴り足らないんだ!さらにさらにさらにさらにさらにさらに殴り合おうじゃないかァ!」

 

更に2人の殴り合いはヒートアップ。この世界の地面にヒビが入る。だが2人はそんな事は気にしない。

 

「ホラホラホラホラァ!」

 

「ソラソラソラソラァ!」

 

ドドドドドッ!という激しい衝撃波も生んでいた。もう衝撃波だけでお相撲さんは吹っ飛んで行くレベルである。

 

「ハハハァ!まだだ!まだ喰いたらねェ!いくら喰らっても飽きねぇぜ!」

 

「ここまで楽しめることなんかそうそうないんだ!まだまだ楽しませてもらうよ!」

 

「お前も「純粋な鬼」だったか!」

 

「あんたももう吸血鬼でも何でもない!あんたも「ただの鬼」さ!」

 

「ハハハァ!それはお互い様だぜェ!WRYYYYYYYY!!」

 

「ハハハッ!それもそうだ!うりゃああああ!!!」

 

2人は殴り合いを更にヒートアップッ!ジェット機さえもぶっ飛んでいく衝撃波が出来ていたッ!そしてこの世界はもう萃香と晋矢の立っている位置以外は地割れが酷くなっていたッ!

 

「こんな奴に巡り会えるとはなァ!目の前に神なんてのがいても俺は信じないがこの出会いにだけは神に感謝するぜェ!」

 

「全く持って同感だねェ!」

 

「WRYYYYYY!!!この一撃でェェェ!ぶっ潰れよぉぉぉぉぉ!!!」

 

「喰らえええええええ!」

 

ドゥーーーーーーンッ!という音と共に2人の動きが止まる。晋矢の拳は萃香の腹に。萃香の拳は晋矢の腹に届いていた。

 

ドサッ!と2人同時に倒れ込む。

 

「「ハァーッ!ハァーッ!」」

 

まるで2人は呼吸を忘れていたかのように大きく息を吸い込み、酸素を取り入れる。

 

「…クッ…クックックッ……」

 

「…フッ…フッフッフッ……」

 

「「アーハッハッハッハッハッ!」」

 

2人は同時に大きな声で笑った。

 

「スイカァ、最高に楽しかったぜぇ…最高に「ハイ!」になれたァ。ハハハ……ゲホッ!ゲホッ!」

 

「私も、久し振りに楽しめたァ…あんた、最高だよ。ハハハ…ゴホッ!ゴホッ!」

 

2人は満足した様子だった。

 

「…なァ、スイカァ」

 

「…なんだい?晋矢」

 

「お前、こっちに来いよ」

 

萃香は驚いた表情をする。

 

「…私は…鬼だよ……?」

 

肩で息をしながら萃香が喋る。

 

「…だからァ…なんだってんだァ……?」

 

晋矢も肩で息をしながら喋る。

 

「ここは…幻想郷……だぜ?…どんな存在も…受け入れる」

 

「……」

 

「なァ?ユカリィ…聞こえてんだろォ…?」

 

すると空間に亀裂が走り、紫が姿を現す。

 

「えぇ、聞こえてたわよ。晋矢」

 

「紫……」

 

「萃香、晋矢の言う通り。幻想郷はどんな存在も受け入れるのよ。例え鬼が忘れ去られていたとしてもね」

 

「……」

 

萃香は無言になる。

 

「なァんだ、そんな事で悩んでやがったのか。スイカ」

 

晋矢がむくりと起き上がる。起き上がる程には回復したのだろう。

 

「そんなに鬼の存在を知らしめたいなら簡単じゃねぇか」

 

晋矢が紅い目で笑いながら萃香を見る。

 

「お前がやればいいんだよ」

 

「……え?」

 

「そんなユカリを倒せだ、レイムを倒せだとは言ってねぇ。自分なりの方法で、鬼の存在を知らしめればいいんだよ。例えばそうだな、妖怪の山を占領する。とかな」

 

「……アハハハッ!」

 

萃香は笑った。

 

「いやいや、すまない。ついおかしくて笑ってしまった」

 

萃香は起き上がり、盃を3つ用意し、瓢箪の酒を盃に入れる。

 

「……どういう事だ?」

 

「フフフ。親友として盃を交わそうって事だよ。紫もな」

 

「なるほどな」

 

晋矢は渡された盃を持つ。

 

「私もなのね……」

 

そう言いつつ、盃を持つ。

 

「じゃあ、あっちには行くのか?」

 

萃香は頷く。

 

「鬼は強い奴の言う事を聞くのさ」

 

「そうか。じゃあスイカ、ユカリ」

 

「よし」

 

「えぇ」

 

「「「乾杯!」」」

 

 

 

満月が更に輝いている様な気がした。

 

to be continued…




三日置き百鬼夜行も終わりました!次はちょっとした番外編を書こうかなと思います。では皆さん グラッツェ!
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