今回でとりあえず主要キャラは出てくるよ。
大きなあくびと共に朝を迎える。体を伸ばしつつ辺りを見渡す。段ボールがそこかしこに積まれており生活感が感じられない部屋になっている。
「あぁ、そっか。部屋片付けたんだっけ?こうしてみるとなんか寂しいねぇ。」
「私も寂しいです。」
部屋には自分しか居ないはずなのに別の声が玄関から響いた。こういう時入ってくるやつは一人しか居ない。と言うか鍵があるので入れるのは一人だけだ。
「おい、カリムなにしに来やがった。俺は機動6課に転属になったからその用意で忙しいんだが?」
「あら?嫌ですね。そんな用件より私が優先ですよ?」
肩を落としながら振り替えるとそこには年齢は此方と同じぐらいのカソックの女性が立っていた。金色の長い髪を軽く弄りながら此方へと微笑んでいる。
ゲンナリとした目で出ていけと伝えてみるがカリムはそれに気づいていない。
「とりあえず6課への転属になったのですからはやての元でキリキリと働くのですよ?」
「そういや、カリムは八神はやての知り合いだっけ?」
ええ、と嬉しそうに微笑むカリムが此方の布団に勝手に座り込む。それを特に何とも思わずに話を続ける。
「キリキリ働けって言われても割りと過剰戦力な気がしないでもないんだけどなぁ。そこんとこ何か聞いてねぇの?」
「それに関しては黙秘権を行使させていただきますね。」
ちっ、と舌打ちをする此方を見て笑うカリムに子供だなぁと思う。
カリムは聖王教会のトップだ。血筋というものも確実に存在しているが彼女が騎士たちのトップに属しているのはかなりの努力の成果であったりもする。
何せ彼女は幼少の頃から幹部クラスを約束されていたがそれを無視して俺と共に見習いとしてむさ苦しい男達と一緒に釜を囲い風呂にはいった。まぁ、風呂に関しては時間が別れてはいたが。
「そんなことよりもですよ。」
「俺の質問はそんなことですか・・・。」
「ちゃんと向こうに言っても連絡してくださいよ。仕事が忙しくっては聞きませんからね。」
子供のようにせがみ目を輝かせながらそんなことを言うカリムに笑みを見せる。
「俺、戦闘中にお前にホロウィンドウでお前への手紙かいたことあるんだぜ?」
クスクス笑うカリム。納得したような表情で立ち上がる。それではとスカートの端を少しつまみあげ淑女の挨拶をする。
「カルラ、本当に気を付けてください。これは友人としてではなく上司としての命令です。」
いきなり厳しい目付きになったカリムの目をみながら俺はカリムの目の前で膝間付き答えた。
「もちろんです騎士カリム。我が命は全ての民の為に。」
そんなこと思ってないくせに。と笑うカリムにジト目を向けるが無視される。かっこ良く決めたのに邪魔すんなよ。
荷物は転移魔法で機動6課の寮へと送っている。服装はもう機動6課の制服へと着替えている。ただやはりちょいワルファッションはやめられずかなり着崩している。その姿を鏡で確認して良しと呟く。
あとはティーダを迎えに行くだけである。バイクに股がりエンジンをかける。
「さぁ、良い子に走ってくれよ。」
バイクに話しかけてからアクセルを捻る。ゆっくりと発進しミッドチルダの町を抜けていく。とあるマンションの前にバイクを止めてからマンションに入っていく。下にインターフォンがあるタイプのマンションで下でランスター家の部屋の番号を打ち込む。
『お、来たねカルラ。今あげるからちょっと部屋に寄ってきなよ。』
ドアが空いたのを確認すると何も気にせず入っていく。管理人に軽く会釈しながら挨拶しつつエレベーターへと乗り込み階数を選択する。
「おっす、ティーダ。準備は出来てるか?」
「あ、カルラさんお早うございます。」
中から出てきたのはティーダではなくティアナだった。ティアナは兄と同じオレンジ色の髪をツインテールにしている。兄の方針でデバイスはまだおもちゃの様なものだがかなりの才能を感じている。服装は此方と同じような機動6課の制服だ。ただ、此方とは違いキチッと着ているためか同じものを着ている気がしない。
「おはようティアナちゃん。今日は一緒に行くの?サイドカー着けてくるの忘れたんだけど。」
ティアナはクスクス笑いながらいえいえと断ってきた。
「兄と一緒に行くなんて絶対嫌です。」
目がガチになっている辺り本当に嫌なんだろうなぁと思っていると洗面所の方から何かが崩れ落ちる音がした。どうせあのシスコンだろうと判断しつつティアナと話を続ける。
「ということはスバルちゃんと一緒に行くってとこか。」
はい、と少し照れながら答えるティアナを横目で見つつ未だに此方に戻ってこないシスコンを探す。見つからなかったら一人で行こうと思いつつ部屋を見渡すとようやくオレンジ色のキチガイが出てきた。
「君、今とても失礼なこと考えたろ。」
「むしろ考えない理由があるか?」
あぁ?と互いにガンを飛ばしあい二人揃ってティアナに殴られる。
一通りのコントを終えるとティアナと別れてバイクへと歩いていく。
「ところでカルラさんや。」
「なんだい、ティーダさんや。」
「こんなに早くでてどこにいくんだい?まさか君が早く行って上司に挨拶しなくちゃとか考えてる?」
「しないとカリムに殺されるんで。」
黙ってしまったティーダと共にバイクへと股がり機動6課の施設へと走り出した。
ミッドチルダの町並みを越え海が見えるその場所に機動6課の隊舎は存在している。スポンサーにリンディ・ハラオウン、海のエリートクロノ・ハラオウン、聖王教会騎士カリムという何とも豪華なバックの存在がある機動6課。金にものを言わせて建てられたらしき隊舎はかなりきれいで普通の新設舞台とは思えないほどだ。
「これは、予想以上だね。」
「あぁ、正直舐めてたなぁ。」
バイクから降りつつ隊舎を見つつ呟く。
「あ!カルラさん!おはようございます!」
視界の端で手を振る姿が目にはいる。紫色の髪を短く切り揃えている少女がかなりの勢いで走ってくる。
彼女はスバル・ナカジマ。ゲンヤさんの家の次女で此方もティアナと同じくかなりの才能を感じている少女だ。彼女たち、スバルとティアナは八神はやてにスカウトされ機動6課入りを決めたそうだ。
まぁ、スバルは過去の事件で高町なのはを英雄視しているしティアナもフェイト・ハラオウンという先輩の執務官に色々聞くことが出来るためかなり道は広がるだろう。
「それにしてもティアナちゃんもスバルちゃんも来るの早かったね。」
「はい、父さんが朝一で行って上司に挨拶してこい。って。」
ゲンヤさんならそう言うよなぁと考えつつティーダへと目を向けるとティアナに対してお節介を焼いておりティアナに思いっきり腹パンを喰らっていた。自滅なので助けることはせずにスバルとティアナと共に隊長室へと足を進めることに。
もちろん、ティーダはサッカーボールのように蹴飛ばしながら進んでいる。
隊長室の前で立ち止まるとスバルとティアナが少し緊張した面持ちで構えている。それを横目に見て苦笑しながらノックと同時に扉を開け変態を部屋へと蹴り込む。
「カルラ・クーフォ一等陸尉召集に答え応じ参上いたしました。」
ティーダを蹴り込んだからか向こうからの返事がない。ティアナとスバルは隠れて部屋を覗き込んでいる。
「ほー、上司を舐めとるようやな。カリムんとこで礼儀ちゅうもんを学ばんかったんか?」
「いやー、俺騎士なんだけど騎士道何てものは道端の犬に食わしちまってよ。」
「くっ、カリムめ問題児を寄越しおったな。」
歯軋りするちびの少女を見つめる。何でこんな奴が隊長室にいるんだ?と不思議がっているとスバルが念話を送ってくる。
『この人が八神はやて一等陸佐だよ!』
唖然とする。このちびが?
「おいおいスバルちゃん。嘘はついちゃいけないぜ。こんなちんちくりんがあの、八神はやてな分けねぇだろうが。」
「誰がちんちくりんやて?」
バリアジャケットが展開される音を聞いてゆっくりと首を動かすとそこには笑顔の少女がいた。
騎士甲冑に黒い翼をはやし手には杖型のデバイスと夜天の書が握られている。
「あっはっはっは?」
ティーダをはやてへと投げ捨てて逃走を開始する。ティーダの体を魔力弾で弾き飛ばされるのを横目で確認しつつ全力疾走する。
『機動6課各位につぐ!機動6課始めての任務は無作法に隊長室に入ってきた挙げ句うちのことをちんちくりんのちびだと抜かした男、カルラ・クーフォの抹殺や!』
「殺意が高過ぎませんかねぇ!」
しかしそんなことは彼女には聞こえない。スバルとティアナが追ってこないところを見ると迷っているのかも知れない。そうすると面倒なのは例の騎士たちだろう。
「止まれ、カルラ・クーフォ。今なら謝るだけで許されるはずだ。多分。」
「あたしたちもこんなばか騒ぎは早くやめたいんだ。」
ピンク髪のポニーテールの騎士と赤髪のおさげのちびの騎士が此方にむかい制止を呼び掛けてくる。多分本当に面倒ごとが嫌いなのだろう。しかし此方も止まれない。
アームドデバイス《サクヤ》を起動しバリアジャケットを装着する。
「残念ながらそうはいかねぇんだよな。これってカリムからの頼まれ事だし。」
そう言って刀身が二メートルはある刀をピンク髪の騎士に叩きつけるように降り下ろす。それを簡単に受け止める彼女に軽く口笛を吹きながら体を密着させる。
ちっ、という舌打ちを聞きながら体を回転させる。すると此方と騎士の位置がちょうど反転する。
「わりぃな。」
おさげの騎士がデバイスであろう鉄槌を降り下ろしてくる。それを《サクヤ》を短剣のサイズに変化させ刀身に滑らすように鉄槌を受け流す。受け流しながらおさげの騎士を蹴ることで距離を生み出しそのまま逃走する。
「いやー、あいつらすげー強いなぁ。」
そんな他人事のように考えながら桜色の砲撃を《サクヤ》で斬る。
空では白いバリアジャケットの少女、いや女性が立っている。ツインテールの髪が特徴的だなぁと思う。
「それで?エースオブエースさんと死神さんも俺を捕まえに来たのかい?」
「え?死神って私のこと?私そんな風に呼ばれてるの?」
「まぁ、隊長命令だからね。」
そう言って手に持つデバイス《レイジングハート》を此方に向けてニコリと笑った。背中におろおろしている残念な金髪を連れて。
主要キャラが出るとは言ったが全員とは言ってない!