では第9話、見ていってください
sideリグル
今日は、昨日友達になった不思議な女の子の白羽と妖精の友達のチルノ、そして何故かついてきたルーミア。合わせて4人で遊ぶことになったのだ。
遊ぶ事は決まってなかったらしいけど、結局追いかけっこになり、追いかけるのが白羽、逃げるのが私・チルノ・ルーミアになってしまったのだ。人間なのに大丈夫なのかな?と思ってたけど、まさかあんなに凄かったなんて…正直人間かどうかを疑うほどだったよ。
考えてみれば彼女は本当に不思議な子だった。『外』からここへ迷い込んだ子どもなのに、妖怪とかに食べられることもなく、しかもチルノと友達になっていた。…というかどうやって知り合ったのだろうか?それに私の事が妖怪だと知っても少し驚くだけで普通に接してくれた。正直、嬉しかったな。
あと、彼女…白羽といるのはなかなかに楽しい。喋ったり、休み時間に遊んだりしている内にそう感じるようになった。あとチルノと馬鹿をやってたりしてたな。それに、女の子なのに男口調で、一日目なのに先生に『もっと女の子らしくできんのか…』って飽きれられてた…ちょっと面白かったけど
「ふふ、いい友達ができたな」
妖怪の私が、人間に対してそう思うようになる程には白羽という存在は近いものとなっているのだ。
「で、でもさっきは少し恥ずかしかったな…あんな事になったのは初めてだったし」
いくら私が長く生きてるといっても、まだ乙女なのだ。…乙女なんです!
コホンッ!ともかく危機にあった時のドキドキって感じじゃなくて、なんか…こう…うーんやっぱりよく分かんない、恥ずかしい感じになったのだ。
そんな事を考えていると湖の方からボッチャーンと何かが落ちた音がした。何事か?と思って見てみると白羽がもがきながら湖の中へと沈んで行くのが見えた。
…え?
「し、白羽!」
もしかして泳げないの!?だとしたらあのままだと溺死してしまう。
自分に出来た唯一の人間の友達を失ってしまう!と、急いで助けに行った。
ザパッ
「ハァ…ハァ…」
何とか白羽を助け出したが、起きる気配がない。心臓も呼吸も止まってしまっていた。
「し、白羽!?白羽!」
「あわわわ、大丈夫なの?」
まさか、死ん…いや、まだ死んでない。そうに決まってる!
いつの間にかルーミアは居なくなっていたが、そんな事はどうでもいい。慌てるチルノを横目に何とかしないと、と考える。
ハッ!
そういえば先生が、心肺蘇生法というのを教えていた事を思い出した。
「え、えっと確か心臓マッサージをして、それから…人工呼吸だっけ?」
とにかく実行に移す。
心臓マッサージを30回したあと、人工呼吸…
「あ、」
そ、そうだった!人工呼吸って、その…キ、キスじゃあ…
「うぅ、そんな事言ってる暇ない!」
そうして人工呼吸、心臓マッサージを繰り返していると…
「グッ、ゲホッゲホッ」
「あ!」
やった!成功だ!
「え、白羽生き返ったの!」
「ゴホッ、こら死んだみたいにいうな…いや多分マジで死にかけたな。彼岸が見えた」
「──ッ!良かった!」
ガバッ
そうして私は白羽に抱きつく
「え!?あっ、ちょ、リグル?」
「本当に良かったよ!グスッ、白羽!」
「……うん、ありがとうリグル」
死ななくて本当に良かったと感じた。というかこんなに胸が苦しくなる感覚は初めてだった。
そして、白羽が生きている事に安心して冷静になってきたのだが…
あれ、そういえば私白羽に……──!
「ひゃっ!」
「うわっ!ど、どした?」
「あわ、あわわわ」///
キ、キキキ…キスしちゃったんだった!さっきはしょうがなかったとはいえ、何度も何度も…
「だ、大丈夫か?」
「どうしたのよ?顔が真っ赤だけど」
「うぅ」//
なんだろう、凄くドキドキってする。分からない、よく分からない。知らない感覚。ただ、とりあえずとても恥ずかしい
「あぅ、えっと。と、とにかく白羽が無事で良かった!だから…その!この話は終了!分かった!?」
「え、あ、はい」
「う、うん」
まだ顔が熱いけど、強引に話を切り上げた。これ以上長引くと何かまずい気がしたから。
「うーんじゃあさ、どうしよっか追いかけっこ」
「そーねー、白羽が泳げないんじゃ場所を帰るかしないといけないわね」
「じゃあ俺が追いかける時だけ陸のみはどうだ?」
「あんた、それでまた落ちたりしたら洒落になんないよ…」
「だ、大丈夫だってチルノ。流石に2度も同じ事はしないって」
「普通、あんな事があってもう一度やろうなんて思わないと思うけどね。はぁ…全く、世話が焼けるわね白羽は!今度は落ちたりしないようにあたいもしてあげるわ!」
「ははっ、そりゃありがたいや」
「…次は気を付けてよ?さっきは本当に心配だったんだから」
「…あぁ、ありがとうリグル。というかさっきも沈んだ時リグルが助けてくれたんだよね?」
「え、うん。そうだけど…」
「ありがとうね、本当に!」
そうして笑顔を向けられる
「あ…どういたしまして!」
また顔が熱くなるのを感じた
「よーし、またジャンケンだな!…というかチルノ。ルーミアは?」
「知らないわよ。どこかに行ったんでしょ」
なんだろう、この気持ちは
分からないし、何だか少し胸がギュッとなるけど
でも、悪くないなと思えるような。心地の良いような。
そんな不思議な感じがしたのだった。
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side白羽
ははは…さっき生死をさまよった人間こと、白羽です。
というか本当に彼岸が見えたよ。いやー、チルノとリグルに助けてもらえなかったら死んでたねあれは。感謝しかない
しかしなんか、リグルの表情がコロコロと変わってたな少し面白かったけど。ただ、リグルにもチルノにも心配をかけてしまって、申しわけない気持ちだ。…服、ビシャビシャだな、着替え持ってきといて良かった。
まぁ、ということでなかなか今日も凄い体験をしてしまったわけだが…気を取り直して追いかけっこ再開としよう。流石に同じヘマはしないよ。今度は気を付ける。
ってかルーミアどこいった?
チルノに聞いたところ『どっか行ったんじゃね?』だ、そうだ。いや、いいのかよって思ったが2人とも気にしてないようなので俺も気にしないことにする。というか2人の友達?だし、また会う機会があるだろう。
「よーし、じゃあジャンケンしよう!」
「「うん!」」
せーのジャンケン ポン!
「今度はチルノだな!」
「ふふん!すぐに捕まえてあげるわ!」
まだまだ今日は始まったばかりだ
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「あー、疲れたー」
「むむむー、引分けね」
「…追いかけっこってこんなに長くやるものだっけ?」
もう夕方頃だ。そろそろお開きか。
いやー楽しかったね、30回くらいをこえたあたりから能力とかもありでやってみたら、それはもう凄かった。チルノとか追いかける難しかった、まぁ俺も氷を足場に飛んだりとかしてたけど。リグルも結構自由自在に逃げ回るから捕まえるのが大変だった。
結局全員20回ずつくらい捕まって、多分引き分け。こんなに追いかけっこで楽しんだのは初めてだろうな。いい運動になった。
途中霧が出てきて休憩はしたけどね
「でも、白羽本当に人間かい?」
「む、失礼な、もちろん人間だぜ?…確かに身体能力とかは高いけど」
「ごめんごめん。けど、宙に浮いてる氷を足場にしたりとかって普通はできないよ」
「そうね、あの時は流石に焦ったわ」
「うぐ…出来そうだなってやってみたら意外とできたんだよ。というか2人は空飛んでるんだから、俺がこうでもしないと捕まえれなかったし」
「それもそうだね」
うんうん。でも、どうやって飛んでるんだろ?…俺も飛べたりできないかな、なんて。
「…2人はさ、どうやって飛んでるんだ?」
「え、…うーん、どうと言われても…ね?」
「どうやって飛んでるなんて、考えたこともなかったわね。飛べるって思ってたら飛べるんじゃない?」
「そ、そんな簡単にいけることなのか…」
いや、しかしここは幻想郷。常識に囚われるべきではない、と誰かが言っているような気がする。
「あ、もうそろそろ日が落ちるみたいだよ」
「もうそんな時間か…楽しい時間はすぐに過ぎるなぁ」
「もう、白羽ったら。嬉しいけど、何だか恥ずかしいよ」
「?本音を言っただけだけど」
「…うぅ//(さらっと言うなぁ)」
「……何かリグルが変なんだけど…白羽、何かしたの?」
「え、いやいやいや。何もしてないよ」
「…」
「…そんな疑わしそうな顔しないで!」
何故か疑われてしまった。解せぬ
「あー、そろそろ帰らないとだな。明日の準備もしないと…リグル?」
「えへへ…ハッ!そ、そうだねうん。名残惜しいけど、明日遅れたりしてもいけないし」
「うっ…あの頭突きを食らうのだけは勘弁ね」
「(頭突き?)まぁ、そうだな。じゃあ俺も帰るね」
「うん、また明日ね」
「今度また遊ぶよ!白羽」
「もちろん!それじゃ、バイバイ」
「「バイバイ」」
そうして俺は帰路についた。
…そして案の定、妖怪に襲われました。めでたしめでたしってね!…めでたくはなかったな。
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次の日の朝
「寝坊…か。何か言い残した事はないか?白羽」
「な、無いです、マム」
「では、お仕置きだな」
「そ、それはもしかして頭突きとか…でしょうか?」
「ご名答だ、とは言っても正解した所でお仕置き実行には関係ないぞ」
「ですよね…」
「では、改めて…ふんっ!」ゴガッ
「アダぁっ!!!」
第9話終了です。リグルに関してですが、実は最初はヒロインみたいな感じにする予定ではなかったのです。何か、なってしまいました。でも、これはこれでいいかなと思っちゃってます。