大分と近くなって来た。
有人惑星所在図をながめ、北の端にポツリと記された座標を確認する。うん、キャロがいるはずの星だ。
残念ながらこの星はフリーザ様勢力のちょっと外にあるから仕事で行くってわけにはいかないな。
直線距離で三年、ポットじゃなくて高速移動用の宇宙船ならもっと速いか。
ここはいつものデータ室では無く、誰でもわかりやすいようにまとめられた情報が置いてある資料室。ボクの隣ではナッパのおっちゃんが画面と格闘中だ。壊さないようにあの大きな手でそうっと扱っている。
到底手は届かないだろうな、なんて思いながら高速船の値段を眺めて、小さな衛星くらい買えてしまいそうなそれにため息を吐く。
ふと思いついてボクの名前を検索してみる。
レイディッシュ サイヤ人 第57惑星フリーザ ベジータ隊所属
出身 惑星ベジータ
おお、一人一人ちゃんと把握されてるんだ。すごいな。
隣のおっちゃんをちらりと見て検索。
ナッパ サイヤ人 第57惑星フリーザ ベジータ隊所属
出身 惑星ベジータ→mf-9有人惑星
……んん?
このmf-9有人惑星って、ナッパのおっちゃんが流されてた星だよな。
カカロット、と打ち込んで検索……あ、あった!
カカロット サイヤ人 惑星ベジータ→tr-74有人惑星
「ふゅっ……」
変な声が出そうになって慌てて口を押さえた。
これは、そうか?そうだよな!見られてまずい情報なんて資料室で閲覧できるわけ無いんだから、はじめっからこっちで探せばよかったんだよボクのバカ!
「チビ、おい、チビ!」
「チビって言うな!ハゲって呼ぶぞ!!」
気持ちの高ぶりのままに声をあげてしまい、資料室中の視線がボク達に集まった。
それに遅れてブフォっ!と何ヶ所から吹き出す声、ハゲにウケたな。
「んで、何、どうしたの?」
細かいことを気にしないおっちゃんはすぐに言いたい事を思い出したらしく、画面を指した。
「ほれ、これ。俺の他に流されたまんまのやつがいると思ってたらホントにいたぜ」
サイヤ人、星流しで検索された画面には、はっきりとキャロの名や惑星の座標が記されていた。
良いタイミングだ、おっちゃん。これでボクが見つけたわけではない事実が出来た。危険にさらされる事なく迎えに行ける!!
「これ、このカカロットってボクの弟だよ!」
「へ、お前ら二人兄弟じゃなかったのか!?」
「惑星ベジータが隕石と衝突した時に一緒に死んだんだと思ってたんだ。おっちゃんありがとう!」
検索機の電源を落とし部屋を後にした。
ラディ兄ちゃんに連絡を入れようとした途端にベジータ様からの通信が入った。あ、これ、全隊への一方通信だ。
『長期遠征が入った。準備しろ。出発は明後日だ』
急だな、しかも長期遠征って何年だ?せっかくキャロを迎えに行けると思ったのに!!