頭を押さえて考え込んでいる大きなおっちゃんが一人。
その周りにはボクの後ろに伸びる長い列を見て赤い顔を青くしてる人がいっぱい。
「で、どっちなの?」
このままここにいるわけにも行かないようだし決断を促してはみるのだが、
「……地獄、いや、やっぱり天国……いや、しでかしたことを考えたら……こほん、もう一度聞くぞ、お主、今まで殺してきた者達についてどう思う?」
見下ろしているけどこちらを伺うように聞いてきたので何度目かになる返事をした。
「美味しかった」
「ああ、うむ……どうしたものかな」
あの後、兄ちゃんが来てから悟空がキャロで悟飯が甥っ子だって事が判ったんだけど色々あって兄ちゃんのうっかりも相まってボクは死んでしまったのでした!
死んじゃった魂はこのおっきなおっちゃん、エーマ様?とお話しして天国か地獄かどっちに行くか決めてもらうんだけどボクの番になってからずっと頭を抱え続けている。
「ねえねえ」
「お、オニ!?僕オニか?」
「うん、あのさ、ボクお腹空いてきたんだけどこのおっちゃんまだ終わらないのかな?」
近くの魂に整理券を配ってるツノの生えた人に声をかけたら怒られてしまった。
「おっちゃんとは失礼オニ!閻魔様はとってもえらーいお人なんだオニ!!」
「あー、えっと、ハイ、ごめんなさい、気をつけます」
「解ればいいオニ、まったくもう……」
そんな感じでしばらく待ってたら突然キャロと緑のおじいさんがボクの隣に現れた。
「あ、キャロ!」
「あり、兄ちゃん?そっか、兄ちゃんのが先に死んでたのか〜」
「おお、地球の神か、ん?なんだ、お主死んでしまったのか!?おかしいな、まだ寿命は残ってたはずだが……」
「お久しぶりです閻魔大王様。お恥ずかしながら我が半身がやらかしまして」
そう言って緑のおじいさんが目線をやった先には尻尾を握られてジタバタもがいている魂がひとつ。
「悟飯をかばってくれてありがとな。兄ちゃんには悪りいことになっちまったけど……」
「どういたしまして〜、死んじゃったのはまぁ、もうどうしようもないしね。天国でも地獄でもどうにでもなるでしょ。それに、ボクはキャロのお兄ちゃんだからね!」
「へへっ、なんかオラ今まで兄弟がいるなんて思ったこともなかったけど、兄ちゃんが兄ちゃんでよかった」
そんな事を話しているとキャロは緑じいちゃんに呼ばれていった。
なんか修業がどうの王さまがどうのっていって、そのうちにこちらを手招きしたので寄ってみる。
「どしたの?天国か地獄か決まった?」
そしたら緑じいちゃんに怒られた。
「こ、これ!閻魔様になんとういう口の聞き方を!」
「あ、そういや偉い人だった。えっと、決まったんですか?」
「うむ、お主には常識というか、道徳というか、そういうものを学び直してもらうこととする。そちらの地球の神を師として励むように」
えと?緑じっちゃんに何か教えてもらえと、そういうことか。
「でもさっきまで天国か地獄かって言ってましたよね?」
「ええい、お主のような生き物が食い物にしか見えん奴は地獄にやったら鬼達を食い荒らしかねんわ!とにかく地球の神に物を教わってもちっとましになってから出直してこい」
そうして追いやられたボク達の行く手にはヘビの頭型の石が待っていた。