朝起きて、あくびを一つ。いつが夜で朝かなんて定かでは無いが、起きたら一応言っておこう。
「おはうお〜」
「挨拶くらいちゃんとせんか!」
いきなり神様に怒られた。
「おっす!兄ちゃん相変わらず起きるのおっせぇな」
座っているキャロの頭を乱暴にかき混ぜてから席に着いた。
「うわっ!毎朝毎朝やめろって!」
うん、界王星は今日も平和な様だ。
突き出した拳はことごとく避けられて、守ろうと受ける掌も空をかく。
「だから兄ちゃんは単純すぎなんだって。獣相手じゃねぇんだからよ」
界王様監修のもと組手の時間。相手がいた方が効率が良いからと最近のボクには仮の身体が与えられている。一応姿はボクのものだけど能力値はキャロとおんなじらしい。
……本当だろうか?一回も勝てないんだけど。
組手の後は神様の前で延々と話を聞かされる。
ボクの隣には緑色の魂も一緒だ。
神様曰く『ついでだからお前の性根も正し直してくれる!』だそうな。
思いやりだの心意気だのを語る神様の話を聞き流しつつボクは後ろに注意を払っていた。界王様から界王拳とやらを習っているキャロ、その圧縮された気を制御しきれず爆発音とともに地面がえぐれて砂煙が湧き起こった。
「よっし、半身様、逃げよう!」
隣の魂をひっつかんで砂煙の発生源へとかけていく。
すれ違いざまにキャロへと助言。
「気を拡散しない様に覆っているとこにムラがありすぎ!」
「おう、気ぃつける!」
そして界王星を飛び降りて蛇の道の裏側にへばりついてから気を消した。
神様が界王星を探し回っているのを感じながら緑色の魂と顔を見合わせた。
「半身様、今日はどうする?」
この魂は神様の半身であるらしく、キャロ曰く神様は偉いんだぞ、らしく。ならば半身てことで偉い人なんだろうと半身様と呼んでいる次第だ。
半身様は少し考えたそぶりを見せてから尻尾で下の雲を指して見せた。
なるほど、ボクも気になってたんだよね〜、この下に何があるのか。
蛇の道の縁に尻尾を引っ掛けてぶらさがってみたのだが届かない。
「下手に飛ぶと神様に見つかるからもうちょっと離れたとこから行ってみよう!」
そう言ってボク達は蛇の道を進むことにした。
歩くことしばし、もう界王星は小さく見えるかな?って程度になっている。
ボクは雲の上すれすれで止まってそおっと触れてみた。やけに存在感があるけど雲らしく手がすり抜ける。
「よ、よし!」
声を出して勢いをつけ雲へと頭を突っ込んだ!
うん、雲の中で何も見えない。