ま、あれだ。
なんか蛇の道から下を覗いてみたらうまく飛べなくなって下にある地獄に落っこちたり、心配した半身様まで後から来て落ちちゃったり、エンマ様の所に戻るハメになったりしたけれど、
「やったー!戻って来たよ界王星!!」
小さな緑の星を見上げて、ボクはこみ上げる思いのままに叫んだ。
「ふむ、それでは早速お説教からだな」
声は背後からした。
短かった冒険の時間は終わり、またいつもの日々が始まった。
会話の中で今までどんな生活をして来たんだと呆れられたので、昔語ることしばし。
「兄ちゃん、けっこう大変な人生送ってきたんだな」
話が害獣退治をしながら惑星を転々とする生活へと移ったころにキャロがしみじみとつぶやく。
「そっか?ボクにはラディ兄ちゃんもベジータ様もいたしなぁ。キャロの方こそ一人で寂しくなかった?」
そう聞くと、ボクよりすっかり大きくなっていた弟は目を瞬かせた。
「オラは別に……オラにもじいちゃんがいたしな!」
「じい……ああ、育ててくれた人がいたんだ。どんな人だったの?」
そこから始まったのはまるで絵空事のような大冒険だった。
優しく厳しい老人に育てられながらも突然の別れ、形見をきっかけに始まったのは願い玉を探す旅、様々な仲間や敵との出会い、亀仙人やクリリンとの修行。
ボクの弟人生色々ありすぎだろ!?
二度目の神龍への願いで友人の父親を生き返らせたのには驚いた。
「それってさ、地球人だけしか使えないの?」
「え、オラよく分からねえけど。神様、そこんところどうなんだ?」
「ん?うむ、特には決めておらんからな、使えるだろう」
キャロに尋ねられた神様は少し考えてからそう返した。すごいな神様、物知りなんだな。
「じゃあさ、惑星ベジータ元に戻したり、サイヤ人生き返らせたりしても良いかな?」
「良いんじゃねえか?でも神様死んじまったからもうドラゴンボール使えねえけどな」
「え、神様が?何で?」
「何でってそりゃ、ドラゴンボールは神様が作ったもんだからなー、神様死んじまったら使えなくなるだろ?」
ちぇー、ラディ兄ちゃんから話だけ聞いてた父さんや母さんに会って見たいと思ったのになぁ。
それはしょうがないからもう良いとして、
「神様ってすごかったんだね。ドラゴンボール作っちゃうなんてさ」
「そりゃぁそうだ。何たって神様だかんな!」
その後も物語は続き、2回目の天下一武道会。強敵との出会い、友人との別れ、
「あの、クリリンが殺された時。……オラ、それまで悪いヤツとかいまいちわかんなかったけど、絶対に許せないって思ったんだ」
キャロのその言葉が、何故か強く耳に残った。