惑星ベジータが隕石の衝突によって消え去ってから八年、現在拠点としている第四七惑星フリーザに帰ってきて早々ベジータ様は報告のために偉い人の所へ、ラディ兄ちゃんは家でご飯作ってるはず、そしてボクはといえば相変わらずのデータ室通いをしていた。
「コンチは〜」
「おー、お帰り坊主。今回は結構かかったな」
「あ〜、あははは、途中で携帯食料足りなくなっちゃって……」
「あぁ、そう言えば物資発注の記録があったって聞いたな。って事は半年分の食料二月で食べきったってのか?全くサイヤ人ってやつは……」
通信室の人達に挨拶をして、大きなため息とともに視線が下を向いた隙に隣にある小さな部屋、データ室へと向かう。
今回の仕事場はかなーり悪い方だった。
少し平均気温の高い惑星で、脊椎動物はおらず星に蔓延っているのは節足動物ばかり。やけに分厚い外骨格に小さな中身、ほとんどが毒を持っていて、食べる事ができても酸っぱくてまずい。携帯食料がなくなって、物資が届くまでは冷凍睡眠してたので普段の倍以上かかってしまった。
そのせいかベジータ様は次第に不機嫌になっていくし、機嫌を取ろうとしたラディ兄ちゃんは虫の巣に投げ込まれるし。寝癖をからかったボクは虫の大群をおびき寄せる餌にされるしで散々だった。
芋虫に見えるからってツルでぐるぐる巻きにして地面に転がすことないと思う。
さて、気を切り替えて有人惑星記録でも読むかな?顧客リストも結構楽しかったりする。
夕食も終わり、ラディ兄ちゃんと意味があるのかないのかよくわからない馬鹿話をしているうちにいつの間にか訓練場で白黒つけることになっていた。
「エネルギー弾の使用は禁止。どちらかが降参するか戦えなくなったら決着だ。準備はいいか?」
キュイさんに向かって頷くボクたち二人。
「ふん、兄に勝てる弟などいるわけないだろう。鳥肉は油煮が一番だということを叩き込んでやる!」
「いつまでも兄ちゃんにやられっぱなしのボクだと思うなよ!唐揚げへの愛なら誰にも負けない!!」
「あー、なんだ。決闘なんて言うからどれだけのことかと思ったが、心底くだらない理由だって事はわかった。ベジータといいお前らといい、サイヤ人ってやつは……まあいい、開始だ!」
合図を受けてボクは飛び出した。力も技もまだまだ及ばない事はわかっている。はなっから全力で兄ちゃんの体勢が整う前にカタをつける!
それを読んでいたのだろう、目前に迫る拳を身をかがめて交わし、そのまま足を払う。よろめいたところを側面にまわり、組み合わせた両手で思いっきり脇腹をぶん殴った。
兄ちゃんの飛んだ距離にしては手応えが軽い。反撃を予想して構えたのだが、視界に兄ちゃんは居なかった。
「……あれぇ?」
「横だ、バカ」
声と共に頭に軽い衝撃。
「きゅぅぅ……」
「勝者、ラディッツ。じゃ、俺はもう行くから」
「あ、キュイさんありがとうございました」