六道の果実   作:たいそん

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一話あたりの文字が少ない。
危機感を覚える………ッ!


第四話 強襲

フィッシャー・タイガーと同盟を結んで数日後。奴隷奪還用の船と土遁で制作した鍵、爆遁のチャクラを練り込んだ起爆粘土を用意した。

マリージョアに襲撃を仕掛けるためである。

 

「行くぞ、タイガー。飛雷神で飛ぶ。俺に触れておけ」

「ああ」

 

起爆粘土で作った鳥に乗り、予め仕掛けておいたマーキングに飛ぶ。

感づかれる事なく、一瞬で侵入する。少年はタイガーに鍵と幾つかの起爆粘土を渡した。

 

「これで奴隷達を解放しろ。そして粘土は建物内に仕掛けておけ。時期を見て爆破させる」

「爆破……?この変な塊がか?」

「ああ。気をつけろよ。俺は空からこいつを落とす」

 

腰に掛けた『爆』と書かれた巻物を叩く。

 

「俺が陽動だ。派手に暴れまわって、政府の目を惹き付ける。タイガーは影から奴隷を解放し、天竜人を殺れ」

 

少年は返事を聞かずに上空へと飛び立った。巻物を取り出し、大量の起爆粘土を口寄せする。

空爆とは戦略に置いてもっとも効果的に損害を与える事の出来る手段だ。奇襲する際には最高の戦果を叩き出してくれる。

 

「雑魚散らしには最適だ」

 

口寄せした起爆粘土を一斉にばら撒き、なるべく天竜人や奴隷のいない建物を狙い、一気に起爆させる。

 

「喝!」

 

兵舎や武器庫に降り注いだ粘土は閃光を放ちながら炸裂した。

第一段階は成功。マリージョアの残存兵力は大半を失った。予め準備しておいた術を発動させたため、チャクラの温存にも繋がる。

最悪の場合、海軍大将と矛を交えなければならないため、消費するチャクラ量は少ない方がいい。

 

「月歩」

「……!」

 

早速か、と少年は内心吐き捨てた。タイガーからの情報では、海軍の将官クラスは六式と呼ばれる体技を使うらしい。

その中には空を飛ぶものもある。情報に狂いなし。やはり、天竜人を守ってる役人達は強い。

 

「っ、行け!」

 

余っていた起爆粘土を複数個投げる。

CPは雑に放られたそれに目をくれる事なく躱す。

 

「………射程範囲だ」

 

閃光を放つ粘土を唖然と眺め、爆風がCPの体を吹き飛ばした。先ずは一人。気づけば同じように空中を駆ける事が可能な者たちに囲まれていた。

粘土の鳥を疾駆させ、上空を駆ける。さらに追尾用の起爆粘土を放ち、攻撃を牽制する。

 

「気をつけろ!その粘土は爆発するぞ!」

 

仮にも殺しを生業としている者たちだ。同じ手を二度喰らうほど、間抜けではない。今度は余裕を持って躱す。

爆風を尻目に、彼らは蹴りで鎌風を放つ。少年はそれに気づき、鳥の体を捻るが間に合わずに翼を落とされた。

機動力が削がれた少年を仕留めるべく、CP達は攻撃を開始する。

 

「剃刀!」

 

肉体の限界を超えた加速で迫る。腕の筋肉を引き絞り、指を立てる。鍛え抜かれた達人の指銃は人の肉を容易に貫き、骨を砕く弾丸となる。

心臓を目掛けて放たれる指銃を回避する事なく、少年はそれを受け入れた。

 

「………!?粘土だと?」

「喝!」

 

少年の本体は、落とされた鳥の体内から姿を現わす。覇気が使えない彼らには少年の居場所を見つけることが出来ず、上空にいた全員が爆発に巻き込まれた。

落ちたら無事では済まない高度からの自由落下に身を任せ、少年はマーキングされた位置に飛ぶ。

 

「ふぅ。死ぬかと思った」

 

地上に降り立って見れば既に戦火は至る所で上がっており、タイガーが奴隷の解放に成功していることを示していた。

後は奴隷達が盛大に暴れ、場を更に撹乱してくれればいい。その間にやるべきことを済ませておく。

少年は巻物を取り出し、船とかかれた文字に血液を垂らした。

 

「口寄せの術」

 

煙を撒き散らしながら巨大な木造の船が姿を現した。タイガーに渡されたでんでん虫を繋げる。

 

『船を用意したぞ。CPとか言う奴も片付けておいた。奴隷達を連れて来い。脱出する』

『こっちからも見えたぞ。なんだあの巨大な船は。敵にも見つかる』

『そっちは俺が対処する。天竜人の始末はしっかりやっといてくれよ』

『言われなくても………ッ!』

 

怒気の篭った声を聞き、少年は薄っすらと笑った。あいつならきっと上手くやる。

 

「白眼!」

 

全方向遠距離索敵。これだけ目立つ船を用意したのだ。予想通り、強そうな海兵たちがこちらへ向かって来た。これで囮役が務まる。

船を守るため、結界忍術を発動させる。炎の結界陣が上空に伸びた。

 

「うちは火炎陣」

 

チャクラの残量は八割程。しかし、猛者たち相手では長期戦は不利だろう。速攻でカタをつけるため、瞼を閉じてチャクラを練り込んだ。

未だ完成系には至らない物の、忍術の中でも至高とされる瞳術。見開いた瞳は紅く染まり、動体視力を跳ね上げた。三つ巴の勾玉模様が爛々と輝く。

 

「おー、やってくれるねぇ。何者だァ?」

「………強そうなのが来たな」

 

光を纏って降り立つ正義。そいつを見据えて、少年は気を引き締めてクナイを構えた。今までの奴とは格が違う。足止めするにも億劫だ。

 

「早くしてくれよ、タイガー。あまり遅いと飛雷神で帰るぞ………ッ!」

 

 

 

 

 

 

フィッシャー・タイガーは爆撃音を聞き、しばらく唖然と空を見上げていた。空爆を行うとは聞いていたが、まさかあの粘土がこんなに爆発するとは思わなかったのだ。

懐に隠し持っているそれを見て、彼は己の顔が青くなるのを感じた。なんていう物を持たせやがるんだ、あのクソガキは、と。

武器庫や兵舎から爆炎が上がり、その多大な戦果を眺める。

 

「おれも、おれの成すべきことを」

 

タイガーは炎上していない建物を手当たり次第に回った。衛兵がいれば殴り飛ばし、奴隷がいれば首輪を外して解放させる。爆弾も暇さえあれば仕掛けていった。

彼は大量の奴隷を引き連れ、鍵を奪い、仲間を次々に増やしていった。

 

今の所順調に進んでいる脱出計画。タイガーのでんでん虫が鳴り、少年と連絡を取る。

でんでん虫を切ったと同時に、巨大な船が赤い柱に覆われる。

 

「ここからは別行動だ。赤い土の大陸(レッドライン)の崖に迎え。方向は東だ」

「あ、あんたはどうするんで?」

「天竜人をぶち殺してくる。お前たちは付いてくるな」

 

タイガーは返事を待たずに走り出した。自分に屈辱を与え、天駆ける竜の蹄を残した奴ら。天竜人への黒い業火を燃やしながら。

 

 




次は黄猿戦です。
黄猿のほうが強いです。

早く22日なんないかなぁ。
弓王様………尻王でいいや。彼女を我がカルデアにお迎えするため、諭吉5枚を溶かすのだ!
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