ようやく進化。前は結構雑に進化しちゃったから、今回はそこそこ考えて進化。
《君の進化、step2だ!大丈夫、君はまだまだ強くなる……!》
その言葉がどれほどネプギアを励ましただろうか。
限界かと思っていた自分に、さらに先があると聞いた。決して気休めで言ったわけではないことがわかる。だからこそ、勇気づけられる!
「スミキさん……私、どうすれば……」
《いい、ネプギア?僕の言葉を聞いて、それを胸の深い奥で受け止めるんだ……君には出来るはず!》
「胸の、深く、奥……」
「何をする気か知らんが……みすみすさせると思うか!?」
「好機」
動きの止まったトールギスを撃とうと動いたGビットが爆発した。
(読めない……!?)
ドーバーガンで狙い撃たれたのだ。
ロムでさえも動きを読みきれなかった。それはつまり、あのトールギスはロムよりもさらに上の能力持ちだということ。
《まず、今までの戦いを思い浮かべるんだ……君が戦ってきた全ての敵のこと!》
「思い浮かべる……」
《そして観察するんだ。長所を盗んで!自分に必要なもの、そうじゃないものを取捨選択するんだ》
ギョウカイ墓場、プラネテューヌ、ラステイション、ルウィー、リーンボックス。
それぞれの場所で戦ってきた敵のことを思い出す。
《観察っていうのは、見ることじゃない、観る事だ。聞くんじゃなくて、聴くこと。進化のヒントは敵の中にある!》
「チッ、これ以上何かをさせるつもりはない!」
《くっ!》
トリックが伸ばした舌を避けて、そのまま空に舞い上がる。
「スミキさん!」
《そのまま聞いて!》
回転しながらドーバーガンを3連射。
それは地面に当たり、砂埃をあげて敵を怯ませる。
《次からが本番だ……!まず、君の進化!
「え!?そんな、捨てるなんて……!」
《やるんだ!君のその進化はそこで限界……だから、新たな進化の道を探すしかない!》
「でも!」
《身を裂くほどの冷たい風が、時に奇跡を運んでくる!》
「っ!」
急加速、急減速。急旋回、急停止。
そんな動きにスミキも長くは耐えられない。
トールギスの動きは徐々に鈍くなってきていた。
「でも、私、それじゃ何もできません!何もかも失った私に、一体何が出来るっていうんです!?」
《失うものばかり、数えるなァッ!》
Gビット、残り6機。
未だに降り注ぐ弾幕は軽々と避け続けていられるが、動きは段々と目に見えて遅くなってきていた。
《うっ、ぐっ!》
「スミキさん!?」
《僕のことはいいっ!》
ドーバーガンからビームが連射された。
それに当たったGビットが2機、爆散する。
残り4機。
《思い出してっ!君が強くなりたいと思ったのはなんのためだ!強くなりたいと、そう願うだけじゃ……!》
「でも、強くなきゃ戦えませんよ!」
《その強さで、ロムとラムが助けられるのっ!?》
「もうこれ以上やらせるか!」
《ううっ!》
トリックの舌がトールギスへと向かう。
さっきまでなら難なく避けられた攻撃だが、やはり動きに冴えがない。トリックの舌は何度もトールギスを掠める。
「おい!アレの用意をしておけ!」
「了解」
「魔力供給申請を開始します」
ロムとラムがサテライトキャノンの発射準備をし始めた。
さっきと同じ、気温が急激に低くなり、急激に凍った水蒸気は氷となってキラキラとした光で2人を彩る。
《撃たせない……っ!》
薙ぎ払うドーバーガンがGビットをまた撃墜した。
《あと、3機……!》
「もうやらせはせん!食らえぇっ!」
《くっ、うっ、うわっ!》
大木をも射抜くトリックの舌がトールギスに当たる。
辛うじてシールドでガードしたが、吹き飛ばされた。
《傷はない、けど……っ!》
「はたきおとす!」
《うわあっ!》
「スミキさん!」
《っ、早くしてっ!》
叩き落とされたトールギスは地上スレスレで勢いを殺し、ビームサーベルを抜いてトリックへと接近する。
「甘いわっ!」
《だとしても!》
(どうしよう、どうしよう、どうしよう!?)
あのままじゃ、例えスミキさんだって負けてしまう。
そしたら、また、私は……目の前で……っ!
《考えて、ネプギアァッ!》
「スミキさん……っ!?」
《君が強くなりたいと願ったのはなんでだ!?ただ強さを振りかざしただけじゃ、それだけの強さしか得られないよっ!君が強さを求めた、理由を!》
「黙れぇっ!」
《ぐあっ!》
舌で打たれたトールギスが宙を舞う。
《ま……だ……っ!》
続く連撃を避けながら、ドーバーガンを放つ。
Gビットは数発は避けられたものの、また1機落とされる。
《残り、2機!まとめて!》
ビームサーベルを2本引き抜いてGビットへと急接近する。
しかし、その眼前にラムが立ちはだかった。
《っ、どいて!》
「………」
杖で殴るが、トールギスは盾で受ける。
しかし、それが間違いだった。動きを止めたトールギスをトリックが見逃すわけはない。
「今だっ!」
《しまっ、うわっ!》
トールギスが吹き飛ばされた。
浮いた体を、また叩き伏せられる。
《うぐっ、が……!》
「今だ!」
「了解」
「サテライトキャノン、魔力充填まであと3……」
「そんな……!」
このままじゃ、やられてしまう。
アレを食らっては、いくらスミキさんでも……!
焦燥感に身を焼いた。
何かしなきゃいけないのに、何も出来ない。
その無力感に打ちのめされかけていた時、あの時の声がネプギアの耳に響いた。
ーーー君の進化、step2だ!大丈夫、君はまだまだ強くなるーーー
瞬間、ネプギアは心の深く奥、深層でスミキの言葉を理解出来た気がした。
「2………」
時の流れがとんでもなく遅く感じる。
自分の頭がかつてないほどに素早く回る。
ネプギアは脳内で今まで見てきた敵との戦闘データを整理し終わった。
自分に必要なのは、あの可変機達の強さ。速さと強さを兼ね備えた、可変機構を持つモビルスーツの力!
そして今までのことは全て忘れる。
今まで、私は強くなりたいと思うがままにその相手に適した強さを求めた。それじゃ、ダメなんだ。だから、
このサヨナラには意味があるから……きっと、どんなサヨナラにだって意味がある!
「1………」
そして、これが私の進化の方向を決める最も重要なことだ。
あの時、私はただ強くなりたいと願った。敵を打ちのめす力が欲しいと願った。敵を倒さなきゃ、守れないから。
違う、そうじゃない。
ロムちゃんとラムちゃんは倒すことで守れないから。取り返せないから。
私は、私は、私は……!
スミキさんも、ロムちゃんも、ラムちゃんも、お姉ちゃんも、ゲイムギョウ界だって……!
「救いたいっ!」
「充填完了。サテライトキャノン……」
「発射」
その時だった。
ロムとラムで1本、それにGビットが2機で合計3本のサテライトキャノン。
それはしっかりとトールギスを狙っていた。きっと一寸の狂いもなく、トールギスを氷の城に閉じ込め、絶対零度の檻に閉じ込めてしまっていたであろう。
そのサテライトキャノンが、全て、両断された。
ーーーー『運命の先へ』
「っ……」
「え……っ?」
あるいは、それはトールギスの速度すら超えていたかもしれない。
目にも留まらぬ、とはこのことだということを全員が実感させられた。
《ネプ……ギア……》
咄嗟に、ロムが弾丸の気配を感じとる。
そして防御魔法を展開してその弾丸を受け止めた。
「……っ、えっ……!?」
細いだけの弾丸、しかしその回転は防御魔法に当たっても衰えることは無い。ギャリギャリと魔法を削るように螺旋を描くビームは、防御魔法を貫いた。
「うっ……!」
そして今度はビームが2つ。Gビットは何が起こったのかもわからないまま撃墜された。
「な、何事だ!?」
《ネプギアが、進化を果たしたんだ……》
「なっ、ぬっ!?」
トリックに弾丸が直撃する。
そして怯んだトリックの横に、新たな姿に見を包むネプギアが降り立った。
肩には特徴的な4枚の羽。
特別な防御力はなく、特別なパワーもなく。
ただその強さは以前とは別格。
ガンダムAGE2。その力を宿した女神は生まれ変わり、今、ゲイムギョウ界に降り立った。
《よく、頑張ったね、ネプギア……》
「スミキさんのおかげです。スミキさんがいなかったら、私、今頃は……」
《いいや、それは君の力だよ。その新しい武器も使いこなせるね?》
「はい。このM.P.B.L……凄く良く馴染みます」
銃身を長くし、貫通力を増したH-M.P.B.L。
その威力は通常の出力ですら、グラストロランチャーが射抜けなかった魔法を射抜く。
「ロムちゃんとラムちゃんをお願いします。これ、シェアクリスタルです」
《クス、こうして2人のことを託されるのはこれで2度目だ……!》
トールギスも立ち上がってロムとラムの方を見る。
「なんだぁ、お前が相手をするのか?」
「さっきまでの私とは……違いますから」
「殲滅します」
「アナタはもう、脅威じゃない」
《言ってくれるね……。けれど、ここで君達を助けられなきゃ、ブランに申し訳がたたない!》
ネプギアとトールギス。
その2機が同時に空を翔る。
1人は倒すべき敵へと。
1人は救うべき女の子へと。
ーーーーーーーー
ネプギアのH-M.P.B.Lが火を吹いた。
貫通力をさらに高めた弾丸はトリックの体を凹ませる。
「うぐっ、なんだ、それは!」
「流石に硬い……!でも、弱点に当たれば!」
「撃たせるものか!」
トリックの舌がうねりくねり、ネプギアを穿とうと向かう。
しかし、ネプギアは横へ逃げ、回り込むように高速で移動している。
「追いつかれは、しません……!」
高速で動くネプギアにトリックの舌は追いつけない。
どんどん引き離され、そしてネプギアは急激に逆制動をかける。
「……ッ、今だっ!」
反転し、トリックへと接近する。
「んなっ!」
「ストライダーフォームのスピードで……!」
瞬きする間にネプギアはトリックの眼前にまで迫っている。
「至近距離!」
「ぐわあっ!」
顔面に直接、H-M.P.B.Lの弾丸が叩き込まれた。
「ぐ、ぐ、貴様ぁっ!」
「アレを耐えるなんて……!」
しかし、トリックの顔は赤く腫れ上がる程度のダメージしか受けていない。
「最大出力、もしくは……!」
「もう許さん!」
「一か八か、決めてみせる!」
追いすがる舌を避け続ける。
Xラウンダーの能力を最大に生かしたネプギアに、完全に動きが読まれている。トリックの舌は掠りもしない。
「決めたんです、戦い抜くって……!強くなって、強くなって……!それで、みんなを救うんです!」
「当たれ当たれ当たれぇっ!」
「そう、救うために私はッ!」
ネプギアの眼前を舌が通り抜けていく。
それを読んでいたネプギアは、H-M.P.B.Lを持ち替え、舌を真っ二つに切り裂いた!
「あだだっ!?」
「私は、みんなを救う……女神です!」
急接近したネプギアは痛みに大きく口を開けたトリックの前に、再度立ちはだかる。
そしてエネルギーがスパークしているH-M.P.B.Lをトリックの口の中へと向ける。
「へっ?」
「H-M.P.B.L、最大出力……!」
螺旋するビームの最大出力。
それはどんな強固な装甲であろうと風穴を開けるほどの……!
「これで……ッ、倒れてぇぇぇーーーッ!」
「だ、ダメぇぇぇぇっ!」
トリックの喉へ、ネプギアの想いを乗せた一撃が叩き込まれた!
version up!
ネプギアがAGE2へと。武器は新たにH-M.P.B.Lへ。
変形をどう使うか悩んだ末……
特殊能力、【変形】
正面(つまりは自分の体が向いている方向)への移動時のみ、通常の3倍の加速が可能。しかし旋回能力は大幅に低下する。
みたいな。直前にfate見た。