超次元機動戦士ネプテューヌ   作:歌舞伎役者

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そんなこんなでジャッジ戦続き。好き放題やってます


スペリオルアンジェラス

ジャッジの装甲がスライドしてもともと大きかった図体がさらに大きくなる。

そしてその装甲の中身は暴力的な緑色に光り輝く。

 

「NT-D………!起動!」

 

その光を見たネプギアとロムはぞわりと背筋が凍るような恐怖に襲われる。

あのシステム、完全にこちらを殺しに来ている。それが直感で伝わる。

まるで尖ったナイフを首に突きつけられた様な恐怖。

しかし、それに怯んでいては勝てるものも勝てない。

 

「ラムちゃん、準備するよ……!」

「おっけー!私達で決めるわ!」

 

ロムとラムがサテライトキャノンの発射体勢を整え始めた。

 

「私達に……っ!?」

「チビが!失せろぉっ!」

 

ほんのわずか、一瞬目線を逸らしただけ、それなのにジャッジはその僅かな時間の間でロムの前に移動していた。

 

「きゃああっ!」

「ロムちゃん!」

「お前もだぁっ!」

「うあうっ!」

 

ロムとラムが地面に叩きつけられた。

 

「速い……!」

「大変です!2人とも!」

 

コンパがロムとラムに走り寄った瞬間、ジャッジがそれを見つけた。

 

「お前も……目障りだっ!」

 

瞬間移動と見間違えるほどのスピードでコンパの前に立つ。

 

「……!」

「死ねよ!」

 

コンパが壁に叩きつけられた。

 

「うっ、あっ……」

「ああん?まだ生きてんのか?」

 

チョバムアーマーで辛うじてガードしたものの、とんでもない勢いで壁に叩きつけられたコンパは昏倒してしまっている。

 

「待ってろよ。今その首、叩き切ってやるからよぉぉっ!」

「アンタはァァァッ!」

 

激昂したアイエフがジャッジに走り寄る。

 

「無茶です、アイエフさん!」

「ふっざけんなァァッ!ぶっ殺すッ!」

 

アイエフとは思えないほどの汚い言葉が飛び出した。

カタールを装備したアイエフの両手の連撃がジャッジを襲う。

 

「オラオラオラオラッ!」

「失せろゴミがっ!」

「ぐう、う……!」

 

なんとジャッジのパルチザンをアイエフは受け止めてしまった。

そのままアイエフの目が真っ赤に染まり、アイエフの体も真っ赤な瘴気に包まれる。

 

「あいちゃん……ダメ……!」

「フフ………アハハハハハ!」

 

アイエフが突然笑いだし、ジャッジのパルチザンを弾いた。

 

「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ!」

「き……さまぁぁぁっ!」

 

さらにジャッジの体にカタールで切り付けていく。

しかし、アイエフのカタールではジャッジの装甲を傷つけることができずに刃こぼれが起きる。

 

「あ……?」

「効かねえ攻撃を繰り返しやがって!」

 

ジャッジのパルチザンを避けて使えなくなったカタールをジャッジに向けて投げ捨てる。

そして腰に装備したサブマシンガンを抜いた。

 

「EXAM……私を飲み込めぇぇぇっ!」

「ダメ……あいちゃん……!それに、身を任せちゃ……!」

 

アイエフはEXAMシステムに身を任せ、ただただ自分の殲滅衝動の赴くままに戦っているのだ。

しかし、その攻撃はまったくジャッジには効いていない。サブマシンガンを乱射するものの、全く効いている風には見えない。

 

「ウザってぇなぁ……!」

 

ジャッジがパルチザンの先をアイエフに向けた。パルチザンの先でエネルギーが球体状に膨らみ、スパークしていく。

 

「これで、死んどけッ!」

 

バキューーーーン!!

 

響き渡る銃声と共にパルチザンの先に凝縮されたエネルギーが解放され、アイエフの元に弾丸になって向かう。

 

「………!」

 

アイエフはそれを紙一重で避けたものの……次の瞬間にアイエフはとあることを思い出す。

 

(これは……ネプ子と同じ……!)

 

そう、ビーム・マグナム。

そしてビーム・マグナムは紙一重で避けただけでは……!

 

「あああああっ!?」

 

ビームが通った軌道にはビームサーベルと同質の紫電が飛び散り、掠っただけでも大ダメージをもたらす。

アイエフは宙に吹き飛ばされ、何回転もした後に強く体を打ち付けてしまう。

 

「ぐっ……く……」

「あいちゃん!」

「まずは1人!」

 

さらにもう1度、ジャッジのパルチザンの先でエネルギーの球体が現れる。

 

「これ以上、あいちゃんを傷つけないでくださいです!」

 

コンパが倒れたアイエフの前に立ちはだかった瞬間、ビーム・マグナムが再び発射される。

 

「ううっ……!」

 

チョバムアーマーで押さえ込もうとするが、ビームの勢いは衰えることは無い。

それどころかビームはコンパをはじき飛ばしてしまう。

 

「きゃああっ!」

 

コンパもビーム・マグナムには抗えず、宙に弾き飛ばされて回転しながら地面に体を打ち付ける。

 

「コンパさん!アイエフさん!」

「まだ……まだ死んでねえよなあ!お前らはさぁ!」

 

倒れた2人に向かってまたパルチザンの先を向けるジャッジ。

 

「アイツ、まだ!」

「もう……やめてぇぇぇっ!」

 

ネプギアがジャッジに向かって突撃する。

しかし、既にジャッジのパワーと装甲はネプギアでは傷がつけられないものになっているのだ。

 

「ああん?しゃらくせぇぇっ!」

 

ジャッジがビーム・マグナムの標的を2人からネプギアに変更した。

ネプギアに向かってビーム・マグナムが放たれるが、ネプギアはビームから距離を取ってそれを避ける。

 

「ネプギア、焦っちゃダメ!」

「でも……!」

「今は時間を稼ぐのよ!」

 

ロムとラムが立ち上がり、改めて月を見上げた。

 

「っ、大丈夫……?」

「うん、なんとか。アイツ……仕返ししてやるんだから!」

 

サテライトキャノンを展開し、2人が静かに目を閉じる。

 

「私達に、力を………」

 

月から、大地から魔力が2人の体に注がれる。星からの贈り物を2人はどんどん体に貯蔵していく。

 

「ネプギア、いける!?」

「わかった、今は……!」

「ダラダラと……そんなクソみたいな作戦に付き合う趣味はねえぞッ!」

 

ジャッジがNT-Dの超スピードでネプギアに接近した。

 

「オラァ!」

「っ……!」

 

防御は間に合ったが、吹き飛ばされる。

 

「下手にダメージは与えられない……これでも食らってなさい!」

 

ユニが発射した弾丸が正確にジャッジの頭部に向かう。そしてそれはジャッジの目の前で爆発し、轟音と閃光を発した。

 

「ぐっ……!?こしゃぁぁぁくなぁぁぁ!」

「すぐに耐性が出来るくせに……!2度は効かないわ、今がチャンスよ!」

 

ユニとネプギアがアイエフとコンパを持ち上げてその場から離脱する。

そして遠方には発射準備を整えたロムとラムがいた。

 

「もう、許さない……!」

「アンタに、お姉ちゃんと生きる未来を渡しはしない!」

 

ロムとラムの周りの地面が凍りつき、空気はキラキラと光り輝く。

2人の体が真っ白に光り輝いた。

 

「アイシクル・サテライトキャノン……!」

「発射ぁっ!」

 

2人から放たれた必殺のビームがジャッジへと一直線に向かっていく。

そのビームは背中を向けたジャッジに直撃するかに見えた、が。

 

「ははぁ……そこかぁ……!」

 

しかし目が眩んでいるはず、耳が壊れているはずのジャッジはサテライトキャノンの方向へと振り向いた。

 

(しまっ、アイツは能力持ちで……!)

「でも、アレは受け止められるはずありません!」

 

Xラウンダー能力とニュータイプ能力の重ね技で攻撃の気配を察知して見せたのだ。

そしてジャッジはパルチザンを地につけ、サテライトキャノンを受け止めるように構える。

 

「俺が……改造手術でも受けてなきゃ何も出来ないとでも思ってたのか?」

 

ジャッジの周りを光が満たしていく。

しかし、その光はただぶつかったものを影すら許さずに飲み込むほどの暴力的な光。ただ眩しいだけの光がジャッジから周りの空間に広がっていく。

 

「ふっっっ………ざけんなァァァァッ!!」

 

ついにサテライトキャノンがジャッジへと直撃した。

ジャッジはサテライトキャノンを受け止めているものの、受け止めたパルチザンから凍りついていく。

 

「このまま……!」

「カチンコチンになっちゃえーーっ!」

 

「なるほどなぁ……絶対零度のビームってことかよ……」

 

ついにジャッジの腕まで凍りついていく。

このまま氷に包まれ、敗北してしまうかに見えたジャッジは不敵に笑って見せた。

 

「学んだぜ……!さあ、審判の刻だ!」

 

ジャッジの体がいきなり霧に包まれた。

いや、違う。アレは霧じゃない。

 

「あつっ……これって……!」

「蒸気なの!?」

 

ジャッジの体温が急激に上昇していく。ジャッジの腕を登っていた氷は途中でその足取りを止め、後退していく。

 

「なに……!?」

「サテライトキャノンが、押されてるっていうの!?」

 

絶対零度のビーム、サテライトキャノン。

それに対してAGEシステムが導き出した答えは単純明快。

 

絶対零度を超えた熱量で燃やしつくせ!

 

「決まったぜ……!罪状、高慢!俺を殺せると思った……それこそが罪だ!」

 

だんだんとサテライトキャノンが押されていく。ジャッジの周りの空気が歪み、大地は溶け、まるで火山の噴火口のような熱量が発せられている。

 

「ネプギア、逃げるわよ!」

「ダメ、間に合わない!」

 

「サテライトキャノンが、通じない……!?」

「そんな、そんなことって……!」

 

 

「行先、叫喚地獄ッ!!」

 

 

「きゃあああっ!?」

「あああっ……!?」

 

ジャッジの体から発せられた熱が一気にサテライトキャノンを押し返し、辺り一帯の温度を急激にあげる。

一瞬にして大地はマグマになり、空気は歪み、4人を吹き飛ばす。

 

「きゃああああっ!」

「ううううっ!」

 

4人が吹き飛ばされ、地面に叩き落とされた。

4人は距離を取っていたために致命傷は受けていないものの、大ダメージを受けていた。

あれは、近くにいたら確実に一瞬で蒸発していた。

まるで核爆弾のような威力の熱量に周りの空気との寒暖差で暴風が吹き荒れる。

 

「ヒーーヒャハハハハ!!ハハハハハハッ!!」

 

「サテライトキャノンが、負けた……?」

「そんな、ことって……」

 

ロムとラムが驚愕に目を見開いている。

 

「アイツには……一体、何が通じるっていうのよ!」

 

ユニが地面をダンと叩いた。

しかし、ネプギアは再び立ち上がる。

未だに暴風が吹き荒れる中、果敢にネプギアは立ち上がって背中を3人に晒す。

 

 

ーーーー『運命の先へ』

 

 

「みんなの力を合わせれば……まだ……!」

 

みんな、と言ってもアイエフとコンパは戦闘不可能。

ネプギアとユニの体にもダメージが残っており、ロムとラムはさっきのサテライトキャノンで魔力を大量に消費している。

可能性は決して高いとはいえず、あるいはないかもしれない。

けれど………。

 

「諦められない、わね……!」

「残りの全力を注ぎ込むのね……!?」

「任せて……。全部、使い尽くす……!」

 

4人はまだ諦めてはいない。

 

「私とネプギアでアイツを牽制するから……!そしたら……」

「私が、残りの魔力を全部使って……サポートする……!」

「私もよ!フィニッシュは誰!?」

「……ネプギア、任せたわよ……!」

「うん……!絶対に、倒す……!」

 

ネプギアとユニが未だに高笑いしているジャッジへと向かう。

 

勝ち目はある。

だって、託された思いが……!

任された、言葉が……!

 

「やああああっ!」

 

「まぁぁぁだ生きてんのかぁっ!しぶてぇぇなぁぁぁぁっ!」

 

ネプギアのH-M.P.B.Lとジャッジのパルチザンがぶつかる。

ネプギアがまた吹き飛ばされてしまうかと思った瞬間、ジャッジの体の自由が奪われた。

 

「ぬっ……!?」

「パラライズショット……麻痺弾よ!」

 

ジャッジの装甲の合間、光り輝く部分に正確に撃ち込まれた即効性の麻痺弾がジャッジの自由を奪う。

 

「慢心しすぎよ……!だから、こんなものにひっかかるの!」

「ここから数秒間は、私達のターン!」

 

ネプギアが両肩と両手のH-M.P.B.Lで連続で斬撃を叩き込んでいく。

 

「はあああぁぁぁああっ!」

「新機能を使うわ!リミッター解除……!」

 

ユニも後方から様々な弾を発射する。

それらはすべて装甲の隙間に刺さり、確実にジャッジにダメージを与えている。

さらに、ユニのX.M.Bは銃身を展開してその内部にエネルギーを集中させる。

 

「いっっ………!」

 

ユニが引き金に手をかけた瞬間、ネプギアはそこから離れてH-M.P.B.Lを4丁全てジャッジに向けている。

意思の疎通は何もしなくてもできている、黄金のコンビネーション!

 

「けぇぇぇぇぇッ!」

「このままぁぁぁぁっ!」

 

「ぐおおおおっ!?」

 

ジャッジがその射撃の勢いに吹き飛ばされた。

しかし、ジャッジの体では高速で麻痺に対する抗体が作られている。

抗体が作られる前に、勝負を決める!

 

「今度は、私達の番!」

「後のことは、考えられない……!」

 

さらにロムとラムが作り出した大多数の氷塊がジャッジを四方八方から叩きつける。

そしてその2人の間をストライダーフォームとなったネプギアが駆け抜ける。

 

「今……!」

「任せたわよ!」

 

ほんの一瞬、それだけの時間で2人は残り全ての魔力を注ぎ込んでネプギアのステータスを底上げする。

限界を超えた力を、ネプギアは肩のH-M.P.B.L1つにすべて注ぎ込む!

 

「一……ッ!」

 

ネプギアのH-M.P.B.Lから放たれたビームはただのビームではない、それ自体が強力な螺旋の力を持ったビームサーベルだ!

今までにない自分の力をすべて注ぎ込んだH-M.P.B.Lが悪を裂く!

 

「閃ッ!」

 

「ぐおおおっ!?」

 

ジャッジの体に縦一文字の斬撃が深く刻まれた。

 

「っ……!」

「まだ終わらせんじゃないわよ、ネプギア!」

「まだ、いけるよ……!」

「粉微塵すら、残さないの!」

 

「っ、はあああぁぁぁッ!」

 

さらに、ネプギアの背に巨大なNの文字が浮かび上がる!

 

「H-M.P.B.L……限界突破(オーバードライブ)!」

 

H-M.P.B.Lの出力は限界以上にまで跳ね上がる。そしてプロセッサユニットの出力もだ。

ロムとラムのサポートがあってこそできる、装備に限界以上の性能を引き出させる荒業!

 

「私達は……!」

 

ネプギアがジャッジを4本のH-M.P.B.Lで切りつける。

さっきまでは全く通らなかった装甲、そこに切れ込みが入っていく!

 

「ううううっ………はッ!」

 

ついにネプギアがジャッジの装甲を切り裂いた。

そのままネプギアはすぐに反転して再びジャッジに向かう!

 

「ば、バカなぁっ!」

 

「この想いを……!任せられた全てのことを!未来に繋ぐの!」

 

再生すら間に合わないスピードでネプギアがジャッジに斬撃を放つ。

 

「テメエ、はあぁぁぁっ!」

「私は……私は!プラネテューヌの女神!」

 

ネプギアが4本のH-M.P.B.Lを束ねると、全てのH-M.P.B.Lのエネルギーが合体した巨大ビームサーベルができあがる。

 

「ネプギアですッ!」

 

振り下ろした巨大ビームサーベルがさっきの斬撃の傷口と重なる。

そした巨大ビームサーベルは、ジャッジを真っ二つに切り裂いた!

 

「ぐ……おおっ………!」

 

「これが……プラネティックディーバです……!」

 

切り離されたジャッジの半身にそれぞれのH-M.P.B.Lの最大出力のビームを叩き込む!

ジャッジの体は大爆発を起こし、消え去った。

 

「っ、くっ!」

 

しかし、ネプギアのH-M.P.B.Lとプロセッサユニットも限界を超えた力で酷使したせいで爆発してしまい、壊れてしまう。

 

墜落してしまうネプギアをユニが受け止めた。

 

「はあっ、はあっ、はあっ……」

「やったわね、ネプギア……」

 

ロムとラムは魔力切れを起こしてその場から動けない、ネプギアに至っては武器と装備を全て失ったようなものだ。

本当に、本当にギリギリの勝利。

 

「でも、これで、やっと……お姉ちゃんを、助けられーーー」

 

 

 

 

「助けられるとでも?」

 

 

 

 

「っ!?きゃあっ!!」

 

「ユニちゃん!?」

「な、なに……!?」

 

ユニが何者かに叩き落とされた。

ネプギアと一緒に地面に激突してしまったユニは不意打ちだったのもあって動けないほどのダメージを負ってしまう。

 

「アン……タ……は……!」

 

「クックックッ……不用心だったんじゃねえかなぁ、女神候補生さんよぉぉぉっ!」

 

そこに立っていたのは……ジャッジだった。

しかも、完全に強化、再生してしまった状態でだ。

 

「俺を殺したいなら……細胞レベルまで消し去らないとよぉぉぉっ!」

 

「ウソ……でしょ……!」

 

「もう、手加減はしねえぜぇ?」

「そうだ、お前らは髪の毛1本たりとも残さねえ!」

 

「………っ!?」

 

4人にさらなる絶望が襲いかかる。

なんと、ジャッジが2人いる。

分身とか、幻覚とかそういうのではない。

 

「さっきの一撃で、分離して……!」

「ウソでしょ……もう、さっきので力を使い切って……」

「あんなのを2人も相手する力なんて、残ってない……!」

 

『さあ、審判の刻だ!』

 

2人のジャッジがパルチザンを地につけた。

もはや動くこともままならない女神候補生にトドメを刺すべく、ジャッジの周りにエネルギーが集中していく。

 

「決まったぜ……!お前らの罪は、懲りもせずに俺を殺そうとした高慢と!」

「女神を欲した……物欲だ!」

 

「負けられ……ない……!」

「ネプギア……!」

「お姉ちゃんを助けて……!スミキさん、に……!」

 

「大叫喚地獄でも物足りねえ……!」

「行先、焦熱地獄!」

 

2人のジャッジに熱がこもっていく。

そこから溢れる熱量は凄まじく、空気だけで火傷してしまいそうなほどだ。

 

「立たなきゃ……いけないのに……っ!」

 

『死ねェェェェェッ!!』

 

「お姉ちゃん……っ!」

 

極限の熱量が女神候補生4人を襲う。

アレに当たれば一瞬で塵も残らず蒸発してしまうだろう。

受け止めるすべもない。

 

 

しかし、それは大きく狙いを外れて空の方向へと吹っ飛んでいった。

 

 

「え………?」

 

何が起こったのか、ネプギアには理解できない。

逸らされたとか、途中で軌道がずれたわけじゃない。

最初から、発射された時から狙いが狂ったのだ。

 

「なんだ……?」

「俺は、真っ直ぐ打ち出したはずだ!」

 

その瞬間、地震が起きた。

 

「きゃあああっ!?」

 

「ぬ……なんだ……!?」

「俺が、揺れを感じるだと!?」

 

地面を大きく揺るがす地震。

しかし、その地震は地面に足をつけていないジャッジすらよろけさせている。

 

「地震じゃ、ない……?」

「大気が、揺れてるの……?」

 

ロムとラムが揺れに翻弄されながらも、その揺れの正体を見極めようとする。

 

「……!?おい、なんだ、それは……」

「え……?」

「それはなんだって、聞いてるんだよぉっ!」

 

ジャッジが女神候補生の後方を指さして狼狽えている。

その正体を確かめようと、ネプギアが、ユニが、ロムが、ラムが後ろを向く。

 

 

そこには、ヒビが入った空気があった。

 

 

「なに、これ……」

 

いや、ヒビが入っているのは空間だ。

ヒビはどんどん大きくなり、その度に揺れが激しくなる。

そこでようやく、その場にいる全員が気付く。

 

 

………揺れているのは、次元だ。

 

 

そしてこのあたりの空間がこの揺れのせいで歪んでいるのがネプギアにはわかった。

さっきの技が外れたのも、次元が歪んだせいだろう。

では、一体このヒビは何なのだ?

 

それを問おうとした瞬間、ヒビが入った空間から拳が飛び出した!

 

「っ!?」

 

全員が固唾を飲んで割れた次元の行く末を見守る。

まるでガラスのように空間の破片が飛び散り、そして消えていく。

そして、最後に特大の大きな揺れが起こった。

 

「きゃあああっ!」

「うおおおおっ!」

 

その揺れがおさまると、目の前には人が1人通れるほどの次元の穴が開いていた。その穴は虹色をしていて、次元ゲートを彷彿とさせる。

 

その穴から、人間の足が出てきた。

 

そして1歩、1歩と前に進み全身をギョウカイ墓場に晒す。

 

「何者だ……貴様ッ!」

「ただものではないようだな……」

 

2人のジャッジがその人間相手に身構える。

それと同時に、4人の女神候補生の頭に春風が吹き抜けた。

 

 

 

『ーーーーー』

 

 

 

「………遅れてごめん。みんな、よく頑張ったね」

 

 

 

「あっ、あっ、ああ………!」

「今、全部……思い出し、ました……!」

「そんな、だって、でも……!」

「執事……さん……っ!」

 

「みんな……僕が、助けに来た!」

 

4人の顔から涙が溢れ出す。

全部、全部、全部全部、何もかも思い出した。

どうして今まで思い出せなかった。

そんな後悔よりも先に感謝と喜びが溢れ出してくる!

 

「変身……もう、誰も傷つけさせやしない!」

 

そこに立っていたのは、クスキ・ミズキだった。




帰還、ミズキ!
長かったよぉぉぉぉ!
スペリオルアンジェラスは個人的に変身前の方が好き。変身後は最初のネプギアとユニが立ってるシーンが痺れる。
七つの大罪はキリスト教なのに送っているのは仏教の地獄とはこれいかに。
あとアレな、ジャッジ笑い過ぎな、死因は笑いすぎとかありそう。
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