ブランが斧を構えて突進する。
エピオンもビームソードで真っ向から受けてたった。
「うらぁッ!」
「フンッ!」
ブランの両手での重い一撃をエピオンは片手で受け止めていた。
ブランはそのまま前進してエピオンをデブリにぶつけようとする。
だがエピオンはぶつかる寸前にデブリを蹴飛ばして上に逃げた。
「チッ!」
「ぬあッ!」
エピオンが左手のヒートロッドを伸ばしてブランの斧に巻きつける。
「このッ!」
ブランは武器を取られまいと自分の方へ武器を引っ張った。だがエピオンはその勢いを利用してブランに近付いてきた。
「それッ!」
「ぐっ!」
ブランは斧を横にして縦に振り下ろされるビームソードを防ぐ。
だがエピオンはすぐにブランを蹴飛ばす。
蹴飛ばされたブランをエピオンは斧に巻きつけたヒートロッドで引っ張る。
武器は取られなかったものの、そのままブランはデブリに叩きつけられた。
「ぐあっ!」
「その程度か⁉︎」
「ざっ、けんなッ!」
ぶつけられた衝撃でヒートロッドが外れた斧を持ってエピオンに突っ込む。
「馬鹿の一つ覚えでは!」
「チッ!」
ヒートロッドを横薙ぎに振ってくる。
ブランはスピードを落としてその場に留まって鞭を避ける。
「割れやがれッ!」
だがブランは直後に上に浮き上がりながら前に飛び、渾身の力で斧を叩き落とす。
エピオンは両手でビームソードを持ってそれを受け止めた。
「邪魔なんだよ……ッ!私はこんなとこでモタモタしてらんねえんだ!」
「私を倒せずしてミズキを救えるなどと思うな!」
「じゃあテメエを倒せばなんの問題もねえよなぁっ⁉︎」
「この世界では心の強さが力になる……!超えてみろ、私をッ!」
「上等だっ!」
ブランはもう1度斧を叩きつける。
エピオンはそれも受け止めて払い退のける。
「まだだァッ!」
払いのけられた勢いも利用して回転し、斧を横に振り回す。
エピオンは盾で受けたが遠心力も利用したその攻撃に吹き飛んでいく。
「くたばりやがれッ!」
「フンッ!」
間合いを詰めて振るう斧に真っ向からビームソードをぶつける。
だがブランの斧は弾き飛ばされてしまった。
(パワー負けした⁉︎私が⁉︎)
「言ったはずだ!心の強さが力になると!」
「ぐぅっ!」
エピオンのタックルに吹き飛ばされる。
体勢を整えて前を見た時、エピオンがビームソードを構えて目の前にいた。
「風穴を開けさせてもらう!」
「くっ!」
エピオンのビームソードによるレイピアのような突きを斧でいなして避ける。
「どうしたどうした⁉︎動きが止まって見えるぞッ!」
「ナメんなっ!」
ブランがエピオンの頭に頭突きを喰らわす。
「痛っ、てえなッ!」
「ぬんっ!その意気は良し!」
怯んだエピオンを蹴飛ばす。
「ごちゃごちゃと!」
「はああっ!」
斧を振り下ろすが盾で受けられる。
「やるな!ならば私も、全力で応えるまで!」
「テメエが全力を出そうが出さまいが関係ねえッ!どの道叩き潰すんだからな!」
「そのセリフ、いつまで言えるかな⁉︎」
ブランの空いた胴体にビームソードが横薙ぎに振るわれる。
ブランは体を浮かしてそれを避けるが、その隙にエピオンに間合いを取られてヒートロッドで吹き飛ばされてしまう。
「ぐっ、この程度!」
「エピオン……私に応えてみせろ!」
エピオンの胸の緑色のコアが光り輝く。
「なんだ、何をしてやがる⁉︎」
「ゼロシステム、発動!」
エピオンがビームソードを構えてこちらに向かってくる。
それに合わせて横薙ぎに斧を振るったブランだったが、
(避けた⁉︎)
エピオンは体を沈めてそれを避ける。
ガラ空きの胴体めがけてエピオンがX字に斬撃を食らわす。
「くうっ!」
「まだまだまだ!」
後退するブランにエピオンが接近しつつ、ヒートロッドを伸ばしてくる。
それがブランの右腕に巻きついて腕を焼く。
だがブランは左手に斧を持ちかえて逆にエピオンに向かっていった。
「何をしたのか知らねえがッ!」
「ぬん!」
ブランの左手の斧をエピオンが右手のビームソードで受け止める。
そして残った手でお互い組み合う。
「オラッ!」
ブランが死角である足元から膝蹴りを繰り出そうとする、がエピオンは下半身をふわりと浮かせてそれを避けた。
「んなっ!」
「見えているぞッ!」
戻る勢いで今度は逆にブランが膝蹴りを食らう。
吹き飛んだブランをヒートロッドで引き戻してさらにビームソードで切りつけた。
「ぐああっ!」
「動きが鈍いぞッ!」
(あいつ……!)
間違いなく必中の膝蹴りだったはずだ。
しかも私の目が狂ってなければ、あいつは私が膝蹴りをする前から動いていた。まるで、そこに来ることがわかっているかのように。
「離しやがれっ!」
腕のヒートロッドを斧で切断する。
(私の勘が正しければ……!)
もう1度斧を持って接近する。
横薙ぎに斧を振るが避けられ、さらに踏み込んで縦に振るうがそれもいなされる。
「テメエ、やっぱり!」
私が斧を振るう前から動いている。そして避ける動きに迷いがない。
「未来を、見通すガンダム……!」
「気付いたか!だが気付いたところでどうにかなるわけでもあるまい!」
エピオンが使っているのはゼロシステム(エピオンシステム)。
分析・予測した状況の推移に応じた対処法の選択や結末を搭乗者の脳に直接伝達するシステムだ。
そのシステムがあれば、事前に取るべき行動をパイロットに見せることができる。その正確さは搭乗者に未来すら見せるほどである。
「だからって、諦められるか!」
「諦めてもらうために私がいるのだ!」
踏み込んだブランへのカウンター突きが決まる。腹をもろに突かれたブランは後ろに飛んでいく。
「ぐっ、ううっ!」
「必要ないのだ!ミズキにとって、お前達はァーーッ!」
それを追いかけ接近するエピオン。ブランは避けようとするがそれすらも見破られてタイミングをずらした突きを食らってしまう。
「うあっ!」
「ここで眠っていろッ!」
ヒートロッドで打ち上げられる。エピオンは変形してクローでブランの両腕を掴んだ。
「くっ、ぐっ!」
「これで、終わりだぁーーっ!」
錐揉みしながら急上昇して急下降。
そのまま飯綱落としでブランはデブリに叩きつけられた!
「うあああっ!」
デブリに叩きつけられ弾んだブラン。変形を解いたエピオンがビームソードを最大出力に引き上げると、緑色の刃が大きく伸びた。
「終わりだッ!」
「……がっ………!」
ブランの後ろのデブリごと切り裂く斬撃。
ブランはそこにフラフラと漂うだけになっていた。
「この眠り、妨げさせはせん!」
「く………は……!」
にゃはー、痛そうだにゃー。
「んだ、テメエは……!」
お、怒るにゃ怒るにゃ。力を貸したげるにゃよ。私も寝たきりのミズキは嫌にゃ。
「っ、る、せえ……!黙ってろよ……!」
ブランがデブリを掴みながら立ち上がる。
ミズキを癒せるって言うにゃら、力を貸したげるにゃよ?
「はっ、癒す……?」
ブランは鼻で笑って近くを漂っている斧を掴み直す。
「生憎私はこういう性格だからな……!癒すなんて、冗談でもねえ。ただ、ただよ。アイツと本を読んでた時間は本当に癒されたんだ……!」
周りを漂うデブリを斧でかっ飛ばしてエピオンに飛ばす。
「むっ!」
エピオンはそのデブリをビームソードで切り裂くがその残骸で出来た死角からブランが接近していた。
「うあらッ!」
「ぬっ!」
ビームソードで受けるが吹き飛ばされた。
今度はエピオンがデブリにぶつかる。
「うおらあああッ!」
「くっ!」
間髪入れずに斧で一閃。
エピオンは横に回って避けるがブランはすかさず2つに割れたデブリの片方を斧で吹き飛ばす。
「ぬんッ、やるな!」
ヒートロッドで払いのけた。だが先程と同じように目の前にはブランが迫っている!
「くたばりやがれェェッ!テンツェリン・トロンベェッ!」
「2度同じでは食わん!」
「うぐっ!」
斧を振るうより先にエピオンの右手のパンチがブランの腹に減り込む。
「まだ抵抗するか!」
「くっ!」
ヒートロッドで叩きつけられ、ブランが怯む。
「ここで決着をつける!もう2度と、誰もここに現れんようにな!」
「そりゃそうだ!私がテメエを倒すからな!」
「減らず口をッ!」
エピオンの斜め下への跳び蹴りでブランが吹き飛ぶ。
にゃ、キミじゃあアレには勝てにゃいよ。おとなしく、力を貸してって言えば貸してやらんこともないにゃ。
「黙ってろ、テメエはッ!」
エピオンのビームソードを斧で受け止める。だがすぐに回し蹴りを腹に食らった。
「終わらさせてもらう!」
「クソ、がっ!」
ほらほら、終わるらしいにゃよ。キミにはミズキを癒すことはできないのにゃ?
「出来るわけがねえッ!私は迷惑かけてばかりで……!これからもずっと!」
斧を力任せに振るって受けたエピオンを吹き飛ばす。
「私はッ!ただいつまでも、あそこで本を読んでいたいだけだァッ!」
「世迷言をッ!」
突っ込んだブランが横薙ぎのヒートロッドを受けて吹き飛ばされる。
「私の敵は貴様だッ!ミズキの眠りを妨げる貴様をッ!」
「ぐあっ!」
エピオンのビームソードがブランの体に当たる。だがエピオンはそれでは終わらず、さらに何度も斬撃を与えた。
「そらそらそらそらそらそらそらそらそらッ!」
「うああああああああっ!」
ブランの体が吹き飛ばされる。エピオンはすかさずそれを追った。
「最大出力!これで、帰ってもらうぞ!」
大きく上段にビームソードを構えたエピオンが急接近してくる。だがブランは動くことができない。
しょーがないにゃー、もう嫌だと言っても無理矢理押し付けるにゃ。せいぜい頑張ってにゃ。
ーーーー『Rhythm Emotion』
「ぬああああッ!」
「っ!」
ブランの体にビームソードがめり込んでいく。
エピオンがビームソードを振り下ろし切った時、ブランは左胸に熱さを感じていた。
ボロボロになって漂っていたブランはその胸の熱さに惹かれるように左手を胸に添える。
「私は、本を、約束を……!」
そうだ、それがミズキの癒しにもなっていたんだ。何も難しいことなんて、この世界にはない……!
「守るって、決めたからなァ……!本も、約束も、ミズキも……!」
「まだ来るか!」
「何度でも、行くぜ……!
ブランの体が光に包まれた。
特徴的な形のウイングスラスターが2基、背中に装着される。胸にはクリアグリーンの結晶。その手に握られた斧がより細身に、だが重みを増す。その刃の部分には緑色のビームが薄く展開された。
「くっ、ぐっ……!」
だがブランは頭を押さえて苦しみだす。
「当然だ。貴様にそのシステム、扱えるかな⁉︎」
ブランの頭の中には無数の声が響いていた。
『突撃だ。自分の身のことは考えるな』
『ただ斧を振るえ。痛みは感じないようにする』
『刺し違えろ。それが確実だ』
「く……ぐ……!どいつもこいつも、耳障りだ……!」
ブランは斧をデブリに思いっきり打ち付けた。
「少し黙って、言う事聞いてろッ!」
「フンッ!そのシステム、抑え込むか!」
「言うこと聞かねえ奴らは、妹だけで十分なんだよ!」
完全無欠に見えるゼロシステムにも欠点がある。それはシステムが勝利をひたすらに求めるために、搭乗者の意思や倫理に反する行動も平然と選択させることだ。故に、このシステムを使いこなすには望ましい命令とそうでない命令を取捨選択し押さえ込むだけの精神力が必要なのだ。
だが今ブランはゼロシステムを押さえ込んだ。
ブランの目には、数秒先の未来が見えている!
「さっきまでの私だと思うなよ……ッ!こっから先が本番だ!」
「どの道貴様を沈めることに変わりはない!ゼロシステムの力、最大限に引き出すッ!」
ブランのウイングスラスターが展開されて圧倒的な推力でエピオンへと向かう。
「オラァッ!」
「そらッ!」
エピオンとブランが鍔迫り合う。だがブランの斧の峰の部分からバーニアがふかされた。
「なにッ!」
そのままエピオンのビームソードを押し切る。エピオンの肩の装甲が溶けて亀裂が走る。
「くっ、まだまだ!」
「おあああッ!」
2人が離れて打ち合い、また離れる。それを何度も繰り返して登っていく軌道は螺旋を描いていく。
「ゼロ、奴の反応速度を超えろ!」
「いくら、テメエの方がゼロを使いこなせていてもッ!」
ブランの一撃がエピオンを吹き飛ばした。
「心の強さが!ここでの力だってんなら!」
背中のウイングスラスターと斧のスラスターが前にだけ進むべく唸りを上げる。
「テン、ツェリンッ!」
「くううっ!」
「ゲヴィッタァァーーーッ!」
「ぐっ⁉︎」
ブランは一瞬のうちにエピオンの後ろに移動していた。
ブランが移動してからエピオンの胴が2つに分かれていく。
「叩き割ってやったぜ……。テメエの心ごと!」
テンツェリンっていうのは踊り子という意味らしくトロンベというのは竜巻の意味らしいです。ドイツ語で。
竜巻の…上位互換…大嵐?全部手札に戻しちゃう?ということで大嵐で検索かけたらゲヴィッターというらしく。それっぽい名前だったので使わせてもらいました。
ミリアルドのセリフはやりにくくて。こんな感じでしょうかね。
今回はカレンの力です。セリフからしておちゃらけてますがゼロシステムを扱えるほどの精神力の持ち主。
ブランはまだツインバスターライフルと盾、それに変形機能がありませんね。変形…どうしようか…。