超次元機動戦士ネプテューヌ   作:歌舞伎役者

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短め。この後の話と1つにしたかったんですけど、長くなったので。


奇跡

ミズキの体から緑色の光が溢れ出す。その光は天へと昇り光の奔流となって空に浮かぶ地球破壊爆弾を包み込む。

 

「なに、これ……⁉︎」

 

ネプテューヌがその光を見て唖然とする。

だがビフロンスは舌打ちをした。

 

「またそういうの……⁉︎でも、これに打ち勝たなきゃ、平和は掴めない……!」

 

緑色の光は地球破壊爆弾を包み込むが、ネプテューヌ達には心なしかその爆弾が上に向かって行くように見えた。

 

「この光……私達の味方を、してるのね……?」

「爆弾が、空に昇って行く……」

「力場が発生しておりますの……?」

 

暖かなその光で包まれた爆弾はまるで太陽がもう1つ増えたかのようだ。

光は空へと消えて行く。きっと宇宙にまで爆弾を持って行くのだろう。

そしてさらにもう1つの光が天へと昇ってきた。

ネプテューヌ達の前に光は球体となって留まり、その光が弾ける。

 

「………………」

 

その中にいたのはミズキだった。

ミズキの体は上半身と下半身を真っ白なスーツに包んでいたが、それだけだ。羽化したての不完全な姿でミズキはそこに浮かんでいた。

ミズキの背中には真ん中が空洞になってドーナツ状になったような円型のプロセッサユニットが2つ装備される。

 

「……みんな、助けに来たよ」

「ミズキ……その姿……」

 

変身とも呼べないほどミズキの体は変化がなかった。服がスーツになったくらいだ。

 

「みんな、力を貸して。僕じゃ、僕だけじゃ……ここにいるみんなすら守れないから」

 

ミズキが振り向いて少し微笑む。

ネプテューヌはそれに微笑み返してから前に出てミズキの隣に並んだ。

 

「当たり前よ!さあ、行きましょうミズキ!」

「……うん。みんなとなら、何も怖くないから……!」

 

ミズキのプロセッサユニットの円の片方がミズキの前に出る。ミズキがそこに手を入れると倉庫次元へと直結し、ビームサーベルを引き出す。

 

「いいの、そんな不完全な姿で?私に勝てる?」

「勝つ、勝てるさ」

「根拠は?」

「ない!」

「いい答えよ!」

 

ビフロンスに向かってミズキが突進する。確かに先程よりもスピードは出ているが、これではビフロンスの圧倒的なスピードには敵わない。

 

「やあっ!」

「クリスタル・アーム」

 

ビフロンスの腕をアンチクリスタルが覆い、鋭利な刃となる。

それとビームサーベルがぶつかり合うが、ビフロンスの方が押している。

 

「アナタ、そんなシェアがあっても使いこなせてないんじゃない?それじゃ宝の持ち腐れよ?」

「使えるようになるまでだ!」

「ん〜、楽観的で希望観測。でもそれが希望だものね!」

 

ビフロンスは腕を振りミズキを吹き飛ばす。

だがミズキが退いた後ろからネプテューヌが迫っていた。

 

「たあっ!」

「ん」

 

太刀を腕で受け止める。

 

「硬い……!」

「当然。アンチクリスタルで出来た装甲はそう簡単に貫けないわよ?」

「ネプテューヌ、退きなさい!」

「ノワール!」

「当たれ当たれっ!」

 

ネプテューヌが退くとノワールが左肩の盾をビフロンスに向ける。そこからビームが発射されるがビフロンスの装甲に当たると弾けてしまう。

 

「ビームでダメなら、ミサイルだ!」

 

ミズキのプロセッサユニットの空洞から無数のミサイルが射出された。

 

「援護します!」

 

ユニからもミサイルが放たれる。

だがビフロンスはホーミングレーザーを放ち、それら全てを撃ち落とす……はずだった。

ミサイルの一部がビームを避けたのである。

 

「まさか……」

「ファンネルミサイルだ!」

 

ビフロンスを取り囲み、ミサイルが何発も当たって爆発する。

だがやはり大したダメージはないようでビフロンスは爆炎の中から余裕で生還した。

 

「……聞こえる、声が……。そうか、シェアはこう使う!」

「隙は与えられないわね」

「させるかッ!」

 

前に出ようとするビフロンスの前にブランが立ちはだかる。

ビフロンスは斧を横に振ってくるブランを上に飛んで避け、空中にいくつものビームの矢を展開する。

 

「ビーム・ゴーガン!」

 

無数のビームの矢がミズキめがけて凄まじい速度で飛んでいく。ホーミングレーザーの貫通力を高める代わりに追尾性をなくしたビームだ。

しかしその前にはベールが立ちはだかる。

 

「この程度……!」

 

ベールの中でSEEDが弾ける。瞳はハイライトを失い、ドラグーンを展開した。さらに空中にはたくさんの槍の穂先が現れた。

 

「観念なさい!」

 

ビフロンスが射出したビームの矢よりもさらに多くの槍とビームが飛んでいく。それは正確無比にビフロンスのビームを撃ち抜いて残った弾はビフロンスに向かって飛んでいく。

 

「チッ、うざったらしい」

 

弾はビフロンスに掠りもしない。

だがベールの後方に控えるミズキの手には緑色の光が満ちていた。

 

「シェア・フィールド!」

 

ミズキの手からシェアが上空に向かって放たれ、そこで弾ける。

まるで雨のようにシェアが降り注ぎ戦場を取り囲む。

 

「力が……湧いてくる……!」

「気持ちがわかる!すごい、すごい!」

 

戦場が鮮やかな緑色の光に染められると女神達の体には力が湧き上がる。まるで今までの傷が回復しきった上にパワーアップしたかのようだ。

それにミズキが放ったシェアの効果によって女神達の心は少しではあるが通じ合う。ニュータイプなどの才能を持った者はその力が高められ、そうでない者もその才能の片鱗を味わう。

だがビフロンスはその真逆だった。

 

「体が、重い……?息が、詰まりそう……?」

「そうだ、ビフロンス!このシェア・フィールドこそ、みんなの意志の力!君を拒み、希望を繋ごうとする想いだ!」

「戯言!みんな本当は心の底で絶望を望む……!こんな偽りの空間、飲み込んであげる!」

 

ビフロンスがアンチエナジーを漲らせるがそのエナジーは散ってしまう。ビフロンスの体を覆うアンチクリスタルも霧散し始めた。

 

「アンチエナジーが、存在出来ない……!」

「不完全な君の絶望が僕らの希望に勝てるものか!全世界を絶望は包み込めやしない……!世界を包めるのは希望だけだ!」

 

ビフロンスの復活は不完全であった。ミズキの次元の時であればさらに強く、硬く、速かった。不完全な復活であったがしかし、この世界でシェアエナジーとアンチエナジーを得たビフロンスは一時的に以前の強さを超えたのだ。

だが今このシェア・フィールドで覆われた空間ではアンチエナジーすら放出することを許されず、ごく僅かなシェアしか残らない。

それはつまり、以前よりも弱くなってしまったということなのだ。

 

「けど、たかがアンチエナジーを封じた程度で!私はどんなに弱くなっても絶望を諦めはしないわ!」

「僕だって、諦められない!みんなが笑う世界なんてないのかもしれない……争いはいつの世も続くのかもしれない!けど、僕が手の届く人達の笑顔だけは失わせやしない……っ!」

 

ミズキの周りに女神が集結した。

一斉にビフロンスを見つめ、希望と想いに満たされた世界に生きる。




ビフロンスのホーミングレーザーはガンバスターのホーミングレーザーです。ビフロンスは別のロボット作品の技大量出荷です。
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