そんなわけで、閑話その1。救世の悲愴(デデドン
ヒロインは死ぬ可能性がなきにしもあらずだから毎週ヒヤヒヤしてます
ミズキの膝の上にネプテューヌが座っているいつものゲームの風景だが何だかネプテューヌの機嫌が悪い。
イライラしながらガチャガチャと乱暴にコントローラーを動かしている。
「ねえ、ネプテューヌ」
「なに?」
「いや……なんでそんなにイライラしてるのかなって」
ビフロンスは倒して一件落着。
傷ついたプラネテューヌはまだ復興中だし、宇宙では地球破壊爆弾が爆発してと大変ではある。
プラネテューヌに吸われたシェアは他の各国に戻り、またプラネテューヌはシェア最下位に戻ってしまった。
しかし他の3国のシェアも予定より向上せず、何事かと少しだけ揉めて……結局その分は僕のシェアだということが判明、国を持つか持たないかとか問題だらけだ。
だがなんというか、嬉しい悲鳴というか。決して嫌なことではないはずだし……。
「………爆発」
「ん?酔舞・再現江湖デッドリーウェィブ?」
「そんなややこしい名前じゃないよ!えええいっ!くたばれぇっ!」
ネプテューヌが雑魚モンスター相手に○ダンテをブチかます。
ちょ、なにそのMPの無駄遣い……。
「とにかく!私が言いたいのはね!」
「うんうん、あ、敵だ」
「リア充、爆発しろぉぉぉぉぉっ!」
ネプテューヌはイオナズンを唱えた!しかしうまくいかなかった!
小さい悪魔か何か?
「ああ……
「別に街中でイチャイチャする分には構わないよ!この私の、女神たる、海よりも高く山よりも低いこの慈悲の心で……!」
「慈悲の心は海抜0mだね」
「でも!すぐ近くの友人にリア充がいるのは許せない!」
「一応、僕の近くにもリア充いたけどなあ……」
カレンとジョーとかいたし。
「でも!だって!いーすんとジャックだよ⁉︎」
「あ〜、その組み合わせね。でもほら、最初から気は合ってたじゃん」
めでたく御2人方は結ばれたらしい。
あれからジャックと1日中酒に付き合った時があり、事の一部始終を聞いたのだ。
イストワールが顔を真っ赤にしながら付き合って欲しいと頼んだりとかジャックがそんなイストワールにキスしたとか砂糖吐きそうな話をたくさん。
今思えばジャックの体があの決戦の後に燃え尽きていたのを見て1番泣き喚いていたのはイストワールだったしね。
「勝手に殺すな」とホログラムで現れたジャックを見て1番喜んでいたのもイストワールだった。
結構、お似合いなのかもしれない。
「む〜!こうなれば、私も彼氏作って見返してやる〜!」
「アテは?」
「………ないです」
「悲しいねえ」
「うぐっ、何も言えない……!こんな美少女がいるのに!誰か迎えに来て〜!」
「別に所構わずイチャイチャしてるわけじゃないじゃん。ちゃんとその辺りは節度をわきまえてるし」
「ぐ、ぐぅ……!う〜!二○ラム!」
「あ〜あ〜、昇天しちゃったよ……」
ゾンビモンスターが昇天していく。
「ミズキも人のこと言えないけどね。ネプ子は愚痴言う相手を間違えてるわよ」
アイエフが部屋に入って来て呆れたように言う。
「え?どういうこと?まさか、ミズキもリア充に⁉︎」
「違う違う、僕はリア充じゃ……」
「お姫様を2人……いや、プルルート様を加えたら3人待たせておいて?」
「うぐ」
「え⁉︎ミズキ知ってたの⁉︎」
「ま、まあ……ね……?」
「いつから⁉︎」
「その……ノワールのはマジェコンヌの時あたりから。ブランは国巡りの時かな……?」
「大分前じゃん!」
「し、仕方ないよ。心の中に入ったり入られたりしてたら気持ちもわかるんだよ」
「ええい、裏切り者!近寄らないでいただきたい!あいちゃ〜ん!私の愚痴を聞けぇ!」
「そんな歌聞くみたいに言われても……」
愚痴を話してもバジ○ラとは分かり合えないと思うんですけど。
「で?結局誰を選ぶ気でいるのよ。まさかこのまま有耶無耶にする気は無いわよね?」
「そ、それはね?でも、ほら、やっぱり1人だけ選ぶことに抵抗があるというか……」
「なるほど、ハーレム路線?出来るかしらね、プルルート様なんか特に独占欲強そうだし〜」
「後ろでそんな話をしないで!こうなれば……!」
いつの間にかネプテューヌのパーティが男だけになっている。
ネプテューヌは立ち上がって拳を高く振り上げた。
「とりあえずノワールをヤンデレにして……!」
「やめなさい」
「あいた!」
アイエフがネプテューヌにチョップする。
ヤンデレはシャレにならないもんね……。
「羨むのはいいけどそうやって邪魔するのはやめなさい」
「だってぇ!人の不幸は蜜の味っていうじゃん!」
「アンタ本当に女神⁉︎」
「とんだクズ発言……」
「そうだ、ミズキ!ノワールって実はツンデレなんだよ!」
「知ってるよ⁉︎」
「ノワールの秘密その2!ノワールは実は使徒!」
「カ○ル⁉︎」
「いや、5番目!」
「シャ○シェル⁉︎」
「ラミ○ルだよ!」
「アニメ準拠!劇場版ではなかった!」
「いや、そもそもノワール様はあんな正八面体じゃないでしょ」
「いや、あの姿は仮の姿なんだよ!私は見たことがあるよ、夜にノワールの部屋を覗いたら……!」
「……ゴクリ」
「そもそもネプ子はいつラステイションの教会に不法侵入したのよ」
「そこには!なんと蛇のおじさんが!」
「それは○ネークじゃないかなぁ⁉︎」
「なんでノワール様の部屋にスネー○がいるのよ!」
「まだあるよ!ノワールの皮を剥くとね……!」
「皮を⁉︎剥く⁉︎」
「ノワール様、剥いちゃいました……」
「なんと中はサイボーグ!」
「シュ○ちゃん⁉︎ノワールはタ○ミネーターだった!」
「私の活躍によって世界が大混乱してしまったから、それを食い止めるために未来から来たのがつまりノワールなんだよ!」
「ネプテューヌが悪いじゃん!」
「ノワール様完全に正義の味方じゃない!」
「そしてノワールはこう言うんだよ!……『ぼっちじゃない!』と……」
「そこは『I'll be back』じゃないの⁉︎」
「ノワール様は通常運転ね!」
「どう⁉︎ノワールに失望したでしょ⁉︎」
「むしろネプテューヌに失望だよ!世界を大混乱させたネプテューヌにがっかりだよ!」
「くっ……!これだけ言っても聞かないだなんて!」
「ネプテューヌは自爆しただけだよねえ⁉︎」
壮大に風呂敷を広げた挙句全くしまわなかった。
「くっ、じゃあブランの雑学!」
「もう聞きたくないんだけど……」
ミズキがげんなりしているとフラフラと覚束ない足取りでネプギアが部屋に入って来た。
心なしか顔も赤くなっているし息も荒い。
「ね〜、ネプギア聞いてよ〜!……ネプギア?」
「……あ……お姉ちゃん……」
「っと、ネプギア危ないわよ」
アイエフが近くに行ってネプギアを支える。
「……ネプギア、熱は?」
「熱、ですか……?確か、さん、じゅう……」
「30?」
「39.5億℃です……」
「メルトダウンだ!」
「億はいらないよね、億は。完全にネプギア風邪引いてるじゃないか」
「そうよ、寝てなさい。風邪薬買って来てあげるから」
「ち、ちが……私……寝たく、ない……あぅ」
カクリとネプギアは力尽きたように眠ってしまう。
とりあえずゆっくりとアイエフがネプギアを床に横たわらせるが、ネプギアはうんうんと唸っている。
「悪い夢でも見てるのかな?」
「それっぽいよね〜。ほら、風邪の時はそういうネガティヴな夢見やすいって言うし〜」
「さっきは風邪薬買うって言っちゃったけど、あの高熱ならもしかしたら別の病気の可能性もあるわよね」
「コンパなら診れるかな?」
「いや〜やっぱりそういうのって部署があるじゃん?外科とか、内科とか」
「ああ、なるほど。コンパの専門外の可能性も……」
「……ぃ……ん……」
「ネプギア?」
ネプギアが何やら、うわ言で何か呟いているようなので耳を寄せてみる。
「○リィィィィィン!」
「命はおもちゃじゃないんだぞぉぉぉぉ!」
「うわわわわなになになに⁉︎」
「はっ、しまったつい……」
「ついでどうしてミズキまで叫ぶのよ!」
何故だかわからないけど叫びたくなってしまった。
いや、寝てるネプギアが『ユリ○』とかこんなに叫ぶのもおかしいんだけど。
「は、離れてくださいですぅ!今すぐ、離れるですぅ!」
「な、なによコンパ!」
いきなりドアから出てきたコンパが声を張り上げる。コンパがこんなに焦るだなんて……いったい何が?
「早く離れてくださいですぅ!ネプギアちゃんの病気はヒロイン死も……」
「……………」
「ヒロイン死亡病ですぅ!」
「言い直した!」
「なかったことにしたよ⁉︎」
「か、かみまみたですぅ!」
「もうそのネタやめてよ!」
「ただでさえ使い古されてるのに!」
「い、いいから、早く離れてくださいですぅ〜っ!」
ーーーーーーーー
数日後、ネプギアはまだベッドの上でうんうん唸っていた。
そしてミズキも若干涙目だった。
「……なんでミズキが泣いてんの」
「い、いや、だって……」
「マリーダさぁぁぁぁぁん!」
「うわぁぁぁぁぁ!」
「2人揃ってうっさいわね!」
「なんでしょうか、この空間は……」
ネプギアの悲鳴にミズキが耳を抑えてしゃがみこむ。ちなみに隣にはネプギアを心配してベールまで来ていた。
ダメだ、聞いてられない。なんて、なんて酷い……!
「フレェェェェイ!」
「僕はカガリ派でぇぇぇぇす!」
「だからうっさい!」
アイエフに叱られてしまう。
すると部屋にふわりとイストワールとジャックが入ってきた。
「げ、リア充!」
「だから……いい加減その呼び方はやめてもらえませんか?」
「やだね!滅されろ、リア充!」
「ステラァァァァァ!」
「滅されないでぇぇぇぇぇっ!」
「あ〜、もう耳がキンキンするんだけど!」
「このままではネプギアとミズキの喉が潰れるぞ」
「心配するのはそこですか⁉︎」
「まあ落ち着けコンパ。対策は見つけてきたのだ」
ジャックが空中にレポートのようなものを映し出した。
「ヒロイン死亡病……その名のとおりヒロインが死ぬ夢を延々と見続ける夢だ」
「うわ、エグっ……」
「じゃあ、ネプギアがさっきから叫んでるのはヒロインの名前?」
「恐らくな」
「バー○ィィィィィッ!」
「それは……!それは、ヒロインかな……?」
「変なとこで踏みとどまらないでよ!」
「大変珍しい病気で、調べるのに3日かかりました。ちなみに、先々々々代の女神がこの病気にかかっていたことがあるそうです。その時は『○リア』などと叫んでいたとか……」
「古いしガンダム関係ないし!」
いつの間にか死んでたけどさ!
「そういえば、ユニちゃんもロムちゃんもラムちゃんもその病気にかかったって言ってたよ?」
ネプテューヌの何故もっと早く言わないというセリフでラステイションとルウィーに連絡を取る。
《ええ、確かに症状は酷似してるわ。ユニは『フォウ』とか『プル』とか言ってる》
《ウチは『チェーン』とか『ルウ』とか『エマ』とか言ってるわ》
「……ルウが1番ヤバかったかな」
「だから何を言ってるのよ何を」
《アニュゥゥゥ!》
「うえぇぇぇん!」
「わ、泣いた!」
《ララァ!》
《クェェェス!》
「うっうっ、ひぐっ、うえっ」
モニター越しの声でさえミズキは泣き喚いてしまう。
「あ〜もうミズキが久々にウザいわね……。ジャック、対策って何?」
「ああ、この病気は『ワタシタチハマタイツデモアエル花』という花で治る」
「ワタ……なに?」
「ワタシタチハマタイツデモアエル花だ。略して『裸で話す花』」
「どう略したらそうなるのよ!」
「とにかく、そのワタシタチハマタイツデモアエル花を……」
「長ったらしい!」
「その花を探して煎じて飲ませなければならない。さすればたちどころに症状は回復して強い心で迷いを捨てて戦えるとある」
「別に戦わなくていいんだけど」
「その花の在り処はイストワールが調べてくれた」
「はい。ラステイションのトゥルーネ洞窟にあります。そこそこ近所ですよね」
「……………ん?」
《え?》
ミズキとノワールが聞き覚えのある単語に反応する。
「イストワール、今なんて?」
「だから、トゥルーネ洞窟です。あの洞窟の中にそのワタ……ワタ……なんとか花があるんです」
《……トゥルーネ洞窟……ですって?》
《私は少し遠いけど……そんなこと言っていられる場合じゃないものね。一緒に行くわ。ノワール、案内を……》
『トゥルーネ洞窟〜⁉︎⁉︎』
《……耳が潰れたかと思った》
「なにがおかしいんです?別に、なんの変哲も無い洞窟じゃ……」
「……壊しちゃった」
「……はい?」
《その洞窟、前にぶっ壊れたのよ……。今頃その花も岩の下じゃないかしら》
「えええっ⁉︎何してんのミズキ!」
「ちが、あれは、エンシェントドラゴンが!」
《いいのよ、ミズキに非はないわ。けどどうしよう……。トゥルーネ洞窟以外にワタシタチハマタイツデモアエル花はないの?》
「覚えた⁉︎そんなバカな⁉︎」
《いやそこで驚かなくていいでしょ》
《ワタ、ワタシ……》
《覚えようとしなくていいわよ》
「ワタシタチハマタイツデモアエル花はトゥルーネ洞窟にしか生えません……。どうしましょう、このままでは……」
《このままでは?》
「いずれ闇堕ちして現実世界でもヒロインを殺しかねないことに……」
「救世の悲愴⁉︎」
「そ、それはなんとしても防がなきゃ!」
「ですが、この世界にはないのでしたら……もう……」
「………あ、ああ!そうだ!まだ可能性あるよ!」
「……なるほどな、そういうことか」
「可能性って?この世界には、ワタ、ワタ……ああもうテンポ悪くなるよ!まどろっこし過ぎない⁉︎」
「そう、この世界にはないよ!でも、他の世界なら……!」
「………ああ!」
ネプテューヌもミズキが思い当たったことに気付く。
そう、この世界にないのなら、別の世界へ!
「プルルートのところに行こう!」
《…………げ》
《……マズい……》
そんな小さな声が聞こえた。
うぇっ、ひぐっ、死んでほしくないよぉ……。
AGEはヒロイン可愛かったし…。二部のヒロインはレミ。一部はユリンで三部はルウ。
とりあえず定期更新はこれでおしまい。mk2の準備に取り掛かります。