幻想殺しと電脳少女の幻想郷生活 作:軍曹(K-6)
館の前に到着した上条は、湖に架かる石橋に飛び乗った。そこから、少し遠くに門が見える。特に心構えもせず、上条はその門に手を触れる。
すると、横から拳がとんできた。
「痛いなー。何すんだよ」
何事もないように言う上条だったが、その側頭部には拳が当たっていた。
「すみませんが、勝手に人を通す訳にはいかないので。お引き取り願います」
上条はその女性をよく見てみる。上条より少し年上、大学生ぐらいだろうか。中国の映画などで見るカンフーの道着のような服装で、上条はとりあえず相手の事を知らないな、と思い。
「そりゃ悪かったな。あんたは?」
「紅美鈴です。あなたは、何者ですか」
「俺か? 俺は趣味で博麗の巫女の代理をしている者だ」
「趣味で・・・・・・博麗の巫女の?」
「まぁ、つまるところこの赤い霧を止めに来たってところだな。実際人里では依頼が出ているらしいし」
「そう、ですか。なおさらこの紅魔館の門を通す訳にはいきません」
「いいぜ。弾幕勝負に飽きてたんだ。いっちょやろうか!」
二人は橋の上で離れて向かい合う。
「単純な肉体勝負でいいか?」
「そちらの方が気楽そうですね」
ドン!! と、爆弾が爆発したような、腹の底にズシンと響くような音がそこら一帯に響く。
「やるねェ」
「そちらこそ」
美鈴が繰り出す拳や蹴りを、上条は自らの体を使っていなしていく。時折突き出す拳も美鈴は避けてしまう。
「ほんと、ここまで強いのは久しぶりだ」
「それは良かったですっ!!」
重たい一撃が、上条の体を襲う。そのまま浮いた上条は後方遠くまで吹き飛ばされた。
「・・・・・・?」
「やるなぁ! オマエ。おもしれーよ」
遠くから叫ぶ上条だが、声よりも早く戻ってきた。そして放たれた拳。避けたのは間違いだったと美鈴は思った。上条は避けた美鈴の顔があった
「へぇ、今のを避けるのか・・・・・・」
「どうやら手を抜く必要はなさそうですね」
「そっちの方がありがたいね」
ズドドドドドドド。とマシンガンのような美鈴のラッシュの音が響く。が、上条はそれなりに受けたり、避けたりしていた。
「どうやら、スペルカードを使わなくても良さそうですね」
「いちいち宣言するのが面倒くさいだろ」
さらに二人が激突し、石橋に亀裂が入る。だが二人は気にせずにそのまま続けた。
美鈴の蹴りが上条のクロスした両手に直撃した時、上条の足元から橋に亀裂が入り、崩れていく。
「おわっ!」
「わっ!」
崩れた橋のがれきに乗った上条はそのまま美鈴に向けて飛ぶ。
「なっ」
「悪いがこれで仕舞いにしようぜ。いたって普通のパンチ」
ズドォッ! と上条の拳が美鈴の胸の中心に直撃する。そしてそのまま館の門内へと、吹き飛んで気絶した。乱暴だが、彼なりの優しさなのかもしれない。
「わ、わ、わ」
慌ててバランスを取りながら崩れた橋を何とか渡りきる上条。紅魔館の門をくぐると、そこは綺麗な庭だった。
「へぇ~意外と手入れされてるんだな」
大広間への玄関入り口を開けた上条は、迷宮へと足を踏み入れたようなものだった。
サボらないメーリン!