幻想殺しと電脳少女の幻想郷生活 作:軍曹(K-6)
「ここかァァァァ!? よっしゃぁ正解!!」
勢い良くエントランスロビーに飛び込んだ上条。ゴロゴロと反対側の壁まで転がった。
「おー。着いた着いた。で? 所でどちらさん?」
「ようこそ、紅魔館へ」
美鈴と同い年に見えるメイドさんが、上条の登らんとする。階段の踊り場にいた。
「ようこそって・・・・・・着いてからもうかなり経ってるんですけど・・・・・・」
「私は紅魔館でメイド長をしております。十六夜咲夜というものです。あなたは?」
「俺? 俺は上条当麻。趣味で博麗の巫女の代理をしている者だ」
「博麗の巫女の・・・・・・代理?」
そう答えた上条の足元にナイフが突き刺さる。
「おぉ!?」
「なるほど。どういう意図かわかりませんが、博麗の巫女はあなたに異変解決の人を委託したという訳ですね」
「まあ、そうなるな」
「でしたら、お嬢様の元へ行かせる訳にはいきません!」
飛んでくる投げナイフをよけながら、上条は余裕そうに言った。
「そのお嬢様が“レミィ”ってぇのか?」
「お前みたいなのが気安くお嬢様を呼ぶなッッ!!」
「うおっ?」
「貴様にお嬢様の何が分かる! 貴様はここで、倒す!!」
「できんのか?」
「そっくりそのまま言葉を返します」
上条は一瞬何が起きたか理解できなかった。一瞬にして上条の周りには大量のナイフが現れたのだから。
「?!」上条は驚きつつも、全てを歩行と体の捻りでかわし、(サウザンドナイフ・・・・・・。DIOか!? って事は同じ原理だとして時止め・・・・・・。どうする、右手を使うべきか!?)
己の右手の封印を解くかどうか悩んでいた。
上条がサウザンドナイフをかわしている頃。異変解決の第一人者である博麗霊夢は―――。
―――自宅である博麗神社で、友人の説得を受けていた。
「なぁ霊夢。本当に行かないのか?」
「ええ。私はここでお茶を飲んで待ってるわ。私は博麗の巫女だけど、異変解決は十年も前から当麻に任せてるもの」
「いや、そうだけど。私もそれは知ってるけど・・・・・・。じゃあお前は何をするんだよ」
「そうね。参拝客にお札やお守りを売ったり、神社の掃除をしたり、安全などの祈願をしたり・・・・・・かしらね」
「いいのかよ。当麻が全部してるのは」
「良いのよ。当麻は“趣味”であれをやってるのよ。私が行って邪魔になるのは嫌だわ」
「はぁ。やれやれだぜ」
「お茶出してあげるから、まあ座りなさい」
「そんな事している場合じゃ・・・・・・。飲んだら行くぞ?」
「はいはい。
―――紅魔館
(チクショウ! 時止めからのサウザンドナイフとか、まんまDIOじゃねェかッ! JOJO好きなら震えあがるぞこのヤロッ!)
上条は未だに、昨夜の猛攻をかわし続けていた。地面には数多のナイフが突き刺さっているので、時たま抜いて投げてみるが、まるで当たる気配がない。
「お前は何なんだよちょこまかと!」
「それはこっちのセリフだ! いい加減やられろ!」
「嫌ですねっ! っつーか時止めなんてかっちょいい能力持って置いてやる事はサウザンドナイフだけですか! そうですか!! お前なんかDIOのパクリだなパチモンだな!!」
「DIO・・・・・・?」
「今だっ!」
上条は咲夜に向かって駆け出したのではない。その向こう、奥へと続く廊下に向かってだった。
「脱出成功・・・・・・?」
と、思ったら上条は階段下に移動させられていた。
「あ?」
「今からチャンスを上げます。そこから一歩でも上に上がったら回避不能のスペルを使います。その代わり、少しでも後ろに下がったら見逃して上げますから帰りなさい」
「あ? そんなの一択だろうが!」
そう言って、上条が階段を上ろうとした時、上条の体は数歩後ろに下がっていた。
「は?」
「ふふふ。後ろに下がりましたね」
「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ! 『俺はヤツに近づこうと階段を上ったと思ったら後ろに下がっていた』な・・・何を言ってるのかわからねーと思うが俺も何をされたのかわからなかった・・・頭がどうにかなりそうだった・・・。。何を言っているのか分からないだろうが、俺も何を言っているのか分からねー。超能力や魔法だとかそんなチャチなもんじゃ断じてねェ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ・・・・・・!」
「さあ、帰りなさい」
「・・・・・・そのサウザンドナイフ。封じてやるよ」
「ん?」
「お前のそのチカラ封じてやるよ!!」