幻想殺しと電脳少女の幻想郷生活 作:軍曹(K-6)
「・・・ハァ。ハァッ。ア・・・ウグゥ!?」
上条は突然訪れた体中の痛みにその場にうずくまる。その痛みは、以前上条当麻が神々の義眼を譲渡された時に起きた、あの拒絶と同じような。そんな感覚だった。
(な・・・何だよ・・・これは・・・・・・!)
―――個体名:上条当麻。種族:魔神に、吸血鬼の能力を授与しますか?
(は・・・・・・? 授与ってなんだよ。この声は何だよ)
―――・・・答えなければなりませんか。
(ええ! ぜひともお願いしたいですね!!)
―――私は幻想喰い。あなたの体に宿る『世界の基準点』です。
(・・・・・・)
―――信じていませんね?
(いやだってさぁ。いきなり出てきて信じろって言われても・・・・・・)
―――この前、神々の義眼を手に入れ、
(え。そうなの? っていうか神の肉体? え? 俺、人間じゃないの? アーカードに嘘ついたの?)
―――いいえ。
(あ、そうなの。で、吸血鬼の能力貰ったら俺どうなるの?)
―――そう、ですね。ほとんど変わりません。身体能力・頭脳共にほとんど変化ありません。
(え~?)
―――しかし、一方で吸血鬼の超高速の回復力や、吸った人間の知識と記憶を手に入れられるという特性。
(ほう)
―――吸った人間に最高の快楽を与えられるという力が・・・(今すぐおくれ今すぐ)・・・今すぐですか? まあ元よりそのつもりでしたけど。
(
―――・・・できればもう少しお話ししていたかったですが、致し方ありませんね。では、個体名:上条当麻に吸血鬼の能力を授与します。
(・・・・・・何にも変わらねぇ)
上条は少しだけため息をついた。身体的変化はない。そこで左手の魔力コーティング的なものを取っ払う。これはいつもやっている幻想殺しの範囲設定の原理だから造作もなかった。
陽の光を受けた上条の左手は灰になって消えた。
「!?」
慌てて上条はコーティングを伸ばしながら左腕を再生させる。
(嘘だろ!? こんなに簡単に灰になるのかよ!!)
(「吸血鬼の体は人の道理を外れたもの。神の恩恵と考えられている太陽の光は大敵よ」)
(大丈夫なんじゃなかったけ? ミナさん?)
(「そうなんだけどね。たぶん今のはあなたの体がまだ吸血鬼として定着していないのでしょう。だから太陽の拒絶反応が起こった。数日待ってみましょう。順応すれば平気よ」)
(・・・どうも)
上条はとりあえず歩いてアジトに戻った。
「・・・あ、お帰りなさいご主人。どうでした? ヘルシングの吸血鬼。強かったですか?」
「・・・・・・・・・」
「・・・? ご主人?」
「・・・・・・・・・」
ギュ。と貴音に抱き着く上条。貴音はあたふたと手を振って慌てるが、それも一瞬の事。
上条の牙が貴音の首筋に突き立ったのだった。
「んんっ!? ん・・・あっ・・・・・・ふぅー・・・ふぅー・・・ひゃうっ!」
「・・・御馳走様でした」
「・・・・・・はへ?」
「マジで処女の血って美味いんだな」
「・・・! ご主人の馬鹿馬鹿バカァァァァ!!」
「あ、安心しろって、お前は元から不死身だし、しかも吸血鬼の眷属とかにはしてないから!!」
「何故ですか!」
「いや、だって。オマエ以外から吸うとか嫌だし」
「え。いや。私を眷属にしてくださいよ~」
「んじゃあもう一回・・・」
(「やめといた方がいいわよ」)
(・・・ん。何でだ?)
(「彼女が貧血で倒れる可能性があるからよ」)
(分かった)
「・・・貴音。眷属にするのはまた今度な。オマエの血が生成されるのを待たんといけない」
「・・・・・・了解です!」
―――否。個体名:榎本貴音を吸血鬼にするのは現時点でも可能です。
(? そうなのか?)
―――イエス。個体名:榎本貴音に宿る特性、“不死身”が既に血を元通りに作り直しています。
(ふーん。なるほど)
上条は納得したように頷くと、貴音の首筋に今一度噛みついた。
「ごっ、ご主人!?」
「気が変わった。もう一度吸うぜ」
「んひゃあ!?」
(・・・で、どうすりゃ良いの?)
―――体中を巡る吸血鬼としての体質を送り込む。そんな感じで大丈夫です。
(えらくザックリした説明だな。まあいいけど)
―――・・・・・・個体名:榎本貴音の吸血鬼眷属化を確認。魔力を流しすぎです。
「ん。そうなのか」
「はふはふ。はひゅぅ~」
(・・・・・・やり過ぎた感が否めない)
貴音は目が虚ろになり、虚空を見つめ、赤く上気した顔で床にへたり込んでいた。腰回りに水溜まりができている気がしなくも無い。が、上条は目を背けることにした。
それよりも問題なのは、彼女の目が、いや正確には眼の奥にハートマークが見えることだ。
(これ、同人誌とかでよく見るんだけど・・・。大丈夫だよな? それより、俺はエネにどれぐらい魔力を送ったんだ?)
―――70%上。正確には72%と言ったところです。
(吸血鬼化だけならどのくらいで十分なんだ?)
―――純正の魔力を送るので、20%で吸血鬼化。50%で同等吸血鬼になります。
(送りすぎた70%の場合は・・・・・・?)
恐る恐る問いかける上条の額には脂汗が浮かんでいた。
―――・・・・・・解。見受けられる変化としては、能力・特性・感覚の共有、念話などの
(も、もうわかった。ありがとう)
―――了。
上条は椅子にもたれ掛かり、吸血鬼の能力を確認する。まず初めに、黒いカラスを呼び出してみる。
「・・・・・・使い魔なんてものも出せるのか」
「へいマスター。お呼びで?」
「・・・日本語。喋れるのか?」
「マスターの
「それはつまり、宿るマスターによって喋れる言葉も変わるってことか?」
「まあそうやけど。今回の場合はちとちゃうな。そもそも吸血鬼から人間(元)に所有権が移ったことなんてないし。前代未聞やけど、何とかなるもんやな」
「ところでなぜ標準語じゃない」
「わかりませんねん」
「・・・・・・あっそ」
「・・・はふぃ~。ご、ご主人。私は大丈夫ですか~?」
「そう思うならお前が出した体液の片付けぐらいはしろよ」
上条はそう言って貴音の座る床を指す。
「ふわっ!! これは何ですか!!」
「何って・・・膣分泌液だろ」
「・・・は?」
「俗にいう愛液・ラブジュースってやつだな」
「は? は? あ、R18に引っかかるんじゃ・・・」
「はぁ? 普通に知識として医学書に乗ってることだぞ? 何がR18だよ。そんな捉え方するヤツの脳みそがピンク色なだけだろ」
「・・・はぁ、これが・・・。本当に粘りけがあるんですね・・・・・・」
「粘りけはあるだろうけど、成分としては汗にとても近いものだからな」
「そ、そうなんですか!?」
「ああ、だから寝起きとかの脱水状態はでにくい。だが多い人は一日に数十cc出す人もいる」
「今の私がその状態ですね・・・」
「ちなみに、世の男性諸君!! 膣分泌液は気が進まない性行為の時でも内性器を傷付けないために分泌される。だから濡れているからと言って女の子も気持ち良いと思ったら大間違いって事だ!!」
「世の同人誌ほとんどは信じられませんしね。まあ女性も知らないことでしょうし、濡れてる=気持ち良いが当たり前になっている以上、あんな強姦が成立するんでしょうね」
「そうだな。せめて気持ち良くなくても分泌されると言うことだけは分かっていてもらいたいな」
「・・・突然の性教育・・・」
「そうだ!! 思春期に行われる性教育!! 恥ずかしがってからかったりすると思う。だがな!! 純粋な知識欲でそのページを熟読している真面目君を変態と呼ぶのはやめたまえ!!!」
「・・・それ実体験ですか?」
「とにかく、帰るぞ」
「あ、はいっ!」
「「幻想郷へ!!」」
エロいと思うからエロいのです。
人の体などの大切なことを教えてくれる保健の授業。性教育のページが少なすぎると俺は思います。
大切にしなければならない相手の体。しっかり知っていなければならないことです。
エロいとかエロくないとかでは無く、知らなければならないことです。
要するに書きたくて書いた。反省はしていないし、後悔もしていない!
最終通告です。あなたは愛する人のことを本当によく知っていますか・・・・・・?