幻想殺しと電脳少女の幻想郷生活 作:軍曹(K-6)
今回から春雪異変の章です。
プロローグ あれ? 春は?
五月。本来なら桜も咲き終わり、ゴールデンウィークなど、多くの行事が始まる時期だが、もちろん幻想郷にゴールデンウィークがあるはずもなく。そもそも、現在も雪景色だった。
「まだ降ってるぜ。好きだねェ」
「ほんと、異常気象どころの話じゃないですよ? これ」
「異変だと思う?」
「「思わない」」
「よね。ダラダラするに限るわよ。どうせただの異常気象よ」
「この冬の間逆に暑かったですもんね」
「誰かさんが吸血鬼の妹と暴れたせいでね」
「うぐっ」
「結界が曲がって、変に光を通したからでしたね」
「ぐはっ」
「その反動でしょう。異変じゃないわよ。決して」
「温かいお茶、いれてきます」
「あ、みかんも取って来てくださいご主人」
「お願いね。当麻」
「ヘイヘイ」
上条は台所からみかんを小さめの籠に移すと、いれたお茶を持って帰還する。
「ご主人。外の気温何度ですか?」
「一二℃だってよ」
「一二!? ひっくぃな~。やになっちゃうわ」
「ってかお前ら炬燵から出ろよ! 暖房・ストーブ・炬燵ガン付けって贅沢だろ!」
「良いじゃないですか~。エネルギーは極限までにエコなんですから」
上条は『そうだけどさ~』と言葉に詰まる。今博麗神社内を暖めているのは、冬の三種の神器。エアコン(暖)・ストーブ(電)・炬燵。そして博麗神社全体を囲う熱を通さない結界である。
「いい。当麻。もしこれが異変だとしても、私は動かないから」
「私もです。ご主人」
「霊夢。貴音。・・・・・・お前ら今すぐ全機械止めて結界ぶち破ってもいいんだぞ!?」
「「止めて!! 鬼! 悪魔! 人殺し!」」
「・・・鬼なのと、人殺しなのは認めるけどよ・・・・・・」
上条は思わずため息をつく。どうしてこうもだらけるのだろうか。ともしこれが異変だった場合、彼女達は言葉の通り動かないだろう。上条はもう一度ため息をついて、みかんを手に取った。
「あ、こら当麻。それ私が狙ってたみかんよ」
「しらねーよ」
「ご主人。おいしいですよこのみかん」
「ああ。今から俺も食うところだ」
上条はふぅ。と息をついて自らも炬燵に入り、みかんを口に入れ始める。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・何か喋りなさいよ」
「・・・言い出しっぺの法則だろ」
「・・・霊夢からどうぞ」
「何でよ」
「寒っ。やっと着いたぜ。ってあっつ!?」
「あったかいの間違いでしょ。魔理沙」
「そうですよ。こんなにぬくぬくしてるんですから」
「まあ外に比べたらな~。暑いわな」
障子を開け放ち、魔理沙はトコトコと入ってくる。
「霊夢。当麻まで! これは異変だろ!」
「いや、ただの異常気象だって」
「気にするだけ無駄よ」
霊夢がバッサリ切り捨てる。上条も同様にバッサリ言うが、魔理沙は少し考えた後。
「・・・当麻。一緒に行こうぜ! な? これは異変だよな」
「確証がないからな。どうとも言えねーぞ。そもそもなんで異変だって言いきれるんだよ」
「私が異変だって言ったら異変なんだぜ!」
(((なんという俺様!)))
上条・貴音・霊夢の三人は魔理沙の発言に若干引く。上条はみかんを口に含みながら、
「・・・それに、異変じゃなかったら動くだけ無駄だろ」
「・・・・・・そうか。当麻はそれだけの奴だったんだな」
「あ?」
「最近異変がないからって、だらけて腑抜けになったんだな」
「んだとコラァ!!」
「んじゃあいっしょに異変解決するんだな!?」
「ああ! やってやろうじゃねぇか! 異常気象でも何でも殴って春の桜を咲かせてやるよ!!」
「んじゃ、私も行こうかしらね」
霊夢が珍しい事を言ったので、魔理沙は固まり。上条と貴音は首を傾げていた。
「霊夢が? 行くのか? 異変解決に?」
「だって、アンタ達二人じゃ心配だもの。特に魔理沙」
「はぁ!? 私が!?」
「さっさと行くぞ。お前ら」
「おい待てよ!」
「ちょっと当麻!」
「ご主人ご主人ウェイトですウェイト!」
珍しく、霊夢が動いて今回の異変は四人で解決することになった。
「それじゃあ手分けして手掛かり探しな」
「はいはい」
「了解だぜ」
「わっかりました!」
定期的に更新しようと思うと、学園都市生活が終わるまで難しいです。