幻想殺しと電脳少女の幻想郷生活 作:軍曹(K-6)
霊夢Side
「ったく。結局分かれるなら私来る必要なかったかしら? いや、どうせボス戦では合流してキャッキャするつもりなんでしょう魔理沙のヤツ・・・私の当麻を好きにはさせないから!」
この場に上条がいたら怒涛の突っ込みをしそうな発言をしている霊夢は、ふと氷の妖精のチルノを見かけた。
「アンタ、確か最強の氷精よね?」
「いいや、あたいは最強じゃないよ。とうまの方が強いからね」
「妖精の中ではあんたが一番強いんでしょ?」
「そうだよ! あたいったらサイキョーね! で、どうしたの霊夢」
「あ、そうそう。この“長い冬”の原因。あんた分かる?」
「んー。教えてあげてもいいけど。これが異変なら、ルール。分かってるよね? 博麗の巫女なんだから!」
「・・・・・・はぁ。仕方ないわね!!」
「「
先制はチルノの攻撃だった。
「アイス・キャニオン!!」
「?!」(速い!)
霊夢の足をがっちりと掴む氷の山脈の一つ。霊夢はそれを何とか外そうとするが、チルノの弾幕が迫っている。
(な、何!? こいつ、こんなに強いの!?)
「どうした博麗の巫女ー! いつも一緒に遊んでる当麻の方が強いぞー?」
「はぁ!? って事は・・・」(これは対当麻用にあいつが考えだした弾幕。とりあえずこの氷を壊して空中に逃げれば!)
硬化したお祓い棒で、氷を破壊した霊夢は、上空に逃げる。
「ハァッ。ハァッ」(当麻は大体地上戦。チルノも流石に、空中で対上条弾幕なんてある訳が・・・・・・。?!)
霊夢は顔を上げてその眼を見開いた。『壁』だ。氷の壁が高速で迫ってくるのだ。
(似てるっ! 当麻の戦い方と! っていうかこの壁、対連続・普通のパンチ用だったとしたら・・・・・・。だとしたらとかそんな事考えるな。私も当麻の相手は何度かしてるでしょ! アイツの強さはまだまだ計り知れないけど、それでも! こんな氷精より弱くはいられない!)
霊夢は一気にお札をばら撒き、陰陽玉も出現させる。
「それなりにマジにならないと、あんたは倒せそうにないわね」
「調子に乗ったら負けるって当麻は言ってた。確実に倒すよ! 霊夢!!」
「霊符「夢想封印」!!」
「氷龍「ハイドラグーン」!!」
霊夢の弾幕をかき消す巨大な影、それはチルノの右腕に接続された巨大な氷の龍だった。
「へぇ・・・やるじゃない」
「はっ! 氷砲「冷凍ビーム」!!」
「でも足元がお留守ね。夢符「封魔陣」!!」
「にぎゃっ!!」
「ふ、ふぅ」
情報が欲しかった霊夢は、それなりの威力で封魔陣を放った。気絶させて、起こせば良い。程度で。
「氷柱「千年封印」!」
「なっ!!」
霊夢を挟みこむように巨大な氷柱が、勢い良く飛んでくる。それを後ろに飛んでかわす霊夢。だが、何よりも。自分のスペルをまともに食らって立っているチルノに驚きが隠せない。
「何驚いてんの博麗の巫女。これより強いの、ほとんど毎日あたい受けてんだよ? こんなの効く訳ないじゃん」
「・・・・・・言ってくれるじゃない。破壊してあげるわ!」
霊夢はそういうと、一枚の護符を発動させる。
「制限時間は二分。それまでに終わらせるわよ」
「来てよ」
「連続・普通のパンチッ!!」
「おぉ!?」
霊夢が繰り出したのは紛うことなき上条の技だった。その拳を俊速で繰り出し、相手の肉体を粉砕する。霊夢が使ったのは貴音からもらった一点もの。使えば上条並の身体能力とパワーが使えるが、使った後はその分の疲労感と、鍛え不足だった場合は筋肉痛も襲ってくるらしい。
「少しはやるように・・・・・・!?」
「両手連続・普通のパンチッッ!!!!」
ズドドドッ!! と、霊夢の拳が全部チルノを叩く。本来巨体の相手や、集団の相手に使う技だが、弾幕をかき消しながらの特攻にも向いている。
「ハァッ。ハァッ・・・・・・。何よコイツ。超強いじゃない・・・・・・お姉ちゃんに・・・感謝、ね。いったー!!」
「ふっ。まさか当麻の技を使ってくるとは、あたいの負けだね!」
「ちょっと何でピンピンしてるのよ」
「一回リスポーンしたから」
「完全回復ってわけね」
霊夢はチルノに現在の状況と、それを打破する情報はないか聞いた。
「―――という訳で、何か知らない?」
「うーん。あたいも何も見てないなー。でも、少しだけなら知ってる」
「何よ」
「先生が言ってたんだけど、この幻想郷には咲かせるのに大量の春が必要な桜があるって」
「ふーん。それを咲かせるために、春を集めてるから幻想郷一体が冬で、そこだけ春なのね」
「多分そうだと思う」
「だったら、早く突き止めて、この冬を終わらせないとね」
「―――させないわよ」
「誰よ!」
霊夢は傷む体に鞭打って後方上空を振り返る。そこに浮いていたのはレティ=ホワイトロック。冬限定で現れる妖怪だ。
「こんな幸せな季節。止めさせないわよ」
「アンタ、後悔するわよ」
「は?」
「今、私はね大分
「やってみなさいよ」
「アンタからもちゃんと情報もらうからね!!」
数分後―――。
「ハァッ。ハァッ! ザマァみなさいバカ。さぁ、洗いざらい吐いて貰うわよ!」
「きゅ~」
「それじゃ、あんたはこの冬の原因について何か知ってる事はないの?」
「・・・・・・そうね。私は、この空のどこだったか忘れたけど、桜の花びらみたいなのが吸い込まれていったのを見たけど」
「それが幻想郷から奪われてる“春”ね!」
霊夢は、そのどこかを目指して飛び出した。
「あ、無理。体いたい」
「・・・・・・大丈夫? 霊夢」
「私、こんなボロボロのやつに負けたの?」
一月も終わりですねぇ・・・・・・。