幻想殺しと電脳少女の幻想郷生活 作:軍曹(K-6)
プロローグ 満月の欠けた夜
とある晩夏の日。
妖怪達が住まう幻想郷の、異変解決の第一人者。
夜風吹く博麗神社の縁側で、博麗の巫女の代理の少年。上条当麻は空を見上げていた。
「・・・・・・なぁ、何か月が欠けてる気がするんだが?」
「・・・え? そう? そんなもんじゃない? 月って欠けるものでしょ」
「いや、今日は満月だから綺麗な丸のはずなんだが?」
「・・・・・・ええ。そのはずね。ちょっと情報が間違っていた訳じゃないの?」
「別にいいじゃないですか。満月じゃなくっても」
「・・・まぁ、俺達には何の問題も無いな・・・・・・」
「それが私達には問題があるのよ」
「「紫」」
「またどっから現われてんですか。このスキマ妖怪」
縁側の天井付近にスキマを開き、上下反転した状態で上条達に話しかけてきた紫に貴音がそんな毒を吐く。
「ホント、いちいち突っかかってくるわね。このガキ」
「あら? 珍しく反応しましたねクソババア」
「一触即発してんじゃねーよ。お前もケンカ売るな馬鹿音」
「・・・・・・? ・・・! 誰が馬鹿ですか! しかも私の名前とかぶせるんじゃない!」
「・・・で。結局何の用なんだ」
「無視すんなやゴラー!!」
「お姉ちゃんドウドウ」
「わたしゃ馬か―――ッ!!」
ドタンバタンと暴れる貴音と、それを押さえようとする霊夢がそこにはいた。
紫はそんな情けない貴音を一瞥すると、上条に向き直って。
「当麻。これは私達妖怪から、博麗の巫女の代理としてのあなたではなく、上条当麻としてのあなたに頼みます。どうかこの異変を解決してはくれないかしら?」
「最後だけ偉そうだな・・・。まぁいいや。貴音、行くか?」
「行きません! そんなスキマ妖怪の頼みなんか聞くもんですか!」
「あなたには頼んでないわよ」
「でしょうね!」
ふてくされたようにそっぽを向いた貴音に、紫が一言付け加える。それにも貴音は怒鳴り返すが、当の本人は悪びれない様子で、
「当麻
「まぁ、当麻強いからね」
「私が要らないとはどういう事じゃー!!」
「うるさいこのアマッ!!」
「ちょっ。紫ッ! お姉ちゃん! 止めて! 止めなさい! やめんか馬鹿共―――ッ!!」
そんな霊夢の怒号を背に、上条は博麗神社を飛びだした。
参道となる長い階段の、端の坂を滑り降りながら上条はポツリと言った。
「相っ変わらず、異変ばっかり起こるとは・・・。退屈しないね
階段を降り終えた上条は、月を一瞥してから辺りを見渡す。
「・・・・・・さて、まずはどこから探そうかね」
今更ながら貴音のキャラってこれでいいよね。エネのキャラと貴音のキャラが混じってるからほぼオリキャラだし。良いよね。