幻想殺しと電脳少女の幻想郷生活 作:軍曹(K-6)
少年。上条当麻は悩んでいた。
~~~~~~~~♪
遠くから聞こえてくる、この夜雀の声に乗るかどうかを。
「ま、なるようになるさ」
上条は全力でその歌の方向へ走っていく。
「うるっせぇんだよ!!」
普通に苦情を言いに言った。
「何? アンタ」
「夜中に大声で歌うんじゃねぇ! うるさいわ!!」
「・・・そう」
「夜雀・・・か。人の視界を奪い、鳥目にするっていう」
「知ってるのね」
「ああ。どっかのうるさい妖怪が、俺の頭に叩き込んでくれたんだ。一通りの妖怪の事をな。・・・で? うるさいけど止めてくれんのか? その歌」
「イヤよ。ていうかアンタは私の歌に誘われた愚かなエサって事でしょ? 伝承通り鳥目にしてあげるから覚悟しなさい」
「嫌だね。言っておくが俺はお前に負ける事は絶対にありえない」
「人間のくせに?」
「人間だからこそさ。人は化け物に立ち向かう強さがある。他の動物に比べれば、人間というのは知能の代わりに強さを捨てた動物かもしれないな。だが、人間はその知能がある。そこから生まれる強さがあるんだ」
「・・・へぇ。妖怪はその知能と力を兼ね備えているのよ?」
「そう・・・だな。だが、俺はその中でも
「あーそう」
「名乗ってなかったな。俺は趣味で博麗の巫女の代理をしている者だ!」
「・・・ハァ? 趣味? 趣味って言ったの? 何、その適当な設定は。しかも
途中から鼻をほじりながら聞いていた上条は飽きたのかその右拳を握る。
「話が長い!」
「ギャン!!」
ただの右拳を叩き込んだ。
「ガッ・・・! ゲホッゲホゲホ!」
「そんなに人間を下に見るか。本当に救われないヤツだな。以前もそんな事言って人間にやられてなかったか?」
「は・・・? 何でアンタが知って」
「お前、ミスティア・ローレライだろ? 三年前ぐらいか。人里でガキ共に苛められてた」
「な、なんでアンタがそんな事知ってんの!!」
「あの時俺がお前を助けたから。まぁ、助け方は最悪だったし。悪印象しかないかもしれないけどな」
「・・・え? そ、それって・・・・・・」
―――三年前。人里
意識のない下等な妖魔に襲われたミスティアは、ボロボロの状態で人里に逃げ込んだ。
その頃は妖怪と人間の共存など誰も考えておらず、弱ったミスティアは子供達の憂さ晴らしに使われた。
「このっ。このっ」
「マジで女の子みたいじゃん! コイツマジで妖怪なの?」
「ひ、ヒィ」
「・・・・・・これこれ
「・・・んだよ。博麗の巫女の腰巾着!」
「ングッ」
「・・・えっらそうに説教たれやがって!」
「妖怪の味方か!?」
「違ぇよ!! やるなら誰も見てない所で一対一でボコれよ。人間が下に見られるのはチカラがねーからだろ? だったら弱ってる時に一対一でボコせば良いんだよ」
「な、なるほど!」
(は・・・。助けに来てくれたんじゃないんだ・・・)
「ほら、分かったらどっか行った行った」
「はいはい。じゃーな! 腰巾着ー!」
「誰が腰巾着だ誰が―――ッ!!」
「お前だよー! バーカ!」
「・・・あいつ等・・・。・・・紫、いるんだろ?」
「・・・何か?」
「そこの鳥の妖怪。安全な所まで連れて行ってやってくれ」
「えぇ、でもこの幻想郷。妖怪同士で安全な場所はないわよ?」
「比較的で良い。少なくとも人里よりはマシだろうさ」
(もしかして・・・この人・・・・・・)
「回復すれば、他の雑魚妖怪にも遅れはとらないぐらいには強いんだろ? コイツ」
「えぇ」
「なら比較的で大丈夫。せっかくあいつ等追っ払ったんだ。今のうちに頼んだぜ」
「はいはい」
紫はミスティアを抱えてスキマへ入っていく。
(私を・・・助けに・・・・・・ッ!)
「ウソよ・・・。ウソウソウソ!!」
「ダウト?」
「何で!? 貴方が・・・今頃になって私の前に現われる訳?」
「さあ? 偶然であり、ある意味必然でもあるのかもな。こればっかしはそれに詳しいヤツじゃねーと分からねーだろうさ」
「ね、ねぇ。私、仲良く出来るかな」
「人間と?」
「人間と・・・それと貴方と」
「出来るんじゃねーの? 霊夢が目指す幻想郷はそこにあるんだから」
「そう・・・。じゃあ一発だけ付き合って」
「良いぜ?」
上条とミスティアは離れて向かい合う。
「ラストスペル 夜雀「真夜中のコーラスマスター」」
「ラストスペル 幻幕「人の世にうまれし神の喜劇」」
二人の弾幕がぶつかり合う。上条は一瞬視界が狭くなったが、神々の義眼で視界を強引に取り戻す。
お互いの弾幕がぶつかり合った後。ミスティアが負けを認めた。なんでも街に溶け込む為に作戦を練るらしい。
「ほんじゃ、人里方面に行ってみますか」
吸血鬼としての力を解放し、上条はジャンプで人里へ向かう。