幻想殺しと電脳少女の幻想郷生活 作:軍曹(K-6)
迷いの竹林。
そこで上条は博麗霊夢に会っていた。
BGM:少女綺想曲 ~ Dream Battle
「珍しいな。霊夢がこんな所にいるなんて。一緒に出なかったのに、霊夢が異変解決なんてどういう経緯だ?」
「そんなのどうだっていいじゃない」
「ま、そうだけどさ」
上条の目の前で、霊夢はスペルカードを取り出した。
「スペルカード。霊符「夢想封印」」
「いきなりかよ!!」
上条は後ろ跳びに霊夢の弾幕を回避する。上条もスペルカードを取り出して、
「そっちがその気なら・・・。紋章「マスターエンブレム」!!」
上条の発動したスペルカードは、弾幕と上条の間に出現し上条の体を防御する。
「何すんだよ! 霊夢? 何か怒ってんのか? いや、起こってるのか」
上条は冷静に状況を分析する。
(目の前にいるのは本当に霊夢なのか? でも弾幕の威力は前と同じだし、姿形も何ら違和感なくそこに立ってる。何だ? 何がおかしい?)
弾幕をかわしながら、反撃しながら上条は更に考える。
(逆に
BGM:転換。恋色マスタースパーク
と、上条がそこまで考えた所で。
「スペルカード。恋符「マスタースパーク」!!」
「まりぃさ!?」
「私の名前は魔理沙だぜ!」
「・・・・・・・仕方ないか。主人公ズ二人を相手は流石にキツい。こっちも、スペルカード。本気で行くぞ」
―――必殺「マジシリーズ マジ反復横跳び」―――
上条の体が数十数百に増える。風が起き、竹が揺れる。
一発の爆発音と同時。その場から霊夢と魔理沙の姿が消えていた。
「・・・やっぱり、おかしいと思った。日々
「いやー。バレてしまいましたか! 私、八九寺真宵といいます!」
現われたのは長いツインテールと八重歯が目立つ小学生ぐらいの少女。背中には自分の体よりも大きいであろうリュックを背負っている。その姿はまるで蝸牛のようだった。
「俺は阿良々木暦だ」
「阿良々々木さん?」
「・・・八九寺。々が一個多いぞ」
「失礼、噛みました」
「・・・全く。気分悪い噛み方してんじゃねーよ」
「失礼失礼」
「で? どうやったんだよ」
「あ、それはですね。私、『相手を迷わせる程度の能力』がありまして。迷わせる事ができるなら何だって出来るのです。ですから、足止めとして阿良々木さんの記憶からお二人を映し出したという訳です」
「俺の記憶だから知ってる技しか使ってこなかったのか」
「そうなりますね!」
「・・・この辺にいる吸血鬼って知ってるか?」
「・・・えぇ。この先の洞穴にいると思いますよ」
「そうか。ありがとな」
「いえいえ」(というかつい阿良々木で自己紹介したけど大丈夫だよな?)
上条は真宵が教えてくれた洞穴に向かっていった。
「ここ・・・か?」
「・・・・・・人間が、何か用か?」
「
「・・・」
「・・・」
「・・・何の用だ?」
「・・・コホン。お前が四十年前に喰った娘の父親から敵討ちを頼まれた。という訳で、勝負だ」
「・・・・・・なるほど。あの娘の父親か。良いだろう、儂に仕返しをしようとしたあやつの父親もそうじゃが、それに乗ったお前も愚か者じゃという事を教えてやる」
目を奪われる程の白い肌と金髪・金眼。そんな容姿の女性はカカカと笑う。
上条は無言で妖刀『心渡』を抜く。
「ほう。その刀。何やらヤバそうじゃのう」
「ああ。何でも妖怪を殺す剣らしいからな」
上条は真一文字に心渡を振るった。衝撃は遅れてやってくる。
「カカ♪ いや、あやつの父親もやりおる。まさか儂を倒す為だけにこれほどまでの妖刀をこしらえるとはな」
「だな。そう言ってもらえても、あのじいさんは嬉しいかどうかはもう分かんねーけどな」
「お主、名を何という?」
「神浄の討魔」
自己紹介した上条の名前を聞いて、女性は何度か瞬きをする。
「神を浄化し、魔を討つ者? だったらお主は誰の味方なんじゃ?」
「俺は俺の味方で、俺は俺の世界の味方だ」
その答えに何故か満足そうに微笑むと、女性は上条が持っていた心渡を一瞬で奪い去った。
「なっ!?」
「反応速度は十分。攻撃力も十分。じゃが、剣術は出来ておらん。結構簡単に奪い去れるものじゃ」
「・・・なるほどな」
女性は上条から奪った心渡を、柄から抜いて地面に突き刺した。
(うわっ・・・マジか・・・目釘をへし折ってるのに刀の方には傷一つついてない・・・。あの吸血鬼が凄いのか刀が凄いのか。ま、いいか)
上条は女性の懐に飛び込むと、拳を振るう。が、そこに女性はいなかった。
「危ないのう。そんな威力の拳を喰らったら儂とてただじゃすまんわ」
「だろうな」
上条は地面に突き刺された心渡の茎を掴むと、刀を引っこ抜く。
「ん? それでやるつもりか? カカ♪ 止めておけ。刀はお主には無理じゃ」
「構わねぇ。それでも
「ふん。人間というのはよく分からんのう」
「分かってもらおうとなんてしてないさ」
上条は心渡を今一度握る。
「お前をこの俺が断ち斬ってやる!」
「出来もせんことは言わんことじゃ」
「出来る、出来ない。じゃない“やるんだ”よ馬鹿」
上条の一閃。女性の右脚が飛んだ。
「なっ!」
「喰らえ」
伸びた上条の影がその右脚を喰らう。そしてまた一閃。今度は飛ばれたが大丈夫。左脚を切り取った。それも、上条の影が喰う。
(な、何じゃ!? こやつ、急に強く・・・・・・。まさかアレか! 自分の信条を口にすることで強くなるというタイプか!)※あながち間違いではないがどこから手に入れたんだその情報。
「あと二本」
上条は刀を高速で振るう。周りの岩盤も深い傷ができた。それでも、吸血鬼の女性は、体は無傷で、四肢を失った状態で上条の前にいた。
「何だ? いきなり弱くなったな」
「・・・馬鹿を言え。急にお主が強くなったんじゃろうが」
「そうなのか?」
「とっさのことで判断が追いつかんで、見事にこのざまじゃ」
「死ぬのか?」
「このままじゃな」
「吸血鬼だろ? 血が足りないのか?」
「そういう訳でもない。その刀の力じゃろう」
「心渡の?」
「その刀が振れた傷口から儂の生命力のようなものが引きずり出されていくような気がする。問答無用で死に引っ張られている気分じゃ」
「死にたくない・・・のか? やっぱり」
「長く生きたとは思っておるが、やはり死にたくはないのう」
「じゃあ生かしてやるよ」
「出来るのか?」
「出来る出来ないは問題じゃない」
「やるんじゃな」
上条は女性の首筋に噛みついた。
―――個体名○○を上条当麻の眷属化完了。
「・・・どうだ?」
「んん。大丈夫そうじゃの」
「いや、縮んでるじゃん」
先程まで二〇代そこらの見た目だったのだが、現在は八歳ぐらいに縮んでいる。
「何でだ」
「恐らくあるじ様に
「俺のせいか?」
「気にするでない。あるじ様の中にある儂の四肢を、あるじ様の血液から少しずつ返してもらえればそれでいい」
「そうか」
「そうじゃ」
ふと気になったことを上条は口に出す。
「そういや今更だけどお前の名前なんて言うんだ」
「
「元の名前は?」
「・・・覚えておらんのじゃわ!」
「あ、そ」
「あ、だが、名前に『ハートアンダーブレード』という名前があったのは覚えておるぞ!」
「刃の下の心ォ? お前それ、忍じゃん。絶対それからとってつけたじゃん」
「そ、そんな気もするのう・・・・・・」
「こら、目を反らすんじゃありません。こっち見なさい」
「あるじ様は意地悪じゃのう」
「はっはっはっ。褒めてくれるな」
「褒めておらん」
「あ、阿良々々々木さん!」
「今度は々が二個多いからな?」
「失礼。噛みました」
「違う。わざとだ」
「かみまみた!」
「わざとじゃない!?」
洞窟を出た所で真宵と再会した上条。流石に罪悪感が凄いので、名前を訂正することにした。
「あー、悪い八九寺。俺の名前本当は上条当麻って言うんだ。変な自己紹介して悪かったな」
「知ってます! でも、上条さんを私は仇名で阿良々木さんと呼ばせてもらいます!」
「変な仇名・・・」
「あるじ様。ときに異変は良いのか?」
「よくねーよ! ありがとな忍!」
忍は上条の影から顔だけ出してそう言った。いつの間にか潜っていたのだ。
上条は真宵に別れを告げて、迷いの竹林の奥へと入っていった。
物語シリーズのロリコンビ登場! いつかトリオにしたい。