幻想殺しと電脳少女の幻想郷生活 作:軍曹(K-6)
「エンシェントデューパー」
そう言う名前の弾幕を放ってきたウサギ少女を捨て、上条は迷いの竹林に建つお屋敷の中へと進んでいく。
「遅かったわね。全ての扉は封印したわ。もう、姫は連れ出せないでしょう?」
「姫ェ? あのさ、俺は欠けたる月を元に戻してもらいに来たんだけど」
「・・・人間? 迷ったの? 今こっちは取り込んでるの。・・・いや、どうやら地上の術に気がついたようね」
「・・・俺じゃないけどな。趣味で博麗の巫女の代理をしている上条当麻、お前は?」
「鈴仙・優曇華院・イナバ」
「そうか」
上条は握り拳を握る。と、ウサギ耳の少女の後ろからもう一人女性が出てきた。
「あら、お迎えかと思ったら、ただの迷い人? まぁ、お迎えが来れる筈が無いけど」
「・・・なぁ、お前等だろ? こんな事してんの。いいから解けよ。面倒臭い」
「まぁ取り敢えず、ウドンゲ、ここはお前に任せたわ。間違っても姫を連れ出されないようにね」
「お任せください。閉ざされた扉は一つも開かせません」
「だー面倒だ! 全員まとめてそのふざけた幻想をぶち殺す!!」
上条はそう言うと、前に向かって駆け出した。
はずだった。
ズルッ。と異形に上条の視界が歪む。思わず上条はその場に膝をついた。
「これ・・・は・・・・・・」
「この廊下は私の罠の一つ。お前は私の力で跡形もなく消えるのよ」
平行感覚が狂ったか、視界を狂わされたか。そう思った上条は神々の義眼を開いてみるが、視界は一向に回復する様子を見せない。その上、上条の感情の中に“狂い”が生まれていた。
その状態でも上条は冷静に、その狂気に飲まれないように考える。
(感情の波長を狂わされている。強制的に恐怖するように仕向けられてる・・・。何に? 月にだろうな。目の前にいるのは月のウサギ。ここは竹林だ。という事は、ラスボスは姫様・・・)
上条は何とか無事な思考回路をフル回転させて解を導いていく。
(俺が・・・月に恐怖する? いや、この場合は夜か? 夜が怖い? 誰が? 俺が? この俺が?)
上条は事実が分かると全身に幻想紋を浮かび上がらせる。
「・・・どうやら、お前の能力は『何かしらの“波長”』を操ることが出来るみたいだな。そのせいで俺は感情の波長が狂わされた。だが、全身に幻想喰いがあれば無問題だ」
「え・・・・・・。なんで?!」
「答えはCMのあとで!!」
上条はそう言うと、原始的な暴力を鈴仙に振るう。
「・・・流石に、男女平等炸裂パンチはマズいか・・・? いや、狂気のせいにしよう。うん、そうしよう」
上条は自分の中で納得のいく答えを出すと、肩を持って腕をぐるぐると回す。
「さて、さっきの奴はこの先にいるのかな?」
「・・・・・・師匠は私なんか比べ物にならない程強いのよ。私に勝ったからって、師匠に敵うと思ってるの?」
「さあね」
上条は自分の両手を開いたり閉じたりを繰り返す。
「・・・どうやら狂気はなくなったみたいだな。・・・と、この屋敷にはトイレはないのかな?」
何も考えてない上条はとりあえず手近にあった部屋の扉に触れる。
鈴仙が言っていたように、この屋敷のドア全てに封印のようなものが施されていたようだが、上条の右手はそれらを問答無用で無効化するように出来ている。
甲高い破壊音と同時、上条は首を傾げながらも。その扉の中へ入っていった。
・・・そう言えば上条さん不幸だと言ってない気がする。
大丈夫かなぁ。キャラとして大丈夫かなぁ。