幻想殺しと電脳少女の幻想郷生活   作:軍曹(K-6)

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第4話 メカクシ団入団一日目

「・・・・・・何もしねェんだな。この団は」

「・・・何かするとしたらトーマは何をすると思ったんだ?」

「そりゃ、パソコン室から最新パソコン奪ってきたり・・・バニーガールの格好してチラシを配ったり・・・メイド少女が主役の映画を撮ったり・・・」

「ご主人。それお話が違います・・・。S○S団の話です」

「文面にすると途端に意味無くなる隠し方をするなよ」

 

上条が的外れなな突っ込みを入れるが、特に誰も気にした様子はない。

 

「・・・ッ!」

「・・・・・・ご主人?」

 

最近眼の奥がチリチリと焼けるように熱い。思えば初めて能力を使った時もこの痛みがとれなかった記憶がある。だからと言っていい加減慣れないといけない。いちいち眼を開いた時の情報量の多さで視神経を痛めてちゃやっていけない。そう思った上条はメカクシ団のアジトの屋上にいた。

 

(・・・ほんじゃま、『開眼』しますか・・・)

 

上条当麻の“眼”が開く。黒色から金色に、瞳の色が変わる。

 

(・・・うはぁ・・・。相変わらずの情報量・・・何だよこのオバサン。タイムセールの卵が安かったらどうしたんだよ・・・。こっちの高校生は昼間っからお盛んだな・・・)

 

屋上から周りを見渡しながら上条は言う。

 

(・・・透視よし、遠視よし、心読よし、三人称視点よし・・・。後はいいか)

 

まだ能力は残っている。だが、これ以上使うと本格的にヒトならざる者になりそうだ。

 

「お兄・・・ちゃん?」

「・・・モモか。どうした?」

「本当に嫌だったらね、私からお願いしてみるから、抜けても良いんだよ?」

「んにゃ、どうせ抜けようとしたらエネに邪魔される。まあ家でダラダラ過ごすよりかはマシだろ。二年も引きこもってたわけだしな」

「・・・それにしては強盗倒すの速かったよね?」

「あ、それはだな・・・」

 

あれは『眼』とは関係ない。精神体。上条の身体の方だ。あの時あの瞬間、上条の身体は人間の体では無かった。常識を逸した攻撃ができたのもその為である

 

(・・・すでに人ならざるものだったわ・・・。俺)

 

上条が頭を抱えると同時、モモが持つ携帯の画面にエネが現れる。

 

「ま、ご主人の事だから偶然でしょうけど? 引き籠った原因は何ですか~? どうせ厨二臭い―――」

「うるさい」

 

上条の低い声に、思わずモモまで黙ってしまった。それに気付いているのかいないのか、上条はそのままのトーンで

 

「あの日は俺の大切な人が三人も居なくなったんだ。お前には分からないだろ。俺は一人になったんだ、学校に俺は取り残された、息苦しい所に。だから俺は逃げたんだ。馬鹿にしたきゃすればいい。だがな、この理由を下らないとか変な難癖付けて俺の大切な人達まで侮辱するってんなら・・・、どんな手を使ってもお前をこの世から消してやる」

 

そう言う上条は本気だった。遊びやただの脅しではない、『警告』だった。次にやったら本当に許さないという、意思表示だった。

 

「ご、ごめんなさいご主人・・・。私全然知らなくて・・・」

「いや、いいさ。どうせこんな理由もお前らみたいな奴らにとっちゃ、口実とか逃げにしか聞こえないだろうしな」

 

上条はどこか暗い顔をするが、すぐにエネの異常を発見する。

 

「おい? 人が慰めてやってんのに何ニヨニヨしてんだ。気持ち悪い」

「いや、ちょっと嬉しくてですね?」

 

ムフフ~。と楽しそうに笑うエネ。上条はため息を一つつくと、

 

「・・・モモ。もうちょっとエネの面倒みてもらえるか?」

「うん。良いけど・・・」

「アイドル。頑張れよっ」

 

手を振って屋上を出て行く上条を見送った直後。モモの持つスマホが熱を持つ。

 

「熱っ! エネちゃん・・・?」

「はわわ・・・!」(ト、トーマの中で私も大切な人扱いだったんだぁー。あーダメダメどうしても顔がにやけちゃう。あー緩むな私の頬!)

「・・・スマホが熱いって事はエネちゃんが照れてるのかな・・・? あのお兄ちゃんに・・・? あのお兄ちゃんだからか・・・」

 

 

 

―――メカクシ団アジト一階。

 

「・・・? どうした。そんなに俺を見て」

「トーマ。ちょっと良いか?」

「あ? 何かあったのかよ」

「コーヒーとココア。どっちがいいと思う?」

 

その質問に上条は昭和の喜劇のように盛大に転ぶ、

 

「しらねーよッ!! っつか重苦しい雰囲気の中でそんな事で悩んでたのかよっ!」

「そんな事だと!? これは未来に関わるんだぞ!」

「み、未来に・・・?」

「そうだ。ココアは甘いがその分体重が増える可能性が・・・コーヒーはその心配はないが苦い・・・。さて、どうしたものか・・・」

「やっぱくだらねェじゃねェか! んだよ。俺の心配を返せよ! そんなもんココア飲んでからちゃんと糖分を使ってやればいいんじゃねーかっ!」

「なるほど! それは思いつかなかった」

(こんな奴がタイチョーで大丈夫か? この団は・・・)

 

上条の心配をよそに一日は流れて行く。




短いですが、次回。カゲロウデイズ編最終回です。
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