幻想殺しと電脳少女の幻想郷生活 作:軍曹(K-6)
プロローグ 博麗神社の信仰
ある晴れた秋の日のこと。博麗神社。
縁側に座った紅白巫女。霊夢は思わずため息をついていた。
「・・・はぁ」
「どうした? 霊夢」
「スペルカードルール廃止しようかな・・・」
「・・・急にどうしたんですか」
「ほら、最近参拝客減ったじゃない? それってさ。妖怪を殺さない事とその妖怪妖精がここに入り浸ってることに原因があると思うのよ」
「「・・・まぁ、確かに」」
霊夢は多分と言っているが、ほぼ100%それが原因だ。スペルカードルールが適応される紅霧異変前までは一日に五、六人は異変解決と生活安全の礼をしに来ていたのだから。
「・・・こうなったら無差別にそこら辺の妖怪退治してみるか? そしたら博麗神社には妖怪が来なくなるぞ?」
「・・・博麗神社周辺に当麻の右手の結界って張れる?」
「あぁ、もちろん」
「じゃあやっちゃって」
「おー」
「・・・そんな事しなくても、問題の解決方法はありますよ。皆さん」
「「「!?」」」
上条達が振り向き、声がした方向に目を向けるとそこには少女が一人立っていた。
「・・・・・・なんだ? テメェ」
「見慣れない顔ですけど。一体何の用です?」
「あ、失礼しました。簡単に言えば、妖怪の山に住む神様に神社の譲渡をしてくれないでしょうか?」
「「断る」」
「誰がやりますか」
「・・・ふむ。まあ今の状態が続けば危ないことは今の貴方達でも気付くでしょうし、気長に待ちましょうか?」
そう言って少女は去って行った。
「・・・何なんでしょう。アイツ」
「・・・現人神じゃねーの」
「つまり巫女って事?」
「大方山に住む神って言うのに使えてんだろうなあの巫女・・・」
「・・・・・・さて、ご主人行くんですか?」
「・・・おう。今回はもしかしたら負け戦になるかもしれねーけどな」
「神様相手ですけど・・・。弾幕ごっこですよ?」
「『例えそうだとしても、負けるかもしれないだろ?』」
「唐突に括弧つけるの止めなさい!」
「『あ、でも安心して。俺は
「安心できません!」
「『いやはや。貴音先輩もよく喋るようになりましたよねー。まるで常時エネみたいだ』」
「何を今更! というか早く括弧外せッ!」
クツクツ。と楽しそうに笑う上条にかけられる声があった。
「そこな鬼畜なお兄やん。ちぃと訊きたいことがあるんやけど、かめへんかな?」
「・・・どちら様ですか? と言うか、そこ貴音の頭なんすけど」
「は!? え!? わ、私の頭ァ!?」
ジタバタ暴れる貴音の頭から飛び退き、女性は博麗神社の狛犬の上に乗る。
「何や、鬼畜なお兄やん・・・困っとる人を見たら親切にしたりぃゆうて、子供の頃に教えてもうてへんのけ?」
「・・・あー。いや、そういう訳じゃないんですが・・・。と言うか、誰なんですかあなた」
「やぁ、鬼のお兄ちゃん。噂は聞いてるよ。博麗の巫女の代理をしているんだってね」
「お、斧乃木ちゃん!? な、何でここに?」
そこには上条がお話の外で出会っていた斧乃木余接がそこにいた。
「なんでも何もボクはお姉ちゃんを連れてきただけだよ」
「・・・と言うかいつまでそこに立ってるつもりですか。自己紹介と状況説明を求めますよ!?」
「・・・・・・不死身の妖怪の専門家、陰陽師影縫余弦。一生地面を歩けない呪いを持ってるのよ」
「・・・まるで子供の遊びみたいな呪いだな・・・」
「なんや。悪いっちゅうんか」
「んなこと一言も言ってないでしょうが。大体、何の用でここに来たんですか?」
「・・・ああ、そうや。お兄やん。おどれも不死身なんやてな」
「あ? えぇ、まあ・・・」
「気を付けた方が良いよ鬼のお兄ちゃん。お姉ちゃんは戦闘好きだから」
「・・・・・・なるほどー。要するに俺が死にかけるって事かな?」
「鬼に鍛えられとるって噂やけど?」
「はっはー。どこから伝わったか、知らないけど。無責任なこと言ってくれたのはどこのどいつだよ」
上条はイラッとした様子でそう言うが、事実なので言い返しようがない。だが、問題はそこではなく、上条当麻という“人間”が“鬼”に鍛えられて
「・・・・・・忍野くん。言うんやけど。もしかして知り合いだったりするんけ?」
「あぁ。たった今知り合いじゃなくなった。アイツは敵だッ・・・!」
「・・・ご主人。どうするんですか?」
「山の神の事か? もう少し考えようぜ。すぐ行ったって仕方ない。とりあえず俺は・・・忍野をぶっ飛ばす!」
「その前にうちと闘えっちゅうねん」
「不死身の妖怪の専門家なんてのやってる理由が俺の予想通りだと嫌だからなぁ。なるべく関わり合いたくないんだが?」
「どんな理由やと思うんや? 言うてみい」
「多分簡単です。『殺り過ぎる事がないから』でしょう?」
「なんやわかっとるんやないか。ほなやろうや」
「だが断―――ッ!」
上条は慌ててその場から飛び退いた。
「「
上条が元いた場所を巨大な手が叩き潰していた。斧乃木余接の例外の方が多い規則だ。その手の上に乗った影縫余弦は楽しそうに言う。
「地面の上を歩けないからと言って、おどれ逃げる気やろ」
「おーっと。何故オレの考えてる事が分かったし・・・。ハァ、しゃーねぇ。良いぜ。死なない程度に遊んでやるよ」
「殺さん程度にいたぶったるからおいでーな」
その後暫く不眠不休で人間同士の殺し合いが続いたという。