幻想殺しと電脳少女の幻想郷生活 作:軍曹(K-6)
「ぼくの事は愛情を込めてなじみと呼んでくれ当麻君」
「やだ」
「呼んでください」
「や・だ」
「おねがい」
「・・・上目遣いは反則だ」
「いいの?」
「いいよ!」
何て事があって博麗神社に安心院なじみが頻繁に訪ねてくるようになった。
「・・・それが神社だけだったらどれだけよかっただろうか・・・・・・」
「・・・不満かい?」
「不満だよ。・・・
現に彼は先程夜になって寝たはずだった。だというのにこれだけハッキリした学校の教室に呼び出されるとは、思ってもいなかった。
それ故、上条は思わずため息をつく。
「溜め息の数だけ幸せが逃げていくって言うけど、君には全く関係がなさそうだね」
「これ以上不幸になっても何も変わらないさ。原作と違って、俺は自分の能力を完全に理解しているからな。右手を持つ限り俺は
「そうだね。原作でも言われている通り、その右手は神の奇跡。それこそ運命の赤い糸だって消してしまっている。だから原作の彼はまともな恋愛はできないだろう? 彼に好意を寄せる異性は大勢いるけど、
「ああ。互いに愛し合う事ができても、必ずどこかで亀裂が入る。裏表のない本物なんてものは、
「・・・
「俺は
「負け犬根性って言うのか? 負ける事に関しては強いっていってるような物じゃないか。でもさ、君は周りの評判からして幻想郷の英雄だろう? 何に負けているんだ?」
「・・・じゃあ教えてやる。俺が何に負けてきたのか」
「うん。聞かせてよ。静かに聞いてあげるからさ」
「まず東方紅魔郷。あの時俺は異変は解決した。だが、それでも俺は負けた。何故だと思う」
「・・・うーん評判じゃ君は吸血鬼姉妹も助けたし霧も晴らした、それは万々歳ってやつじゃないのか?」
「・・・・・・吸血鬼化。俺は霊夢達の願いを叶えられず一度死んだ。吸血鬼になるという事は例えどんな状態であれ俺は一度死んでいることになるだろ? 吸血鬼という存在全てが蘇った
「試合に勝って勝負に負けた・・・。ま、負けだね」
「勝ったなんて言ってるのは俺に外の人間全員だけどな」
「君が負けたって言うんなら負けなんだろう」
「次に東方妖々夢。あれは純粋に勝てなかった。紫にな」
「へぇ。負けたわけでないのかい?」
「ああ。でも、『また、勝てなかった』」
「・・・それも君の中では負けか?」
「弾幕ごっこに引き分けはない。だから“負け”さ」
「・・・屁理屈だね」
「屁が理屈を言うのか?」
「・・・・・・」
「じゃあ次行くぞ」
「ああうん勝手にしてくれ」
「次は東方永夜沙だな。あの時は完全にこちらの負けさ。なにせ人間からしてみれば主人公ズが異変の犯人だからな」
「・・・なぁ当麻君」
「なんだ?」
「君は最強系主人公だよね」
「ん? そうなのか?」
「そんな君が負けてて良いのかい?」
「・・・言ってるだろ? 試合に勝って勝負に負けた。俺は一応試合
・・・その頃。霊夢達は久しぶりの異変解決(?)のため妖怪の山に建つ神社に向かっていたという。
「・・・フシャーッ」
「わはは。当麻君見てくれ。君の最愛の人が猫みたいだ」
「正確には蛇だけどな。その音は猫が自分の天敵である蛇の真似をして―――」
「ご主人ッ! 何なんですかこの女ッ!」
「知ってるだろ? 目高箱の安心院なじみ」
「・・・いや、まぁ知ってますけど・・・・・・。納得がいきませんっ! 何故、その彼女が、ご主人相手に仲睦まじく過ごしてるんですかっ」
「貴音ちゃん。君の立場は今のところ上条当麻の恋人のままだから安心しなよ。その内奪いとるぜ」
「させませんっ!」
「・・・可愛いなー」
「「!?」」
「い、一体どっちの事かな!?」
「も、もちろん私ですよねご主人っ!」
上条の一言に勢い良く振り向いた彼女たちが見たのは、彼の膝の上で後ろ足立ちしその胸に前足をつけてバランスをとる三毛猫の姿だった。
「・・・猫?」
「まさか可愛いのはその子ですか・・・?」
「ん? ああ。可愛いだろ?」
「「・・・・・・ハァ」」
「・・・何だ? 重い日か?」
そう言った上条の頭に重たい一撃が二人分、入ったのは言うまでもないだろう。
「―――ってーな。何も叩く事ねーだろ。って言うか、図星か?」
「そんな訳ないだろう?」
「馬鹿なんですか? 馬鹿なんでしょうね」
「―――そんなの今更だぜ貴音」
上条は馬鹿という言葉を否定しようとはしなかった。その態度に馬鹿にされてると取った貴音に色んな意味で襲われたのは言うまでもない。