幻想殺しと電脳少女の幻想郷生活 作:軍曹(K-6)
「ど・・・、どーするんですかぁ!?」
「あっはっはっ。どうしようか」
目の前の暴走した人外を前に軽い調子で笑う上条。
「ちょっと一体何・・・。って! 何で彼女が!?」
「当麻! 一体どうなってるんだ!?」
異変をいち早く察知したのか、主人公ズの二人が現場に駆けつける。
「原因は不明。ただ分かる事は、アイツのスキルが暴走しているって事」
「「・・・へ?」」
「あ、あいつの? スキルが暴走?」
「
「それ、人間じゃ太刀打ちできないですよ? そういう場面で壊れるのって大抵一番優秀なのだったりしますし」
「まさにその状態だな。どうやって1京2858兆0519億6763万3867個のスキルホルダーを倒せと? 人間にはできねーよ。もちろん俺もな」
「「「・・・はぁ?」」」
「何馬鹿な事言ってるのよ当麻。アンタならちょちょいのちょいでしょ?」
「一回戦って勝ってるんだろ? だったら楽勝なんじゃないのか?」
「戯れ言述べてないでさっさとやってきなさいよ」
方々から散々な言われような上条だが、その本人の次の一言を聞いてその場の空気が固まった。
「無理さ。だって今現在、俺の全能力を持ってして安心院なじみのスキルを封じてるんだぜ? お喋りしてる余裕があるって言うかもしれないけどさ、思考と計算は回路が別なんだよ」
「・・・・・・え? 今本気で押さえてるって言うの?」
「ああ。幻想喰い全開で。体を動かす事すら危うい状態だぜ。少しでも手元が狂えば拮抗状態が崩れてなじみが暴れ出すぜ。それがお望み?」
「「「んな訳ない
「さて、どうする? 結構集中力使ってんだよね・・・。俺の集中力が切れるのが先か、この状況の打開策が提案されるのが先か」
「・・・どうすんの?」
「・・・私達じゃ無理だぜ? あの時突然だったとは言え手加減された上で負けたんだ」
「・・・私も。ご主人が無理なら無理としか」
「・・・・・・紫は?」
「・・・無理ね。あの状態じゃスキマなんか一瞬で破壊されるわ。それだけ恐ろしい存在なのよ。安心院なじみという少女は」
「・・・・・・ご主人の『枷』外したらどうでしょう」
「「?!」」
「・・・?」
「枷ェ? これ外すのか?」
上条は自分の右の二の腕を指して言う。
「・・・紫、霊夢」
「・・・いいわ。それで幻想郷が守れるのなら」
「・・・私は異論無し」
「・・・事が終わったら元に戻しますからね。ご主人」
そうして上条の二の腕から銀色の腕輪が外れた。
「・・・とりあえず。莫大なパワーアップって事は確かだな。これでも全力の半分か」
(((まさか
「・・・それでも、お前相手にゃ十分だよ。安心院なじみ」
瞬間、轟音が響いた。それもそのはず、拮抗状態だった能力値は上条当麻に軍配が上がり、なじみの体はスキルごと押さえつけるように地面に倒れ伏せていた。上から何かの圧力で立ち上がれないようにされて。
「・・・当麻。それ、いつまで持つの?」
「は?」
「・・・いや、だって。解決するにはどうした良いか分かんないから。解決策を講じないと、幻想郷はいつまでも危険な状態よ」
「言うなれば地雷平原です」
「・・・・・・そんな事言っても、どうすりゃいいんだよ」
「壊れた機械を止める方法。
「「・・・・・・・・・・」」
紫のその言葉に上条と貴音は思わず口を閉じてしまった。それは言外に『安心院なじみを殺せ』そう言っているようなものだった。上条はそれを実行に移すかどうかで思考を巡らせ、能力の使い方を思い出そうとして、動きを止めた。
だが、それが間違いだった。上条当麻が動きを止めるという事は、能力の緩みを意味していた。
「あ!!」
「ゲッ」
「あんのっ! 人里の方へ・・・ッ!」
「―――俺が行く」
上条は言った。その眼に覚悟を宿して。
「アイツとの決着は
「は?」
上条の姿は既に無かった。
―――人里。
「くっ。彼女は安心院さん・・・? 何故彼女がこんな事を!」
慧音は混乱していた。突然空から降ってきた少女によって人里は壊滅的な状態だ。しかもそれが、何度か寺子屋の子供と楽しそうに遊んでくれた人物だから余計に分からない。
「―――ァ」
「―――悪いな」
一言。その言葉の後に、続いたのは地響きだった。先刻と同じように空から振ってきた少年は、少女に
「・・・少々おいたが過ぎるぜ? 反抗期か?」
「―――」
「・・・と、うま?」
「・・・博麗の巫女の代理だ・・・・・・。助かったぞ!」
「やった・・・助かった!」
上条は何か思うところがあるのか、一瞬迷ったような顔をしたが容赦なく。少女の顔を掴んだまま、地面に押しつけたまま五十メートルほど走った。
「・・・・・・少しでも。お前のスキルと、その魂に期待した俺が間違いだったか」
なじみの体を持ち上げ、完全なアイアンクロー状態にした上条は一切の感情を捨て、
左手に感じる血のぬくもりと皮膚の感触。左手には確かに彼女の心臓を掴んでいた。
「・・・さようなら。一緒に過ごした時間は嫌いじゃあ無かったぜ」
彼の左手にあった心臓がグチャグチャと潰され、肉片となった。それと―――
―――彼の右手から発生した