幻想殺しと電脳少女の幻想郷生活 作:軍曹(K-6)
温泉に浸かったりお酒を飲んだりする今回の異変を起こした地底のメンバーと博麗の巫女。
本来、地上に出てくることは御法度らしいが、霊夢の鶴の一声で何とかなった。
そんなこんなで博麗神社近くの間歇泉でできた温泉の一つ。今回のメンバーが集まって温泉に浸かっていた。
湯面にはお酒の酌がのった盆が浮かんでいたり、お湯に浸かった氷の妖精が溶けた残骸が浮かんでいたりする。
「はふぅー。風呂は命の洗濯ですねぇ」
「傷にはしみるけどね」
「ま、今は怪我なんかしてないから大丈夫だぜ」
「あっはっはっ。この酒うめぇ!」
「お主、胸があるのじゃな」
「何処見てるんですか忍さん!」
「本当だ。蝸牛ちゃん僕より大きくないかい」
「そりゃ、成長期ですから」
「「幽霊が何を言う」」
「お風呂は良いですね・・・」
「ですねぇ」
「わははははは」
「わはははは」
「・・・・・・」
博麗神社の屋根の上。上条は寝転がって星を見ていた。遠くからは少女達の楽しそうな声が聞こえてくる。
「・・・よぉ。一人寂しそうにしてるな」
「・・・馬鹿言え。女だらけの温泉に俺が言ったら怒られるだけだろ。生憎ドMじゃないんでね」
「そうか」
「で? お前は誰だよ」
「誰だって良いだろ? で、お前調子はどんなんだよ」
上条の目の前に居る青年はそんな事を聞いてきた。
「・・・どうって」
彼は自分の体のことを全て分かっているというわけでもない。鏡で見れば自分の状態が見えると思う人も居るかもしれないが、写してしまうと情報が鏡文字になってしまうのだ。
そんな事は置いておいて。彼はここ最近、と言うかつい先程起こった彼の変化について考える。
古明地さとりによって生み出された安心院なじみに謝られた瞬間。
彼の精神が喰われたような気がした。精神がやられ、所謂鬱や自殺の原因となる精神病になるようなそんな症状の初期段階だ。
それを、彼女たちに話したところでどうにかなることではない、と。彼は一切口にはしていない。それが正しい判断なのか彼自身にも分からない。これはずっと悩んでいることだ。精神病が少しずつ進行していることを知りながら彼は何の対策もとっていない。取るだけ無駄だと分かっているからだ。
例えこの先精神がやられ、魂がかけられた枷に耐えられなくなったとしても。彼は笑って済ませるのだろう。
「・・・・・・・・・」
「どうやら、自覚はしているようだな」
「軽くだ」
「何か策を講じたりはしないのか」
「やるだけ無駄だろ」
「・・・自分で自分を苦しめているって言ったらどうする」
「俺が? 馬鹿にするなよ」
「・・・・・・・・・・・・」
「どうもしねーけど」
「自分で自分の首を絞め続けるのか」
「そうするしかないからそうしてるんだろう?」
「馬鹿か!? あの子達を悲しませるのか!」
「悲しむの度合いが違えど、どちらにせよ悲しませることになる。四京以上の時間で考えて出した答えだ」
「・・・・・・・・・馬鹿だよ。お前は」
「知ってるさ」
「そういう意味の馬鹿じゃない」
「じゃあどういう意味なんだよ」
「それは自分で考えな」