幻想殺しと電脳少女の幻想郷生活 作:軍曹(K-6)
作品は夏ですけど。
上条が暫く走っていると、目の前に大きな湖が見えてきた。
「着いたな。霧の湖」
「あ! あ、あのあのあのあの」
「・・・悪い大妖精。今は構ってられねえんだ」
「・・・・・・ごめんなさいっ!!」
意識外からの大量の弾幕。上条はワンモーション遅れたが、なんとか避け大妖精に近づく。
「何でこんな事したのかなんて、聞かねーからな」
ドンッ。と衝撃が湖を割り、向こう岸まで響く。その衝撃を間近で喰らった大妖精はあえなくリタイヤとなった。
「大ちゃんをよくもーッ!!」
大量の氷の槍が上条に降り注ぐが、上条は炎の屋根を作って防いだ。
「今日はそういう設定か? チルノ」
「絶対許さないぞ、トーマ!!」
「良いぜ。相手になってやるよ。チルノ!!」
チルノと呼ばれた少女が、大量の氷の弾幕を放つ。その全てを回避しながら上条は湖の上に立っていた。
「くらえッ!!」
ガキガキガキと、チルノが触れた所から水面が凍っていく。それを上条は左手で受け止めた。
そして、右手でスペルカードを取り出して、そのまま宣言した。
「スペル。幻符「
今更だが、スペルカードにルビを振るのは上条だけがしている事だ。大抵みんな横文字か漢字。別に上条が特別という訳ではない。その風習がないだけだ。
その幻想紋章が、チルノの腰のあたりに出現し拘束する。
「くっ。やるなッ。オマエ、何者だ!」
「オレは、趣味で博麗の巫女の代理をしている者だ」
「・・・・・・そうか」
こんな事を二人は会うたびにしていたりする。毎回毎回シュチュエーションが違うので、上条としても飽きないのだが、よくここまで頭が回るものだと思った。
「こうなったら・・・・・・雹符「ヘイルストーム」!」
「かかってこいやァ!!」
そう叫ぶ上条の全身には、赤く光る波が浮かんでいた。そして、上条はまたスペルカードを取り出して・・・・・・
「幻砲「
上条自身が巨大な砲塔になったかのように、火の柱がチルノにのびる。
が、一瞬にして手元まで炎は凍ってしまった。
「へへん」
「やるじゃねえの」
上条は一旦距離を取る。そして、湖の水を
「のわぁっ!?」
「目くらまし!」
そのまま上条はチルノに接近する。そしてノーモーションで攻撃を放った。
放たれた拳は、綺麗にチルノの顔に入った。『あ、悪い』と思わず上条も謝ったが、チルノはすでに見えないところまで跳んでいた。
「・・・・・・ま、行くか」
そう言って歩き出そうとした上条は、左足が動かない事に気付く。とは言ってもここは湖の上。特に何もないはずだが
そう思って見たところ、あったのは上条の足をくわえこむ氷だった。
「まさか」
「あたいはまだ、負けてなーいっ!」
「流石、最強の氷精・・・・・・。簡単には勝てないか・・・・・・」
「絶対絶対負けないんだから!!」
「こりゃマジでいった方がいいか」
チルノが放つ弾幕を受け流したり避けたりする上条。時に右手を使う事もあったが、幻想殺し自体封じているので、右手で触れても弾幕に影響はない。
「それじゃあ、俺も行くか。スペル・・・・・・龍符「
「え?」
ぞぶり。と、上条の右手からいや、右手が変化する。変化したのは大きな蛇、いや巨大な龍だった。
「えぇえ!?」
「喰らい消せっ!」
上条がそう言うと、右手の龍はまるでブラックホールのような口を開き、チルノに向かっていく。その間のチルノが放った弾幕も、全て無効化しながら。
「う、うわぁぁぁぁああああ!!」
「なんてな。放て龍の咆哮! 『ドラゴンブレス』」
チルノの目の前まで来た龍は、上条の言葉に反応してその口から巨大な光の柱を撃ちだした。その光の柱は少女に当たると、そのまま空高く伸びていった
「オレの勝ち、だぜ。チルノ」
上条は勝利宣言をすると、湖に浮かぶ気絶したチルノに話しかける。
「なあチルノ。この霧の出所を知ってるか?」
「チッ。あたいの負けか・・・・・・。霧? 空のあれならあそこの館から出てきたぞ」
チルノの指さす先には、湖に浮かぶ紅い館が静かに立っていた。
「あんなの前まであったか?」
『新築。ですかね』
「行ってみるか・・・・・・」
上条は前へと歩を進める。紅い館はすぐそこだった。
次回、いよいよ紅魔館に到着です。