昔々
ある国に、一人の少女がいました。
少女の名前は、出雲(いずも)。
彼女は・・・妖怪である。
普段は黒く長い髪に凛々しい顔立ちの姿。
だが・・・それは偽りの姿。
黒い獣耳、九本の長い尻尾、鋭い歯・・・
妖狐・出雲
そんな彼女の物語。
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満月が高く昇った冬の夜の事・・・
「うっぷ・・・飲み過ぎたか・・・」
誰もいない村の夜道を、酔っ払った男がフラリフラリと千鳥足で歩いていた。
「あぁ~・・・さっさと帰って寝るとするか・・・ん?」
人気のない道に、その男は何かを見つけた。それは・・・少女だった。その少女を男は知っている。
「あれぇ、出雲ちゃんじゃんかぁ~!こんな夜遅くにぃ、何やってんの?」
男は少女に近づいて、手を伸ばした。
次の瞬間、男の右手は千切れた。
「・・・え?」
あまりにも一瞬の出来事に、男は何が起こったのかが分からない。酒の影響で低下した認知機能をフル回転させて状況を判断する。自らの右手を見る・・・ない。肘から先がなくなっている。少女が咥えているのは自分の右手だった物。千切られた部分からは血が噴き出している。そして知覚神経が刺激されて壮絶な痛みが襲いかかる。
「う、うわぁああぁあぁあぁああぁぁ!?」
その場に倒れこんだ男は、右手を抑えて悲痛の声を上げた。何故?どうしてこの娘が?俺の腕を噛み千切った・・・!?
男の身体の上に、少女は跨った。
「ひっ!?」
青ざめた表情を浮かべた男は、目の前の少女から必至に逃げようと抵抗した。だが、それは無駄な行為に過ぎなかった。凄まじい力で抑えこまれているのである。それは何故なのか。普通、少女の力などでは男を抑えこむ事など不可能である。
「い、出雲っ・・・やめてくれ・・・」
鈍く紅い光を発する出雲の眼は、男を睨みつけている。そして、ニヤリと口元を釣り上げ・・・耳と尻尾が生えた。
「妖怪・・・!?だ、誰かあぁぁあ!!!」
出雲が妖怪だという事にやっと気づいた男は、叫んだ。
「喚くな、人間。」
そう言うと、男の首を掴み・・・頚椎を折った。
「あ、が・・・」
致命的な出血と他部の損傷に耐え切れなくなった身体は限界に達し、男は絶命した。
それを確認すると、出雲は男の服を脱がし
喰らいついた
彼女の口元からは血が滴り、美味しそうに男の肉を食べている。
その光景は、とても恐ろしくあった。
「んくっ・・・久しぶりに食べる肉は、美味しいなぁ・・・。」
男の肉を殆ど食べ尽くした出雲は、夜の闇に消えていった。
はい、どうも。色素の境界です。
地道に更新してくので、どうぞお付き合いお願い致します。