江戸のお姫様はふつくしい!?   作:匿名

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今回は新たにオリジナル作品に挑戦してみました。至らない所は沢山あるかと思いますが、是非最後まで読んで頂けたら幸いです。


松治、自分の先祖に出会す。

彼女は扇風機をまじまじと眺めながら、こう呟いた。

 

「ねぇねぇ、これって何?江戸には無かったよ?あ、回った。なにこれ風が出るよ!涼しい!」

「いちいち騒がないで下さいよ…見ての通り、扇風機ですけど何か?」

「あ~~~~……こんな声も出せるんだねぇ…ん?何か言った?」

「人の話聞いて下さいよ人の!」

「あぁゴメンゴメン。私、お姫様だからさっ!」

 

 

俺は天井を仰ぎ、こう考えた。何でこんな人があの徳川家康の妻で、俺のご先祖様なのだろう…と。

事の発端は3時間程前まで遡る…

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

8月13日。今日はお盆である。なので俺、雪平松治(ゆきひらしょうじ)は友達を呼び、自宅の庭先で迎え火を焚いていた。もちろん、キュウリのウマも添えて。

 

「まさかホンマに俺と火ぃ焚くとは…思っとらんかったわ」

 

この讃岐弁使ってる奴は俺の友達、生駒和也(いこまかずや)。高校に入ってから知り合ったが、今ではすっかり仲良しだ。

 

「お前って、毎年こういうんやるんか?俺は疲れるからせんけど。」

「こうやって、先祖は供養しとくモンだよ?いい運が付くんだって…」

「お前、試験とか毎回運任せやもんな…」

 

そう、先祖をずっと敬ってきたせいか知らないが、俺は試験等では毎回必ずいい感じの成績、日常生活も何かと上手く行ってる。「そんなちっぽけな…」と思うかも知れないが今の自分にはこんな感じが丁度良い。

 

「日頃供養したり敬う価値があるから、ご先祖様もいい運を授けて下さってるんだよ…言うなれば加護?」

「そんなんでツキが回るんやったら全員そうしとるわ。お前ん家だけ先祖が大者やったんやない?」

「そんな訳ないじゃん。『雪平』なんて大名いないだろ?」

「そうやな―。考えすぎかもな。」

「あ、火消えてきたな…」

 

 

その後は家に上がり和也と少し談笑したりしたが、もう遅いと言っていたので暫くしたら帰って行った。

 

和也を見送ると同時に、上から降りてくる足音が聞こえる。

 

「あれ、誰か来てた?」

「友達だよ。今帰った」

「友達来てたのね…言ってくれれば何か振る舞ったのに…」

 

この女性は俺の姉、雪平涼華(ゆきひられいか)。一応成人しており、今はデザイナーの仕事に就いている。俺と同じ濃い茶髪で、ルックスは良いんだけど…仕事以外は超グ―タラして何もしないんだよな…

 

「姉ちゃん、料理出来たっけ…」

「冗談冗談。私に出来る訳ないじゃん。あ、今日の夜食は野菜炒めでお願いね―。そんじゃ、おやすみ~」

 

姉はそう言い残すと仕事をしに自分の部屋へ戻って行った。

 

「結局夜食のメニュー注文しに来ただけかよ…」

 

とはいえ遅くまで働いている姉の頼みを無下にする訳にもいかないので、とりあえずキッチンに立つ。冷蔵庫という食材を腐らせる事なく保存して置ける文明の利器の扉を開け、野菜炒めの為の材料を取り出す。こんな物は昔無かったんだよな…

そう思うと、今程便利な時代は無いと思う。昔の先祖はこんなちっぽけなキャベツでも保存方法を工夫していただろうに…

 

「って、また昔の事を考えちまった…」

 

俺はたま―に現代と昔を比較し、その物がない昔はどうしていたのだろうと思い耽る事がある。ハッキリ言って時間の無駄であるので、この癖は直したいのだが。

 

「さ―て調理開始するか…あっ!?」

 

俺は調理器具の引き出しの中を見て絶句した。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

「ったく、あの姉っ…フライパン全部使用中ってどういう事だよ…」

 

俺は今、近くのコンビニでフライパンを買って帰路に就いている途中だった。

そう、野菜炒めを作ろうと調理器具を出そうとしたのは良いのだが、何故か引き出しの中にあった筈のフライパン類がごっそり消え失せていたのだ。

原因は姉である。フライパンを知らないかと問うと、案の定…

 

『ゴメンね~。今全部私が使ってて、返却明日になりそうだから~』

 

と言っていた。大方デザインの参考にでもしているのだろうが、その作業するんなら野菜炒めなんぞ要求すんな。

 

「は~、深夜にコンビニとか疲れたな…」

 

最近あのコンビニ周辺ではヤンキーなる者がうろついているという。今日は出会さなかったから良かったが、またいつか会うとも分からん。早い所収束して欲しいと思った。

 

「ただいま~…」

 

そう言い玄関のドアを開く。家には姉と俺以外おらず、もちろん誰からの応答も無…

 

「おかえり~」

「!?」

 

おかしいな。何か居間の方から声が聞こえたような。

多分幻聴だろう。齢17して幻聴なぞ聴きたくも無かったが、きっと疲れているのだ。今日はさっさと野菜炒め作って寝よう。

そう思い、居間に足を踏み入れた瞬間。

 

「お―おかえりぃ、主君。帰った来た途端悪いけど、これどうやって使うの?」

 

そこには、自分と同じぐらいの歳の美少女が和服を着こなし、ソファに座って俺の音楽プレイヤーをイジっていた。

 

「あぁ幻覚もなのか…今日はもう寝よう。」

 

そう呟き、俺は膝から崩れ落ちた。




どうだったでしょうか?
この一話だけでは何が何だか分からないかと思いますが、これからどんどん細かい設定を追加していく予定です。
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