魔法科高校に八雲紫が入学しました   作:歩く好奇心

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感想ありがとうございます。
気にくわない方もいるでしょうが、これから少しずつ、藍を強くしていければなと思います。
1度書いてしまったものは仕方ないので、続けていこうと思います。


紫、始動

「藍。

 ねぇ、藍ったら。

 もう済んだことなんだから、いい加減出てきて頂戴よぉ。」

 

 藍と達也の決闘から一週間。

 藍は決闘に敗れ、大変落ち込み、自室に引きこもっ

ていた。

 

 紫は藍の自室の前にて、扉を叩き続ける。

 

「元々、私のちょっとした意地悪が原因だったんだから。

 私は別に怒ってもないし、気にしてないから。

 だから、そろそろ顔くらい見せなさいって。

 ね?」

「合わせる顔がありません。

 紫様の前であのような失態っ。

 この罪、どうあがなおうと、拭えるものではありません」

「もうー。

 そんなのは貴方の胸の内だけの問題なんだから。

 司波達也にもちゃんと謝って、許して貰えたじゃない。

 これはもう終わったことなの。

 償う気概があるならまず出てきなさい」

「なりません。

 誰に許してもらえるなどといった話ではないのです。

 私は私が許せない。

 あんな大言を吐いておきながらこの体たらく。

 ………あのような何処の馬の骨ともしれない人間ごときに。

 私は紫様の従者失格です」

「藍ったら。

 へんなところで拘り続けるんだから」

 

 扉の奥から鬱々とした呟きが続く。

 紫は「はぁ」とため息を吐き、辟易した。

 

 これでは当初の目的が果たせないし、意味がないのだ。

 

 紫は手を振って子供のようにただをこねる。

 

「らーんー。

 もう、そんなことはどうだっていいからぁ。

 

 お願いだから一緒に学校行ってよぉ。

 

 じゃないと何のため貴方をこっちに呼んだのかわからなくなるじゃない。

 誰も大して話相手になってくれないから暇なのよぉ」

 

 そう。

 当初は興味本位で学校に入学し、人の学生生活というものを楽しむつもりであった。

 

 しかし、その計画は入学当初から何故か頓挫しかけていた。

 

 紫にはその訳が理解できなかった。

 

 あんなにも魅力溢れる、誰にも真似できない振る舞いを披露したのだ。

 であれば。

 すぐにでも光源に群がる羽虫のごとく、多くクラスメイトに囲まれる。

 紫にはそうなると予測するだけの自負と確信があった。

 

 しかしだ。

 

 朝、机でぼーっとしていると。

 

『あ、あのぉ、八雲さん。

 日直してもらっていいですか?

 今日八雲さんの番なんだけど。

 あ、ごめんなさいっ。

 別にやれって言いたい訳じゃなくて、そのぉ。

 あ、あたしが代わりにやっとくね?

 八雲さん生徒会で大変だもんね。 

 変なこと言ってごめんなさい』

 

 そしてトイレ休憩。

 よそ見をして生徒とぶつかった時では。

 

『ってぇ。 おい、気をつけ…!?

 や、八雲さん!?

 お、お俺としたことが、とんだご無礼をっ、大変申し訳ありませんでしたっ。』

 

 などといった有り様だ。

 

 こんなはずではなかった。

 

 紫の胸中は落胆の色で染まる。

 

「こんな調子じゃ、『超絶美少女生徒会長紫様の薔薇色学園生活』への道のりが険しくなる一方じゃないのぉ」

「…………その情報は初耳なんですが紫様。

 私の記憶に欠落がなければ、外界の文明発達が幻想郷に危険を及ぼす可能性が示唆されるために、外界の調査目的で魔法科高校に潜入したはずでは?」

 

 扉がやや開き、藍がジト目で紫を睨む。

 

 一週間引きこもりっぱなしなことから、彼女の金髪はぼさぼさだ。

 ヨレヨレなシャツ姿からも、普段の品行方正な彼女の姿がまるで伺えない。

 

 それにやや臭う。

 

「あ、あはははは………

 まぁ、そんな些細なことはまぁいいじゃないの」

「私がここで行動する根幹に関わることなんですが」

 

 紫は鼻をつまみながら、自身の失言を誤魔化そうとする。

 しかし、藍の言及からは中々逃れることはできなかった。

 ネチネチとしつこいところも、藍のめんどくさいところだ。

 

「紫様。

 僭越ながら言わせて頂きますが、楽観している場合ではありません。

 私は事の重大性を身をもって痛感しました。」

「わかってるわよ、そんなことくらい。

 あの闘いをみて改めて思ったけど、貴方、随分貧弱になったのね。」

 

 藍は悔しげに口をつむぐ。

 今にも激情が、その口から溢れてきそうな雰囲気である。

 達也に負けたのが相当に許せないのだろう。

 

「誠に認めがたいですが、その通りです。

 ですがっ。

 次やつに会ったときは、必ずや完膚なきにまで潰して見せましょう。

 八雲の名に泥を塗ったままでは、私の面目が立ちません。」

「いや、それはもういいから。

 引きこもりには荷が重すぎます」

「しかし」

「今の貴女は一人の人間に劣る。

 ここで姿を体現できるのは、私の式であってこそ。

 外界は、あまりにも科学と魔法の結びつきが強固。 

 その幻想たる魔法ですら科学に浸食され、外界独自の魔法になっているわ。

 幻想はこの科学と魔法には勝てないのが現状です。

 故に、私達の理がほとんど通用しません。

 貴女についても、妖怪の本領を発揮しようにも、妖力使えなき今、この世界では微塵もその力は期待できないでしょうね」

「うっ」

 

 藍は俯き、肩を振るわせる。

 紫は言葉を区切り、神妙な面持ちを湛えた。

 

「だからね。

 私達はこれから、この世界の理に則って本格的に管理していこうと思います」

「そ、それは具体的に一体!?」

 

 紫の言葉に藍は目を見開いて紫に近づくが、紫は手をかざして制止をかける。

 藍のその眼差しは期待に満ちている。

 

 どういった期待なのか。

 

 彼女の焦りもわかる。

 しかしそれ以上に、今は気にすべきことがあった。

 紫自身もそろそろ限界だ。

 

 紫は洗面所を指差して言い渡す。

 

「その前に身体洗ってきなさい。

 詳細を話すにも、臭くて話すに話せないわよ。」

 

 藍は目に見えて傷つき、落ち込んだ。

 

 

 

 部活連本部。

 

 十文字克人の前には金髪の女性が一人相対している。

 その相手とは、新入生総代、八雲紫。

 友人である渡辺摩利には要注意するよう言われている人物だ。

 

 十文字は難しい表情を呈した。

 

「その話は悪いが諦めてくれ」

 

 腕を組んで、硬質な声音で断りの言葉を返す。

 

 彼は彼女にある依頼をお願いされた。

 部活連選任枠による八雲藍の風紀委員への推薦だ。

 

 しかし。彼はその依頼に難色を示す。

 

「あら。どうしてですの?

 校内の治安維持のためにも、風紀委員は多いほうが宜しいはず。

 断る理由はありませんでしてよ?」

「渡辺から聞いている。

 八雲の言う通り、本来であれば断る理由などない。

 だが風紀委員はその役職上、人格が重視される。

 だからこそ人が少ないのだ。

 八雲藍とやらは、随分と2科生に対し差別的な言動がみられる上、選民思想な持ち主と聞く。

 そのような者を推薦する訳にはいかぬ」

「あらあら。

 貴方にそのようなことを言っている暇がありまして?」

「何が言いたい?」

 

 八雲はクスクスと笑いを含む声を溢す。

 

 一体何がそんなにもおかしいのか。

 

 彼は部活連会頭であり、八雲は生徒会役員である。

 立場としても、権限の所有権としても、彼の方に分があるというのに、眼前の彼女はそのようなことはまるで気にしていない様子だ。

 

 十文字は敵対している訳でもないにも関わらず、無意識に警戒心を強めた。

 

 彼女は扇子で、口元を隠し、胡散臭げな空気を醸し出す。

 

「三巨頭の一角など呼ばれていても、今のままでは家の名に傷をつけることになりましてよ」

「ほう。

 俺は会頭として部活連中を取り締まってきたが、その過程で何か問題でもあったということなのか?」

「いえいえ。

 よく取り締まっておいでですわ。

 とは言っても。そこらの凡庸と同程度の仕事ぶりのようですが」

「なに?」

「貴方の取り締まり方は、別段貴方でなくても出来る程度と申しているのですわ。

 過去の記録を見直しましたが、魔法の使用事故は全く減る様子がありません。

 貴方の代に変わって、何かが変わったということはないのです。

 単に会頭を勤めた程度では、十文字家の名と力に頼っている印象しかありませんわ。」

「悪いが、家名を背負うことの責任の重さについて、お前にとやかく言われる筋合いはない」

「周りの評価は大切ですわよ?

 それに、この間の剣道部と剣術部の問題ですが。

 厳重注意で済ますなど、それこそ貴方が凡庸であることのいい証しですわ。

 退学処分でも文句は言えない違反を犯したというのに。

 取り締まりと聞いて呆れます」

「事を大きくしないためだ。

 桐原は将来有望な魔法師だ。

 彼ほどの実力者をここで潰させる訳にはいかない。」

「違いますわ。

 貴方はただ魔法師を罰することを恐れたに過ぎませんわ。

 今のご時世、魔力師を無下に扱うとどんな反感を買うやらわかりませんものね?

 将来有望と評価される者だとしたら尚更です。

 だからこそ、貴方はこれまで通り、無難で保身的な選択を取ったのです。

 記録からも、過去に1科生が罰則として退学された例はありません」

「邪推はよしてもらおう。

 厳重注意といったが、やつは人に危害を与えかけた程の違反を犯した。

 当然、ただでは済まさんつもりだ。

 しかし、それはおまえには関係のないことだ。

 今はお前の依頼の話のはずだ」

「秩序と統制に犠牲はつきものです。

 現部活連会頭さんは現状の深刻さが見えてないのようですわ。

 それに。

 犠牲の必要性は十文字の名がしかと貴方に教えているはずです」

「お前は一体何を言っている………!?」

 

 十文字の視界に突如閃光が走った。

 八雲が突如CAD を起動し、レーザーを彼に向かって射出したのだ。

 

 何て速さか。

 魔法展開が十師族と同等な程だ。

 いや。それ以上か!?

 

 彼は素早く起動式を展開し、反射障壁を前方に出現させる。

 

 間に合った。

 

 レーザーが目前で反射する。

 軌道は明後日の方向に向かい、教室の一角が破壊された。

 

 十文字家は障壁に関する魔法で秀でた一族だ。

 故に、障壁に関しては飛び抜けて発現速度が早く、彼の右に出るものはいない。

 

 眼前の彼女程の魔法師の攻撃を防げたのも、彼の血筋と実力があってこそのものだ。

 

 危なかった。

 

 十文字は胸中安堵するも、すぐに厳しい顔つきになる。

 

「八雲。

 もはや問答無用だ。

 他者の傷害目的の魔法使用により、これより拘束させてもらう」

 

 そう言って彼は彼女の魔法を警戒し、反射障壁を展開しつつ、彼女に近づこうとした。

 

 しかし。

 

「甘いですわ」

 

 突如彼の目前には、自身が展開した反射障壁と同様の障壁が出現する。

 その障壁が彼の反射障壁に飛来し、衝突とともに両方の障壁が消失した。

 

「これは一体!?」

 

 そして彼女は手をかざし、瞬時に起動式を展開し魔法を発動。

 2度見たとしても、その発動速度には驚嘆する。

 

 彼は空気の振動を肌で察した。

 

「風の魔法かっ」

 

 単一系と呼ばれる魔法の中でも初歩の初歩。

 得手不得手はあれど、誰でも簡単に習得できる魔法だ。

 

 簡単故に、魔法発動は速い。

 

 身を守るため、十文字は硬化魔法を発動する。

 

 十文字家に相応しい人並み外れた処理速度故に、攻撃が被弾する直前に全身硬化は発動された。

 

 しかし。

 

「ぐはぁぁぁ!?」

 

 十文字はその場に耐えきれず、後方に吹き飛ばされ、壁に激突する。

 

 ズガァァァァン!!!!!!!

 

 轟音を奏で、特別製の壁面が崩れる。

 

 なんて凄まじい威力か。

 

 彼は壁にもたれ掛かり、その場に崩れ落ちた。

 硬化魔法により身体そのものに異常はないものの、痛覚は生きている。

 そのため、衝撃そのものの痛みが全身を走った。

 

 彼女が魔法に更なる魔力を集中していた場合、その威力は硬化魔法を凌駕するものであったであろう。

 

 骨どころか、筋肉や皮膚自体にも傷害がなかったのは不幸中の幸いであった。

 

「硬化魔法と呼ばれるものですか。

 以前、お目にかかりましたが、中々厄介な魔法ですこと。

 原子の連結を強固するだなんて。

 この魔法の発案者は考えたものですわね。」

 

 八雲はツカツカと彼に近寄り、しゃがみこむ。

 彼の顔色を伺うように覗きこむその顔は、とても妖艶に微笑んでいた。

 

「………八雲、貴様。

 俺の障壁魔法に何を…」

 

 解除魔法の類なのか。

 

 混乱する脳内に蔓延る疑問が口にこぼれる。

 

 しかし彼はそれを否定する。

 

 他者の展開した魔法を解除するなど、理論上は可能でも、実践することは叶わない。

 実践するにあたっては、解除する対象の魔法について深く理解する必要があり、また解除魔法自体に対しても適性がある者にしかできないのだ。

 

「ふふふ。

 三巨頭の一角ともあろうものが随分と取り乱しておられると存じ上げます。

 解除ではありませんでしてよ。

 これは相殺。

 先程貴方が出した障壁魔法を再現させて頂きました」

「ば、馬鹿な。

 俺の障壁魔法は十文字家独自が編み出したものだ。

 門外不出のこの魔法を再現など、出来るはずがない。

 ましてや、一度見ただけでそんな。」

「再現は言い過ぎましたわね。

 あくまでも模倣ですわ。

 大まかな術式を観測した後、独自で作り上げました。

 解除の方がより確実な対処が可能なんですけど、それには相応の調査と時間がかかりますから。

 同質の魔法をぶつけて力付くで潰させて頂きましたわ」

「あんな短時間でだと。

 貴様は、一体何者なんだ……」

「私、これでも魔導師ですので」

 

 聞き慣れない言葉に、彼の胸中には疑問符が浮かぶ。

 

 魔導師?

 

 彼は思考するも、それを許さないかのように彼女は言葉を畳みかける。

 

「貴方の実力の一端を担う、その魔法。

 十文字家のご先祖様方は、一体どれほどの苦労をされたのでしょうねぇ」

 

 いきなり何の話だ。

 

 十文字は訝しげに顔を上げ、彼女の顔と相対する。

 

「その家独自の魔法を扱うのでしたら、当然、術式だけではなく、その成り立ちや沿革についてもお学びなられるのでしょう?

 魔法科学は常に日進月歩。

 発展にあたっては、その大元を深く理解する必要がありますもの。」

「何が言いたいのだ?」

「犠牲についてです。

 そしてその隠蔽は弱みとなる。

 貴方の使用する魔法の開発に、いかほどの事が秘密裏になされたのか。

 貴方も次期当主なのですから、よぉくご存じのはずですわ」

 

 見れば、彼女の手には資料の束が揺れており、彼女はその資料をバラバラと彼の目前に手放した。

 資料が床に散らばる。

 中には写真も挟まっているようだ。

 

 十文字は資料を手にとり、目を通す。

 

 そして、彼の顔から血の気が引いた。

 

「俺を…………揺する気か?」

 

 大いなる力を手にするには、相応の努力が必要となる。

 その努力の内には、決して良いものばかりではない。

 彼の先祖は立場を得るためにも、必死に独自の魔法

を開発し、発展に尽力した。

 魔法の研究。

 魔法とは人から発現するのだ。

 故に、実験対象は人間となる。

 

 現在こそ規制されているが、十文字家には我先にと発展を夢見て、非人道的な実験が行われた過去がある。

 

 その資料には、とても他者に公開できるものではない内容であった。

 

「嫌ですわ。

 この程度で揺するだなんて、滅相もありません。」

「俺はお前に屈するつもりはない。」

「あら、強情なお方。

 芯がお強いのですね。

 

 ……私も初めは藍の風紀委員枠を頂くだけのつもりでしたが。

 気が変わりましたわ」

 

 八雲は妖艶に浮かべるその笑顔に、更なる深みのある笑みを張り付けた。

 

「部活連会頭の座を、即刻私に引き渡して貰えませんか?」

 

 十文字は初め、何を要求されたのか理解できずにいた。

 しかし、彼女の言葉を反芻する内に、表情に驚愕の色を浮かべた。

 

「そんなこと、できる筈がないだろう!」

「ならこの資料を元に、十文字家にまつわる悪事を広めるまで。

 私、口が過ぎるようでして。

 あることないこと、尾ひれがついてしまうかも知れませんわねぇ」

「八雲。

 十師族に、引いてはこの十文字家に手を出してただで済むと思っているのか?」

 

 十文字は厳格な視線をもって、八雲を睨み付けた。

 しかし、彼女は全く意に介する素振りもなかった。

 

 自身の屈強な体つきと厳つい容貌に対し、彼は自覚があった。

 それ故に、眼前の彼女が自身の威嚇に対してまるで動揺しないことに、彼は内心異質な不気味さを感じた。

 

 八雲紫。彼女は一体何を企んでいるのか。

 

「そういえば聞いて頂ける? 

 私、最近お友達ができましたの。」

「はぁ?」

 

 突然の話題の展開に、十文字は目を白黒させる。

 しかし、八雲は彼の様子などお構い無しに、コロコロと笑って話を続けた。

 

「中学生の兄弟でしてね。

 美人なお姉さんだなんて、とてもうれしいことを言ってくれるよ?

 最近の中学生はお世辞が上手いんだから、もう。

 喫茶店で紅茶まで奢ってもらいまして、私も困ってしまいますわ。

 ラグビーでもしてたのかしら?

 筋骨逞しい兄弟でしたわねぇ」

 

 話を耳にする内に、十文字の顔が次第に悲壮な様相を呈してくる。

 

 まさか。

 

 八雲が突如、思い出したといった感じに「ぽん」と手を叩く。

 

「そうそう。

 学校の帰りに偶々遭遇した女の子もいましてね。

 その子もね、『お姉さんと友達になってあげる』だなんて、可愛いげのあることを言ってもらえたの。

 小学五年生なんですって。

 ちょうど貴方のようなお兄ちゃんがいて、自慢げに話していたのよ?

 かわいいわねぇ。」

 

 その言葉を切っ掛けに、彼は激昂とともに咆哮を上げる。

 

「貴様ァァァ!!

 俺の弟と妹に一体何をしたぁ!」

「何もしてませんわよ。

 まったく、私を何だと思ってるのかしら?

 有力者の考えることは犯罪的で物騒ですわね。」

「信じられるかっ。

 本家で厳重に管理されているはずの資料を突きつけた上に、家族のことまで調べおって。

 八雲、貴様一体何を企んでおるのだっ?」

「教える義理はありませんわ。

 それに心配なさらずとも、貴方のご弟妹はちゃんと今朝も登校されていますわ。

 今日も無事何事もなく帰路につきますとも。

 貴方から良い返事を頂ければ、ええ、きっと帰ってきますわよ。」

 

 十文字は呆然とする。

 家柄から、自身の命を狙われることは幾度もあった。

 しかしそれは、力をつける内に、何の脅威にも感じなくなった。

 彼は油断はしていないつもりだった。

 しかしまさか、学校で家族を人質に脅迫されるなど予想もしなかったのだ。

 それも新入生にだ。

 

 眼前でおかしそうに見つめる八雲の笑顔を、彼はただ見つめるしかできなかった。

 

 

 

 

 別の日の放課後。

 

 生徒会室では、服部副会長を除いたいつもの生徒会メンバーに加え、司波兄妹がともに居合わせていた。

 

 七草真由美が机を叩く。

 

「それは一体どういうことですか!?

 十文字君が八雲さんに会頭の座を譲っただなんてっ。

 私は何も聞いていませんよ!?」

「それは私も同じだ。

 本人にも直接聞いたんだが、どうやら本当に譲ったらしい」

 

 取り乱す七草を宥めようとする渡辺摩利だが、七草に落ち着く様子はなかった。

 それもそのはず。

 友人が何の相談もなく、責任ある立場を他者に明け渡したのだ。

 冷静を保つほうが不自然だ。

 

「部活連会頭の選任は、生徒会長の私に決定権があるはずですっ。

 たとえ、十文字君が会頭をやめたとしても、私に断りもなく、他の人に会頭を譲るなんてできる筈がありません」

 

 この学校は生徒会長と風紀委員長は選挙によって選ばれるが、それ以外の役職は基本的に生徒会長に決定権があった。

 故に、部活連会頭も例外ではない。

 

「しかし会長。

 学校側は正式に承認しているようですよ。」

「嘘っ!?

 でも、これは不当よっ。

 絶対に何か理由があるに違いないわ。

 

 ……私も十文字君に直接訳を聞いてくる」

「やめておけ、真由美。

 あいつはきっと何も話さん。

 

 ……私が理由を聞かなかった訳がないだろう。

 

 でもあいつは『すまない』と、そう謝るだけだったんだ」

「でも」

「それに私は、あいつのあんな悲痛な顔、今まで一度だって見たことなかった。」

「摩利……」

 

 摩利は俯き、悔しみの色を覗かせる。

 拳は硬く握りしめられていた。

 

「お兄様。

 これは………」

「ああ。

 キナ臭い事件の臭いがする。

 十文字先輩と八雲紫の間に、きっと何かがあったに違いない。

 それも秘密裏にだ」

「八雲さんは、一体何を企んでいるのでしょうか?」

「わからない。

 今はとにかく情報が少なすぎる。

 これは調べる必要があるな。」

 

 達也は八雲に対する警戒度を最大にする。

 

 もし八雲の何かしらの陰謀に、深雪が巻き込まれた場合は。

 

 もしもの仮定に、達也は胸中黒い感情を燻らせる。

 

「そ、それに。

 部活連の方々も会頭の急な交代に、大変混乱しているようです。

 ……十文字先輩、人望が厚いお方でしたから余計に。」

「加えて、退学処分届も5通ほど届いています。

 どれも部活中の違反魔法使用によるものです」

 

 中条あずさと市原鈴音も会話に加わる。

 中条は特に不安げな顔を呈していた。

 

「退学処分だなんて、私たちに何の相談もなく決めるなて。

 いくら部活連会頭でも、これは横暴だわ」

「しかし。

 退学処分を下された者達の経緯を読むと、八雲さんは規則に則った対処をされています。

 十文字さんなら厳重注意で収まるよう取り計らった後、自ら厳しく指導に行かれるかもしれませんが。

 部活関係のことは基本的に部活連会頭に裁量権があります。

 言いたくありませんが、これが本来の形かもしれません」

「正直言って、この処分届けにこちらが異論を唱えても、こちらに正当性がないですよ。会長ぉ」

「会頭への着任には、手順に不当性がありますが、学校側は正式にこれを認めています。

 こちらが何を言っても無駄でしょうね」

 

 市原は淡々と話すものの、その表情はどこか暗い様子だ。

 彼女の言葉に、七草は返す言葉がなく項垂れる。

 

「とりあえず、今は八雲に会う必要があるな。

 明日あたり直接あたって話を聞き出すぞ。

 全く、会頭になったらなったで、向こうから報告するのが筋だというのにな」

 

 摩利の言葉をもって、その日の身内だけの会合は終わった。

 

 

 しかし後日、部活連本部にて、紫との会合を設けても軽くあしらわれるだけで終わった。

 

 摩利の怒声にも、紫は全く応えなかった。

 

「十文字のあんな悲痛な顔は、これまでの付き合いで1度だって見たことがなかったんだぞっ。

 これが何もないわけがあるかっ。

 言えっ。

 あいつに何をしたんだっ!」

「風紀委員長には関係のないことですわ。

 それは彼個人の問題です。

 話す義理もありませんので、私的に聞きたいのであれば彼からお聞きくださいな。」

 

 そう言って、紫は生徒会役員の辞退の旨を報告し、彼らをつっぱねるのみであった。

 

「八雲お前というやつはっ」

 

 摩利は掴みかからんばかりに紫に向かうが、鈴音とあずさが止めに入る。

 

「止めるなっ、二人とも」

「落ち着いて下さい。

 ここで事を起こせば、貴方の立場も悪くなりますよ」

「そ、そうですよぉ。

 摩利先輩、落ち着いて下さいぃ」

 

 三人がわたわたともめる中、達也が前へと出る。

 

「八雲紫。

 ここにいる皆がお前の会頭就任に関する詳細を聞きたがっている。

 お前の就任が、不当であることはもはや明らかだ。

 部活連の下の人達も不信感を示している。

 このままでは、折角会頭に就任したとしても、会長によって下ろされてしまうぞ。

 ここはしっかり全員に説明し、理解を求めた方が懸命だと思うが?」 

「あら、一介の風紀委員さんがでしゃばるじゃない。

 でも心配は無用よ。

 生徒会長にいくら権限があるからといって、明確な根拠なき権限の使用は無効とされるのよ。」

「だとしても、首脳部間で不信感をもちあっていては、これからの共同活動に支障がでる。」

「悪いけど、これは八雲と十文字家の問題なの。

 貴方がおいそれと踏みいっていいことではないのは、理解して頂けないかしら?

 仮に話すにしても、私も十文字家の許可もなく話すだんなんて不躾な真似は出来ませんわ」

 

 会頭の席にゆったりと座る紫は、座席を回して、オホホと笑った。

 

 達也は無表情でそれを眺めるが、次に七草が前に出た。

 

「八雲さん。

 あなたが会頭に就任したことには、学校側の承認がある以上私もとやかくいうつもりはありません。」

「流石生徒会長。

 理解が早くて助かりますわ」

「ですが。

 この退学処分の件については、もう少し話し合いませんか?

 彼らは将来期待される貴重な魔法師達なのです。

 有能な魔法師を輩出することを理念とする第一魔法学校の立場からしても、この選択は見直すべきかと私は考えます」

「私はその理念を踏まえての選択ですわ。

 決定は覆りません。

 学校側にも私の考えは通してあります。」

「で、ですからその考えを教えて頂きたく……」

「力には相応の責任が付きまといます。

 地位や権力に限らず魔法もです。

 そう思わないかしら?」

 

 唐突な問いかけに七草はきょとんとした。

 彼女は「え、えぇ」と生返事を返す。

 

「ですが嘆かわしいことに、この学校の皆さんはその責任のなん足るかをよく理解していません。

 理解する気もないのよ。」

「そんなことはありません。

 皆さんは魔法の力を役立たせるべく、この学校に入学し、日々学んでいるのですから」

「魔法の違反使用は今だ最上級生にも多く見られるわ。

 それがいい証拠でしょう。」

「そ、それは」

「むやみやたらに魔法を使役することの危険性を理解できていない。

 この前に聞いた剣術部の高周波ブレード。

 あれこそいい例でしょう。

 ひと度、殺傷事件にでもなってさえいれば、生徒の皆さんは認識を改めたでしょうに。」

「その口振りだと、まるで人殺しでも起きればよかったと言っているようだな」

 

 摩利の怒気のはらむ声が室内に響く。

 しかし、紫はそんな彼女の怒りなど全く相手にする様子はない。

 からかうように含み笑いをするのみだ。

 

「とんでもありませんわ。

 未遂で済んで、私も心底安心しているのよ。

 将来有望な生徒が、ここで潰れるなどあってはなりませんもの」

「で、でしたら。

 八雲さんが退学と言い渡した方々だって、もっと考えてくれてもいいのではないですか?」

 

 あずさが遠慮がちに発言する。

 しかし、紫はちらりと視線をやる程度で、あずさの言葉を意に介した様子はない。

 マイペースに話を続ける。

 

「この法治国家において、彼らは魔法使用することが、自身にどう返ってくるのかを充分に理解できていないのです。

 そういえば本校は元々偏差値の高い学校でしたね。

 少年院の存在を遠い架空のものと考えていらっしゃるのかしら」

 

 紫はお得意の仕草で、口元を扇子で隠し、呟くように言った。

 

 摩利はイライラした。

 八雲の意図がまるでわからないのだ。

 話が脱線を繰り返し、結局何が言いたいのかが理解できない。

 

「八雲、お前は何が言いたいのだ。

 責任の話はどうした!?

 私はこんなことを聞きたいがために、ここに来た訳ではないのだぞっ」

「総じて責任の話しかしていないわ。

 学校の理念は有能な魔法師の輩出。

 故に私は、自身の力を制御できる、自律した魔法師が育成される環境をつくることこそが、私の役割と存じ上げます。

 最低限のルールすらろくに守れない者はここにいる資格はないのです」

「なるほど。

 だからこその退学処分ということか」

「そうですわ。

 理解頂けて何より。

 これは他の生徒への見せしめであり、教訓なのです」

「そ、そんなぁ」

 

 あずさは「あわわ」と泣きそうな顔を表す。

 

「私は規則に則っとり、必要があれば、今後も躊躇なく退学処分を取り続けます。

 これが私の会頭としての態度です。

 これは学校側にもよく言い含めておきましたので、学校からの承認も得ていますわ」

「が、学校側がお前に味方したと!?」

「これは、ここ第一魔法高校の非でもあるのよ。

 

 今だ世界では、人種差別や民族紛争、宗教対立など、多くの形で差別を根本とする問題がある中で、この校内での差別意識は異常といっていいでしょう。

 

 生徒の自主性を重んじると盾をとり、ここまで生徒の差別思想を放置したのは職務怠慢も甚だしい。

 

 少しつつけば、学校側もようやく本腰をいれてくれたみたいですよ」

「はっ。

 学校を脅すとは、いい度胸してるじゃないか。

 私にはとても真似できん」

「ええ。

 十文字先輩も一緒でしたから、頼りになりましたわ」

「っ!」

 

 紫はからからと笑った。

 摩利は確信する。

 やはり十文字と八雲との間で何か交渉がなされているのだ。

 そして、恐らく、十文字は利用されている可能性が高い。

 直感的に彼女はそう判断すると、彼女は机を挟んで、紫の胸ぐらを掴みかかった。

 

「言えっ。

 十文字に何をしたぁ!!」

「何もしていませんよ。

 強いていうなら家族ぐるみの付き合いがあるだけですわ」

 

 紫がそう言うと、摩利の視界が突如眩しくなる。

 

 なっ!?

 

 これは起動式の光。

 紫が起動式を展開し、魔法を発動させたのだ。

 

「がはっ!!」

 

「摩利ちゃん!?」

「摩利先輩!!」

 

 摩利の頭部が机へと猛烈な勢いで垂直に激突する。

 

 机から起き上がろうにも、頭部が机から離れない。

 摩利は顔面に走る痛みに耐えながらも、顔を横に向け、横目で紫を睨みつけた。

 

「く、重力系か……」

 

 摩利は憎々しげに呟く。

 しかし一方、達也は無表情ながらも内心驚愕していた。

 他の生徒会達も動揺を顕にしている。

 

「こ、これは……」

 

 すぐに助けに入るべきであるのに、達也は動けないでいた。

 足が動かないのだ。

 まるで地面に足の裏がはりついたようだ。

 

 それは他のメンバー達も同様であった。

 

「悪く思わないで下さいな。

 貴方がたも私に手を出さないとは限りませんので、拘束させていただきましたわ。」

 

 今だ、達也の内心は驚愕が支配している。

 自身が拘束されたことではない。

 

 何故キャスト・ジャミングが発動しない?

 

 現在の彼の疑問はその一点につきた。

 

 達也は確かに紫の起動式を妨害すべく、両腕のCAD からサイオン(魔力)を放射した。

 

 しかし、彼女の起動式は健在だ。

 

 一体何故。

 

 達也は釈然としない現状を打開すべく、もう一度キャスト・ジャミングを放った。

 すると、他の方向から波紋状のサイオン(魔力)が達也の目に観測され、達也はまたもや驚いた。

 

 後ろから。

 

 それも、これはキャスト・ジャミング!?

 

 一体誰が。

  

 波紋状のサイオン(魔力)の源を辿れば、ある人物が目に写った。

 

「……八雲藍」

 

 そう。

 藍はいつの間にか、彼らの背後に陣取っていたのだ。

 達也は目を細めて、藍を睨む。

 

 自身の気配察知をどうやって凌いだのか。

 

 キャスト・ジャミングの使い手は彼女であることは明白。

 達也の警戒心は最大級の警鈴を鳴らしていた。

 

 達也は紫へと視線を戻した。

 

「流石新入生総代だ。

 まったく、手も足も出ないな」

「それは幸運ですわね。

 迂闊に触れていたら火傷するわよ?

 初な少年に私の情熱は耐えられませんから」

「あの一瞬で重力系、いや、引力系の魔法を2回連続で打ち出すとは。

 規格外の処理速度だ。」

「ねぇ、スルーはやめてくれない?」

 

 紫の発動速度は異常だった。

 あまりにも刹那的なことから、達也は全く対応できなかったのだ。

 一つ目の重力操作による摩利の頭部の落下。

 あの速度で頭部だけを限局した精密技術。

 

 そして二つ目のこの場全員の引力操作による床と足の固定。

 これもあの一瞬で全員分の足の裏のみを選択し魔法を発動している。

 総代は伊達ではないということか。

 

 仮にこれが攻撃性の魔法であれば、対応出来ない可能性が高い。

 

 紫の魔法の発動速度はそれほどまでに埒外なものであった。

 

 この時、達也は紫を無意識に敵として認識した。

 

 

 別の日、風紀委員本部。

 

 摩利は髪をかき揚げ、ため息をついた。

 

 ちっ。

 

 先日の八雲の小馬鹿にした対応がいまだに心にくすぶっていた。

 ふと考え事をすると、その度に頭の端に当時のことが思い出される。

 

 内心苛立ちが沸々と沸き上がると同時に、別の懸念も沸いてくる。

 

 先日、八雲の選任より配属された八雲藍のことだ。

 

 八雲の企てかと警戒するも、今のところ藍に不審な素振りはなかった。

 

 それでも八雲の従者であり側近だ。

 何かあるはず。

 

 摩利は顎に指を添え、思考する。

 

 彼女に探りをいれるか。

 

『私は今現在、紫より命令を預かっていない。

 また、命を受けていたとしても口外することはできん』

『そうか。

 従者というだけあって口は固いようだな。

 先日あれだけ司波に大口を叩いていたのが嘘のようだな。

 豪快に足元を掬われた気分はどうだ?』

『…………………』

『だんまりか。

 口車に乗って、何かこぼすかと期待したが。

 存外お前は冷静なようだな』

『要件がなければ失礼するが?』

『………もう行っていい。

 それと、先輩に対する言葉使いはしっかりするよう』

『………了解しました』

 

 藍と相対した時のことを思い起こし、首をふる。

 摩利は詮索は無理だと判断した。

 

 今のままでは考えるだけ無駄か。

 

 摩利は気分転換も兼ねて、外に出た。

 人だかりの出来ている正門付近を見渡す。

 今だ部活勧誘期間の真っ只中であり、多くの出店が目立ち、賑わっていた。

 

 しかし、その賑わいは当初の頃とは違うものになっていた。

 

 苛烈な賑わいではないのだ。

 新入生を取り合うような、そんな行き過ぎた喧騒はまるでない。

 

 あの頃に比べれば穏やかと言っていい、そんな賑わいであった。

 

 藍が風紀委員に入って5日経つ。

 

 彼女は目に見えて優秀だった。

 

 司波達也に次ぐ、やり手の新人とも仲間内では噂されている。

 

 達也のような苛烈さはない。

 彼は違反者を次々と取り締まり、他の風紀委員に実力を知らしめていったが、彼女はそうではなかった。

 

 彼女は彼と同様に、淡々と、そして、粛々と仕事をこなしていた。

 

 しかし。

 

 異なっているのは、いさかいになる前に介入しているかいないのかの違いであった。

 

 彼女は硬い雰囲気ながらも摩利に似ていた。

 

 意外にもコミュニケーションに長けており、また彼女は物事を相手に理解させることにも秀でていたのだ。

 

 彼女は冷酷なまでに理路整然と、正論をもってその場を収めた。

 

 フットワークも軽いらしく、彼女は様々な場所に現れては、その場を口論の内に収めていった。

 

 そのため、彼女が入って数日。

 魔法使用による違反者は0。

 

 この部活勧誘で騒がしい時期にこの数字を叩き出すのは脅威のものだ。

 

「だというのに。 

 何だかな、この複雑な気持ちは。

 喜ばしいことなのに、素直に喜べんのは。」

 

 摩利はそう呟いては嘆息し、仕事へと戻っていった。

 

 

 




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