インフィニット・ストラトス ~ダークサマー~ 小話集 作:kageto
勢いって怖い
この侍従喫茶。おふざけが強い割にしっかりと考えられている。
入口の脇には執事姿で髪をうなじでくくった箒が見た目本物のスポンジ製ステッキを持って立っている。外来男性客が不埒を働こうとした時のための用心棒だそうだ。
自分は剣をふるうしか能がないからと志願していた。箒は箒で束さんといろいろ話したらしく、棘が少なくなっている。
俺ともいろいろ話をしたのだが、それはまぁ置いておこう。
受付案内役はメイドと執事がそれぞれ一人。
店内のテーブルは基本相席で回転率を上げている。
メニューはどれも500円以下。紅茶とケーキが片手で数えられるだけ。多くしすぎると裏方が回らないからな。
そして目玉商品が
『サマーアバンチュール ¥1000』
唯一の高額メニューであるこれは、注文すると、1から13に赤黒2色のジョーカーを入れたトランプを引いて、
2から10が出たら、出た数×30秒お嬢様姿の俺にお菓子を食べさせられる。
11がでたら執事服に着替えた俺がお客様にお菓子を食べさせる。時間300秒
12が出たらメイド服に着替えた俺がお客様にお菓子を食べさせる。時間300秒
13が出たら貴族っぽい男の格好をした俺がお客様にお菓子を食べさせる。時間300秒
1が出たら11から13を好きに選べた上に一つのジュースにストロー二本のアレが付く。
黒のジョーカーは1と同じ条件となるが、俺の膝の上に座れる。
赤のジョーカーは山田先生がメイド服でお菓子を食べさせてくれる。そして頭を撫でてくれる。
はっきり言おう。これを考えたヤツはバカだ。まぁ、シャルとのほほんさんなんだが。
ちなみにこのメニュー、食べさせるためのお菓子は別売りだ。
前日の予行演習でクラス全員がこのメニューを体験していった。
山田先生は12を引いて、シャルが2、そしてのほほんさんは赤のジョーカーを引いていた。あの瞬間のクラスの癒し空間度はすごかった。あとスイカとメロン。
初日の昨日、生徒だけでの開催の最初の客は話し合いがされてたらしく、簪、鈴、虚先輩の3人だった。簪は問答無用で執事服膝の上だったのは言うまでもない。ついでに言っておくと、鈴は6虚先輩は9を引いてた。
あ、簪は軽かったとだけ言っておく。
初日、それ以降は学園の全生徒を相手したんじゃないかと思ってる。
お菓子にジュースにと大量に摂取した俺の人としての尊厳もピンチになる瞬間が何度かあって大変だったが、俺の着替えを担当してた女子たちのほうがはるかに大変だったと思う。
予行演習のときは俺のパンイチ姿にきゃーきゃー言ってたのに、初日の最後は鬼気迫る表情をして、一切の無駄なく俺を着替えさせていた。お客の回転率の高さは彼女たちの成果と言って過言じゃない。
ちなみにお嬢様服は、昔のアニメの劇場版でかぶいてやがった主人公が女装した時に来ていたものを参考にしたらしく、貴族服は同じ作品の銀河を歌でふるわせたいヒロインの男装を参考にしたらしい。
最近簪に影響されてロボット系アニメを見始めたシャルが語ってくれた。
シャルもオタクに染まってくんだろうな。
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