織斑一夏の生涯   作:Akila?

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一夏の秘密……
それは、彼女にとって隠したかった【真実】


ごめんなさい……

 

束と白式は語る。

 

「真実」を……

 

 

 

「私がいっくんと始めて会った時、

何か違和感を感じたの」

 

「違和感?」と箒が気になって問う。

 

「こいつは昔から直感力が並外れていた。

それに関しては私より鋭い」

それに納得した者達。

 

千冬が認めたのだ、疑問もないと判断したのだ。

 

「それで、いっくんの髪の毛を採取してね …調べたんだ。そしたら「ま、待て!!束!!」……ちーちゃん……」

 

話の途中で遮る千冬。

 

「お前は……何を言うつもりだ!?」 「ちーちゃん……」 「やめろ……『あの事だけは』絶対に言うな!!」

 

 

 

『あの事』……皆それが気になる。

 

「こいつらの前で…そんな「だからこそだよ」束……?」

 

「この子たちの前だからこそ、言わなくちゃいけない……

 

だってこの子たち皆いっくんを 想ってるんだよ?

だったら言うべきだよ」 「グッ……」

 

束の言葉に、千冬は押し黙ってしまった。

 

 

 

「……確認するね?今から話す事は……君達にとってショックを受けるかもしれない……

 

…その覚悟はある?」

 

 

束の問いに少しの間を置いて全員が頷く。

 

 

 

 

それを見た束は、満足そうに頷いて話を続ける。

 

「その髪の毛のDNAを調べたら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちーちゃんのDNAと完全に一致したの」

 

 

 

 

…時が止まった

 

そう言う例えが当てはまる程に……空気が固まる

 

 

 

 

 

 

 

「ね、姉さん?それは……どういう……?」

 

箒は、震える声で聞く。

 

「そう……いっくんはちーちゃんと同一人物……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ちーちゃんのクローン』と言うことだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」俺は言葉を失った

 

知らなかった……俺が千冬姉の……

 

 

…でも、ずっと分からなかった事が分かった気がした

 

 

俺には小さい頃の記憶が無い

 

覚えているのは、6才かそれより少し前くらいの記憶だけだ

 

それ以前の記憶は、全く無かった

 

すっぽりと、頭の中から抜け落ちたみたいに……

 

それがずっと不思議だった

 

 

 

…だけど、今分かった

 

 

 

 

抜け落ちたんじゃない

 

 

 

 

最初から無かったのだと………

 

 

 

「…大丈夫ですか…?」

 

白式が俺の顔を覗き込む様にして、問い掛ける

 

 

その表情は、俺をとても心配しているのが分かる

 

 

 

…内心は穏やかじゃない

 

予想も出来ないその事実……

 

 

真実を知り、

膝を付いてしまうくらいに体から力が抜けていくようだ

 

 

…だが、俺は最後まで聞かなければならない

 

知らなくてはならない…そう感じた

 

 

俺の意思を理解してか、白式は話を続ける

 

 

 

 

「そして束お母さんは、

マスターの体を更に調べたそうです」

 

…そうか…束さんも俺を心配してくれたんだな……

 

千冬姉の、自分が心を許せる数少ない親友の弟だから……きっとそう思っていたとしても

 

そうやって心配してくれる事は、とても有難い………

 

 

 

……ん?、あれ…?

 

「体を更に調べた」…って言ったよな

 

 

確かに、束さん、そして箒と出会って当初は良く一緒にいた

 

だけれど、体を調べられた…って言う記憶は全然無い………

 

 

俺は少し、疑問を感じる

 

 

「…調べた…ってどうやって?」

 

「……えーと、あの………」 何故か言いよどむ白式

 

 

 

 

 

「束お母さんは……マスターに直接接触したそうです………

 

 

 

 

 

…夜な夜な………」

 

………

 

 

 

…そう言えば、その当時不思議な事が起こっていた

 

 

例えば朝起きると、やけに服が乱れていたり……

 

寝相が悪いのかと思ったが、それは時々で普段はそんな事は無く

 

 

……そう言う事なのか………?

 

 

 

 

「…………………」

 

再び俺は言葉を失った………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「………………………………………………」」」

全員、束を白い目で見ている

 

 

 

「あ、いや!だって気になったから!!

悪気は、無かったんだよ!?本当だよ!?」

 

 

 

 

「……姉さん?」「……束?」

「は、ハイ!!!」

 

「「後で、話をしようか……?」」

「い、イエス……」 束は、悟った…………

 

 

 

 

 

あ、こりゃ死ぬな……と

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……」「話を続けても?」

「あぁ、悪いな白式」

俺は呆れる気持ちを押さえて、白式に向き直る

 

「それで調べた結果…貴方の細胞が、

不規則に破壊されていることに気づかれた。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだそこまで早い訳じゃ無かったけど、

嫌な予感がしてね……薬を投与したんだ。」

「薬?」

 

これ、と差し出したのは風邪薬の様な見た目のカプセル状の物だ。

 

「これには細胞の破壊を抑える成分が入っていて、

私は定期的にいっくんに投与していた。

 

それによっていっくんの不規則な細胞の破壊は無くなって、通常な状態に出来ていた

 

 

でも……」

 

 

 

 

 

「束お母さんの予期せぬ事態が起こった」

「予期せぬ事態…?」

 

はい…と、白式が頷く。

 

「貴方の細胞の破壊が………急に早くなった」

「!!!」

 

「薬も効かなくなってしまった……

… だから束お母さんは…」

 

 

 

 

 

 

 

「だから私は、いっくんに『贈り物』をしたの」

「…その贈り物って……まさか……」

 

 

「そう……いっくんの専用機………」

 

 

 

 

 

 

 

「お前か……」

「はい…私の搭乗者の治癒能力で、細胞の破壊を食い止める……それがお母さんからの私への頼みだった。

 

その計画は上手くいった……筈だった…… でも………」 「………………」

 

 

 

 

 

 

 

「細胞の破壊は、続いていった……」

そのまで言った束の顔は暗く……

 

そして悲しげだった

 

「何とか……ならないのでしょうか…… 姉さん……」

ここにいる全員が、望んだ。

何か手がある。

 

その束の返事を   だが

 

 

「……ごめんなさい」

 

 

 

 

 

「もう……私にはどうする事も出来ない

…… わからない……どうすればいいのか……

 

…ごめんなさい

 

……ごめんなさい……ごめ…ん…っ」

 

 

 

手で顔を覆い蹲りながら泣いて謝り続ける束

 

こんな彼女を箒も千冬も見たことが無かった。

 

だからこそ悟った、 もう……どうする事も出来ないと。

 

 

 

 

 

「……ごめんなさい……」

と白式は、一夏を見て謝る。

 

 

「ごめんなさい……守る事が出来なくて……

本当に……ごめんなさい………!」

 

何もする事が出来ない自分の無力さと

 

約束を果たせない事への悔しさで、彼女は泣き続けた。

 

 

始めて見る彼女の顔は、綺麗だったが……

 

悲しみと悔しさに染まっていた。

 

そんな彼女を一夏は

 

 

 

「……」

 

スッ…… 「!マスター……?」優しく、抱き締めた

 

 

「……ありがとう白式……」

「……な、何故礼なんて……

 

私は、貴方を守れなかったんですよ!!?

なのになんで───」

 

 

 

「……お前がいなかったら、俺はここに生きていない。

ここまでこれたのは、お前のお陰だよ。

礼を言って当然だ。」

 

「………私を恨まないんですか……?」

白式の問いに一夏は笑顔で応える

 

 

 

「恨む訳ないだろ?お前は……

 

俺の大切な 『相棒』なんだから」

「!!!!!!

 

──ぁ…ぁぁッ……!」

 

白式は一夏に駆け寄り、抱き付いた

 

背中を強く掴み、

そのまま声を上げて白式は泣き続ける。

 

一夏はずっと彼女を抱き締めていた。

 

 

 

「…お前も、ありがとな…白騎士」

一夏は自分の前に、

いつの間にか現れた彼女に声をかけた。

 

「……」プイッ……

白騎士はソッポを向いたが、

その顔は照れたように頬が赤く染まっていた

 

 

 

(こんなにも……俺は皆に想われていたんだな……)

 

 

 

千冬に束に白式、白騎士……

皆自分の事を 大切に、想っていた。

 

その事に一夏は、やっと気付く事が出来たのだった。

 

 

 

 

 

未だ泣き続ける束。

 

「……」スッ…… 「!?箒ちゃん?」

そんな束を箒は抱き締めた。

 

「……自分を恨まないで下さい。

 

貴方は、頑張ったじゃ無いですか……

一夏を想い、頑張った……」

 

そりゃ、夜な夜なは良い気はしませんけど…… と箒は苦笑いし言う。

 

「だから貴方を責める人間はいないよ ………

 

 

 

 

 

お姉ちゃん」 「!!!」

 

「う───ウワアァァァ!!!」

 

束は箒の腕の中で泣き叫んだ。

 

子供の様に…… 今まで溜め込んできた

 

我慢して来た物を全て出す様に

 

 

 

 

そんな彼女を責める者は、誰1人いなかった───

 

 

 

 

 

 




一夏の短命化の設定ですが、これはある存在から考えました。

クローン羊のドリーを知っていますか?

その羊は、世界で始めて作られたクローン生物でした。
しかし、その羊はその後直ぐに死んでしまいました。

もし、それが人だったら……と思いこういう設定にしました。


…少し無理があるかもしれませんけれど………


結構無理でしたでしょうか…?
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