織斑一夏の生涯   作:Akila?

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ぶつけ合う気持ち


本心

 

箒は中庭のベンチに座って黄昏ていた。

 

 

 

そこに近付く気配。

箒はその気配を感じ、目を向けると

 

「箒」 「一夏……」

一夏は箒に隣に座っていいか承諾を得て、

腰をおろした。

 

「どうしたんだ?こんなとこで1人で?」

一夏が聞くと

「少し、外の空気が吸いたくてな……」

ふぅーん…と呟く一夏

 

「お前こそどうしたのだ?

私を探していた感じがするが……」

 

 

「ああ、まずは謝りたくて。ほんとにごめん。

黙ってて……」

 

「一夏………私もすまなかったな……」

「?箒は別に謝る必要ないだろ?」

 

 

「……私は、お前の苦しみや、恐怖を分かる事が出来なかった……お前を支えようと思ったのに……これじゃ、幼馴染み失格だな……」 箒が目を細め言うと

 

「……馬鹿だな」「え?」

 

「お前は俺を助けてくれたじゃねぇか、

何度も何度も……それにな

 

幼馴染みになるのに、権利も無いだろ」

「一夏………」

 

「正真正銘、お前は俺の幼馴染みだよ」

「……ありがとう…」

 

「此方こそ…本当ありがとう」

 

一夏は少し間をおき語りだした。

「…俺さ……目指したい事があるんだ」 「?」

 

「この世界は……争いが絶えない… その争いが憎しみを生んでいく…スコールのように」

スコールは恐らく世界の争いで大切なものを奪われ、憎しみに支配され亡国に入った。

 

「俺は…その争いを無くしたい。」

「一夏……」

「勿論、今の俺じゃ力不足なのは分かってる。

 

それに…そこまで俺は生きられない」

 

ズキッ…箒はその言葉に痛みを感じた

 

「だから……箒」「何だ…?」

 

「俺の思いを…願いを箒に託したいんだ。」

「…え?」

 

「箒なら任せられる、

叶えられるって思ってるから」

 

箒はどんどんと気持ちが抑えられなくなるのを感じた

 

 

───やめろ…それ以上言わないでくれ───

 

 

 

 

 

 

「俺が『死んでも』俺の願いが果たされるって思ったら……安心して死ねる……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな事言うな!!」

 

一夏の言葉で完全に気持ちを抑えられなくなった箒は、彼の言葉を遮り叫んだ。

 

「そんな事……言うなよ………死ぬなんて……言わないで……私……私は………」

 

自分の想いを伝えたい………

 

そう想っても口から出るのは

嗚咽混じりの泣き声だけ

 

こんな所でも私は……と自己嫌悪に陥っていると

 

 

 

「………」 「!一、夏…?」

一夏が箒を抱き締めてきた。

 

そして打ち明ける。隠していた本心を…… まるでダムが決壊するように口から溢れだしていく───

 

「俺…怖いんだ……本当は………」

「!…一夏……」

箒は一夏が泣いているのに気付いた

 

 

 

「死んだら何も見えなくなる…… 何も聞こえなくなる…… 何も感じなくなる…… 皆と会えなくなる……

 

箒と会えなくなる……」「一夏………」

 

「怖い、考えるだけで………俺は……まだ……」

 

一夏は箒と向き直り、

涙でぐしゃぐしゃになった顔で叫ぶ

 

「…死にたくない!!!」

「!一夏……!!」

 

2人はそのまま抱き締めあって泣き続けた。

涙が枯れるまで

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は生きるよ」「一夏……」

泣き止んだ2人は再び向き直り、一夏が語る。

 

「最期の最期まで生きる……生きてみせる!!」

「……」

 

「だから、箒……」「うん?」

 

「支えてくれないか?」 「……うん」

 

箒が、笑顔で頷くと一夏もつられて微笑んだ。

 

「箒…俺はマドカと決着をつける」

「一夏…それは……」

 

 

「大丈夫。箒が心配してるような事にはならない」

「えっ?じゃあ……」

 

 

「俺はマドカに……」

 

そして一夏は箒に自分の決意を語った。

語り終えた一夏に箒は聞く

 

「そんな事が……本当に可能なのか?

ある意味それは……」

 

「ああ、難しい事だ。 でも諦めたく無い。

マドカは…『俺たち』の家族だから」

 

 

「……分かった。私は信じる。 一夏を信じるよ。」

「ありがとう……箒」

 

 

 

 

 

決戦は2日後

 

自分の決意は、果たす事が難しい

 

もしかしたらマドカに殺されるかもしれないリスクが高まる、諸刃の作戦

 

 

しかし、箒が居れば…… 箒が信じてくれてると思えば……想えば大丈夫な気がしていた

 

 

 

(マドカ……) 始まる……いや終わらせる……

 

絶対に……!

 

 

 

         

         残る時間 後1週間

 




クライマックスまでもう少し……!
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