戦闘は少しだけです。
ではお楽しみ下さい!!
ここは、暗闇だ。
周りを見渡してもどこまでも続く黒。
他に何も無い。
正に『無』
コツコツ……
人の気配がする……
コツコツコツコツ…
どんどん近寄ってくる
そして足音のする方から人がやって来た。
その人物の周りだけが明るくはっきり見える。
その人物は、ヤツだった。
「織斑マドカ…」
そう名前を呼ぶと、ヤツは左手を前に出し
手に持っていた………
「ぐっ…」
銃を何の躊躇いも無く撃った。
撃たれた所が熱い……燃えるようだ……
ヤツは、俺の方にゆっくりと近づく。
俺は、痛みでうずくまり動けない。
ヤツは俺の目の前に立ち、完全に見下す様になった。
そうして、ヤツは右手に持ったナイフを
俺の胸に突き刺した。
「ウッ、く……」
……夢か……
夢見が悪いな
「俺は、負けたのか………」
完敗だった。
全く歯が立たなかった。
これが完全な敗北感というものなんだなと思った。
カラカラ……
「!!織斑君!!!目が覚めたんですか!?」
山田先生が入ってきたようだ。
「山田先生?」
「はい!そうですよ!!分かりますか!?
痛くありませんか!?」
おおぉ……
「な、何か欲しい物は……そうだ!!お腹!!
空いてませんか!?何か買って来ましょうか!?」
あーと、それと……と完全にパニックになっている山田先生に声をかける。
「山田先生、もう大丈夫ですよ?」
「本当ですか!?」
「は、はい」
「良かったです!!ホントに!!」
うぅ……と涙ぐむ山田先生。
心配してくれたんだな……と少し嬉しい。
「良かった!!良かったー!!!」
ハイ、心配してくれてるのは分かりました。
だから、、、、、
痛む身体に大声が響くので、少し静かに…
「山田先生、うるさいですよ………」
山田先生が騒いでいると、千冬姉が入ってくる。
「織斑先生…」「ここでは、先生と呼ばんでいい。」「千冬姉……俺どんくらい寝てた?」
「白式の搭乗者の回復機能が発生してる。
精々2時間くらいだ。」
まあ、傷はまだ治りかけだが…と言葉を一端止め、
「コイツに感謝しろよ
ずっと側にいたんだからな。」
千冬姉の視線を辿ると、俺のベッドの横に
突っ伏して寝ている箒の姿があった。
「箒……」
そう彼女の名を呼ぶとうぅん…と唸って
「一夏!!?」
と叫んだ。
痛いです……
「もう、大丈夫なのか!?」
「ああ、もう大丈夫だ。ありがとな」
そう礼を言うと箒は突然『泣き出した』。
「うぅ、グスッ」 「ほ、箒?」
「一夏ぁぁぁぁ!!!」 「ぐぎゃぁぁぁぁ!!!??」
「一夏!良かった!!うぅ、うえ~」
こんなに泣く箒は、始めて見た。
暫く俺は、痛む身体にムチ打って胸に飛び込んできた箒を優しく抱き締めていた。
泣き止んだ箒は、また寝てしまった。
箒は千冬姉が部屋に連れていってくれるらしく、俺は山田先生に肩を貸して貰いながら
自分の部屋へ向かっていった。
「ありがとうございました。山田先生」
「いえいえ、今日はゆっくり休んで下さい
痛むようでしたら、明日もお休みしても構わないので」
「いや、これ以上心配させたくないんで」
「もう……無茶は駄目ですよ……」
わかってます、と言うとニコリと笑って
「ではまた明日」
と言って去っていった。
「ふぅー……」
ベッドに転がり、今日の事を思い出す。
ヤツは、強かった。
だから俺も、もっと強くならねばならない。
何故だかそう強く感じた。
もっと………
翌日、教室にいくと案の定皆に心配され、
専用機持ちのメンバーにももう大丈夫なのかと言われた。
箒は泣いた所を見られたのが恥ずかしかったのか、顔を赤くしていたがこちらを見て、
ニコリと笑った。
その笑顔に妙にドキッとしたが、なぜだろう?
その数日後、俺はアリーナで訓練していた。
強くなりたいと思ったからだ。
ヤツに勝つには、もっと………
やっているのは、瞬時加速の応用技である
『多発瞬時加速』だ。
二重瞬時加速の更に応用の技でスラスターを連続で吹かせ、加速を更に断続的に行う。
「クッ!!!」
しかし上手くいかない。
だが、これくらいで諦めたくない。
暫く訓練していると、
「一夏。」
と箒が、紅椿を纏ってやって来た。
「箒、どした?」と聞くと
「一夏の訓練に付き合おうと思ってな」と言ってきた。
「へっ?」と間抜けた声を出すと、
「相手がいた方がいいんじゃないか?」と
言ってきた。
「箒……ありがとう。頼むよ。」
「ああ、任せろ。」
そして俺達は、対峙する。
箒は2本の刀、俺は雪片と雪羅のエネルギー爪を展開する。
ヤツは、二刀流で戦っていた。
しかもただ振るうのでは無く、巧みに振るっていた。
だから俺も、同じく2つの武器を身に纏ったのだ。
雪片の斬撃、それを箒は受け止め逆に斬りかかる。
それをエネルギー爪で弾きかえし、荷電粒子砲を発射。それを避ける箒が、レーザービームを放つ。
そして再びの剣閃劇。
2人の剣筋は美しく、まるで舞を踊っているようだった。
そうして、2人の訓練はアリーナの使用時間が切れるまで続いていった。
訓練を終えピットに戻った一夏と箒。
「ふぅ~……」と一息付く一夏を見て箒は、何処か疲労がたまっているように見えた。
「一夏?」「うん?なんだ?」
「明日なんだが、出掛けないか?」
「えっ?」
「お前少し疲れてそうだからな
その気分転換だよ」
強くなるには、休暇は付き物だ…そう付け加えられた一夏は少し考え
「そうだな…よし分かった
それなら外出届出さないとな……何時に出る?」
「9時頃でいいんじゃないか?」
「分かった、じゃ明日9時に待ち合わせよう」
その後どこに集まるか決め、一夏と箒は別れた。
しかし、重要な事を箒は今更だが気づいた。
「って!これってデートなんじゃ!!!」
ホントに今更である。
今回は山田先生たくさん出しました。
と言うのもですね……言いにくいんですが
山田先生の存在を忘れていて………
わざとでは無いんです!!
………はい、すみません本当………